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2024/11/03

MI REFLEJO 「ミ・リフレホ ~マイ・リフレクション」 / CHRISTINA AGUILERA (2000)

CDの帯:ミ・リフレホ ~マイ・リフレクション / クリスティーナ・アギレラ

Album Cover (front): Mi Reflejo / Christina Aguiler  Album Cover (back): Mi Reflejo / Christina Aguiler  CD Case (back cover): Mi Reflejo / Christina Aguiler

セルフタイトルのデビュー・アルバムの翌年にリリースされたこの「Mi Reflejo / ミ・リフレホ ~マイ・リフレクション」は、クリスティーナ・アギレラ2枚目のスタジオ・アルバム。

アルバムは全編スペイン語でレコーディングされており、前作のデビュー・アルバムに収録されていたシングル曲のスペイン語ヴァージョン5曲と、デビュー・アルバムには収録されていなかった6曲の新曲(2曲のカヴァー曲を含む)が収録されている。

といったように、どちらかと言えば前作の流れをくむスペイン語による企画アルバムといった位置付けでもあるようで、実際、同年にリリースされた3作目のスタジオ・アルバムとなるクリスマス・アルバム"My Kind of Christmas"の次(2002年)にリリースされた4作目のスタジオ・アルバムとなる次々作の"Stripped"が、一般的には実質的なセカンド・アルバムとされているようだ。

アルバムは米ビルボードチャートで27位、又、同チャートのトップ・ラテン・アルバムとラテン・ポップ・アルバムで共に1位を記録し、両チャートでそれぞれ19週間トップを維持した。ちなみに、アメリカ以外では、アルゼンチンとウルグアイでそれぞれ2位、メキシコで5位を記録している。

なお、アルバムからは"Ven Conmigo (Solamente Tú)"、"Pero Me Acuerdo de Ti"、"Falsas Esperanzas"の3曲がシングルとしてリリースされた。

"Come On Over Baby (All I Want Is You)"のスペイン語のヴァージョンとなるリードシングルの"Ven Conmigo (Solamente Tú)"は、米ビルボードのホット・ラテン・ソング・チャートで1位、同ラテン・ポップ・ソング・チャートで2位を記録。又、この曲はスペインのチャートでも8位を記録した。

セカンドシングルの"Pero Me Acuerdo de Ti"は、ホット・ラテン・ソング・チャートで8位、ラテン・ポップ・ソング・チャートで5位を記録。そして、スペインのチャートでは3位を記録した。

そして、3枚目のシングルとなった"Falsas Esperanzas"は、スペインで15位を記録。

 

▼ Christina Aguilera - Pero Me Acuerdo De Tí (Video Oficial)

 

▼ Christina Aguilera - Por Siempre Tú (Video Oficial)

 

▼ Christina Aguilera - Mi Reflejo

 

▼ Christina Aguilera - Ven Conmigo (Solamente Tú) (Video Oficial)
https://www.youtube.com/watch?v=elOCH3vcZFM

▼ Christina Aguilera - Falsas Esperanzas (Video Oficial)
https://www.youtube.com/watch?v=lYWJCl27EcQ

▼ Christina Aguilera - Genio Atrapado (Official Video)
https://www.youtube.com/watch?v=WsYg48vuOTo

 

■ それにしても、この圧倒的歌唱力よ

▼ Christina Aguilera - Pero me acuerdo de ti (Live at Mexican TV Show "Otro rollo")

 

スペイン語でのアルバム制作に至った経緯については、彼女がエクアドルの血を引く家系の生まれ(エクアドルの公用語がスペイン語)だということが理由としてあるらしいが、デビュー・アルバムに次いで早々にリリースされたことを考えると、もしかしたら、今風のサウンドで彩られた(悪い言い方をすれば、トレンドを意識した売れ線狙いのイメージが強かった)デビュー・アルバムでの自身のイメージを払拭したかったとの思いがあったのかもしれない(ちなみに、クリスティーナ・アギレラ自身も、後に「ファースト・アルバムは自分でも軽薄な音楽だと分かっていた」と語っていた)。

