2015/09/24

国連分担金の多い国トップ10(2013~2015年)

■ 国連分担金の多い国トップ10(2015年)
※ カッコ内の数値:分担率 / 分担額(単位:百万ドル)

  1. アメリカ (22.000 / 654.8)
  2. 日本 (10.833 / 294.0)
  3. ドイツ (7.141 / 193.8)
  4. フランス (5.593 / 151.8)
  5. イギリス (5.179 / 140.5)
  6. 中国 (5.148 / 139.7)
  7. イタリア (4.448 / 120.7)
  8. カナダ (2.984 / 81.0)
  9. スペイン (2.973 / 80.7)
  10. ブラジル (2.934 / 79.6)

 

国連分担金の多い国トップ10(2015年)

 

■ 2013~2015年国連通常予算分担率・分担金(外務省 / 出典:国連文書)

2013年 2014年 2015年
国名 分担率 (%) 分担額
(百 万ドル)
国名 分担率 (%) 分担額
(百 万ドル)
国名 分担率 (%) 分担額
(百 万ドル)
1 米国 22.000 618.5 米国 22.000 621.2 米国 22.000 654.8
2 日本 10.833 276.1 日本 10.833 276.5 日本 10.833 294.0
3 ドイツ 7.141 182.0 ドイツ 7.141 182.2 ドイツ 7.141 193.8
4 フランス 5.593 142.5 フランス 5.593 142.7 フランス 5.593 151.8
5 英国 5.179 132.0 英国 5.179 132.2 英国 5.179 140.5
6 中国 5.148 131.2 中国 5.148 131.4 中国 5.148 139.7
7 イタリア 4.448 113.3 イタリア 4.448 113.5 イタリア 4.448 120.7
8 カナダ 2.984 76.0 カナダ 2.984 76.2 カナダ 2.984 81.0
9 スペイン 2.973 75.8 スペイン 2.973 75.9 スペイン 2.973 80.7
10 ブラジル 2.934 74.8 ブラジル 2.934 74.9 ブラジル 2.934 79.6
11 ロシア 2.438 62.1 ロシア 2.438 62.2 ロシア 2.438 66.2
12 豪州 2.074 52.9 豪州 2.074 52.9 豪州 2.074 56.3
13 韓国 1.994 50.8 韓国 1.994 50.9 韓国 1.994 54.1
14 メキシコ 1.842 47.0 メキシコ 1.842 47.0 メキシコ 1.842 50.0
15 オランダ 1.654 42.1 オランダ 1.654 42.2 オランダ 1.654 44.9
16 トルコ 1.328 33.8 トルコ 1.328 33.9 トルコ 1.328 36.0
17 スイス 1.047 26.7 スイス 1.047 26.7 スイス 1.047 28.4
18 ベルギー 0.998 25.4 ベルギー 0.998 25.5 ベルギー 0.998 27.1
19 スウェーデン 0.960 24.5 スウェーデン 0.960 24.5 スウェーデン 0.960 26.1
20 ポーランド 0.921 23.5 ポーランド 0.921 23.5 ポーランド 0.921 25.0
その他(173カ国) 15.511 395.1 その他(173カ国) 15.511 395.7 その他(173カ国) 15.511 420.7
合計 100.000 2606.1 合計 100.000 2611.7 合計 100.000 2771.4

 

▼ 参照・引用・出典:2013~2015年国連通常予算分担率・分担金(外務省)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/jp_un/yosan.html

 

関連資料 1

国連の予算(国際連合広報センター)

予算の主な財源は加盟国による分担金である。分担金は、分担金委員会の勧告に基づいて総会が承認する分担率にしたがって加盟国が支払う。分担金委員会は、行政予算委員会(総会第5委員会)の勧告に基づいて総会が選出し、個人の資格で務める18人の専門家で構成される。分担率は加盟国の支払能力に基づいて決まる。これは全世界の国民総生産に占める加盟国の割合を出し、それを国民1人あたりの所得など、多くの要因を考慮に入れて調整して決定する。委員会は、分担率を公正かつ正確なものにするために、3年ごとに最新の国民所得統計に基づいて分担率の完全な見直しを行う。いかなる国にとっても国連予算に対する分担率の上限は22パーセントである。

