2016/05/05

THE CHRYSALIS YEARS (1980-1984) [5CD BOX SET] / THE MICHAEL SCHENKER GROUP (2012)

Album Cover (front): The Chrysalis Years (1980-1984) / The Michael Schenker Group Album Cover (back): The Chrysalis Years (1980-1984) / The Michael Schenker Group CD Case (inside): The Chrysalis Years (1980-1984) / The Michael Schenker Group

この"The Chrysalis Years (1980-1984)"は、アルバムのタイトルからも分かるように、マイケル・シェンカー・グループが1980年から1984年までにクリサリス・レコードからリリースした6枚のアルバムを5枚のCDにまとめたボックスセット(12曲のボーナストラック付き)。

ボックスセットに収録されているのは以下の6枚のアルバム(4枚のスタジオ・アルバム+2枚のライヴ・アルバム)。

The Chrysalis Years (1980-1984) / The Michael Schenker Group

• The Michael Schenker Group 「神 - 帰ってきたフライング・アロウ」 (1980) / UK 8位、US 100位
• MSG 「神話」 (1981) / UK 14位、US 81位
• One Night at Budokan [Live] 「飛翔伝説 - M.S.G.武道館ライヴ」 (1982) / UK 5位
• Assault Attack 「黙示録」 (1982) / UK 19位、US 151位
• Built to Destroy 「限りなき戦い」 (1983) / UK 23位、US 201位
• Rock Will Never Die [Live] 「ロック・ウィル・ネヴァー・ダイ」 (1984) / UK 24位

なお、3作目のライヴ・アルバム"One Night at Budokan"は、リリース時は2枚組LPとしてリリースされていた。又、"UK Mix"と"US Mix"の2種類が存在する5作目の"Built to Destroy"は、オリジナルの"UK Mix"の方が収録されている。

▼ 付属のブックレット

Booklet (front): The Chrysalis Years (1980-1984) / The Michael Schenker Group  Booklet (back): The Chrysalis Years (1980-1984) / The Michael Schenker Group  Booklet (inside): The Chrysalis Years (1980-1984) / The Michael Schenker Group

 

The Chrysalis Years (1980-1984) / The Michael Schenker Groupちなみに、このボックスセットは、クリサリスのロゴだけが表記されたものと、EMIのロゴが表記されたものの2種類があるようだ。メーカーのロゴが表記されているのは、CDケース裏面に記載されているトラックリストの左下と、ブックレット裏面の下、それに各ディスクといった箇所になるのだが、恐らくは販売元が違うだけで、CDの内容は当然のことながら、パッケージのデザイン等もメーカーのロゴ以外は全て同じだとは思う。

 


 

The Chrysalis Years (1980-1984) - The Michael Schenker Group / The Michael Schenker Groupそれにしても、この時代の"MSG"に思い入れのある自分には嬉しいボックスセットだね。自分が初めて耳にした"MSG"の曲はファースト・アルバムがリリースされた当時にラジオで聴いた"Cry for the Nations"で、当時はこの1曲でけっこう惹かれたのだが、その後にまたまたラジオで聴いたインストゥルメンタル曲の"Into the Arena"が決定打となってアルバム(LPレコード)購入に至ったのだった。

 

▼ MSG - Cry for the Nations

 

▼ MSG - Into the Arena

 

そして、このボックセットを買ってから改めてこのファースト・アルバムを聴いて好きになった曲が"Looking Out From Nowhere"。当時はロックバンドのポップな曲があまり好きではなかったのでスルーしてあまり聴いていなかった曲だったのだが、いやぁ、良い曲なんだよね、これが。

▼ MSG - Looking Out From Nowhere
https://www.youtube.com/watch?v=gb2etL4SbFs

 


 

The Chrysalis Years (1980-1984) - MSG / The Michael Schenker Group実は、本当の意味で"MSG"に嵌ったのは、続いてリリースされた個人的に最も好きなアルバムでもあるるセカンド・アルバムの"MSG"だったのだ。今聴いても、このアルバムの充実度には脱帽というか敬服するなぁ。いやぁ、ほんと素晴らしい曲が揃ったアルバムで、どの曲が一番好きなのかと聞かれても、それぞれの曲に魅力があってどれと答えられないほど。

でも、アルバム中、最も多く聴いたのは、多分、キーボード&リズムギターのポール・レイモンドが書いたバラード曲の"Never Trust a Stranger"じゃなかったかとは思う。

▼ MSG - Never Trust A Stranger
https://www.youtube.com/watch?v=NGhykwGIFiQ

レコードからカセットにコピーして聴いていた当時は、シングルカットもされたアルバム1曲目のアメリカンロック色が強い"Are You Ready to Rock"を最後にもっていって、B面1曲目に収録されている"But I Want More"をオープニング曲にして聴いていたのだが、カセットにコピーして友人などに聴かせる場合も、"Are You Ready to Rock"が1曲目だとアルバムの魅力が伝わりにくいと思って、同様に"But I Want More"をオープニング曲にして渡していたことは今も覚えている。

 


 