自分自身、最初は企画アルバムということもあり、それほど期待もしていなかったのだが、実を言うと、これが結構ハマったんだよね。特にラテン系の新曲は、比較的スローな曲が多いこともあって、より持ち味の歌唱力が生かされた感じで、更に魅力度が増した印象。

 

CD: Mi Reflejo / Christina Aguiler

TRACKLIST
01. Genio Atrapado / ヘニオ・アトラパード (ジニー・イン・ア・ボトル)
02. Falsas Esperanzas / ファルサス・エスペランサス
03. El Beso Del Final / 最後のキス ~エル・ベソ・デル・フィナル
04. Pero Me Acuerdo De Ti / ペロ・メ・アクエルド・デ・ティ
05. Ven Conmigo (Solamente Tú) / ヴェン・コンミーゴ (カム・オン・オーヴァー)
06. Si No Te Hubiera Conocido / 出会わなければ ~シ・ノ・テ・ウビエラ・コノシード [Duet with Luis Fonsi]
07. Contigo En La Distancia / 遠く離れて ~コンティゴ・エン・ラ・ディスタンシア
08. Cuando No Es Contigo / いつも二人で ~クアンド・ノ・エス・コンティゴ
09. Por Siempre Tú / ポル・シンプレ・トゥ (アイ・ターン・トゥ・ユー)
10. Una Mujer / ウナ・ムヘール (ホワット・ア・ガール・ウォンツ)
11. Mi Reflejo / ミ・リフレホ (リフレクション)

[エンハンスド・トラック (Video Crip)]
01. Genio Atrapado (Genie in a Bottle) / ヘニオ・アトラパード (ジニー・イン・ア・ボトル)
02. Por Siempre Tu / ポル・シンプレ・トゥ (アイ・ターン・トゥ・ユー)

NOTES
• • 日本盤初回プレスCD [Japanese First Pressing CD]
• Enhanced CD
• 解説・歌詞・対訳付
• 品番:BVCP-21177
• CD発売日:2001年2月21/24日 (US: 2000年9月12日)

[Singles from "Mi Reflejo"]
• 1. "Ven Conmigo (Solamente Tú)" - Released: August 8, 2000
• 2. "Pero Me Acuerdo de Ti" - Released: December 12, 2000
• 3. "Falsas Esperanzas" - Released: April 9, 2001

 

 

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2014/07/10

LOTUS 「ロータス」 / CHRISTINA AGUILERA (2012)

CDの帯(初回プレス盤):ロータス / クリスティーナ・アギレラAlbum Cover: Lotus / Christina Aguilera物議を醸し出した2010年の問題作「Bionic / バイオニック」から、サウンドトラックの「Burlesque / バーレスク」を経てリリースされたクリスティーナ・アギレラの5作目となるオリジナルアルバムがこの「Lotus / ロータス」。ただ、賛否両論があったというか、否定的な意見も多かった"Bionic"も、自分自身はけっこう好きなルバムだった。

アルバムタイトルの"Lotus"とは蓮(はす)または水蓮(すいれん)のことで、そのことについては、「私にとって蓮は不屈の花であり、どんなに過酷な環境に置かれても、どんなに困難な状況に直面しても、常に力強く咲き続ける花なのよ」と、アギレラ自身の言葉としてライナーノーツの中に記されている。

ということで、この"Lotus"については、泥水の中から伸び生え、大輪の花を咲かせる蓮や水蓮のそういったイメージと重ね合わせた意味合いが含まれているようだ。

また、蓮といえば、釈迦の台座として仏画などによく描かれているのだが(仏教に於ける蓮とは欲にまみれず清く生きる象徴として捉えられている)、妖艶なアギレラの写真が満載のブックレットを見る限りは、アルバムに於ける宗教的な意味合いは無さそう。