 

各国の分担率については3年ごとに完全な見直しを行うようなので、2013~2015年の各国の分担率が同じであることからして、来年の2016年には再び見直しがされるのではないかと思います。

又、その分担金については、上記の記事にもあるように、一応は定められた算出方により分担率が決定されているようですが、GDPで日本を上回る中国の分担金が日本の約半分というのは解せないところではあります。

ちなみに、日本の分担率が最も高かったのは2000年の20.57%で、それに比べると、現在の分担率10.833%は約半分の値となっています。それでも、一時期より半減したとはいえ、まだまだ日本の分担金は高いのではないかとの声も国内では少なからずあるようです。

ただし、日本の次に分担率が高いドイツが7.141%ということからしても、ここから先、日本の分担率が大きく下がるということは考え難いのではないかと思います。それでも、それならそれで、算出法の見直しを求めるとか、常任理事国についてはそれ相応の加算金を課すように働きかけるなど、他の手段を講じることも必要かと。特に常任理事国については、現状だと利権の温床にしかなっていない感じですし、常任理事国に分担金が加算されれば、その分、他国の分担金を減らすことにも繋がるわけですから。

 

なお、以下の「関連資料 2」に記したように、国連機関等への拠出金・出資金には、義務的拠出金(分担金を含む)の他に、任意拠出金、出資金といったものもあります。

 

関連資料 2

国際機関等への拠出金・出資金(参議院 / 立法と調査 2015. 6) (PDF)

拠出金・出資金の分類及び具体例(抜粋編集)

国際機関等へ支払われている拠出金・出資金について、その性質で分類すると、1. 義務的拠出金(分担金を含む)、2. 任意拠出金、3. 出資金に分けられる。

1. 義務的拠出金
義務的拠出金は、国際機関等の事務局運営費等に充てるための財源として、国際機関等の設立条約や決議等により加盟国等が定められた額や負担を求められた額を義務的に支出するものである。

例えば、国連分担金1や国連平和維持活動 (PKO) 分担金が義務的拠出金に該当する。日本の国連通常予算分担率は、2007~2009年で16.624%、2010~2012年で12.530%、2013~2015年で10.833%(加盟国中第2位)となっている。また、日本の国連分担金額(暦年の要請額ベース)は、通常予算分担金額が2013年で約2.76億ドルとなっている。

2. 任意拠出金
任意拠出金は、国際機関等の実施する事業等のうち、加盟国等が重視する特定国・地域又は特定分野の事業等、加盟国等が有益と認め、支援すべきと判断した事業等に対して自発的に支出するものである。

例えば、UNDPへの拠出金が任意拠出金に該当する。日本のUNDPに対する拠出額は、2013年で80,472千ドル(拠出率9.0%)となっている。

3. 出資金
出資金は、開発途上国が実施する開発プロジェクト等に必要な資金に対して緩やかな条件で融資等を行う国際的な開発金融機関等に対し、資本金の出資の形で支出するものである。例えば、世界銀行グループのIBRD、IDAへの出資が出資金に該当する。

 

 

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2015/09/16

PAST TO PRESENT 1977-1990 / TOTO (1990)

CDの帯(初回プレス盤):グレイテスト・ヒッツ ~Past to Present 1977-1990~ / TOTOAlbum Cover (front): Past to Present 1977-1990 / TOTO  Album Cover (back): Past to Present 1977-1990 / TOTO  CD: Past to Present 1977-1990 / TOTO

1990年にリリースされたこの「Past to Present 1977-1990 / グレイテスト・ヒッツ ~Past to Present 1977-1990~」は、これまでのヒット曲が集約された"TOTO"初のグレイテスト・ヒッツといえるアルバムだが、過去の名曲に加えて、新加入のジャン・ミッシェル・バイロンがヴォーカルをとる新曲が4曲含まれているという点でもファンには見逃せないアルバムなのだ。しかも、ジャン・ミッシェル・バイロンはこの後グループを離れてしまったので、結果的にはこのアルバムだけの参加というかたちになってしまったからね。