The Chrysalis Years (1980-1984) - One Night at Budokan / The Michael Schenker Groupそして、3作目が武道館のライヴ。これも大好きなセカンド・アルバムの後にリリースされたアルバムとあって当時は聴きまくっていたんだよね。ただ、この"MSG"初のライヴ・アルバム、メンバーはセカンド・アルバムと同じ構成でのライヴになるのだが、実際はアルバム中の曲紹介でも分かるように、セカンド・アルバムがリリースされる前に行われたライヴが収録されたものなので、アルバムに収録されているセカンド・アルバムからの曲は全てリリース前に演奏されているのだ。

このライヴ・アルバムで、改めて好きになったというか、曲の魅力に気付いたのが、セカンド・アルバム収録曲の"Let Sleeping Dogs Lie"。特にポール・レイモンドのキーボードが良いんだよなぁ。実を言うと、この時期は何気にポール・レイモンドのファンでもあったのだ。いや、ほんと、ポール・レイモンドのキーボードの音が好きで、ライヴではキーボードの他に、曲によってはリズムギターを弾くなど、ライヴでは重要な役割を果たしていたというのもなんかカッコ良く感じていた。しかも、大好きな曲"Never Trust A Stranger"の作者でもあったしね。

▼ MSG - Let Sleeping Dogs Lie (Live At Budokan)
https://www.youtube.com/watch?v=9of7RZ9Xxxc

 


 

The Chrysalis Years (1980-1984) - Assault Attack / The Michael Schenker Groupヴォーカリストがゲイリー・バーデンからグラハム・ボネットに代わってリリースされたのが、4作目(スタジオ・アルバムとしては3作目)の"Assault Attack"。当時はカリスマ性もあり、歌の上手いグラハム・ボネットの加入ということで、音楽雑誌等でも歓迎する声が多かったのだが、自分自身はそんな評論家の評価とは裏腹にがっかりしていたのだった。別に、グラハム・ボネットが嫌いだとか、アルバムが好きじゃないとかいうことではなく、ゲイリー・バーデンの声質がマイケル・シェンカーのギターサウンドには合っていると感じていたことを含め、大好きなキーボード・プレーヤーのポール・レイモンドと、ドラムスのコージー・パウエルまでもがバンドを離れてしまったことに落胆したというのがその理由でもあった。

サウンド自体も、これまでのアルバムと比べると、アメリカナイズされた印象があり、そういった意味では、良し悪しを別にして、グラハム・ボネットのヴォーカルに合ったサウンドといった感じがある。特に"Dancer"のような曲だと、灰色がかったヨーロッパの冬空といった印象もあった前作までのサウンドが、一変して、南国の島に澄み渡る青空に変わったような雰囲気(笑)。

▼ MSG - Dancer
https://www.youtube.com/watch?v=qA6vxjxrSk4

それでも、個人的には多少混乱したアルバムであったようなところがありながらも、これまでに無かったブルージーなタイプの曲"Rock You to the Ground"は結構好きで良く聴いていたのだった。

▼ MSG - Rock You To The Ground
https://www.youtube.com/watch?v=uE0dqq2TsRE

 


 

The Chrysalis Years (1980-1984) - Built to Destroy / The Michael Schenker Groupしかしながらも、まさかのゲイリー・バーデン復帰でリリースされたのが5作目であり、スタジオ・アルバムとしては4作目の"Built to Destroy"。しかも、収録曲の充実度も高く、個人的にはセカンド・アルバムの"MSG"と並んで好きなアルバム。

キーボード奏者にアンディ・ナイが加わり、前作よりもバンドらしいまとまりが感じられるアルバムで、収録曲にもそのアンディ・ナイと、ゲイリー・バーデンの2人が共作した曲が2曲("Rock My Nights Away"と"Time Waits (For No One)")収録されているのも興味深いところ。しかも、他の曲に比べると多少ポップな印象もあるその2曲が結構良いのだ。"Rock My Nights Away"はオリジナルの"UK Mix"だとオープニング曲にもなってるしね。

当時のライヴでは"Rock My Nights Away"、"I'm Gonna Make You Mine"、"Captain Nemo"、"Rock Will Never Die (Walk The Stage)"といった曲がこのアルバムの定番曲として演奏されていたので、時折演奏されていた"Red Sky"や"Systems Failing"を含めて他の曲がライヴで演奏される機会は少なかったようだが、このようにライヴでは滅多に披露されない魅力的な曲が収録されているのもまたこのアルバムの良いところ。

▼ MSG - Systems Failing
https://www.youtube.com/watch?v=KDBJmjmRb-4

 


 

The Chrysalis Years (1980-1984) - Rock Will Never Die / The Michael Schenker Groupボックスセットの最後は"Built to Destroy"制作時のメンバーによるライヴ・アルバム"Rock Will Never Die"。自分の場合は、このライヴが収録されたビデオの方を先に購入していたので、このライヴ・アルバムは買っていなかったような気もするのだが、演奏自体はバンドとしての一体感もあって、素晴らしいライヴだと思う。"Rock My Nights Away"がオリジナルの"UK Mix"に沿った形で演奏されているのも個人的には嬉しいポイント。"One Night at Budokan"でのラインアップも思い入れがあって好きなのだが、こちらのラインアップによる演奏も結構好きだなぁ。