CD Case (inside): Lotus / Christina Aguilera自分自身は、このアルバム"Lotus"をリリースされて直ぐに買っていたのだが、実はここまで取り上げていなかったのは、いまひとつピンとこなかったからで、個人的には収録曲の充実度と楽曲そのもののクオリティーという点では前作の"Bionic"の方に分があったように思う。まぁ、この辺りは好みの部分も多分に含まれているとは思うが。ただ、日本盤の場合だと、いくらミックス違いとはいえ、同じ曲が3曲もあるというのはどうかとは思うところ。個人的にはリミックスの2曲は、無いなら無いで別に構わないかなといった感じ。

それでも、せっかく購入したのだから、聴き続けていれば、そのうち何かしらの魅力を発見できるのではないかと思って、けっこう繰り返し聴いたのだった。実際、そうやって好きになったアルバムもあるしね。

そんなこんなで、繰り返し聴いていくうちに分かったのは、自分にはどうしても好きになれない曲が何曲かあることと、この曲順による流れが今一つピンとこないということだった。

と、そういった経緯から、好きになれない曲はカットして、曲順をアレコレと変えて聴いてみたら、当初よりも随分と印象が良くなった感じで今は落ち着いている。

ちなみに曲順はこんな感じ。

1. Lotus Intro / 2. Empty Words / 3. Army of Me / 4. Red Hot Kinda Love / 5. Circles / 6. Blank Page / 7. Your Body / 8. Around the World / 9. Cease Fire / 10. Just a Fool / 11. Light Up the Sky / 12. Let There Be Love

それでも、借り物とかだったら、もしかしたら、そのまま聴かずにいたかもしれないので、そういった意味では、やはりアルバムを買って良かったとは思うところ。対価を払って買ったものだと、気に入らないからポイとはそう簡単にはできないからね。

Booklet: Lotus / Christina Aguilera   Booklet: Lotus / Christina Aguilera   Booklet: Lotus / Christina Aguilera

なお、この"Lotus"、アメリカでは13曲が収録された通常盤と、「14. Light Up the Sky」 「15. Empty Words」 「16. Shut Up」 「17. Your Body (Martin Garrix Remix)」の4曲を加えたデラックス・エディションの2種類がリリースされているが、日本盤はそのデラックス・エディションに「18. Your Body (Ken Loi Remix)」を加えた全18曲という構成になっている。

 

TRACKLIST (Japan Edition)
1. Lotus Intro / 2. Army Of Me / 3. Red Hot Kinda Love / 4. Make The World Move (featuring Cee Lo Green) / 5. Your Body / 6. Let There Be Love / 7. Sing For Me / 8. Blank Page / 9. Cease Fire / 10. Around The World / 11. Circles / 12. Best Of Me / 13. Just A Fool (with Blake Shelton) / 14. Light Up The Sky / 15. Empty Words / 16. Shut Up / 17. Your Body (Martin Garrix Remix) / 18. Your Body (Ken Loi Remix) [Bonus Track For Japan]

1. ロータス・イントロ / 2. アーミー・オブ・ミー / 3. レッド・ホット・カインダ・ラヴ / 4. メイク・ザ・ワールド・ムーヴ feat. シーロー・グリーン / 5. ユア・ボディ / 6. レット・ゼア・ビー・ラヴ / 7. シング・フォー・ミー / 8. ブランク・ページ / 9. シーズ・ファイア / 10. アラウンド・ザ・ワールド / 11. サークルズ / 12. ベスト・オブ・ミー / 13. ジャスト・ア・フール with ブレイク・シェルトン / 14. ライト・アップ・ザ・スカイ / 15. エンプティー・ワーズ / 16. シャット・アップ / 17. ユア・ボディ(マーティン・ギャリックス・リミックス) / 18. ユア・ボディ(ケン・ロイ・リミックス) [日本盤ボーナス・トラック]

NOTES
• Album: 7位 (US)、28位 (UK)
• Singles: "Your Body" 34位 (US)、16位 (UK) / "Just a Fool" 71位 (US)

• 日本盤初回プレスCD [Japanese First Pressing CD]
• 品番:SICP 3689
• 解説・歌詞・対訳付

 

▼ Christina Aguilera - Around The World (Lyric Video)

