2011/12/26

BURLESQUE 「バーレスク」 (SOUNDTRACK) / CHRISTINA AGUILERA & CHER (2010)

CDの帯(初回プレス盤):バーレスク (サウンドトラック) / クリスティーナ・アギレラ & シェールAlbum Cover: Burlesque (Soundtrack) / Christina Aguilera & Cherこちらはクリスティーナ・アギレラ初出演映画「Burlesque / バーレスク」のサウンドトラック盤で、アルバムはアギレラとシェールの楽曲で占められている。全10曲と、CDの収録曲数にしてはやや少なめながらも、全曲が新曲ということもあり、特段、物足りなさを感じることはないし、埋め合わせ的な曲でお茶を濁されることを考えたら、このように必要な楽曲だけに絞り、凝縮された形でリリースされて良かったとは思う。まぁ、そんなこんなで、アギレラのアルバムとしても十分楽しめるサウンドトラックといった印象。

アルバムはアギレラの楽曲8曲+シェールの楽曲2曲で構成されている。個人的にはアギレラの新曲目的で購入したのだが、どうして、どうして、シェールの楽曲も魅力的で、流石にオスカーとグラミーを受賞した実績は伊達じゃないといった印象。又、そういった点では正に新旧の実力者エンターテイナー二人による夢の共演といったところ。

アギレラの新曲に関しては、オリジナル4曲+クラシックソングのカヴァー4曲という内訳だが、イメージとしてはどちらもこれぞアギレラ・ワールドといった感じで、オリジナルとカヴァーの垣根が全く感じられない程に、アルバムではアギレラの曲としての一体感が感じられる。

サウンドの方向性(アギレラ)としては、前々作"Back to Basics"のエッセンスに前作"Bionic"のフレバーを加えたといった感じで、賛否が分かれた"Bionic"も結果的にはその経験が重要な過程であったことが証明されたという印象。果たして、この先アギレラサウンドは成熟された方向へと進むのだろうか? それとも又々大胆な試みを見せるのであろうか? まぁ、どちらにしても、次作がほんと楽しみだ。

 

Booklet: Burlesque (Soundtrack) / Christina Aguilera & CherTRACKLIST
1. Something’s Got A Hold On Me / 2. Welcome To Burlesque / 3. Tough Lover / 4. But I Am A Good Girl / 5. Guy What Takes His Time / 6. Express / 7. You Haven't Seen The Last Of Me / 8. Bound To You / 9. Show Me How You Burlesque / 10. The Beautiful People (from Burlesque)

1. サムシングス・ガット・ア・ホールド・オン・ミー / 2. ウェルカム・トゥ・バーレスク / 3. タフ・ラヴァー / 4. バット・アイ・アム・ア・グッド・ガール / 5. ガイ・ワット・テイクス・ヒズ・タイム / 6. エクスプレス / 7. ユー・ハヴント・シーン・ザ・ラスト・オブ・ミー / 8. バウンド・トゥ・ユー / 9. ショウ・ミー・ハウ・ユー・バーレスク / 10. ザ・ビューティフル・ピープル(from バーレスク)

• Christina Aguilera (1, 3, 4, 5, 6, 8, 9, 10)
• Cher (2, 7)

NOTES
• 日本盤初回プレスCD [Japanese First Pressing CD]
• 解説・歌詞・対訳付

 

▼ Christina Aguilera - Something's Got a Hold On Me

 

▼ Cher - You Haven't Seen the Last of Me

 

[Official Audio]

▼ Christina Aguilera - But I Am A Good Girl
https://www.youtube.com/watch?v=5HkpmAqdO6I

▼ Christina Aguilera - Guy What Takes His Time
https://www.youtube.com/watch?v=ATbkOodVyJw

▼ Christina Aguilera - Show Me How You Burlesque
https://www.youtube.com/watch?v=9V_6Kn9KGt8

 

 

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2011/12/18

各国から届けられた東日本大震災からの復興を願うメッセージソング (Part 2)

前回の「PART 1」に引き続き、今回は、各国から届けられたメッセージソングの「PART 2」を紹介。

最初は、動画サイトの"YouTube"に自分の曲や歌声を投稿している55人のユーチューバーによる"We Pray For You"。

ちなみに、これは、この曲の作詞と作曲を手がけたミュージシャンの"J Rice"さんのメールによる呼びかけで始まったプロジェクトだそうだ。

▼ We Pray For You (Original song) Japan Tsunami Tribute - 55 youtubers edition

https://www.youtube.com/watch?v=G03HgSxDqlA

 


 

