2015年の10月27日から11月2日にかけて行われた欧州5ヵ国(イギリス、フランス、ドイツ、スペイン、ポーランド)における対日世論調査の結果が外務省のウェブサイトで公表されています。
調査は外務省がドイツの infratest dimap 社に委託して行われたもので、調査方式は以下の通り。
• 調査委託機関:infratest dimap 社(ドイツ)
• 調査対象:各国の18歳以上の有権者2,500名
• 調査方法:電話(インタビュー形式での調査)
調査結果概要(外務省のウェブサイトから抜粋編集) |
1. 日本との関係については、5ヵ国全体のおよそ80%が「友好関係にある」又は「どちらかというと友好関係にある」と回答し、また、同様に77%が日本を「信頼できる」又は「どちらかというと信頼できる」と回答しました。加えて、G20諸国の中で「最も信頼できる国」としては、アメリカ(22%)、カナダ(16%)、フランス(12%)、ドイツ(11%)、日本(9%)という順に選ばれており、日本はアジア諸国の中では最も信頼できる国との評価を得ています。
2. G20諸国がそれぞれ自分の国にとって重要なパートナーとして位置づけられるか否かという質問については、アメリカ(84%)、フランス(81%)、ドイツ(79%)、イギリス(79%)、日本(72%)の順で「重要なパートナーである」と評価されています。また、将来重要なパートナーとなり得るか否かという質問については、アメリカ(83%)、イギリス及びフランス(81%)、日本(80%)の順で肯定的回答が得られています。
3. 日本のイメージについては、1位「豊かな伝統と文化を有する国」(93%)、2位「強い経済と高度な技術を持つ国」(90%)という結果となり、伝統文化と経済に関心が高いことがわかりました。続いて「戦後、平和国家の道を歩んできた国」及び「自然が美しい国」(75%)が同率で3位となりました。日本についてもっと知りたい分野としては、「伝統、POPカルチャー、日本食を含む文化」(73%)の他、「歴史」(70%)、「観光」(66%)、「科学技術」(65%)、「政治・外交・安全保障」(64%)が上位を占めました。
4. 第二次世界大戦後70年間の平和国家としての日本の歩みについては、「高く評価する」又は「ある程度評価する」との回答が83%となりました。
5. また、「東シナ海及び南シナ海における安全保障問題についてEUは更なる関与を行うべきか」という質問について、全体の50%が「更なる関与を行うべき」、32%が「現状の関与を維持するべき」、6%が「関与を減らすべき」と回答しました。
6. 「外国語の習得に関心があるか否か」という質問について、5ヵ国全体の57%が「関心がある」と回答しています。また、興味のある言語(英語を除く主要8言語について複数回答可)としては、関心の高い言語の順に、スペイン語(64%)、フランス語(53%)、ドイツ語(47%)、日本語(46%)、中国語(36%)、ロシア語(32%)、アラビア語(26%)、韓国語(14%)となり、日本語が非欧州言語の中で最も関心が高いことがわかりました。日本語に関心がある理由は、「日本の文化及び生活様式を理解するため」(91%)、「日本を訪れるため」(90%)、「日本のコンテンツを楽しむため」(72%)、「将来役に立ちそうなため」(72%)という回答が上位を占めました。
設問と回答結果 |
外務省のウェブサイトには数多くの設問と回答結果が記載されていますが、ここではその中からいくつかを抜粋してみました。
[Agenda 1]
Q:あなたが日本に対して抱いているイメージはどれか。
• 豊かな伝統と文化を有する国 (93%)
• 強い経済と高度な技術を持つ国 (90%)
• 戦後、平和国家の道を歩んできた国 (75%)
• 自然が美しい国 (75%)
• 新たな文化を世界に発信する国 (69%)
[Agenda 2]
Q:あなたは外国語の学習に興味があるかとの質問に「はい」と回答した人は次に挙げるどの言語の学習に関心があるか。
• スペイン語 (64%)
• フランス語 (53%)
• ドイツ語 (47%)
• 日本語 (46%)
• 中国語 (36%)
• ロシア語 (32%)
• アラビア語 (26%)
• 韓国語 (14%)
Q:その中であなたが最も学習したい外国語はどれか。
• スペイン語 (25%)
• 日本語 (18%)
• フランス語 (14%)
• ドイツ語 (9%)
• 中国語 (8%)
• アラビア語 (8%)
• ロシア語 (7%)
• 韓国語 (1%)
[Agenda 3]
Q:あなたの国と日本の今日の関係の現状についてどう思うか。
Total
• 非常に友好的な関係にある (17%)
• どちらかというと友好的な関係にある (62%)
• 友好的と答えた割合の合計 (79%)
• どちらかというと友好的な関係にない (8%)
• 全く友好的な関係ではない (1%)
• 友好的な関係にないと答えた割合の合計 (9%)
• わからない (12%)
国別(友好的と答えた割合の合計 / 友好的な関係ではないと答えた割合の合計)
• スペイン (82% / 4%)
• イギリス (80% / 5%)
• フランス (78% / 10%)
• ポーランド (78% / 5%)
• ドイツ (77% / 16%)
[Agenda 4]
Q:次に示した国(G20諸国)は信頼できますか。
▼ 信頼できると答えた割合(Top 10)
▼ 信頼できると答えた割合(Rank 11 to 19)
■ 信頼できると答えた割合(Top 10)
1位 カナダ (88%)
2位 オーストラリア (81%)
3位 イギリス (80%)