 

▼ Christina Aguilera - Army Of Me

 

▼ Christina Aguilera - Empty Words (Lyric Video)

 

 

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BURLESQUE 「バーレスク」 (SOUNDTRACK) / CHRISTINA AGUILERA & CHER (2010)

CDの帯(初回プレス盤):バーレスク (サウンドトラック) / クリスティーナ・アギレラ & シェールAlbum Cover: Burlesque (Soundtrack) / Christina Aguilera & Cherこちらはクリスティーナ・アギレラ初出演映画「Burlesque / バーレスク」のサウンドトラック盤で、アルバムはアギレラとシェールの楽曲で占められている。全10曲と、CDの収録曲数にしてはやや少なめながらも、全曲が新曲ということもあり、特段、物足りなさを感じることはないし、埋め合わせ的な曲でお茶を濁されることを考えたら、このように必要な楽曲だけに絞り、凝縮された形でリリースされて良かったとは思う。まぁ、そんなこんなで、アギレラのアルバムとしても十分楽しめるサウンドトラックといった印象。

アルバムはアギレラの楽曲8曲+シェールの楽曲2曲で構成されている。個人的にはアギレラの新曲目的で購入したのだが、どうして、どうして、シェールの楽曲も魅力的で、流石にオスカーとグラミーを受賞した実績は伊達じゃないといった印象。又、そういった点では正に新旧の実力者エンターテイナー二人による夢の共演といったところ。

アギレラの新曲に関しては、オリジナル4曲+クラシックソングのカヴァー4曲という内訳だが、イメージとしてはどちらもこれぞアギレラ・ワールドといった感じで、オリジナルとカヴァーの垣根が全く感じられない程に、アルバムではアギレラの曲としての一体感が感じられる。

サウンドの方向性(アギレラ)としては、前々作"Back to Basics"のエッセンスに前作"Bionic"のフレバーを加えたといった感じで、賛否が分かれた"Bionic"も結果的にはその経験が重要な過程であったことが証明されたという印象。果たして、この先アギレラサウンドは成熟された方向へと進むのだろうか? それとも又々大胆な試みを見せるのであろうか? まぁ、どちらにしても、次作がほんと楽しみだ。

 

Booklet: Burlesque (Soundtrack) / Christina Aguilera & CherTRACKLIST
1. Something’s Got A Hold On Me / 2. Welcome To Burlesque / 3. Tough Lover / 4. But I Am A Good Girl / 5. Guy What Takes His Time / 6. Express / 7. You Haven't Seen The Last Of Me / 8. Bound To You / 9. Show Me How You Burlesque / 10. The Beautiful People (from Burlesque)

1. サムシングス・ガット・ア・ホールド・オン・ミー / 2. ウェルカム・トゥ・バーレスク / 3. タフ・ラヴァー / 4. バット・アイ・アム・ア・グッド・ガール / 5. ガイ・ワット・テイクス・ヒズ・タイム / 6. エクスプレス / 7. ユー・ハヴント・シーン・ザ・ラスト・オブ・ミー / 8. バウンド・トゥ・ユー / 9. ショウ・ミー・ハウ・ユー・バーレスク / 10. ザ・ビューティフル・ピープル(from バーレスク)

• Christina Aguilera (1, 3, 4, 5, 6, 8, 9, 10)
• Cher (2, 7)

NOTES
• 日本盤初回プレスCD [Japanese First Pressing CD]
• 品番:SICP-2933
• 解説・歌詞・対訳付

 

▼ Christina Aguilera - Something's Got a Hold On Me

 

▼ Cher - You Haven't Seen the Last of Me

 

[Official Audio]

▼ Christina Aguilera - But I Am A Good Girl
https://www.youtube.com/watch?v=5HkpmAqdO6I

▼ Christina Aguilera - Guy What Takes His Time
https://www.youtube.com/watch?v=ATbkOodVyJw

▼ Christina Aguilera - Show Me How You Burlesque
https://www.youtube.com/watch?v=9V_6Kn9KGt8

 

 