続いては、スウェーデンのメタルバンド「ゴールデン・レザレクション」による「Pray For Japan」。なお、この曲は、セカンドアルバム「Man with a Mission」の日本盤にボーナストラックとしても収録されている。

メタルバンドと聞いて苦手に思う人もいるかもしれないが、この「ゴールデン・レザレクション」はメタルと言っても、ネオクラ(ネオクラシカルメタル)と呼ばれるクラシックの要素を取り入れた旋律を基調にしているメタルなので、メタル系が苦手な人でも比較的聴き易いサウンドなのではないだろうか。

▼ Golden Resurrection - Pray For Japa

https://www.youtube.com/watch?v=RDMN_DCo2Nw

ビデオに登場しているのは、中心人物のクリスチャン・リレグレン (Vo) と、トミー・レインエクシード・ヨハンソン (G) なのだが、その中心人物のひとりであるトミー・レインエクシード・ヨハンソンは、自らがリードヴォーカルをとるグループ「レインエクシード」にも在籍しており、同時期にリリースされたアルバム「1912」にも同じヴァージョンの「Pray For Japan」がボーナストラックとして収録されている。

▼ Reinxeed - Pray for Japan [BT]
https://www.youtube.com/watch?v=hY_pKJCsJKU

 


 

そして、こちらは、イギリスの赤十字社への募金を呼びかけた「Heist」による東日本大震災のチャリティーソングで、自由に寄付の額を設定して曲をダウンロードできるという趣旨で提供されたもの。

この「Pray for Japan」は、ほとんどインストゥルメンタルといってもいい曲なのだが、動画のページにリンクしてあるダウンロード先のページを見ても分かるように、既に目標金額を超える寄付が集まっているようだ。

▼ Heist - Pray For Japan

https://www.youtube.com/watch?v=Qjt5JC7eNgc

 


 

そして、最後は、プログレ界の雄とも言えるキース・エマーソンによる「The Land Of Rising Sun」で、動画には、この曲の手書きの楽譜と共に、キース・エマーソンからのメッセージも記されている。

▼ Keith Emerson "The Land Of Rising Sun" / キース・エマーソン 「日出ずる国へ」

https://www.youtube.com/watch?v=K6kUKr9tuUM

 

こちらは、動画内のメッセージに日本語訳が付いたヴァージョン 2。

▼ KEITH EMERSON "The Land Of Rising Sun" v.2「日出ずる国へ」日本語訳版

https://www.youtube.com/watch?v=ABOdm2-rLlw

 


 

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2011/12/17

各国から届けられた東日本大震災からの復興を願うメッセージソング (Part 1)

東日本大震災という忘れることのできない大きな爪痕を残した2011年も、まもなく終えようとしている。現状では、未だ問題が山積し、復興への具体的な道筋さえも見えないような厳しい状況でもあるように思うのだが、当の国内でも、以前に比べると震災報道は少なくなりつつあるような印象がある。

そんな中、スイスから震災が風化しないようにと「忘れていないよ。頑張って」というメッセージと共にスイスの中学生たちが日本語で歌うメッセージソングが届けられた。

なんでも、このビデオは、作曲、撮影、編集と、様々な分野のプロが協力して制作されたものだそうだ。このビデオが、一人でも多くの被災者の目に届くことを願うばかり。

▼ 「未来の友達 / Mirai no tomodachi」

https://www.youtube.com/watch?v=SwX1AYOoZsw

 


 

続いて、こちらは、震災直後にタイから届けられたビデオで、タイの俳優兼歌手、バード・トンチャイ氏(Bird Thongchai)が唄う「Ashitano Tameni (明日のために)」。

ちなみに、バード・トンチャイ氏は「メナムの残照」で小堀少佐役を演じるなど日本との関係も深い俳優だそうで、歌詞の一部は日本語で歌われている。

▼ [Official MV] Thai For Japan

https://www.youtube.com/watch?v=zgy8bFVWM2E

 

こちらは日本語の字幕付き

▼ Thai For Japan ♥ (JAPAN QUAKE TSUNAMI RELIEF)
http://www.youtube.com/watch?v=r8qLYR3-9Lg

 


 

そして、こちらは、3月18日夜に台湾のテレビ局各局が合同で生放送した東北関東大震災チャリティー番組「相信希望(希望を信じて) fight & smile」のテーマソング「Believe(相信愛)」。当日、4時間半の生放送中に集まった募金はおよそ7億8800万台湾元(約21億円)で、22日には、なんと14億元(約41億円)にも達したそうだ。

