2014/12/04

RASPBERRIES' BEST - FEATURING ERIC CARMEN (1976) & THE VERY BEST OF RASPBERRIES (2006) / RASPBERRIES

CDの帯:ラズベリーズ ベスト~フィーチャリング・エリック・カルメン / ラズベリーズAlbum Cover (front): Raspberries' Best - Featuring Eric Carmen / Raspberries Album Cover (back): Raspberries' Best - Featuring Eric Carmen / Raspberries CD: Raspberries' Best - Featuring Eric Carmen / Raspberries

Raspberries' Best - Featuring Eric Carmen (1976)

こちらは、グループ解散後にリリースされたラズベリーズ初のベスト・アルバム「Raspberries' Best - Featuring Eric Carmen / ラズベリーズ ベスト~フィーチャリング・エリック・カルメン」。

このベスト・アルバムがリリースされた背景としては、ソロ活動を始めたエリック・カルメンの最初のシングルである"All By Myself"が大ヒットしたことが要因としてあるであろうことは、アルバム・タイトルに加えられた"Featuring Eric Carmen"のサブタイトルを見ても察しがつくのだけれど、それでも、総括という意味に於いても、良いタイミングでリリースされた意義のあるアルバムであったのではないかと思う。

ということで、ややもすると、一見、"All By Myself"のヒットにあやかった安易なベスト・アルバムのように受け取ってしまいがちだが、実はコレ、けっこう良い仕事がなされたベスト・アルバムなのだ。

アナログ・レコード盤の時代にリリースされたアルバムということもあり、収録曲は全10曲という構成だが、4枚のスタジオ・アルバムからバランスよく選曲されおり、曲順も良く考えれている印象。レコード盤だとA面とB面のラストをドラマティックな曲で締める構成も流れ的にも良い感じで、寄せ集めながらも、ひとつのアルバムといった雰囲気を醸し出しているんだよね。

又、パワー・ポップともいえるような勢いのある最初の4曲は間髪入れずに立て続けに曲が始まるなど、曲間の間の取り方も工夫されており、こういった部分も、このアルバムを単なるベスト・アルバム以上のモノにしている要因のひとつではないかと感じるところ。在籍したメンバーの顔が全て揃ったジャケットも含めて、そういった愛情が感じられる仕事ぶりが垣間見れるのはファンにとっても嬉しいところではないだろうか。

それに、"Featuring Eric Carmen"のサブタイトルも伊達ではなく、アルバムの内容もエリック・カルメンの作品だけ(一部メンバーとの競作有り)に絞った構成になっているのも特徴。ただし、エリック・カルメンがグループのメイン・コンポーザーだったこともあり、結果的には収録曲のどれもがラズベリーズの代表曲といえるものばかりになっているのがミソ。

なお、ジャケットの表と裏にはラズベリーズの生い立ち等が書かれた記事が所狭しと雑誌風にデザインされて掲載されているのだが、流石にLPサイズからCDサイズに縮小された文字だと小さくて読めない。しかしながら、この手持ちのCDには四つ折りの歌詞カードを広げたサイズでジャケットの表と裏がプリントされおり、そこに描かれた文字のひとつひとつが読みやすいように配慮がなされている。まぁ、自分の場合は、そういう配慮がなされていも、内容を全て理解するには至らないわけだが、英語が得意な人は、より一層楽しめるのではないだろうか。それと、ライナーノーツはレコード盤でリリースされた当時のものも記載されているので、当時の状況が垣間見れると共に、その当時の雰囲気が楽しめるようになっている。

自分にとっては、このCDが初めて買ったラズベリーズのアルバムだったので、完全に後追いという形だったのだが、ポップでメロディックながらも、割れんばかりのラウドなサウンドとグラム・ロック的な雰囲気を兼ね備えた甘味と苦味が入り混じっているようなサウンドはけっこうツボだった。それに、コーラス・ハーモニーのパートが多いので親しみやすかったし、アメリカのバンドなのに、何処となくブリティッシュぽいところがあるのも気に入った部分だった。

 

▼ I Can Remember - Raspberries Live - Eric Carmen, 1973 (Live)

http://www.youtube.com/watch?v=DxhNkNNaHyc

 

▼ The Raspberries - Don't Want To Say Goodbye (Remastered)

https://www.youtube.com/watch?v=MOYsWBH6BlA

 

RASPBERRIES - BAND MEMBERS
• Eric Carmen - Rhythm Guitar, Piano, Vocals
• Wally Bryson - Lead Guitar, Vocals
• Dave Smalley - Bass, Vocals (1st-3rd)
• Jim Bonfanti - Drums, Vocals (1st-3rd)
• Scott McCarl - Bass, Vocals (4th)
• Michael McBride - Drums, Vocals (4th)

 

TRACKLIST
1. Go All the Way / 2. Tonight / 3. Ecstasy / 4. I Wanna Be With You / 5. I Can Remember / 6. Overnight Sensation (Hit Record) / 7. Let's Pretend / 8. Drivin' Around / 9. Starting Over / 10. Don't Want to Say Goodbye

1. ゴー・オール・ザ・ウェイ / 2. トゥナイト / 3. 君に首ったけ / 4. 明日を生きよう / 5. アイ・キャン・リメンバー / 6. オーヴァーナイト・センセーション / 7. レッツ・プリテンド / 8. ドライヴィン・アラウンド / 9. スターティング・オーヴァー / 10. さよならは言わないで