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KEEPS GETTIN' BETTER - A DECADE OF HITS / CHRISTINA AGUILERA (2008)

CDの帯(初回プレス限定盤):キープス・ゲッティン・ベター ~ グレイテスト・ヒッツ [Deluxe Edition] / クリスティーナ・アギレラAlbum Cover (front): Keeps Gettin' Better - A Decade of Hits [Deluxe Edition] / Christina Aguilera Album Cover (back): Keeps Gettin' Better - A Decade of Hits [Deluxe Edition] / Christina Aguilera Booklet: Keeps Gettin' Better - A Decade of Hits / Christina Aguilera

新曲(2曲)とニュー・レコーディング・ヴァージョン(2曲)が収録されたクリスティーナ・アギレラ初のベスト・アルバムがこの「Keeps Gettin' Better - A Decade of Hits / キープス・ゲッティン・ベター ~ グレイテスト・ヒッツ」。日本盤には最も好きな曲の一つである"The Voice Within"がボーナス・トラックとして収録されているのが個人的には嬉しいところ。

自分が買ったのは、10曲のビデオクリップが収録された"DVD"付きの"Delux Edition"(限定版)。ただ、新曲として収録され、シングルカットもされた"Keeps Gettin' Better"のビデオクリップは収録されておらず、その点だけがちょっと残念。

この"Keeps Gettin' Better - A Decade of Hits"、まずはジャケットの写真に目を奪われるわけだが、パッケージ全体に施されたポップアートスタイルのデザインも統一感があり、トータルデザインも抜け目無く仕事がなされた様子が伺える。

なんてことを思っていたら、彼女曰く、このアルバムのアートワークやビデオはアンディ・ウォーホルやロイ・リキテンスタインに代表される'60年代のポップアートとそのフィーリングにインスパイアされて出来上がったものだそうで、あの色彩や"fun"に魅かれたからとのこと。どうりでビビッとくる訳だ。又、収められた新曲の"Keeps Gettin' Better"の歌詞も楽しい色彩やポップアートを参考にして作られたそうだ。まぁ、それ以前に、彼女の存在自体がポップアートだとも言えそうなんだけどね。

ただ、そのジャケットに関しては黄色の枠で縁取りされた"Delux Edition"よりも、左上部に背景のブルーがちょっぴり見える"Standard Edition"(通常盤)の方がイメージとカラーに統一感があってデザイン的にも良いと思う。

 

Keeps Gettin' Better - A Decade of Hits [CD] / Christina Aguilera   Keeps Gettin' Better - A Decade of Hits [DVD] / Christina Aguilera   Booklet: Keeps Gettin' Better - A Decade of Hits / Christina Aguilera

 

年代順に曲が並べられたこのベスト・アルバムを聴いていると、今時の音で彩られたファースト・アルバムから、ロック色が増し、よりへヴィーになった"Stripped"、そして、幼い頃から祖母に良く聴かされていたという1920年から40年代のソウル、ジャズ、ブルースといったサウンドに焦点を当てて制作された"Back to Basics"へと、サウンドが大きく変貌していく様が実に良く分かる。更には、次作の予告編とも言えるエレクトロポップ色が打ち出された新曲とリメイクされた再録音曲で、再び今後の変貌を予感させられるわけなのだが、このように、築き上げたものをあっさりと破壊し、次々と新たな可能性と表現方法を追求するそうした姿勢は、様々なジャンルのクリエーターと通じるものでもあり、又、そういったアーティスティックなところが彼女に惹かれる部分でもある。

それにしても、テレビやラジオで彼女の歌を見聴きしていた時は、多少アイドルっぽく感じていた部分もあったのだが、こうして、時代を通して聴いてみると、実は、そうした部分は、ファースト・アルバムに於いてのみの印象だったことが良く分かる。

 

▼ Christina Aguilera - I Turn To You

 

