2013/04/10

SLIDE IT IN 「スライド・イット・イン」 / WHITESNAKE (1984)

CDの帯:スライド・イット・イン / ホワイトスネイクAlbum Cover (front): Slide It In / Whitesnake   Album Cover (back): Slide It In / Whitesnake

大ヒットアルバム「Whitesnake (サーペンス・アルバス / 白蛇の紋章)」の前作となるこの「Slide It In / スライド・イット・イン」、実はコレが自分が初めて買ったホワイトスネイクのアルバム(LPレコード)だったんだよね。ということで、自分にとっては、一際思い入れのあるアルバムでもある。

自分の経験から言うと、ミディアムテンポのカッコイイ曲が含まれるアルバムは良質なものが多く、好きになる確率が高い印象があるのだが、このアルバムも又それが当てはまるように、当時はA面1曲目の"Gambler"と、B面1曲目の"Slow An' Easy"が特に好きで気に入っていた。

アルバムとしては、とにかく1曲目から6曲目までが強力で、中でも2曲目の"Slide It In"、3曲目の"Standing In The Shadow"、4曲目の"Give Me More Time"で立て続けに展開される珠玉のギターソロは圧巻。

当時はアルバムがリリースされて間もない頃に、突如「USリミックス盤」がリリースされて驚いたことを覚えているのだが、市場での混乱を避ける意味合いもあったのか、日本盤はフルアルバムではなく、セレクトされた楽曲で構成されたミニアルバムという形式だった。

一方、アメリカではこのリミックス盤がオリジナル盤の代わりに正規盤としてフルアルバムの形式でリリースされたわけだが、リミックスとは言っても、「US リミックス盤」ではギターがジョン・サイクス、ベースがニール・マーレイに代わり、それらのパートについては新たにレコーディングされているので、イメージとしてはかなりの違いが感じられる。又、「USリミックス盤」なるものがリリースされた背景については、このアルバムがポリドールからゲフィン・レーベルへ移籍しての第一弾アルバムだったことが原因としてあるようで、つまりはゲフィン・レーベルのアメリカ市場を狙った戦略でもあったようだ。

「US リミックス盤」については、確かにギターがジョン・サイクスへ代わったことで、よりメタリックでソリッドな次作に通じるサウンドになった印象はあるものの、個人的には、やはり、ミッキー・ムーディー(G)と、メル・ギャレー(G)によるメロディックなツインリードが聴けるブルージーなオリジナルサウンドの方が好みだね。

まぁ、サウンドについて言えば、華のあるジョン・サイクスのギターが加わった「US リミックス盤」を選ぶか、いぶし銀的な「UK オリジナル盤」を選ぶかは最終的に個人の好みの問題だと思うが、ただ、最初に買ったのが「UK オリジナル盤」だった自分には、やはり「US リミックス盤」の曲順は解せないところではある。何せ、オープニングが"Slide It In"で、続く2曲目が"Slow An' Easy"なのだから、流れも何もあったもんじゃないといった印象。多分、「UK オリジナル盤」を好きな人は、自分で曲順を考えたとしても、この展開は頭に無いんじゃないかと思う。アメリカらしいと言えばらしいとも言えるのだが・・・。ちなみに、ここで紹介しているCDは「UK オリジナル盤」で、ライナーノーツもアルバム発売当時のLPレコードと同じものが転載されている。

Slide It In / Whitesnake   Slide It In / Whitesnake

ということで、アルバムを買う際は曲順を見ればどちらのヴァージョンかが判別できるのだが、2種類が混在する多少やっかいなアルバムでもある。

残念ながら、コージー・パウエルが1998年に、そしてメル・ギャレーが2008年に帰らぬ人となってしまったが、このような素晴らしいアルバムを残してくれたことに感謝している。

なお、アルバムは(英9位)、(米40位 / 2x Platinum)。そして、シングルは"Guilty of Love"(英31位)、"Standing in the Shadow"(英62位)、"Give Me More Time"(英29位)、"Love Ain't No Stranger"(英44位)をそれぞれ記録している。

