2021/08/22

MSG 「神話」 / THE MICHAEL SCHENKER GROUP (1981)

CDの帯:神話 / マイケル・シェンカー・グループ

Album Cover (front): MSG / The Michael Schenker Group  Album Cover (back): MSG / The Michael Schenker Group  CD Case (back cover): MSG / The Michael Schenker Group

世の中の音楽フォーマットの主流がLPレコードからCDに代わって以降、自分が初めてCDとして買い直したマイケル・シェンカー・グループのアルバムが、1989年に廉価版として再発売されたこのセカンド・アルバム「MSG / 神話」(オリジナルLPレコードのリリースは1981年)だった。

その後、リマスターされたボックスセットを購入したので、今ではこのCDの音源を聴く機会は全然無いのだが、それでも、LPレコードの時代からマイケル・シェンカー・グループのアルバムの中でも一際大好きだったアルバムをCDで聴けるという喜びから、買った当時は繰り返し聴いていたことを覚えている。

自分がこのアルバムを好きな理由としては、何と言っても、楽曲の充実度が高いという点が第一に挙げられるのだが、それに加えて、バンド名をアルバムタイトルにしていることからも分かるように(マイケル・シェンカー自身もそういったバンドを主体とした方向性でアルバムを制作したとインタビューで答えていたような記憶がある)、サウンド・プロダクションという面に於いても、バンドとしてのアンサンブルやアレンジといった部分に重点が置かれている印象があり、それがより楽曲の魅力を際立たされているように感じるという点。しかも、どの曲もこれまた旋律が美しいのだ。

又、更に加えるなら、収録された楽曲に於いても、シェンカー&バーデンの曲のみならず、ポール・レイモンド単独で作曲された曲が収録されていたりと、マイケル・シェンカーのソロプロジェクトとも言えるファーストアルバムに比べると、他のメンバーの関与が増えて、よりバンドらしくなってきたなと感じる部分も挙げておきたいところ。

サウンド・プロデュースについては、御多分に洩れず(当時から音が軽いだの薄っぺらいだのと散々指摘されていた)、多少残念に思うところではあるが、それでも、先にも記したように、それを差し引いても余りある幾多の魅力がこのアルバムにはあるから、やっぱり自分はこのアルバムが好きなのだ。

 

[Official Audio]

▼ The Michael Schenker Group - But I Want More
https://www.youtube.com/watch?v=4uStO1yIKAA

▼ The Michael Schenker Group - Never Trust a Stranger
https://www.youtube.com/watch?v=NGhykwGIFiQ

▼ The Michael Schenker Group - On and On
https://www.youtube.com/watch?v=UuFFtkg4QLY

 

それはそうと、実はこのアルバム、以外にも、アメリカに於いてはマイケル・シェンカー・グループの全アルバム中、最もチャートポジションが高かったアルバムなのだ。

つまりは、ヴォーカリストがグラハム・ボネットに代わり、よりアメリカナイズされた次作のスタジオアルバム「Assault Attack / 黙示録」よりも、はたまた、アメリカ市場を狙ったリミックス版を差し替えてリリースまだった次々作の「Built to Destroy / 限りなき戦い」よりも上位にランクされたアルバムだったということである。

ちなみに、イギリスではこのアルバムと同じメンバーによる次作のライヴアルバム「One Night at Budokan / 飛翔伝説~MSG武道館ライヴ」が最上位の5位を記録している。

[補足]
以下は'80年代にリリースされたアルバムの英米日に於けるチャートポジション

• The Michael Schenker Group (1st Album) [1980] - UK 8位 / US 100位 / JP 59位
• MSG (2nd Album) [1981] - UK 14位 / US 81位 / JP 11位
• One Night at Budokan (Live Album) [1982] - UK 5位 / JP 25位
• Assault Attack [1982] - UK 19位 / US 151位 / JP 9位
• Built to Destroy [1983] - UK 23位 / US 201位 / JP 6位
• Rock Will Never Die (Live Album) [1984] - UK 24位 / JP 21位

 

CD: MSG / The Michael Schenker Group

TRACKLIST
1. Ready to Rock / レディ・トゥ・ロック
2. Attack of the Mad Axeman / アタック・オブ・ザ・マッド・アクスマン
3. On and On / オン・アンド・オン
4. Let Sleeping Dogs Lie / スリーピング・ドッグス
5. But I Want More / アイ・ウォント・モア
6. Never Trust a Stranger / ネヴァー・トラスト・ア・ストレンジャー
7. Looking for Love / ルッキング・フォー・ラヴ
8. Secondary Motion / セカンダリー・モーション

• Tracks 1, 2. 3. 5. 7. 8 (Written by Michael Schenker, Gary Barden)
• Track 4 (Written by Michael Schenker, Gary Barden, Chris Glen, Paul Raymond, Cozy Powell)
• Track 6 (Written by Paul Raymond)

NOTES
• 品番:CP21-6053
• CD発売日:1989年9月27日(再発盤 / Originally Released in 1981)

MSG - BAND MEMBERS (Listed on Back Cover)
• Gary Barden (ゲイリー・バーデン) - Vocals
• Chris Glen (クリス・グレン) - Bass
• Cozy Powell (コージー・パウエル) - Drums
• Paul Raymond (ポール・レイモンド) - Keyboards, Guitar
• Michael Schenker (マイケル・シェンカー) - Guitar

 

 