彼女自身の言葉として「ファースト・アルバムは自分でも軽薄な音楽だと分かっていた」とライナーノーツにも書かれているのだが、しかしながら、そのファースト・アルバムが、セールスを意識した流行もの的サウンドで彩られたアルバムであったことも、まだ音楽業界のことをよく知らない新人のデビュー・アルバムということを考えれば仕方ない部分もあったと思うし、恐らくはアギレラの思いや意見が入り込む余地もほとんどなく、プロダクションやレコード会社主導で多くが進められたのではないかとは思うところでもある。勿論、そんな中でもアギレラの卓越した歌唱力は遺憾なく発揮されているわけだが。

しかしながら、彼女が只者ではないのは、セカンド・アルバムで、早くも、周りが全てをお膳立てしてくれるというアイドル路線からの脱却を計ったことで、そのことは「ありのままの自分」を意味する"Stripped"と題されたアルバム・タイトルや、収録曲のソングライターのクレジットに彼女の名前が多く見られ、更にはプロデューサーとして名を連ねるようになったことからもうかがい知れる。

 

▼ Christina Aguilera - Fighter

 

▼ Christina Aguilera - The Voice Within

 

一言に脱却と言葉にするのは簡単だが、ファースト・アルバムがアメリカだけで800万枚、全世界で1,700万枚というビッグセールスを記録したことを考えれば、一人の女性がありのままの自分を表現するという意志を通して次作リリースするということは並大抵のことではなかったと思う。当然、前作の延長線上で制作すれば、それなりのセールスは計算できると考える人達も少なからずいたことだろうからね。

そして、アギレラにとって、ある意味大きな賭けであったと思われるその"Stripped"も大成功を収めたことにより、次作のサード・アルバム"Back to Basics"では、タイトルからも分かるように、より自分の音楽的ルーツに立ち返るわけだが、その"Back to Basics"もアメリカをはじめ、世界15か国でアルバムチャートの1位を記録し、アギレラの選択した道は多くの人達に支持されることとなったのである。

"DVD"では、そんな足跡を映像を通しても観ることができるわけだが、ファースト・アルバム収録曲のビデオクリップではアイドル的イメージで制作されたような印象があったものの、セカンド・アルバム以降のビデオクリップではそんなアイドル的イメージを払拭するかのように、メイクやファッションといったビジュアル面でも一気に弾けていく様が見て取れる。

 

▼ Christina Aguilera - Keeps Gettin' Better

 

私自身、セカンド・アルバムでのアイドル路線からの脱却というアギレラの決断が無かったら、きっと彼女に興味を持つこともなかったと思うのだが、それにしても、声量豊かで歌も上手いよね。彼女を現代最高のヴォーカリストと称するミュージシャンがいるのも頷けるというもの。現在は結婚して子供もいらっしゃるようだが、できることなら、このままずっと自分の信じる道を突き進んで行ってもらいたいね。・・・なんてことを思っていたりもしたのだが、流石アギレラ!次作の"Bionic"では又々やってくれました。

 

TRACKLIST (Japanese Delux Edition)
[CD]
1. Genie In A Bottle / 2. What A Girl Wants / 3. I Turn To You / 4. Come On Over Baby (All I Want Is You) / 5. Nobody Wants To Be Lonely [with Ricky Martin] / 6. Lady Marmalade [with Lil' Kim, Mya, & Pink] / 7. Dirrty Featuring Redman / 8. Fighter / 9. Beautiful / 10. The Voice Within / 11. Ain't No Other Man / 12. Candyman / 13. Hurt / 14. Genie 2.0 / 15. Keeps Gettin' Better / 16. Dynamite / 17. You Are What You Are (Beautiful)

1. ジニー・イン・ア・ボトル / 2. ホワット・ア・ガール・ウォンツ / 3. アイ・ターン・トゥ・ユー / 4. カム・オン・オーヴァー・ベイビー(オール・アイ・ウォント・イズ・ユー) / 5. ノーバディ・ウォンツ・トゥ・ビー・ロンリー(with リッキー・マーティン) / 6. レディ・マーマレイド(with リル・キム、マイア & Pink) / 7. ダーティー featuring レッドマン / 8. ファイター / 9. ビューティフル / 10. ザ・ヴォイス・ウィズイン / 11. エイント・ノー・アザー・マン / 12. キャンディマン / 13. ハート / 14. ジニー 2.0 / 15. キープス・ゲッティン・ベター / 16. ダイナマイト / 17. ユー・アー・ホワット・ユー・アー(ビューティフル)