NOTES
• Tracks 1, 5, 10: from "Raspberries" (1972) / US 51位
• Tracks 4, 7, 8: from "Fresh Raspberries" (1972) / US 36位
• Tracks 2, 3: from "Side 3" (1973) / US 128位
• Tracks 6, 9: from "Starting Over" (1974) / US 143位

• Raspberries' Best Featuring Eric Carmen (1976) - US 138位

• 解説・歌詞付(対訳無し)

 


 

CDの帯:ベスト・オブ・ラズベリーズ / ラズベリーズAlbum Cover (front): The Very Best Of Raspberries / Raspberries CD Case (back cover): The Very Best Of Raspberries / Raspberries CD: The Very Best Of Raspberries / Raspberries

The Very Best Of Raspberries (2006)

そして、こちらがその後に買ったラズベリーズのベスト・アルバム。3年にも満たない短い活動期間(制作されたアルバムは4枚)だったということもあり、残された曲の総数自体が少なく、前述のベスト・アルバムと被る曲も多いのだが、曲数は倍の20曲が収録されている。

しかも24ビット・デジタル・リマスター音源で、価格も安いことから、自分自身は被る曲が多くても別に気にならなかった。シングルカットされた代表曲を前半に集めて、アルバム収録曲を後半に持ってくるという構成も、取っ付き易くて良いんじゃないかと思う。

それに、エリック・カルメンの作品に絞って選曲された"Raspberries' Best Featuring Eric Carmen"と違い、こちらは他のメンバーの作品及びヴォーカル曲が収録されているという点に於いても多少趣が違うからね。"Raspberries' Best Featuring Eric Carmen"に収録されていない曲の中では"Let's Pretend"に通じるメロディーラインを持った"Nobody Knows"と、"Wally Bryson"がリードヴォーカルをとる"Come Around And See Me"が個人的にはけっこう好きな曲。

ただ、個人的な好みを言ったらキリが無いのは分かっているのだが、"I Can Remember"は入れて欲しかったところ。まぁ、恐らくは、約8分と長い曲なんで外されたのだとは思うのだが。

ラズベリーズというバンドに関しては、活動を続けていれば、その後も魅力的な曲を数多く生み出していたのではないかと思ったりもするのだが、反面、短い活動期間という、その儚さのような部分も、今となっては魅力のひとつになっているのかもしれない。

なお、1987年にリリースされた"Overnight Sensation - The Best of the Raspberries"や、 2002年リリースの"The Very Best of the Raspberries - Overnight Sensation"とは収録曲もジャケットも違う別物である。まぁ、アルバムタイトルがきちんとフルで記載されていれば直ぐに分かるのだが、「Overnight Sensation」の部分が抜けていると紛らわしくはある。特に後者の場合だと、この"The Very Best of Raspberries"とは「the」が入っているか入っていないかの違いだけになるからねぇ。

 

▼ Raspberries - Go All The Way (Live)

http://www.youtube.com/watch?v=7wT_NpsYdes

 

▼ Raspberries - Let's Pretend

https://www.youtube.com/watch?v=1soC4w_aO5M

 

TRACKLIST
1. Go All The Way / 2. Don't Want To Say Goodbye / 3. I Wanna Be With You / 4. Let's Pretend / 5. Tonigh / 6. Ecstasy / 7. Overnight Sensation (Hit Record) / 8. Party's Over / 9. Come Around And See Me / 10. Rock And Roll Mama / 11. With You In My Life / 12. Goin' Nowhere Tonight / 13. Nobody Knows / 14. Might as Well / 15. On the beach / 16. I'm a Rocker / 17. Last Dance / 18. Cruisin' Music / 19. Hands on You / 20. Starting Over

1. ゴー・オール・ザ・ウェイ / 2. さよならは言わないで / 3. 明日を生きよう / 4. レッツ・プリテンド / 5. トゥナイト / 6. 君に首ったけ(エクスタシー) / 7. オーバーナイト・センセーション / 8. パーティーの終りに / 9. カム・アラウンド・アンド・シー・ミー / 10. ロック・アンド・ロール・ママ / 11. ウィズ・ユー・イン・マイ・ライフ / 12. ゴーイング・ノーホエア・トゥナイト / 13. ノーバディ・ノウズ / 14. マイト・アズ・ウェル / 15. オン・ザ・ビーチ / 16. アイム・ア・ロッカー / 17. ラスト・ダンス / 18. クルージング・ミュージック / 19. ハンズ・オン・ユー / 20. 素晴らしき再出発

NOTES
• Singles Chart Positions:
1. Go All the Way (US 5位 - 1972) / 2. Don't Want to Say Goodbye (US 86位 - 1972) / 3. I Wanna Be With You (US 16位 - 1972) / 4. Let's Pretend (US 35位 - 1973) / 5. Tonight (US 69位 - 1973) / 6. Ecstasy (US 100位以下、もしくはチャートインせず - 1973) / 7. Overnight Sensation (Hit Record) (US 18位 - 1974) / 16. I'm a Rocker (US 94位 - 1973) / 18. Cruisin' Music (US 100位以下、もしくはチャートインせず - 1975)

• 解説・歌詞・対訳付

 

 

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