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2021/08/15

ザ・ピーターセンズのライヴが、本日 YouTube にて配信されました

昨年の9月に「オリビア・ニュートン・ジョンのカヴァーでも知られる2曲のカントリー・ミュージックのカヴァー」と題して取り上げたザ・ピーターセンズのライヴが、本日"YouTube"にて配信された。演奏されたのはアバの"Mamma Mia"やクイーンの"Bohemian Rhapsody"といった日本でも良く知られる曲を含む全6曲で、毎度のことながらも、息の合った演奏とハーモニーが堪能できた素晴らしいライヴだった。

[補足]
ザ・ピーターセンズ (The Petersens) は、アメリカのミズーリ州ブランソン出身のブルーグラス・ファミリー・バンド。

バンドは、ピーターセン・ファミリーのケイティ(長女)、エレン(次女)、マット(長男)、ジュリアン(末子)、カレン(母親)と、友人のエメット・フランツで構成されている。

 

▼ The Petersens - Fourth Live Concert from Branson

 

セットリスト(演奏曲)

1. Steel Rails [Lead Vocal - Katie] 01:00~
2. Mamma Mia [Lead Vocal - Ellen] 04:59~
3. Wade in the Water [Lead Vocal - Julianne] 09:17~
4. I Feel the Blues Moving In [Lead Vocal - Emmett] 13:55~
5. Carolina in My Mind [Lead Vocal - Katie] 19:25~
6. Bohemian Rhapsody [Lead Vocal - Matt] 25:39~

 

 

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オリビア・ニュートン・ジョンのカヴァーでも知られる2曲のカントリー・ミュージックのカヴァー

2021/08/08

THUNDER SEVEN 「サンダー・セヴン」 / TRIUMPH (1984)

LPレコードの帯:サンダー・セヴン / トライアンフ

Album Cover with Obi (front): Thunder Seven / Triumph

今回取り上げたのは、カナダを代表するロック・バンドのひとつ、トライアンフの7作目となるスタジオアルバム「Thunder Seven / サンダー・セヴン」で、自分にとってはこれが初めて買ったトライアンフのアルバム(LPレコード)でもあった。

実は、買いそびれて、今は入手困難となっている日本盤のCDが再発売されたら、リリース当時に買ったこのLPレコードと一緒に記事にしようと、LPレコードの画像だけを取り込んでずっと準備していたのだが、一向に発売されず、昨今の市場の状況からしても、この先、発売される見込みもあまりないようなので、今回、LPレコードの画像だけで記事にしたという次第。

当時の購入動機としては、ラジオで聴いた"Spellbound"に惹かれてというものだったのだが、それでも、まさかトライアンフがカナダのバンドだなんてことは思いもしなかったことで、トリオ編成であることや、はたまたドラマーがリード・ヴォーカルをとるバンドなどといったことも併せて、アルバムを買った後で知り得た事実に驚いたことを今も覚えている。

 

Album Cover (back): Thunder Seven / Triumph

アルバムは、以外と言っては何だが、思いのほか親しみやすく、バラエティーにも富んでおり、ヘヴィーロック一辺倒ではない許容範囲の広いサウンドが展開されている。

例えば、アルバムには2曲のインストゥルメンタル曲が収録されているのだが、1曲はランディ・ローズを彷彿するようなクラシカルな"Midsummer's Daydream"。そしてもう1曲が、ゲイリー・ムーアばりの泣きのギターが印象的なブルージーな"Little Boy Blues"と、インストゥルメンタル曲にしても、全く違うタイプの曲が収録されていたりといった感じ。

他にも、B面の中盤ではアカペラの"Time Canon"から"Killing Time"へと組曲のような展開が見られたりと、アルバムに起伏がありながらも、全体を通して散漫な印象はなく、むしろ様々な場面が展開される一つの作品といった印象がある。

当時の自分はと言えば、アルバムを買う前はもっとメタル寄りかなと思っていたので、予想していたサウンドとは多少違ってはいたものの、逆にそこに惹かれたようなところがあって、またひとつ魅力的なアルバムに出会えたと喜んでいた。

 

LP Label: Thunder Seven / Triumph  LP Label: Thunder Seven / Triumph

 

TRIUMPH - BAND MEMBERS (Listed on Inner Sleeve)
• Rik Emmett (リック・エメット) - Six and Twelve String Guitar, Guitar Synthesizer, Vocals and Backgrounds
• Gil Moore (ギル・ムーア) - Drums, Percussion, Vocals and Backgrounds
• Michael Levine (マイケル・レヴィン) - Bass Guitar, Keyboards, Synthesizers

 

Album Cover (front): Thunder Seven / Triumph

TRACKLIST
[Side 1]
1. Spellbound / スペルバウンド
2. Rock Out, Roll On / ロック・アウト・ロール・オン
3. Cool Down / クール・ダウン
4. Follow Your Heart / フォロー・ユア・ハート
[Side 2]
1. Time Goes By / タイム・ゴーズ・バイ
2. Midsummer's Daydream / 真夏の白日夢
3. Time Canon / タイム・キャノン
4. Killing Time / キリング・タイム
5. Stranger In A Strange Land / ストレンジャー・イン・ア・ストレンジ・ランド
6. Little Boy Blues / リトル・ボーイ・ブルース

NOTES
• Format: 12-inch Vinyl LP Record
• 解説・歌詞・対訳付

• Album: US 35位 (Gold / 2003-RIAA) / Canada 37位
• Singles: Spellbound - US 97位 / Follow Your Heart - US 88位

 

▼ Triumph - Spellbound (Live in HALIFAX)

 

▼ Triumph - Follow Your Heart (Music Video)

 

▼ Triumph - Midsummer's Daydream (Live in HALIFAX)

 

▼ Triumph - Little Boy Blues (Official Audio)