▼ Believe 相信愛 (官方正式版)HQ 愛を信じる(公式版)

https://www.youtube.com/watch?v=_5Hwrsyi7bE

 

こちらは日本語の字幕付き
※音楽は57秒辺りから始まります。その間は映像のみで無音です。

▼ 台湾チャリティー応援ソング「Believe(相信愛)」日本語字幕付
https://www.youtube.com/watch?v=ufWzjnZJN0M

なお、この「Believe (相信愛)」は、台湾のミュージックストアー「Omusic」からフリーで配信されているので、誰でも無料でダウンロードできるようになっている(しかもフルヴァージョン)。ちなみに、ダウンロードに含まれるのは台湾で活躍するミュージシャンや芸能人によるヴァージョンと、子供達が歌うヴァージョンの2曲。

※ [追記] 残念ながら現在は閉鎖されているようだ。

▼ Believe (相信愛) / Omusic
http://www.omusic.com.tw/musicstore/believe/

 


 

更に続いて、こちらはラオスの歌手"Aluna"が歌う「The True Happiness (Sing For Japan)」。ちなみに、曲の2番と最後は日本語で歌われている。

▼ [MP3] Aluna - The True Happiness (Sing For Japan)

https://www.youtube.com/watch?v=CJcePaTSXs8

 

そして、こちらはラオスのミュージシャンが集まって歌われたもうひとつのヴァージョン。

▼ [Sing For Japan] The True Happiness | by various Lao artists
https://www.youtube.com/watch?v=_ELSlJFi_F0

 


 

最後はオランダで行われたチャリティーイベントから「We are the World」。

▼ De Toppers - We are the world - Nederland Helpt Japan 13-04-11

https://www.youtube.com/watch?v=Jii5FGEKq4E

▼ Netherlands for Japan: Thank You Holland
https://www.youtube.com/watch?v=63JlDcc9IME

 


 

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2011/12/12

MUMBO JUMBO / AIR SUPPLY (2010)

Album Cover: Mumbo Jumbo / Air Supplyプログレ的展開を見せる異色のトラック、"Setting the Seen"で幕を開けるこの"Mumbo Jumbo"。 とは言っても、アルバム全体の印象としては、オープニングトラックのSetting the Seen"を含め、2、3曲は多少異色な雰囲気があるものの、その他は親しみ易いメロディーラインを持った楽曲が揃っており、ベテラングループならではの安定感を持ったアルバムといった印象。

それに、異色なトラックが含まれているとは言っても、過去にリリースされたアルバム"The Earth Is"でもプログレ的アプローチは見られたので、そういった意味では異色のトラックと述べたそれらの楽曲も特段風変わりというわけではないのかもしれない。

ただ、寸分の隙も無くカチッと作ってある印象があったこれまでのエア・サプライ・サウンドと比べると、この"Mumbo Jumbo"ではそうした作り込み感はあまり感じられず、どちらかと言えば、ライヴ・サウンドに近い多少ラフな印象がある。それでも、そのようなサウンドアプローチに多少変化が感じられようとも、自分としては、それも許容範囲の変化であって、実際、このアルバムは今でも割と良く聴いている。

と言うのも、けっこう良い曲が揃っているんだよね。軽快な楽曲が多く収められており、ギターサウンドもこれまでに比べてロック色も増した感じだが、その分、バラードタイプの曲が一層引き立っているといった印象。加えて、バラードタイプの4曲、"Hold On"、"Why"、"Can I Be Your Lover"、"Until"はそれぞれ楽曲のスタイルが違うので、アルバムにも幅が感じられるのだ。

正直言うと、"Setting the Seen"、"Mumbo Jumbo"、"Lovesex"といった異色の3曲はちょっと苦手であまり聴かないのだが、上記のバラード曲と、ジャジーな"I Won't Let It Get in the Way"、それにソフトロックタイプの"Dance with Me"、"A Little Bit of Everything"、"Alternate Ending"、"Faith in Love"、といった曲が個人的にはお気に入り。

残念ながら今のところ日本盤はリリースされていないが、それでもベテラングループ(現在はデュオ)が現在もこうして活動を続け、アルバムをリリースしてくれるのは嬉しいところ。

 

Booklet: Mumbo Jumbo / Air Supply  Digipaks + Booklet: Mumbo Jumbo / Air Supply  CD: Mumbo Jumbo / Air Supply

 

TRACKLIST
1. Setting The Seen / 2. Dance With Me / 3. A Little Bit Of Everything / 4. Hold On / 5. A Little Bit More / 6. Alternate Ending / 7. I Won't Let It Get In The Way / 8. Why / 9. Me Like You / 10. Mumbo Jumbo / 11. Faith In Love / 12. Can I Be Your Lover / 13. Lovesex / 14. Until

