2024/03/24

アメリカで行われた国別好感度調査 (2024年 - 米ギャラップ調査)

アメリカの世論調査会社ギャラップがアメリカ国民を対象に毎年行っている世界情勢世論調査が今年も2月1日から20日にかけて実施されており、その調査結果が先日発表された。

 

今回の調査では、アメリカ人が最大の敵として挙げている国は中国(41%)で、次いでロシア(26%)、イラン(9%)という結果になっている。ちなみに、最大の敵国として中国が挙げられたのは4年連続。

 

■ アメリカ最大の敵に対するアメリカ人の認識 - アメリカ最大の敵はどこの国だと思いますか?

世界情勢世論調査(2024年調査)- アメリカ最大の敵に対するアメリカ人の認識

中国とロシアは、アメリカの敵国として依然として上位の割合を示しているが、数値割合としては共に昨年よりも減少している。

なお、アメリカ国民の成人の5%が最大の敵としてアメリカを挙げており、この数値は北朝鮮の4%を上回っている。

 

■ アメリカ最大の敵に対するアメリカ人の認識 (政党別) - アメリカ最大の敵はどこの国だと思いますか?
回答項目(共和党支持層 / 無党派層 / 民主党支持層)

世界情勢世論調査(2024年調査)- アメリカ最大の敵に対するアメリカ人の認識 (政党別)

共和党支持層ではアメリカの最大の敵として中国がトップに挙げられたが、民主党支持層ではロシアがアメリカの最大の敵としてトップに挙げられており、支持層による違いが顕著となっている。




又、世界情勢調査の一環として行われている国別好感度調査についてはカナダと並んで日本が好感度の高い国のトップになった。

なお、今回の調査結果で好意的な評価が高かった国のトップ5は、カナダ(83%)、日本(83%)、イギリス(82%)、ドイツ(79%)、フランス(78%)で、順位の変動はあるものの上位5か国は昨年と同じ顔ぶれとなっている。(カッコ内の数値は「好感が持てる」とした割合)

 

■ 各国への評価
回答項目(好感が持てる / 好感が持てない / どちらとも言えない)

世界情勢世論調査(2024年調査)- 各国への好感度割合

83% カナダ
83% 日本
82% イギリス
80% ドイツ
79% フランス
77% 台湾
72% 韓国
68% インド
63% ウクライナ
58% イスラエル
57% エジプト
57% メキシコ
39% キューバ
38% サウジアラビア
20% 中国
18% パレスチナ自治政府
15% イラク
13% アフガニスタン
13% イラン
09% 北朝鮮
08% ロシア

※ パレスチナ自治政府
パレスチナについては、2016年3月の時点で、136の国連加盟国が国家として承認しているが、アメリカや日本はパレスチナを国家として承認をしていないため、アメリカや日本での表記は「Palestinian Authority / パレスチナ自治政府」となる。

[特徴と注目点]

今年の調査の特徴としては、評価対象とされた国は21か国と昨年と同じだったものの、ここ数年調査対象からは外れていた韓国がブラジルに代わって調査対象国に選ばれている点が挙げられる。

その他の注目点としては、台湾への好意的な割合と否定的な割合が共に上位5か国と並ぶほどの評価を得ているという点が挙げられる。評価割合としては、昨年(2023年)も台湾への評価は高かったものの(好感が持てるとした割合が77%で、好感が持てないとした割合は19%だった)、今年の調査と比較すると、好感が持てるとした割合は同じ77%ながらも、好感が持てないとした割合は6ポイント減の13%となっていることから相対的には評価が上がったと言える。ちなみに、好感が持てないとした割合は、僅かと言えども、トップ3圏内のカナダとイギリス(共に14%)よりも低く、調査対象国の中では日本に次いで低い数値を示している。

 

■ 日本に対する年度別評価割合(1989年~2024年)
回答項目(とても好感が持てる / 概ね好感が持てる / 概ね好感が持てない / とても好感が持てない / どちらとも言えない)

※ 「Very favorable / とても好感が持てる」とした割合(34%)は過去最高値。

アメリカで行われた国別好感度調査(2024年調査) - 日本に対する年度別評価割合

 

■ 参照・引用・出典

▼ Americans Still See China as Nation's Top Foe, Russia Second (MARCH 18, 2024) - GALLUP (英語)
https://news.gallup.com/poll/612170/americans-china-nation-top-foe-russia-second.aspx

