世論調査の先駆け的存在でもある世界を代表するアメリカの世論調査会社ギャラップがアメリカ国民を対象に毎年行っている国別好感度調査が今年も2月初旬に行われており、その調査結果が発表されています。
今回の調査対象国の中でアメリカ人が好感を持っている国のトップとなったのは昨年に引き続きカナダ(92%)で、続いてイギリス(91%)、日本(85%)、フランス(83%)、ドイツ(82%)といった結果になっています。(カッコ内の数字は好ましいとした割合)
調査結果の要点として挙げられているのは次の3点です。
• 国民の86%が北朝鮮を好感が持てない国と見ている。
• イラン、シリア、アフガニスタン、イラクもほとんど好感が持てない国と見られた。
• カナダとイギリスは90%を超える好意的評価を得てリストのトップに立つ。
なお、今年の調査の評価対象とされた国は以下に記した21か国で、今回も近隣諸国並びに、良し悪しに関わらず、国の動向がアメリカの情勢に少なからず影響を及ぼしそうな国が選ばれているようですが、今年はアジア情勢への関心の高まりを反映しているのか、フィリピンと台湾が新たに評価対象に加えられ、昨年は評価対象となっていたブラジルとパキスタンが評価対象から外されています。
▼ 各国への評価(パーセンテージの数値は「Favorable / 好ましい」とした割合)
92% カナダ
91% イギリス
85% 日本
83% フランス
82% ドイツ
74% インド
73% 台湾
71% イスラエル
71% フィリピン
64% メキシコ
52% エジプト
51% キューバ
50% 中国
31% サウジアラビア
28% ロシア
24% パレスチナ自治政府
19% イラク
17% アフガニスタン
17% シリア
12% イラン
11% 北朝鮮
※ パレスチナ自治政府
パレスチナについては、2016年3月の時点で、国際連合加盟国(193か国)中、136か国が国家として承認していますが、アメリカや日本はパレスチナを国家として承認をしていないため、アメリカや日本での表記は「The Palestinian Authority / パレスチナ自治政府」となります。
▼ 昨年との比較(上位5か国)
本文にも記されているように、今年は好意的な評価が共に90%を超えるカナダとイギリスの両国が若干抜き出た評価を得ている印象ですが、それ以外では、上位5か国に名を連ねる国は昨年と同じながらも、昨年は3番目に評価されていたフランスが昨年比で-4ポイント、そして、昨年はそのフランスに続いて4番目に評価が高かったドイツが昨年比で-3ポイントと評価を下げた一方、昨年は5番目の評価だった日本が昨年比で+3ポイントの評価を得たことから、今年はカナダとイギリスに次いで3番目の評価を得ているのが特徴。
日本への評価が上がった要因としては、調査直後に始まる日米首脳会談が概ね好意的に捉えられていたのではないかとも考えられますが、一方で、フランスとドイツの両国が評価を下げたのは、もしかしたらアメリカでも大きな論争となっている移民の問題というものが多少は影響しているのかもしれません。
※ 補足
調査は今月の1日から5日にかけて行われたことが記されていることから、直後の10日午後(日本時間11日未明)に行われた日米首脳会談を終えての印象といったものはこの調査に反映されていません。
▼ 各国への評価割合
左から(とても好感が持てる / 概ね好感が持てる / 概ね好感が持てない / とても好感が持てない / どちらとも言えない)
▼ 日本に対する年度別評価割合(1989年~2017年)
■ 参照・引用・出典
▼ Americans' Favorability Ratings of Foreign Countries (英語)
http://www.gallup.com/poll/204074/north-korea-remains-least-popular-country-among-americans.aspx
▼ GALLUP NEWS SERVICE - GALLUP POLL SOCIAL SERIES: WORLD AFFAIRS (PDF/英語)
http://www.gallup.com/file/poll/204131/170220CountryFavs.pdf
関連記事
▶ 35か国を対象に行われたロシアへの好感度調査 (2024年 - 米調査機関) - (2024年7月13日)
▶ アメリカで行われた国別好感度調査 (2024年 - 米ギャラップ調査) - (2024年3月24日)