 

▼ Air Supply - Hold On

 

▼ Air Supply - Hold On (Live at Buenos Aires, 21/10/2010)

 

▼ Air Supply - Until (Live at São Paulo, Brazil)

 

 

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2011/12/10

マジックマウスを使い始めて1年

Apple Magic Mouse

 

実を言うと、使い始めの頃は、長時間使っているとマウスの角が小指の腹に当たって痛くなるので、 毎回細長く折ったティッシュをグルグルと小指に巻き、テープで止めてから作業に入るという手順を辿っていたんだよね。

自分の持ち方だと、小指の第一関節の下辺りが痛くなるのだ。当時は下記のアドレスにある保護テープを買おうと真剣に思ってたりもしていたからね。

指保護テープ F (rakuten.co.jp)
▶ http://item.rakuten.co.jp/c-navi/841271/

指保護テープ FP-23G (amazon.co.jp)
▶ http://www.amazon.co.jp/dp/B00102B7Z4

molten(モルテン) フィンガーテープ (amazon.co.jp)
▶ http://www.amazon.co.jp/dp/B000AS80RW

でも、数ヶ月間ティッシュをグルグル巻いて使っていたら、ティッシュを巻かなくても多少小指を浮かせる癖がついたようで、多少は痛みも軽減された感じ。ただ、長時間使っていると、今でもやっぱり痛くなってはくるね。

肝心な使い勝手という点での感想はといえば、うっかり指が触れて画面が動きまくるマルチタッチ機能には当初から随分と悩まされていたが、これも慣れさえすれば解決するだろうと思って1年が経過したものの、相変わらず、今もちょっとした指の動きで画面が動きまくっている(笑)。

1年経ってコレなので、やはり使い勝手はあまり良くないと言わざるを得ないですね。インターネットを中心に使うぶんにはそれ程問題ないのかもしれないが、イラストレーターやフォトショップを使っての作業にはハッキリ言って向かない感じ。

このアリガタ迷惑とも言えるマルチタッチ機能がある所為で、ちょっとした指の動きで直ぐにスクロールしてしまうし、画像が超縮小したり超拡大してしまうなんてことは頻繁に起こります。製作途中で画面が移動して真っ白な画面になったりしたときは、慣れたとはいえ、やっぱり多少はドキッとしますからね。趣味で使っているぶんには多少は我慢して使えるものの、速度が求められるような仕事にはきっとイライラして使えないと思う。

何とかならないかと、スクロールを「惰性なし」に設定したら多少は動きが大人しくなったものの、それでも、やはりこのマルチタッチ機能が邪魔だという印象に変わりは無いですね。マルチタッチ機能をオフに設定できる仕様であれば良かったのに・・・。

それと、もうひつ厄介なのは、右クリックしているのに、ふとした状況で通常のクリックになるという事が時々あることで、これもけっこう煩わしいんだよね。原因は分からないのだが、"Bkuetooth"の受信状態が関係しているのだろうか?

と、何だか否定的な意見ばかりになってしまったが、それでも、なんだかんだ言っても使い続けているのは、やっぱりこのデザインに惹かれているからなんだよね。ただ、今は短所も個性と多少割り切って使ってはいるが、この先もこのまま使い続けるかは分からない。

 

 

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2011/12/07

FAREWELL TOUR 1973-2001 TOURBOOK 「ツアーパンフレット」 / KISS (2001)

Farewell Tour 1973-2001 Tourbook (front) / KISS   Farewell Tour 1973-2001 Tourbook (back) / KISS

 

オリジナルメンバーによるリユニオンツアーでは、一部にあった冷ややかな反応をよそに、ツアーは大成功を収め、長者番付で有名な経済紙フォーブスの表紙を飾るなど、順風満帆という言葉以上の劇的な再スタートを切った"KISS"だったが、内部の状態は決して順風満帆とはいかなかったようだ。

結果的に、再び起きた亀裂は、もはや修復不能となったのか、彼らが選択したのは、絶頂期に惜しまれつつ解散するという道だった。しかし、解散を表明した後に行われたさよならコンサートとも言えるフェアウェルツアーでは、ツアー途中でピーターがグループを離脱したりと、最後の花道さえも飾るのが困難なのかともいえる状況に、自分自身も、これはもう本当にダメなんだなと悟ったりもした。