なお、ラストの"Doctor Doctor"では、スコーピオンズのクラウス・マイネと、実兄でもあるルドルフ・シェンカーがサプライズで登場している。

 

▼ MSG - Doctor Doctor (Live At The Hammersmith Odeon '83)

 


 

▼ 各アルバムに於けるレコーディング・メンバーは以下の通り。

The Michael Schenker Group (1980)
• Michael Schenker - Guitars
• Gary Barden - Vocals
• Mo Foster - Bass
• Don Airey - Keyboards
• Simon Phillips - Drums

MSG (1981)
• Michael Schenker - Guitars
• Gary Barden - Vocals
• Chris Glen - Bass
• Paul Raymond - Keyboards, Rhythm Guitar
• Cozy Powell - Drums

One Night at Budokan [Live] (1982)
• Michael Schenker - Lead Guitar
• Gary Barden - Lead Vocals
• Chris Glen - Bass
• Paul Raymond - Keyboards, Rhythm Guitar, Backing Vocals
• Cozy Powell - Drums

Assault Attack (1982)
• Michael Schenker - Guitars
• Graham Bonnet - Lead & Backing Vocals
• Chris Glen - Bass
• Ted McKenna - Drums, Percussion

Additional musician
• Tommy Eyre - Keyboards

Built to Destroy (1983)
• Michael Schenker - Guitars
• Gary Barden - Vocals
• Chris Glen - Bass
• Andy Nye - Keyboards
• Ted McKenna - Drums

Additional musician (US Mix Only)
• Derek St. Holmes - Lead Vocals on "Still Love That Little Devil"

Rock Will Never Die [Live] (1984)
• Michael Schenker - Lead Guitar
• Gary Barden - Lead Vocals
• Chris Glen - Bass
• Andy Nye - Keyboards, Backing Vocals
• Ted McKenna - Drums
• Derek St. Holmes - Rhythm Guitar, Backing Vocal (Lead Vocals on "I'm Gonna Make You Mine")

 


 

TRACKLIST (5CD Box Set / Contains 6 Albums on 5 Discs)

[Disc 1]
MICHAEL SCHENKER GROUP (1980): 1. Armed and Ready / 2. Cry for the Nations / 3. Victim of Illusion / 4. Bijou Pleasurette / 5. Feels Like a Good Thing / 6. Into the Arena / 7. Looking Out from Nowhere / 8. Tales of Mystery / 9. Lost Horizons / BONUS TRACKS - LIVE AT THE MANCHESTER APOLLO (1980): 10. Armed and Ready / 11. Cry for the Nations / 12. Victim of Illusion / 13. Rock Bottom / 14. Tales of Mystery / 15. Lost Horizons

[Disc 2]
BONUS TRACKS: 1. Armed and Ready  [Live B-Side] / 2. Into the Arena  [Live B-Side] / 3. Cry for the Nations [Radio Edit] / 4. Let Sleeping Dogs Lie [Sounds Flexi Edit - Previously Unreleased on CD] / MSG (1981): 5. Are You Ready to Rock / 6. Attack of the Mad Axeman / 7. On and On / 8. Let Sleeping Dogs Lie / 9. But I Want More / 10. Never Trust a Stranger / 11. Looking for Love / 12. Secondary Motion

[Disc 3]
ONE NIGHT AT BUDOKAN (1981): 1. Introduction / 2. Armed and Ready / 3. Cry for the Nations / 4. Attack of the Mad Axemen / 5. But I Want More / 6. Victim of Illusion / 7. Into the Arena / 8. On and On / 9. Never Trust a Stranger / 10. Let Sleeping Dogs Lie / 11. Courvoisier Concert / 12. Lost Horizons / 13. Doctor Doctor / 14. Are You Ready to Rock

[Disc 4]
ASSAULT ATTACK (1982): 1. Assault Attack / 2. Rock You to the Ground / 3. Dancer / 4. Samurai / 5. Desert Song / 6. Broken Promises / 7. Searching for a Reason / 8. Ulcer / BONUS TRACK: 9. Girl from Uptown [B-side] / BUILT TO DESTROY (1983) SIDE ONE: 10. Rock My Nights Away / 11. I'm Gonna Make You Mine / 12. The Dogs of War / 13. Systems Failing / 14. Captain Nemo

[Disc 5]
BUILT TO DESTROY (1983) SIDE TWO: 1. Still Love That Little Devil / 2. Red Sky /  3. Time Waits (For No One) / 4. Rock Will Never Die (Walk The Stage) / ROCK WILL NEVER DIE (1984): 5. Captain Nemo / 6. Rock My Nights Away / 7. Are You Ready to Rock / 8. Attack of the Mad Axeman / 9. Into The Arena / 10. Rock Will Never Die / 11. Desert Song / 12. I'm Gonna Make You Mine / 13. Doctor Doctor / BONUS TRACK: 14. Armed and Ready [Radio Remix - As Featured in Guitar Hero: Metallica]

 

NOTES

• Label: Chrysalis Records
• Printed in the EU
• Released: 2012/02/27

 

 

[関連記事]

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