4位 フランス (79%)
5位 日本 (77%)
6位 ドイツ (73%)
7位 アメリカ (70%)
8位 イタリア (66%)
9位 韓国 (45%)
10位 南アフリカ (41%)
Q:G20諸国諸国の中で最も信頼できる国はどの国か。
■ 最も信頼できるとの回答が多かった国(Top 10)
1位 アメリカ (22%)
2位 カナダ (16%)
3位 フランス (12%)
4位 ドイツ (11%)
5位 日本 (9%)
6位 オーストラリア (6%)
7位 イギリス (6%)
8位 ロシア (2%)
9位 イタリア (1%)
10位 中国 (1%)
こちらの「G20諸国の中で最も信頼できる国はどの国か」の項目ではトップ10圏外の国についての表記はされていません。
Q:G20諸国の中で、あなたの国にとって、現在重要なパートナーはどの国か。
▼ 現在の重要なパートナーと答えた割合(Top 10)
▼ 現在の重要なパートナーと答えた割合(Rank 11 to 19)
■ 現在の重要なパートナーとの回答が多かった国(Top 10)
1位 アメリカ (84%)
2位 フランス (81%)
3位 ドイツ (79%)
4位 イギリス (79%)
5位 日本 (72%)
6位 カナダ (70%)
7位 中国 (69%)
8位 イタリア (66%)
9位 オーストラリア (54%)
10位 ロシア (51%)
Q:G20諸国の中で、あなたの国にとって、今後の重要なパートナーと考えるのはどの国か。
▼ 今後の重要なパートナーと答えた割合(Top 10)
▼ 今後の重要なパートナーと答えた割合(Rank 11 to 19)
■ 今後の重要なパートナーとの回答が多かった国(Top 10)
1位 アメリカ (83%)
2位 フランス (81%)
3位 イギリス (81%)
4位 日本 (80%)
5位 ドイツ (78%)
6位 中国 (75%)
7位 カナダ (73%)
8位 イタリア (67%)
9位 ロシア (61%)
10位 オーストラリア (59%)
[Agenda 5]
Q:日本とEUは特定の国(例えば中国や北朝鮮)の行動について懸念を表明していますが、東シナ海及び南シナ海における安全保障問題についてEUは更なる関与を行うべきか。
Total
• 更なる関与を行うべき (50%)
• 現状の関与の程度を維持するべき (32%)
• 関与の度合いを減らすべき (6%)
• わからない及び無回答 (12%)
国別(更なる関与を行うべき / 現状の関与の程度を維持するべき / 関与の度合いを減らすべき / わからない及び無回答)
• ドイツ (51% / 39% / 4% / 6%)
• ポーランド (59% / 23% / 5% / 13%)
• スペイン (53% / 28% / 6% / 13%)
• フランス (50% / 30% / 7% / 13%)
• イギリス (40% / 35% / 8% / 17%)
Q:戦後70年の日本の平和国家としての歩みについて評価するか。
Total
• 大いに評価する (36%)
• ある程度評価する (47%)
• 評価すると答えた割合の合計 (83%)
• あまり評価しない (5%)
• 全く評価しない (3%)
• 評価しないと答えた割合の合計 (8%)
• わからない及び無回答 (9%)
国別(評価すると答えた割合の合計 / 評価しないと答えた割合の合計)
• スペイン (89% / 5%)
• ドイツ (88% / 8%)
• イギリス (81% / 10%)
• ポーランド (76% / 8%)
• フランス (75% / 12%)
Q:日本は積極的に東アジアと国際社会の平和と安定に貢献するため、安全保障政策を改定することを2015年に日本の議会によって決定しましたが、あなたはそのことについて聞いたことがありますか。
(聞いたことがある / 聞いたことがない)
• スペイン (20% / 68%)
• フランス (25% / 66%)
• ポーランド (23% / 70%)
• ドイツ (20% / 79%)
• イギリス (14% / 76%)
Q:上の問いに「聞いたことがある」と回答した人は、その安全保障政策の変更をどのように評価しますか。
Total
• 非常に良い (35%)
• まあまあ良い (45%)
• 良いと答えた割合の合計 (80%)
• あまり良くない (14%)
• 非常に良くない (2%)
• 良くないと答えた割合の合計 (16%)
• わからない及び無回答 (4%)
国別(良いと答えた割合の合計 / 良くないと答えた割合の合計)
• イギリス (91% / 4%)
• フランス (88% / 7%)
• ポーランド (88% / 9%)
• スペイン (83% / 12%)
• ドイツ (62% / 34%)
参照・引用・出典:外務省ホームページ |
▼ 欧州5ヵ国における対日世論調査 - 外務省
https://www.mofa.go.jp/mofaj/erp/ep/page24_000648.html
▼ 欧州5ヵ国における対日世論調査結果 - 結果概要 (PDF)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000165372.pdf
▼ Image of Japan in five European countries - 調査結果 (PDF/英語)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000165371.pdf
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