[DVD]
1. Genie In A Bottle / 2. What A Girl Wants / 3. I Turn To You / 4. Come On Over (All I Want Is You) / 5. Dirrty / 6. Fighter / 7. Beautiful / 8. Ain't No Other Man / 9. Candyman / 10. Hurt

1. ジニー・イン・ア・ボトル / 2. ホワット・ア・ガール・ウォンツ / 3. アイ・ターン・トゥ・ユー / 4. カム・オン・オーヴァー・ベイビー(オール・アイ・ウォント・イズ・ユー) / 5. ダーティー featuring レッドマン / 6. ファイター / 7. ビューティフル / 8. エイント・ノー・アザー・マン / 9. キャンディマン / 10. ハート

 

NOTES
• 日本盤初回プレスCD(限定盤) [Japanese First Pressing CD]
• 品番:BVCP 25145/6
• 解説・歌詞・対訳付

• Track 10 - The Voice Within (UK盤 / 日本盤ボーナス・トラック)
• Track 14 - Genie 2.0 ("Genie In A Bottle"のニュー・レコーディング・ヴァージョン) / Track 17 - You Are What You Are (Beautiful) ("Beautiful"のニュー・レコーディング・ヴァージョン)
• Track 15 - Keeps Gettin' Better (新曲) / Track 16 - Dynamite (新曲)

 

 

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BIONIC 「バイオニック」 / CHRISTINA AGUILERA (2010)

CDの帯(初回プレス盤):バイオニック / クリスティーナ・アギレラAlbum Cover (front): Bionic / Christina Aguileraクリスティーナ・アギレラといえば、アルバムごとに、サウンドと、それに呼応するかのようにビジュアルイメージを大胆に変化させてきた印象があるのだが、ただそうは言っても、この「Bionic / バイオニック」のジャケットには流石に驚かされた。とは言え、実は、一見キワモノ的なこの"Bionic"こそが、今年買ったCDの中で最も多く聴いたアルバムでもあった。

この"Bionic"では、ジャケット同様、サウンドにも大きな変化が見られるわけだが、1920~40年代のソウル、ジャズ、ブルースといったサウンドをリスペクトして制作された前作"Back to Basics"から一転して、今回は未来をコンセプトに制作されたエレクトロ・ポップ・アルバムとなっている。

エレクトロ・ポップへの布石は"Back to Basics"の後にリリースされたベスト・アルバム"Keeps Gettin' Better"に収録されていた再録音曲や新曲に於いてあったものの、スタイルが違うその他の楽曲と混在しているベスト・アルバムという中にあっては、やや浮いた感じが無きにしも非ずといった印象だったが、今回のように全編を通してしてやられると、全く違和感も感じない、と言うか、これも又、紛れもなくアギレラサウンドといった感じに思えてくるから不思議。

ただ、これだけサウンドが変貌すると、賛否が別れることはある程度仕方がないことなのかも知れないが、その点はアギレラ自身も十分予測していたことだろうし、個人的な意見としては、それなりの地位を確立しているにもかかわらず、そこに安住することなく、更なる意欲を見せるその姿勢にはエールを送りたいね。

 

Album Cover (back): Bionic / Christina Aguilera  CD: Bionic / Christina Aguilera

 

この"Bionic"、本国アメリカでは、18曲入りのスタンダード版と、5曲がプラスされたリミテッド・エディションに分けてリリースされたようだが、日本版はリミテッド・エディションに準じた23曲入りでリリースされている。個人的には、そのプラスされた5曲の中に含まれる"Monday Morning"と"Birds of Prey"がけっこう好きで、これらの曲がボーナストラック的扱いなのは何とももったいない気さえする。

