クイーンのヴォーカリストであるフレディ・マーキュリーにとって2枚目のソロアルバムとなるのが、フレディが敬愛するスペインの世界的オペラ歌手モンセラート・カバリエと共演した、この「Barcelona / バルセロナ」。
実はこのアルバム、レコードからCDへの転換期ということもあってか、リリースからそれほど時も経っていないにもかかわらず廃盤になっていたのだが、バルセロナ・オリンピックが開催される1992年に再リリースされ(ジャケットも変更)、リリース時を上回るヒットを記録したのだった。ということで、自分が持っているアルバムも、その再リリースされたときに買ったもの。当時は買いそびれて悔やんでいたので、この再リリースは、ほんと嬉しかったなぁ。
残念ながら、その再リリース時には、既にフレディは故人となっており、タイトルトラックの「Barcelona / バルセロナ」は、閉会式でサラ・ブライトマンと、ホセ・カレーラス(バルセロナ生まれの著名なテノール歌手)が歌った"Amigos Para Siempre (Friends for Life)"と共にバルセロナ・オリンピックのテーマ曲のひとつとして選ばれていたものの、モンセラート・カバリエは、フレディ以外の人と"Barcelona"は歌わないとオープニング・セレモニーでの歌唱を断ったため、この曲が開会式で歌われることはなかった(後のインタビューでモンセラート・カバリエは、開会式での歌唱を辞退した理由として「フレディの代わりは誰もいないから」と答えている)。ただし、バルセロナ・オリンピックのオープニング・セレモニーにはモンセラート・カバリエは出演しており、共演者と共に他の曲を披露している。
ちなみに、1992年のオリンピック開幕に併せてリリースされたアルバム"Barcelona Gold"(ビルボード・チャートで32位を記録)では、幻のオープニング・セレモニー曲となった"Barcelona"が1曲目に収録されており、アルバムの最後には閉会式で歌われた"Amigos Para Siempre (Friends for Life)"が収録されている。
▼ Barcelona Gold (Wikipedia)
https://en.wikipedia.org/wiki/Barcelona_Gold
本来なら、そのバルセロナ・オリンピックでは、フレディとモンセラート・カバリエが歌うはずだった"Barcelona"だが、この曲が誕生した背景については、フレディの自宅にカバリエが招待されて会食した際に、カバリエが彼女の故郷であるバルセロナについて曲を書いて欲しいとフレディに頼んだことから生まれた曲だとライナーノーツには書かれている。
また、2曲目の「La Japonaise / ラ・ジャポネーゼ」では歌詞に日本語が使用されており、「How Can I Go On / ハウ・キャン・アイ・ゴー・オン」ではジョン・ディーコンがベース・ギターで参加しているといったところもファンにとっては興味深いところ。まぁ、ジョンのベースについては、言われなければ全く分からないんだけどね。
実を言うと、この記事を書くまで、「モンセラート・カバリエ」の「カバリエ」を「ガバリエ」と勘違いしていた。これまでずっと勘違いし続けてたのは、ジャケットにある"Caballé"の文字が、ローマン体(明朝体のように文字のストロークの端に小さな飾りのある英文書体)のフォントだったことから、"Caballé"の頭文字である「C」を「G」と見間違っていたことが理由のひとつとしてあるのだが、試しに"Montserrat Gaballé"とネットで検索してみたところ、沢山のサイトが国内、海外を問わずヒットしたので、この勘違いは自分だけというわけではないようです(笑)。
ただひとつ残念なのは、この手持ちの日本盤に対訳が付いていないこと。フレディが万感の思いで創り上げたアルバムなのだから、日本のファンの為にも和訳は付けて欲しかったところ。"La Japonaise"と題された、日本語が含まれる曲もあるしね。
下の動画はバルセロナでのパフォーマンス(La Nit festival at Montjurich Castle in Barcelona on 8th October 1988)。
▼ アルバムのオープニングを飾るタイトルトラックのバルセロナ
Barcelona - Freddie Mercury & Montserrat Caballé
▼ 個人的にはアルバムの中で最も好きな曲のひとつ
How Can I Go On - Freddie Mercury & Montserrat Caballé
▼ タイトルトラックのバルセロナに続きシングルとなった曲
The Golden Boy - Freddie Mercury & Montserrat Caballé
▼ なお、この"Barcelona"に関しては、以下の記事が中々興味深い内容で面白いですよ。
フレディ・マーキュリーとモンセラ・カバリエ、驚異のデュエット「BARCELONA」(1987年)
http://diamond.jp/articles/-/34232
TRACKLIST
1. Barcelona / 2. La Japonaise / 3. The Fallen Priest / 4. Ensueño / 5. The Golden Boy / 6. Guide Me Home / 7. How Can I Go On / 8. Overture Piccante
1. バルセロナ / 2. ラ・ジャポネーゼ / 3. フォールン・プリースト / 4. エンスエニョ / 5. ゴールデン・ボーイ / 6. ガイド・ミー・ホーム / 7. ハウ・キャン・アイ・ゴー・オン / 8. オーヴァーチュアー・ピカンテ
NOTES
• John Deacon - Bass Guitar on "How Can I Go On"
• Album: 25位 (UK) - [1988] / 15位 (UK) - [1992 reissue]、6位 (US) - [1992 reissue]
• Singles: "Barcelona" 8位 (UK) - [1987] / 2位 (UK) - [1992 reissue]、"The Golden Boy" 83位 (UK) - [1988]、"How Can I Go On" 85位 (UK) - [1989] / 95位 (UK) - [1992 reissue]
• CD発売日(再発盤):1992年08月01日
• 解説・歌詞付(対訳無し)
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