▼ Country Ratings - GALLUP (英語)
https://news.gallup.com/poll/1624/perceptions-foreign-countries.aspx

 

 

[関連記事]

G7各国の賃金の推移~日本は過去30年間ほとんど変わらず - (2024年3月2日)

国家ブランド指数(2023年版)で日本が史上初の1位に - (2024年1月24日)

アメリカで行われた国別好感度調査(2023年 - 米ギャラップ調査) - (2023年3月23日)

2021年度の名目GDPと1人当たり名目GDPの国別ランキング+今後の世界経済見通し(IMF / 国際通貨基金) - (2022年6月8日)

アメリカで行われた国別好感度調査(2022年 - 米ギャラップ調査) - (2022年3月20日)

アメリカで行われた国別好感度調査(2021年 - 米ギャラップ調査) - (2021年3月17日)

国連分担金の多い国トップ10(2018~2020年) - (2021年1月8日)

国連に対する好感度が最も低かった国は日本(2020年 - 米調査機関) - (2020年12月26日)

80年後(2100年)の世界の人口と各国のGDPの予測~日本は?(2020年 - 米大学研究者調査) - (2020年10月29日)

14か国を対象に行われた中国に対する好感度調査(2020年 - 米調査機関) - (2020年10月12日)

アメリカで行われた国別好感度調査(2020年 - 米ギャラップ調査) - (2020年3月14日)

世界国別評判ランキング(2019年) - 世界で最も評判の良い国は? - (2019年10月19日)

欧州5か国における対日世論調査(2019年) - (2019年10月4日)

世界で最も評判の良い企業(責任ある企業活動において) - 2019年 - (2019年9月30日)

アメリカにおける対日世論調査(2019年) - (2019年9月19日)

世界国別評判ランキング(2018年) - 世界で評判の良い国は? - (2018年7月3日)

ASEAN10か国における対日世論調査(2017年) - (2017年11月15日)

世界国別評判ランキング(2017年) - 主要8か国の国民に評判の良い国は? - (2017年9月14日)

英BBC世界世論調査 2017 - 「世界に良い影響を与えている国」で日本は3位 - (2017年8月21日)

世界で最も評判が高い製造国ランキング 2017 - (2017年6月18日)

世界各国の名目GDP - 国別ランキング(2016年) - (2017年4月25日)

アメリカで行われた国別好感度調査(2017年 - 米ギャラップ調査) - (2017年2月22日)

世界国別評判ランキング(2016年) - 主要先進国の国民に評判の良い国は? - (2016年10月6日)

欧州5ヵ国における対日世論調査 (2015年調査) - (2016年7月4日)

アメリカで行われた国別好感度調査 (2016年調査) - (2016年4月20日)

2016年度の各国の国連分担金比較 - (2016年1月28日)

英BBC世界世論調査「世界に良い影響を与えている国」 2006-2014 全調査記録一覧 - (2015年12月26日)

国連分担金の多い国トップ10(2013~2015年) - (2015年9月24日)

アメリカで行われた各国に対する好感度調査 (2015年調査) - (2015年6月4日)

日米両国で行われた戦後70年の日米関係に関する世論調査結果(2015年調査) - (2015年4月9日)

中南米地域5か国における対日世論調査(2014年 - 2015年) - (2015年3月18日)

国別ブランドランキング2014-15で日本が1位 - 米企業調査 - (2014年11月18日)

英BBC世界世論調査 2014 - 「世界に良い影響を与えている国」で日本は5位 - (2014年6月18日)

ASEAN地域7カ国における対日世論調査結果(2014年) - (2014年4月24日)

アメリカにおける対日世論調査 (2013年度調査) - (2014年1月19日)

OECD調査 - 大人の学力(成人のスキル)で、日本は3項目中2項目で世界一 - (2013年11月11日)

英BBC世界世論調査 2013 - 「世界に良い影響を与えている国」で日本は4位 - (2013年5月27日)

英BBC世界世論調査 2012 - 「世界に良い影響を与えている国」で日本が1位 - (2012年5月16日)

アメリカで行われた各国に対する好感度調査 - アメリカ人の最近の動向 - (2012年5月14日)

最もクリエイティヴな国は? - 米Adobe社による調査 - (2012年4月26日)

0 件のコメント:

コメントを投稿