本編内で好きな曲を挙げれば、"Bionic"、"Not Myself Tonight"、"Woohoo"、"Elastic Love"、"Desnudate"、"Glam"、"Lift Me Up"、"I Am"、"You Lost Me"、"I Hate Boys"、"Vanity"と、いくつもの曲が並んでしまう辺りは、クリスティーナ自身が語る「良い曲が沢山詰まっているの」の言葉通りに、このアルバムの充実度を示しているかのようでもある。しかも、1曲1曲が良く練られており、アレンジなどもけっこう複雑で凝っているんだよね。

個人的にはチャレンジ精神に富んだ意欲作ながらも、クオリティーの高い充実したアルバムだと思うのだが、思ったよりセールスは伸びてない感じで、世の中けっこう難しいものだなと。世界人口の大半が自分だったら10曲くらいシングルカットしてもよさそうなんだけどね(笑)。

 

Lenticular Cover: Bionic / Christina Aguilera  Booklet & Lenticular Cover: Bionic / Christina Aguilera

 

ジャケットは見る角度を変えると図柄が変化するスペシャル・レンティキュラー仕様(立体視覚特殊ジャケット)になっている。最近はあまり見なくなったが、自分が小学生の頃は、このザラザラした表面の立体視覚仕様を雑誌の付録やおまけのカード等で割と良く見かけたものだった。自分が持っていた手帳サイズの魚図鑑の表紙もこれだったなぁ。

 

TRACKLIST
1. Bionic / 2. Not Myself Tonight / 3. WooHoo [feat. Nicki Minaj] / 4. Elastic Love / 5. Desnudate / 6. Love & Glamour (Intro) / 7. Glam / 8. Prima Donna / 9. Morning Dessert (Intro) / 10. Sex For Breakfast / 11. Lift Me Up / 12. My Heart (Intro) / 13. All I Need / 14. I Am / 15. You Lost Me / 16. I Hate Boys / 17. My Girls [feat. Peaches] / 18. Vanity / 19. Monday Morning / 20. Bobblehead / 21. Birds Of Prey / 22. Stronger Than Ever / 23. I Am (Stripped)

1. バイオニック / 2. ノット・マイセルフ・トゥナイト / 3. ウーフー feat. ニッキ・ミナージ / 4. エラスティック・ラヴ / 5. デスヌダテ / 6. ラヴ & グラマー(イントロ) / 7. グラム / 8. プリマドンナ / 9. モーニング・デザート(イントロ) / 10. セックス・フォー・ブレックファースト / 11. リフト・ミー・アップ / 12. マイ・ハート(イントロ) / 13. オール・アイ・ニード / 14. アイ・アム / 15. ユー・ロスト・ミー / 16. アイ・ヘイト・ボーイズ / 17. マイ・ガールズ feat. ピーチズ / 18. ヴァニティー / 19. マンデー・モーニング / 20. バブルヘッド / 21. バーズ・オブ・プレイ / 22. ストロンガー・ザン・エヴァー / 23. アイ・アム(ストリップト)

NOTES
• 日本盤初回プレスCD [Japanese First Pressing CD]
• 品番:SICP 2604
• スペシャル・レンティキュラー仕様(立体視覚特殊ジャケット)
• 解説・歌詞・対訳付

 

▼ Christina Aguilera - Bionic (Music Video) Short Version

 

▼ Christina Aguilera - Not Myself Tonight - flash mob (Budapest)

 

[Audio]

▼ Christina Aguilera - Woohoo (ft. Nicki Minaj)
https://www.youtube.com/watch?v=BiEAy1LoOTk

▼ Christina Aguilera - Elastic Love
https://www.youtube.com/watch?v=O0U-N3UZ96o

▼ Christina Aguilera - I Am
https://www.youtube.com/watch?v=UtSTu2Ed-v8

▼ Christina Aguilera - Monday Morning
https://www.youtube.com/watch?v=kwRQJMeI0m4

▼ Christina Aguilera - Birds Of Prey
https://www.youtube.com/watch?v=gtAs6tEvTAw

 

 

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