2011/05/17

1978 / NEW ENGLAND (1998)

CDの帯(世界初CD化盤):1978 / ニュー・イングランドAlbum Cover (front): 1978 / New Englandまさか、こんなアルバムがリリースされようとは思ってもみなかったのだが、念のために言っておくと、これは"New England"のオリジナル・アルバムではなく、未発表のデモ音源を集めた企画盤で、そういった意味では、どちらかといえばマニア向けのアルバムといった印象。ただ、デモ音源集とは言っても、これが中々侮れないのだ。

収録されているのは、ファースト・アルバム収録曲のデモ・ヴァージョン6曲と、セカンド・アルバム収録曲のデモ・ヴァージョンが1曲、そして、未発表曲が3曲の全10曲で、全てがデビュー前に録音されていた音源とのこと。ただし、デビュー前のデモとは言っても、きちんとしたスタジオで収録されているようで、録音状態は割と良好で、未発表曲の3曲に於いては、どうしてその後のアルバムに収録されなかったのかと不思議に思うほど曲としての完成度も高いものなんだよね。

ただ、自分が最も好きなファースト・アルバム収録曲のデモは、さすがにファースト・アルバムで披露されたヴァージョンに比べると、まだ野暮ったく、泥臭い印象がある。しかしながら、裏を返せば、ファースト・アルバムでのサウンドが如何に素晴らしいものであったかが再確認できるということにもなるし、又、これらの楽曲がどのように進化を遂げ、昇華されていったのかを知ることができるという点では興味深くもあり貴重だと思う。特にスケール感のある"Nothing to Fear"は、元々はこんな曲だったのかと驚かされたしね。

 

Album Cover (back): 1978 / New Englandそれにしても、こんな音源が存在していたとは驚きだね。しかも、デモ音源とは言っても、デモとしてはほぼ完成形のようだし、未発表曲の3曲もクオリティーが高く、ほんとファンにとっては価値のあるアルバムだと思う。

NEW ENGLAND - BAND MEMBERS
• John Fannon (ジョン・ファノン) - Vocals, Guitar
• Hirsh Gardner (ハーシュ・ガードナー) - Drums, Vocals
• Gary Shea (ゲイリー・シェア) - Bass
• Jimmy Waldo (ジミー・ウォルドー) - Keyboards, Vocals

 

TRACKLIST
1. Alone Tonight / 2. Nothing To Fear / 3. Candy / 4. I Will Be There / 5. Shoot / 6. Don't Ever Wanna Lose Ya / 7. Hello Hello Hello / 8. Even When I'm Away / 9. Searchin' / 10. Turn Out The Light

1. アローン・トゥナイト / 2. ナッシング・トゥ・フィアー / 3. キャンディ / 4. アイル・ビー・ゼア / 5. シュート / 6. ドント・エヴァー・ウォナ・ルーズ・ヤ / 7. ハロー・ハロー・ハロー / 8. イーヴン・ウェン・アイム・アウェイ / 9. サーチン / 10. ターン・アウト・ザ・ライト

NOTES
• 日本盤初回プレスCD(世界初CD化盤) [Japanese First Pressing CD]
• 解説・歌詞・対訳付

 

 

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2011/05/12

MOMENT OF TRUTH / E.L.O. PART II (1994)

CDの帯(初回プレス盤):モーメント・オブ・トゥルース / E.L.O. Part IIAlbum Cover: Moment of Truth / E.L.O. Part IIもしかしたらアルバム1枚だけで終わったのかも?と思っていた"E.L.O. Part II"のセカンド・アルバムであるこの「Moment of Truth / モーメント・オブ・トゥルース」がリリースされたのは、ファースト・アルバムがリリースされてから3年後(日本では4年後)のことだった。その間にはメンバーの変更もあり、このアルバムでは"Kelly Groucutt"、"Eric Troyer"、"Phil Bettes"の3人が曲ごとにヴォーカルを担当するというかたちになっている。しかしながら、前作でも"Pete Haycock"、"Eric Troyer"、"Neil Rockwood"の3人が曲ごとにリードヴォーカルを務めていたので、大きな印象の変化というのは無い感じ。

ただ、このアルバムからはファースト・アルバムでも関与があった"Louis Clark"が正式にメンバーとしてクレジットされるようになったことからも推察されるように、例えばストリングスによる小曲が曲間の所々に収められていたりと、前作よりもストリングスの比重が増したアルバム構成になっており、その点では、より"Electric Light Orchestra"というバンド名に相応しくなった印象がある。