アルバムは、1978年のファースト・アルバム「TOTO / 宇宙の騎士」から1988年リリースの7作目「The Seventh One / ザ・セブンス・ワン~第7の剣~」より選曲されており、それに加えて、先に述べたように、新曲が4曲という構成になっている。ただし、1981年リリースのサード・アルバム「Turn Back / ターン・バック」と、1984年リリースの5作目「Isolation / アイソレーション」からは1曲も選曲されていない。

当時は新曲目当てで買ったようなアルバムであったものの、どちらかといえばロック系のサウンドが好きだったこともあり、ソウルやファンクといった要素が強い1曲目の"Love Has The Power"や、ラストの"Animal"をはじめ、新曲の4曲にはこれといって惹かれることもなく、繰り返して聴くようなこともなかった。

それでも、久しぶりに聴いてみると、これらの新曲も当時抱いていた印象ほど悪くはない感じ。しかも、これら4曲の新曲は他のアルバムには収録されていないので、今となっては貴重だしね。とは言っても、当時は、今後はこのようなスタイルのサウンドになるのかと思うと、なんだか興味が失せてしまい、その後の"TOTO"から離れてしまうきっかけとなったアルバムでもあったのだった。

※ 補足
2002年にリリース(日本盤は2003年にリリース)された3枚組のコンピレーションアルバム"Greatest Hits ...And More"には、"Love Has The Power"と"Out Of Love"のリミックスヴァージョンが収録されている。

アルバムはビルボードチャートでの最高位が153位と、初のグレイテスト・ヒッツにしては少々寂しい結果に終わったものの、その後もじわじわと売り上げを伸ばしていたようで、6年後の1996年には100万枚のセールスに到達し、プラチナムに認定されている。

 

TRACKLIST
1. Love Has The Power (New Song) / 2. Africa / 3. Hold The Line / 4. Out Of Love (New Song) / 5. Georgy Porgy / 6. I'll Be Over You / 7. Can't You Hear What I'm Saying (New Song) / 8. Rosanna / 9. I Won't Hold You Back / 10. Stop Loving You / 11. 99 / 12. Pamela / 13. Animal (New Song)

1. ラヴ・ハズ・ザ・パワー(新曲) / 2. アフリカ / 3. ホールド・ザ・ライン / 4. アウト・オブ・ラヴ(新曲) / 5. ジョージー・ポージー / 6. アイル・ビー・オーヴァー・ユー / 7. キャン・ユー・ヒア・ホワット・アイム・セイイング(新曲) / 8. ロザーナ / 9. ホールド・ユー・バック / 10. ストップ・ラヴィング・ユー / 11. 99 / 12. パメラ / 13. アニマル(新曲)

NOTES
• US 153位 (Platinum / 1996-RIAA)

• 日本盤初回プレスCD [Japanese First Pressing CD]
• 解説・歌詞・対訳付

 

▼ TOTO - Out Of Love (Music Video)

https://www.youtube.com/watch?v=w2JIS3QnZlc

 

▼ TOTO - Can You Hear What I'm Saying (Music Video)

https://www.youtube.com/watch?v=1qzuCU3dQ6k

 

▼ TOTO - Out Of Love (German TV-Show)

https://www.youtube.com/watch?v=dQVmxEYv5Yc

 

 

[関連記事]

TOTO 「宇宙の騎士」 (1978) / TOTO

Hydra 「ハイドラ」 (1979) / TOTO

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All In 1978-2018 [13CD Box Set] (2019) / TOTO

2015/09/10

NIGHT AFTER NIGHT 「ナイト・アフター・ナイト(ライヴ・イン・ジャパン)」 / UK (1979)

CDの帯:ナイト・アフター・ナイト (ライヴ・イン・ジャパン)+1 (初回限定盤) / UKAlbum Cover (front): Night 
After Night / UK実は、個人的に最も好きなライヴ・アルバムのひとつが、この"UK"のライヴ・アルバム「Night After Night / ナイト・アフター・ナイト(ライヴ・イン・ジャパン)」なのだ。

