アメリカのワシントンD.C.に拠点を置くシンクタンク、ピュー・リサーチ・センターは今年(2025年)6月にカナダで行われた主要7カ国の年次首脳会議に併せて、アメリカと他のG7諸国の人々はお互いをどう見ているかといった国別好感度調査を行った。
ピュー・リサーチ・センターが今春実施した調査によると、アメリカ人は他のG7諸国に対して、これらの国の人々が米国に対して抱くよりも好意的な見方をしているとした。
例えば、アメリカ人の74%はカナダに対して非常に好意的、あるいはやや好意的な意見を持っているが、カナダ人のアメリカに対する同様の意見は34%となっている。
■ アメリカ人はG7諸国を好意的に見ている一方で、G7諸国の人々はアメリカに対してそれほど好意的ではないことを示すグラフ(上段-緑:アメリカ人がその国に対して抱く好感度割合 / 下段-青:その国の人がアメリカに対して抱く好感度割合)
全体として、アメリカ人の大多数は他のG7諸国に対して好意的な見方をしており、日本(77%)、カナダ(74%)、イタリア(74%)、英国(70%)についても少なくとも7割が好意的な見方をしている。しかし、G7諸国におけるアメリカに対する見方は、賛否両論、または否定的である。なお、最も好意的な見方を示しているのは日本であり、55%が米国に対して肯定的な見方をしている。
2024年春以降、イギリスを除く全てのG7諸国において、アメリカに対する好意的な見方が大幅に低下している。昨年は、フランスを除くG7諸国の約半数以上がアメリカに対して「非常に」または「やや」好意的な見方を示していた。
■ G7諸国全体で、アメリカに対する好感度が昨年から低下していることを示すグラフ(左-薄い緑:2024年 / 右-濃い緑:2025年)
G7諸国の中で、アメリカに対する好感度が最も低下したのはカナダで、昨年は南の隣国であるアメリカに対して54%が好意的な見方を示していたのが、今年はカナダ人の評価は約3分の1(34%)に落ちた。一方、アメリカに対して好意的な見方をしていないカナダ人は64%に上り、そのうち39%は「非常に好意的ではない」と回答している(昨年は、米国に対して「非常に好意的ではない」と回答したカナダ人は15%だった)。
又、ドイツとフランスにおけるアメリカに対する好感度も大幅に低下している(対照的に、米国人のドイツとフランスに対する見方は2024年以降大きな変化はない)。
■ イデオロギー別ドットプロット(Left-青:左派 / Right-緑:右派) ※日本は調査対象から外れている
カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、イギリスでは、イデオロギー的に右派の人々の方が、左派の人々よりもアメリカに対してより好意的な評価をしている。
最も大きな違いが表れたのはカナダで、右派のカナダ人のうち、アメリカに対して好意的な見方をしている人は52%であるのに対し、左派のカナダ人では17%だった。同様に、イタリアでも右派でアメリカに好意的な見方を持つ人の割合は、左派の約2倍であった(61%対28%)。
■ 参照・引用・出典
▼ How people in the U.S. and other G7 countries view each other (June 11, 2025) - Pew Research Center (英語)
https://www.pewresearch.org/short-reads/2025/06/11/how-people-in-the-us-and-other-g7-countries-view-each-other/
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