今年は、昨年に引き続き「良い影響を与えている国」のトップはドイツ(60%)で、以下、2位カナダ(57%)、3位イギリス(56%)、4位フランス(50%)、5位日本(49%)という順。
日本は昨年よりもひとつ順位を下げて第5位という結果に。ただし、3年前の2011年の調査でも日本は5位だったので、これを見て一概に悪化していると捉える必用は無いと思います。それ以前だと、2010年の調査では4位、2009年の調査でも4位と、まぁ概ねこの辺りに位置していましたから。
※ 2014年以前の調査結果については、記事の下にある「関連記事」をご参照ください。
▼ こちらが今年の調査結果を示したグラフ
▼ そして、こちらが日本に対する各国の評価を示したグラフ
日本が「悪い影響を与えている」とした回答を見てみると、中国で90%(前回74%)、韓国で79%(同67%)といった具合に、この2カ国の回答が前年にも増して突出しているわけですが、逆に言えば、これだけのネガティヴ評価を受けながらも、世界的には「良い影響を与えている国」のトップ5に位置しているのですから、世界的な観点でいえば、最も評価されている国のひとつと捉えても差し支えないのではないかと思います。
ちなみに、日本が「良い影響を与えている」とした回答が高い国は、ナイジェリア(72%)、インドネシア(70%)、ブラジル(70%)、アメリカ(66%)、イギリス(65%)の順。
注目したいのは、日本人の回答では「悪い影響を与えている」とする割合が高いロシア(良い影響を与えているが17%で、悪い影響を与えているが23%)と、イスラエル(良い影響を与えているが4%で、悪い影響を与えているが50%)ですが、その2カ国の日本に対する回答は、ロシア(良い影響を与えているが49%で、悪い影響を与えているが12%)、イスラエル(良い影響を与えているが43%で、悪い影響を与えているが12%)といったように、日本とは逆の評価がなされているという点。この辺りのすれ違い現象がどう推移していくのかは今後の注目点のひとつかなと思います。
■日本人は他国をどう評価しているか
そして、日本に対する各国の評価とは逆に、日本人は他国及び地域をどう評価しているのかを各国及び地域への評価グラフから拾い出したものが次の数値。(順不同、前の数字がポジティヴ評価で、後の数字がネガティヴ評価)
アメリカ (37 - 8)
ロシア (17 - 23)
ドイツ (46 - 3)
カナダ (44 - 1)
EU ヨーロッパ連合 (35 - 5)
イギリス (47 - 2)
日本 (50 - 6)
パキスタン (6 - 41)
インド (34 - 9)
イラン (5 - 53)
南アフリカ (20 - 14)
イスラエル (4 - 50)
北朝鮮 (1 - 91)
フランス (38 - 4)
中国 (3 - 73)
ブラジル (35 - 7)
韓国 (13 - 37)
一昔前は「日本を最も評価しないのは日本人」と揶揄されたり、調査結果を記した以前のリポートでも、自国に対する評価が低い日本人を指して「日本国民は世界で最も謙虚である」と書かれたりもしていましたが、ここ最近は随分と変わってきた印象。
ということで、以下に記したのが、日本人の自国に対する評価の推移。(こちらも前の数字がポジティヴ評価で、後の数字がネガティヴ評価)
2014年 (50 - 6)
2013年 (45 - 9)
2012年 (41 - 9)
2011年 (39 - 9)
2010年 (43 - 7)
2009年 (41 - 11)
2008年 (36 - 15)
ちなみに、評価の高い上位の国は自国をどう評価しているかといえば、トップのドイツが(68 - 19)で、2位のカナダが(81 - 13)、3位のイギリスが(71 - 23)、4位のフランスが(70 - 22)。
▼ 調査結果の詳細はこちら (PDF)
2014 Country Rating Poll - GlobeScan.com
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