このアルバムを知るきっかけとなったのは、リリースされた当時にこの"Night After Night"が新譜として紹介されたNHK-FMの番組だったことは今でも覚えていて、特にその中の"Nothing to Lose"に強く惹かれたことがアルバム(LPレコード)購入に至った最大の理由だった。ただ、それまでの自分はといえば、"UK"というバンドは疎か、ジョン・ウェットンすら知らず、それ以前のジョン・ウェットンのプログレ歴のこともこのアルバムを買って始めて知ったという程度の認識しかなかったのだった。

アルバムの曲順については、実際のライヴとはかなり違いがあるようだが、それまでの"UK"を知らない自分にとっては1曲目が"Night After Night"なのは取っ付き易くて良かったように思う。実際、"Nothing to Lose"に惹かれたことは勿論のことながら、この"Night After Night"を最初に聴いて好印象だったことが、その後に続く曲も興味を持って聴くことができた要因でもあったように思うからね。そういえば、ギターが無くてもロックが成立し、トリオ編成でも素晴らしいサウンドが構築できることを知ったのもこのアルバムだった。

 

Album Cover (back): Night After Night / UKもしも、この後にニューアルバムがリリースされていたならば、迷うことなく買っていたと思うのだが、残念ながらバンドはこのアルバムを最後に解散してしまった。ライヴ・アルバムとはいえ、新曲が2曲収録されていたこともあり、バンドの解散は予想だにしなかった出来事だったが、当時はバンドが解散していたことも、その後の"Asia"結成のニュースで初めて知ったような記憶がある。

ということで、自分がその後、"Asia"に飛びついたのは、この"UK"で知ったジョン・ウェットンがメンバーに名を連ねていたからだったのだった。

その後、時代がレコード盤からCDに代わった後も、このアルバムをCDで聴きたいなとずっと思っていたのだが、タイミングが悪くて、買いたいと探していた時は廃盤になっていたりして中々買えずにいたのだが、ようやく買えたのが昨年の2014年に発売されたこちらのCDだった。

LPレコードで聴いてた時代は、A面の4曲ばかり聴いていたので、このCDを買ったときはLPレコードで言うB面の曲がけっこう興味深かったのだが、それでも、数十年ぶりに聴いても、A面の4曲にはやっぱりゾクゾク、ワクワクした。

それにしても、今聴いても古臭い印象が全く無い素晴らしいライヴ・アルバムだこと。今はこのようなライヴ・アルバムを最後に残してしてくれたことに感謝。個人的には、ここに収録されている楽曲はどれもがスタジオ・ヴァージョンを凌ぐサウンドだと思うし、アルバム自体も"UK"の代表作であり、スタジオ・アルバムを凌駕する名盤だと思っている。

 

ナイト・アフター・ナイト(ライヴ・イン・ジャパン)+1 / UK

 

▲ 飛行機の中で書かれたと記載されているが、ライナーノーツには、来日する直前に滞在していたカリフォルニアのホテルで作られていたことが記されている。ただし、来日直前に書かれた曲であることは確かなようなので、飛行機の中で多少手直しがされて完成に至ったということは有り得る話ではないかと思う。

ちなみに、アルバムは1979年5月30日の中野サンプラザでのライヴと、同年6月4日の日本青年館でのライヴから抜粋して編集されたもので、この再発盤に「+1」として収録されているボーナストラックの"When Will You Realize"は、シングル"Night After Night"のB面にのみ収録されていた曲。

 

CDの帯:ナイト・アフター・ナイト ~ ライヴ・イン・ジャパン(日本初回盤LP復刻帯) / UK

ただ、復刻版ということで、帯はLPレコードの時と同じデザインで懐かしくていいのだが、日本盤LPの帯が復刻されているのに、ジャケットの方はイギリス盤の復刻とやや中途半端な印象。日本盤LPは見開きのダブルジャケットで、表の部分はエンボス加工がしてあった記憶があるので、恐らくはこの点がコストの面で影響して、ジャケットの方はシングルジャケットのイギリス盤の復刻というかたちになったのではないかと推測しているのだが、個人的には若干高くなってもダブルジャケットにしてほしかったところ。