リードヴォーカリスト3人体制ということで、やもするとバンドの印象がぼやけてしまうという懸念もあるかと思うのだが、曲のいたる所で3人のコーラス・ハーモニーが聴こえてくる所為か、前作同様、そういった印象は無く、逆に曲ごとに変化があって楽しめるといった感じ。サウンドについて言えば、コンポーザーが違うということもあって、"E.L.O."のポップ感覚とは多少違った印象があり、ファースト・アルバム同様に、幾分ハードロック寄りといった感じを受ける。

個人的には"Kelly Groucutt"のヴォーカルが聴ける"The Fox"、"Blue Violin"、"Twist of the Knife"の3曲が好きで、このアルバムがリリースされたときも彼のヴォーカルが聴けるようになって嬉しかったのだが、残念ながらこの"Moment of Truth"が"E.L.O. Part II"としては最後のスタジオアルバムとなってしまった。そして、2009年にはその"Kelly Groucutt"も帰らぬ人となってしまい、全盛期のメンバーによる"E.L.O."復活という微かな希望と共に持ち続けていた自分の夢も絶たれることになってしまった。

ちなみに、"Moment of Truth"の日本盤は、ジャケットが日本だけのオリジナルデザイン仕様となっており、イギリスでリリースされた翌年の1995年にリリースされている。

それと、一応、念のため記しておくと、ファースト・アルバムがリリースされた翌年の1992年には"E.L.O."時代の楽曲を中心に収録されたライヴ・アルバム"Performing ELO's Greatest Hits Live"(日本未発売)がリリースされているので、そのライヴ・アルバムを含めれば、この"Moment of Truth"は通算では3作目となる。

 

CD: Moment of Truth / E.L.O. Part IITRACKLIST
1. Moment Of Truth (Overture) / 2. Breakin' Down The Walls / 3. Power Of A Million Lights / 4. Interlude 3 / 5. One More Tomorrow / 6. Don't Wanna / 7. Voices / 8. Interlude 2 / 9. Vixen / 10. The Fox / 11. Love Or Money / 12. Blue Violin / 13. Whiskey Girls / 14. Interlude 1 / 15. Twist Of The Knife / 16. So Glad You Said Goodbye / 17. Underture / 18. The Leaving

1. モーメント・オブ・トゥルース / 2. ブレイキン・ダウン・ザ・ウォールズ / 3. パワー・オブ・ア・ミリオン・ライツ / 4. インタールード 3 / 5. ワン・モア・トゥモロウ / 6. ドント・ウォナ / 7. ヴォイセズ / 8. インタールード 2 / 9. ヴィクセン / 10. フォックス / 11. ラヴ・オア・マネー / 12. ブルー・ヴァイオリン / 13. ウィスキー・ガールズ / 14. インタールード 1 / 15. トゥイスト・オブ・ザ・ナイフ / 16. ソー・グラッド・ユー・セッド・グッドバイ / 17. アンダーチュア / 18. リーヴィング

NOTES
• 日本盤初回プレスCD [Japanese First Pressing CD]
• 解説・歌詞・対訳付

ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA PART II - BAND MEMBERS (Listed in Booklet)
• Bev Bevan - Drums
• Mik Kaminski - Violin
• Louis Clark - Orchestral Keyboards and Arrangements
• Kelly Groucutt - Bass and Vocals (Lead vocals - Tracks 10, 12, 15)
• Eric Troyer - Keyboards and Vocals (Lead vocals - Tracks 3, 6, 11, 16)
• Phil Bates - Guitar and Vocals (Lead vocals - Tracks 2, 5, 7, 13)

 

▼ Electric Light Orchestra Part II - Power Of A Million Lights

https://www.youtube.com/watch?v=haI3-kjyXSM

 

▼ Electric Light Orchestra Part II - Breaking Down the Walls
https://www.youtube.com/watch?v=8hk6MJiYGmM

▼ Electric Light Orchestra Part II - One More Tomorrow
https://www.youtube.com/watch?v=G2hDNQj93rA

▼ Electric Light Orchestra Part II - Twist Of The Knife
https://www.youtube.com/watch?v=jy2tI_zijW4

 

 

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