そして、迎えたフェアウェルツアーの日本公演。キッスのライヴを生で見るラストチャンスと思った自分は、その姿をこの目に焼き付けておこうと何とか前売りチケットを確保してライヴに出かけたのであったが、先に記したとおりに、オリジナルメンバーのピーター・クリスがツアー半ばでグループを離れてしまった為、日本公演は素顔で活動していた時代の元メンバーであるエリック・シンガーが急遽代役のドラマーとして召集された形で行われた。

 

Farewell Tour 1973-2001 Ticket/KISS  Farewell Tour 1973-2001 Ashtray / KISS

 

本当はピーターが歌う"Beth"や"Black Diamond"を最後に生で聴きたかったとの思いも少なからずあったのだが、逆にエリックがいたからこそツアーが続行できたとも言える訳で、当時は多少複雑な心境でもあった。メンバー紹介時に「ピーターじゃなくてゴメンネ」とでも言っているかのように両手を合わせてお辞儀をしていたエリック・シンガーの姿が印象的だった。

 

Farewell Tour 1973-2001 Tourbook (inside) / KISSいや~、それにしても豪華なツアーパンフだこと(大きさは縦が約35cm×横が約28cm)。紙も雑誌のようなペラペラしたものではなく、厚みのある紙が使用されているし、フェアウェルツアーということでの豪華仕様だったのだろうか? なお、表紙の上部にある"KISS"ロゴ部分はくり抜き加工がされているという凝りようで、又、ページ中央部には急遽ツアーに加わったエリックのメッセージ付きサイン入り写真も一枚挟み込まれている。そして、最後のツアーということで総括の意味もあったのか、パンフ内部には年代ごとの写真に加え、これまでに行った全公演のデータが記載されており、正にフェアウェルツアーならではのツアーパンフとなっている。

結局は、絶頂期に惜しまれつつ解散するというシナリオを破棄して、メンバーの変更はあっても今後も活動を続けることを表明したキッスだったが、その後も暫くはドタバタ劇は収まらず、再びピーターがグループに復帰するも、今度はエースが離脱、そして、またもやピーターが去るといった具合に混沌とした状況が続いていた。

現在は、ポール、ジーン、エリック、トミーの4人という体制で安定しているようだが、それでも、現メンバーのエリックとトミーがピーターとエースのメイクをすることに快く思わないファンや、逆にエリックとトミーに対して失礼だと思うファンがいたりと、ファンの間でも様々な感情が入り乱れている部分もあるようだ。

それでも、キッスというバンドが活動を続けるということに対しては好意的に捉えるファンが多いようで、2008年に行われたロシアや旧ソ連のラトビアを含む大規模なヨーロッパツアーでは、1枚あたりの平均額が1万円を超えるという高額なチケット代にもかかわらず、30公演で468,700人(1公演平均15,623人)を動員するなど、興行の世界も厳しいと言われる昨今でも、キッスのライヴは依然としてトップクラス人気を誇るものであることを証明するものでもあった。ちなみに、このヨーロッパツアーで一番狭い会場だったのは、6,500人を集めたルクセンブルグ公演の会場だったそうだが、自分の住んでいる街には6,500人も収容できるホールはありません。(笑)

そして、翌年の2009年に行われた南米ツアーでは、サンディエゴ / チリ公演(19,000人)、ブエノスアイレス / アルゼンチン公演(54,000人)、サンパウロ / ブラジル公演(30,000人)、リオデジャネイロ / ブラジル公演(25,000人)、ボゴタ / コロンビア公演(50,000人)、リマ / ペルー公演(35,000人)、カラカス / ベネズエラ公演(15,000人)といった観衆の前でプレイするなど、こちらも又、世界的な不況もなんのそのといった感じで大成功のツアー(ロック・フェスへの参加を含む)だったようだ。逆に言えば、そんな世の中だからこそ、ほんの僅かな時間だけでも現実を忘れて楽しみたいという人達が多かったのかもしれない。それでも、どちらかと言えばアメリカに好意的ではない国が多い南米で、アメリカを象徴するようなバンドであるキッスが受け入れられているというのは何とも不思議ではある。

 

ちなみに、下の写真は記念に拾って持ち帰った"Rock and Roll All Nite"で大量に舞う紙吹雪の中の一枚(縦1.9cm×横5.2cm)と、後に手に入れたジーン・シモンズのピック(Farewell Tour 2000-2001で使用されたもの)の表と裏。

コンサート会場で使用された紙吹雪用の紙 / KISS  Farewell Tour 1973-2001 - Pick (front) / Gene Simmons  Farewell Tour 1973-2001 - Pick (back) / Gene Simmons

 

 

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