念のため補足しておくと、アメリカに於いては200万枚を売り上げ、ホワイトスネイク初のヒット・アルバムとなったこの"Slide It In"だが、実は、売り上げを大きく伸ばしたのは1987年にリリースされた次作の「Whitesnake (サーペンス・アルバス / 白蛇の紋章)」が大ヒットしたことが影響しており、当初はリリースから2年後の1986年にようやくゴールドに認定される程度だった。ちなみに、プラチナムに認定されたのが1987年で、ダブルプラチナムには1992年に認定されている。勿論、売り上げが伸びたのは、それだけのクオリティーを持ったアルバムであったからこそだとは思うけどね。

 

TRACKLIST

[UK ORIGINAL VERSION]
1. Gambler / 2. Slide It In / 3. Standing In The Shadow / 4. Give Me More Time / 5. Love Ain't No Stranger / 6. Slow An' Easy / 7. Spit It Out / 8. All Over Nothing / 9. Hungry For Love / 10. Guilty Of Love

Members
David Coverdale - Lead Vocals / Mel Galley - Guitars, Backing Vocals / Micky Moody - Guitars / Colin Hodgkinson - Bass / Jon Lord - Keyboards / Cozy Powell - Drums

[US REMIX VERSION]
1. Slide It In / 2. Slow An' Easy / 3. Love Ain't No Stranger / 4. All Or Nothing / 5. Gambler / 6. Guilty Of Love / 7. Hungry For Love / 8. Give Me More Time / 9. Spit It Out / 10. Standing In The Shadow

Members
David Coverdale - Lead Vocals / Mel Galley - Guitars, Backing Vocals / John Sykes - Guitars / Neil Murrey - Bass / Jon Lord - Keyboards / Cozy Powell - Drums

 

NOTES

• CD発売日:1988年9月30日
• 解説・歌詞・対訳付

 

▼ Whitesnake - Give Me More Time

 

▼ Whitesnake - Slow An' Easy

 

▼ Whitesnake - Love Ain't No Stranger

 

[Official Audio]

▼ Whitesnake - Gambler (UK Mix)
https://www.youtube.com/watch?v=ZxtGR_Plj78

▼ Whitesnake - Slide It In (UK Mix)
https://www.youtube.com/watch?v=LTWgrf-BM0w

▼ Whitesnake - Standing in the Shadow (UK Mix)
https://www.youtube.com/watch?v=PU1SoiXmCUY

 


 

そして、このアルバムを手にして暫く後に買ったのが、こちらのシングル盤「フール・フォー・ユア・ラヴィング」だった。ホワイトスネイクを代表する曲の一つとも言えるこの曲は、1980年のアルバム"Ready an' Willing"(邦題は「フール・フォー・ユア・ラヴィング」)からのシングルで、英13位、米53位を記録している。

当時は、この1曲を聴くためだけにレコードプレーヤーにいちいちレコード盤をセットするのが面倒だったので、テープに録音した"Slide it In"のアルバムの最後にこの曲を入れて聴いていたんだよね。と、そんな経緯もあり、自分の中では"Slide it In"と言えば、この「フール・フォー・ユア・ラヴィング」もセットになった思い出となっている。

Japanese 7-inch Single Vinyl Record: Fool for Your Loving / Whitesnake   Japanese 7-inch Single Vinyl Record: Fool for Your Loving / Whitesnake

▼ Whitesnake - Fool for Your Loving (Official Music Video)
https://www.youtube.com/watch?v=WtznhhKOW5k

 


 

■ 追記(2019年)

"Slide It In"の35周年記念盤(日本盤)が3月27日(海外盤は3月8日)にリリースされるようだ。

▼ こちらで全曲の試聴が可能。

Spotify - Slide It In (The Ultimate Edition; 2019 Remaster) / Whitesnake
https://open.spotify.com/album/4tbNTPOYzfD13oC1UpSHoQ

ホワイトスネイク『Slide It In』35周年記念盤が全曲リスニング可
http://amass.jp/117919/

25周年記念盤は"UK Original Version"と"US Remix Version"の両方が収録されていたものの、一部の曲が収録されていなかったり、曲順が変えられていたりといったことがあってスルーしていたのだが、今回は両ヴァージョン共に全曲が収録されているようだね(通常盤以外)。でも、今回もまた曲順が変更されているようで悩ましいところではある。

ちなみに、アマゾンでは「アルティメット・スペシャル・エディション」、「デラックス・エディション」、「通常盤(USミックスのみ)」の3種共に早期購入特典としてジャケット絵柄ポストカードが付くそうだ。

 

 

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