ついでに補足しておくと、日本盤とイギリス盤のジャケットに関しては、他にも日本盤の方がイギリス盤に比べて青みが強い色合いのジャケットになっていたという点と、ジャケットの「U」の部分にあるエディ・ジョブソンの写真が異なる(日本盤はヴァイオリンを弾いている写真になっていた)という違いもある。

なお、復刻帯にもLPレコードの帯と同様に「ポスター付」との記載があるものの、帯を復刻しただけのようで、CDにはポスターは付いていない。折角復刻したのなら縮小版でもいいから付ければ良かったのにとは思うところ。

ちなみに、付属の帯はこの復刻されたLPの帯に加えて、別途CD用の帯も付いているので、開封する前は復刻帯の上にCDの帯が重ねられた状態になっている。

あと、CDに関しては、4曲目から5曲目に移る部分(LPレコードではA面からB面に切り替わる部分)のトラック割りがちょっと変で、LPレコードだとA面最後の4曲目がフェードアウトして終わり、B面1曲目である5曲目は歓声がフェードインして始まるところが、このCDでは、4曲目がフェードアウトした後の若干の無音部分を挟んで5曲目がフェードインし始めるところまでが4曲目になっているのだ。なので、5曲目も歓声がフェードインして始まるのではなく、切れた状態で始まることになる。まぁ、通して聴けば問題無いのだが、この曲だけを聴こうとするときは多少変な感じになってしまう。

それと、このアルバムもそうだが、ライヴ・アルバムでは曲の始まり部分でトラック割りしてある場合が意外と多くて、曲紹介のMCが前の曲の終り部分に含まれることになるのは多少違和感があるところ。これもアルバムを通して聴けば問題無いのだが、特定の曲だけを聴こうとする場合などは盛り上がりに欠けるような感じが無きにしも非ず。

でも、ボーナストラックの"Will You Realize"にも、聞き取りというかたちで歌詞と対訳を付けられているのは良心的かなと。

 

Night After Night / UK

 

CD: Night After Night / UK収録曲について言えば、前半の1曲目~4曲目(LPレコードではA面)がどちらかというとポップでメロディックなサウンドなのに対し、後半の5曲目~9曲目(LPレコードではB面)は、変拍子を交えたテクニカルなプログレ色が前面に出たサウンドになっており、前半と後半(LPレコードではA面とB面)で曲調が色分けされているのが面白いところ。

それに、新曲が収録されていると先にも書いたように、アルバムタイトルにもなっている1曲目の"Night After Night"と、4曲目の"As Long as You Want Me Here"はこのアルバムでしか聴けない曲だというのも、このアルバムならではの魅力であり特徴。しかも、どちらも魅力的な曲であるところがこのアルバムを更に特別なものにしている要素になっているようにも思う。

新曲以外では、エレクトリックピアノが美しい旋律を奏でる2曲目の"Rendezvous 6:02"もこれまた大好きな曲で、ソロパートに於ける分厚いシンセサウンドも魅力的。

そして、このアルバムを買うきっかけとなった曲であり、アルバムではハイライトのひとつでもある"Nothing to Lose"は勿論今でも最も好きな曲のひとつで、スタジオ・ヴァージョンよりも長くなっているバイオリンソロが聴き所なのは勿論のこと、ライヴではエディ・ジョブソンがキーボードを離れてバイオリンに持ち替える動作が入るため、バイオリンソロの前にベースとドラムによるタメがあって、そこがまたカッコイイんだよね。それに、キーボードからヴァイオリンへ、そして、再びキーボードへと動き回るライヴでのエディの様子が想像できるのも楽しいところ。

5曲目以降は、こちらも先に述べたように、変拍子を交えたテクニカルなプログレ風楽曲が続くのだけれど、アルバム前半で見られるような親しみ易い曲がありながらも、こういった面をベースに持ち合わせているのが、実は"UK"最大の魅力なのではないかと思う。当時は前半の曲に比べて聴く機会は少なかったのだが、スリリングで壮絶な演奏が畳み掛けるように展開される様は圧巻。