▶ G7各国の賃金の推移~日本は過去30年間ほとんど変わらず - (2024年3月2日)
▶ 国家ブランド指数(2023年版)で日本が史上初の1位に - (2024年1月24日)
▶ アメリカで行われた国別好感度調査(2023年 - 米ギャラップ調査) - (2023年3月23日)
▶ 2021年度の名目GDPと1人当たり名目GDPの国別ランキング+今後の世界経済見通し(IMF / 国際通貨基金) - (2022年6月8日)
▶ アメリカで行われた国別好感度調査(2022年 - 米ギャラップ調査) - (2022年3月20日)
▶ アメリカで行われた国別好感度調査(2021年 - 米ギャラップ調査) - (2021年3月17日)
▶ 国連分担金の多い国トップ10(2018~2020年) - (2021年1月8日)
▶ 国連に対する好感度が最も低かった国は日本(2020年 - 米調査機関) - (2020年12月26日)
▶ 80年後(2100年)の世界の人口と各国のGDPの予測~日本は?(2020年 - 米大学研究者調査) - (2020年10月29日)
▶ 14か国を対象に行われた中国に対する好感度調査(2020年 - 米調査機関) - (2020年10月12日)
▶ アメリカで行われた国別好感度調査(2020年 - 米ギャラップ調査) - (2020年3月14日)
▶ 世界国別評判ランキング(2019年) - 世界で最も評判の良い国は? - (2019年10月19日)
▶ 欧州5か国における対日世論調査(2019年) - (2019年10月4日)
▶ 世界で最も評判の良い企業(責任ある企業活動において) - 2019年 - (2019年9月30日)
▶ アメリカにおける対日世論調査(2019年) - (2019年9月19日)
▶ 世界国別評判ランキング(2018年) - 世界で評判の良い国は? - (2018年7月3日)
▶ ASEAN10か国における対日世論調査(2017年) - (2017年11月15日)
▶ 世界国別評判ランキング(2017年) - 主要8か国の国民に評判の良い国は? - (2017年9月14日)
▶ 英BBC世界世論調査 2017 - 「世界に良い影響を与えている国」で日本は3位 - (2017年8月21日)
▶ 世界で最も評判が高い製造国ランキング 2017 - (2017年6月18日)
▶ 世界各国の名目GDP - 国別ランキング(2016年) - (2017年4月25日)
▶ 世界国別評判ランキング(2016年) - 主要先進国の国民に評判の良い国は? - (2016年10月6日)
▶ 欧州5ヵ国における対日世論調査 (2015年調査) - (2016年7月4日)
▶ アメリカで行われた国別好感度調査 (2016年調査) - (2016年4月20日)
▶ 2016年度の各国の国連分担金比較 - (2016年1月28日)
▶ 英BBC世界世論調査「世界に良い影響を与えている国」 2006-2014 全調査記録一覧 - (2015年12月26日)
▶ 国連分担金の多い国トップ10(2013~2015年) - (2015年9月24日)
▶ アメリカで行われた各国に対する好感度調査 (2015年調査) - (2015年6月4日)
▶ 日米両国で行われた戦後70年の日米関係に関する世論調査結果(2015年調査) - (2015年4月9日)
▶ 中南米地域5か国における対日世論調査(2014年 - 2015年) - (2015年3月18日)
▶ 国別ブランドランキング2014-15で日本が1位 - 米企業調査 - (2014年11月18日)
▶ 英BBC世界世論調査 2014 - 「世界に良い影響を与えている国」で日本は5位 - (2014年6月18日)
▶ ASEAN地域7カ国における対日世論調査結果(2014年) - (2014年4月24日)
▶ アメリカにおける対日世論調査 (2013年度調査) - (2014年1月19日)
▶ OECD調査 - 大人の学力(成人のスキル)で、日本は3項目中2項目で世界一 - (2013年11月11日)
▶ 英BBC世界世論調査 2013 - 「世界に良い影響を与えている国」で日本は4位 - (2013年5月27日)
▶ 英BBC世界世論調査 2012 - 「世界に良い影響を与えている国」で日本が1位 - (2012年5月16日)
0 件のコメント:
コメントを投稿