2014/02/15

HI INFIDELITY 「禁じられた夜」 / REO SPEEDWAGON (1980)

LPレコードの帯:禁じられた夜 / REO スピードワゴンAlbum Cover: Hi Infidelity / REO Speedwagon自分が初めて買った"REO Speedwagon"のアルバム(LPレコード)が、この「Hi Infidelity / 禁じられた夜」だった。

ドラマティックなパワー・バラード曲である"Keep On Loving You"と、"Take It On The Run"の2曲に惹かれたからというのが購入した理由だったが、日本では60年代ポップス的な香りがする「In Your Letter(涙のレター)」がこれらの曲以上にヒットしていた。

米ビルボードチャートでは、長い間、首位だったジョン・レノンの「ダブル・ファンタジー」に取って代わり、その後15週もの間No.1の座に居座り続け、結果的には年間チャートでも「ダブル・ファンタジー」を押さえて1位を記録したわけだが、メロディックなサウンドにハイトーンヴォイスと厚みのあるコーラス・ハーモニー、そして、ギターもそれなりにハードといった、この当時の主流ともいえるロックの要素が高次元で融合したサウンドは、もしかしたら、翌年にリリースされ、No.1を記録したスティクスの"Paradise Theater"や、ジャーニーの"Escape"といったアルバムにも少なからず影響与えたのかもしれない。

そういえば、当時の音楽雑誌に載っていたインタビュー記事にも、スティクスやジャーニーと比較されることに対し「自分たちが先だったんだ」みたいなことを発言していたことを何となく覚えている。

又、1971年にファースト・アルバム"REO Speedwagon"でデビューして、当時でもそれなりにキャリアを積んだグループの大ヒットアルバムだったことから、日本ではヴォーカリストの"Kevin Cronin"(ケヴィン・クローニン)の名にに引っ掛けて、「苦労人」が報われたみたいなことも言われていた。

ただ、一方では、1980年にリリースされたこの"Hi Infidelity"が大ヒットを記録したことから、一夜にして成功を掴んだかのように語られることもあるのだが、実際は、1978年リリースの8thアルバム「You Can Tune a Piano, but You Can't Tuna Fish / ツナ・フィッシュ」が米29位(2x Platinum)、1979年リリースの9thアルバム「Nine Lives / ナイン・ライヴス」が米33位(Gold)、そして、"Hi Infidelity"の前作となる1980年リリースのベストアルバム「A Decade of Rock and Roll 1970 to 1980 / ディケイド・オブ・ロックンロール 1970~1980」が、米55位(Platinum)と、徐々に成功への足掛かりは掴んでいたのだった。

正直言うと、アルバムを通してというよりも、"Keep On Loving You"と、"Take It On The Run"の2曲ばかりを聴いていたような思い出があるアルバムなのだが、それでも、当時はまたひとつお気に入りのバンドが増えたことを喜んでいた。

しかしながら、期待して買った次作の"Good Trouble"はあまり好きになれず、今度こそはと買った次々作の"Wheels Are Turnin'"でやや盛り返すも、残念ながら"REO Speedwagon"のアルバムを買うのはここでストップしてしまったのだった。とは言っても、ビルボードチャートでは両アルバム共に7位と、トップ10に入るヒットを記録していたのだから、あくまでも個人的な好みの問題だったのかもしれないし、又、それだけ"Keep On Loving You"と"Take It On The Run"の2曲が自分にとっては特別な曲であり、それが故に、この2曲への思いが尾を引いていたという部分が少なからずあったのかもしれない。

何しろ、"Take It On The Run"に於けるギターソロについて、ゲイリー・リッチラスが「この曲にはハードなギターソロを入れたかったんだ」と語っていたインタビュー記事を読んで、「うん、うん、このハードなギターソロが良いんだよ」と一人で頷いていたことは今も覚えているし、レコード盤は殆どを処分したにもかかわらず、こうして、今も、このアルバムはレコード盤として持っているわけだからね。

 

Album Cover (front) with Obi Strip: Hi Infidelity / REO Speedwagon   Album Cover (back): Hi Infidelity / REO Speedwagon   

 

REO SPEEDWAGON - BAND MEMBERS
• Kevin Cronin - Acoustic Guitar, Guitar, Piano, Rhythm Guitar, Vocals, Background Vocals, Chorus
• Gary Richrath - Guitar, Electric Guitar, Vocals, 12 String Guitar
• Neal Doughty - Organ, Synthesizer, Piano, Keyboards, Hammond Organ
• Alan Gratzer - Drums, Tambourine, Background Vocals
• Bruce Hall - Bass, Guitar, Vocals, Lead Vocals on "Someone Tonight"

 

LPレコード盤のラベル:Hi Infidelity / REO Speedwagon  LPレコード盤のラベル:Hi Infidelity / REO Speedwagon

 

TRACKLIST
Side A: 1. Don't Let Him Go (ドント・レット・ヒム・ゴー) / 2. Keep On Loving You (キープ・オン・ラヴィング・ユー) / 3. Follow My Heart (フォロウ・マイ・ハート) / 4. In Your Letter (涙のレター) / 5. Take It On The Run (テイク・イット・オン・ザ・ラン)

Side B: 6. Tough Guys (タフ・ガイズ) / 7. Out Of Season (アウト・オブ・シーズン) / 8. Shakin' It Loose (シェイキン・イット・ルース) / 9. Someone Tonight (サムワン・トゥナイト) / 10. I Wish You Were There (アイ・ウィッシュ・ユー・ワー・ゼア)

 

NOTES
• Album: US 1位 (15 weeks)、UK 6位
• 9x Multi Platinum / 1995-RIAA

• Singles: "Keep on Loving You" US 1位、UK 7位 / "Take It on the Run" US 5位、UK 19位 / "Don't Let Him Go" US 24位 / "In Your Letter" US 20位

 

▼ REO Speedwagon - Keep On Loving You (Live)

 

▼ REO Speedwagon - Take It On The Run (Live)

 

 

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