なお、アルバムに収録されている新曲以外の曲は、2、3、9曲目が「Danger Money / デンジャー・マネー」 (1979)から。そして、5曲目~8曲目までの4曲が「U.K. / 憂国の四士」 (1978) からとなっている。

最後の"UK"コールが、フェードアウトじゃなく、エコーと共に突然終わってしまうのも、今にして思えば、何だかバンドの運命を象徴しているようで感慨深いものがある。解散してしまって、本当に残念ではあるのだが、この解散がなければ"Asia"の誕生も無かっただろうし・・・複雑な心境。

 

Night After Night / UK

 

UK - BAND MEMBERS (Listed on Back Cover)
• Eddie Jobson (エディ・ジョブソン) - Keyboards and Electric Violin
• John Wetton (ジョン・ウェットン) - Lead Voice and  Bass Guitar
• Terry Bozzio (テリー・ボジオ) - Drums and Percussion

 

TRACKLIST (2014 Japanese Reissue Edition)
1. Night After Night / 2. Rendezvous 6:02 / 3. Nothing To Lose / 4. As Long As You Want Me Here / 5. Alaska / 6. Time To Kill / 7. Presto Vivace / 8. In The Dead Of Night / 9. Caesar's Palace Blues / 10. When Will You Realize (Bonus Track)

1. ナイト・アフター・ナイト(新曲) / 2. ランデブー 6:02 / 3. ナッシング・トゥ・ルーズ / 4. アズ・ロング・アズ・ユー・ウォント・ミー・ヒア(新曲) / 5. アラスカ / 6. タイム・トゥ・キル / 7. プレスト・ヴィヴァーチェ / 8. イン・ザ・デッド・オブ・ナイト / 9. シーザーズ・パレス・ブルース / 10. ホエン・ウィル・ユー・リアライズ (ボーナス・トラック)

※ LP時代の邦題
6. 「タイム・トゥ・キル」 → 「時空の中に」 / 8. 「イン・ザ・デッド・オブ・ナイト」 → 「闇の住人」

別にわざわざカタカナ表記に変更しなくてもいいのにとは思うところ(復刻ミニチュア巻き帯に書かれた曲目にはLP時代の邦題がそのまま記されている)。

 

NOTES
• Recorded at Nakano Sun Plaza (30 May 1979) and Nippon Seinen Kan (4 June 1979), Tokyo, Japan.

• Single: "Night After Night" (B-Side: "When Will You Realize")

■ ナイト・アフター・ナイト(ライヴ・イン・ジャパン)+1
• 初回限定盤(紙ジャケット+日本初回盤LP復刻ミニチュア巻き帯+ボーナストラック)
• CD発売日:2014年9月24日(再発盤)
• 解説・歌詞・対訳付(ボーナストラックを含む)

 

■ 残念ながらこのライヴアルバムの動画は無いようなので。

UK - Nothing To Lose (Music Video)

https://www.youtube.com/watch?v=SwVVx5DwfrQ

 

▼ ライヴ・ヴァージョンはこんな感じ(カヴァー)

Nothing To Lose (U.K.Cover)

https://www.youtube.com/watch?v=5ihcNtTP9bY

 

UK - Rendezvous 6:02 (Music Video)

https://www.youtube.com/watch?v=oZ5RgSPU3B4

 

UK - Night After Night / Caesar's Palace Blues (1979 TV Performance)

https://www.youtube.com/watch?v=4n55mGo8Bgc

 

[Audio]

▼ UK - Night After Night (Night After Night / Live in Japan)
https://www.youtube.com/watch?v=CdxPIrQZjYw

▼ UK - Nothing To Lose (Night After Night / Live in Japan)
https://www.youtube.com/watch?v=6tSDoNcbaFE

▼ UK - As Long As You Want Me Here (Night After Night / Live in Japan)
https://www.youtube.com/watch?v=J1KYgQKFc18

 

 

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