
この「Hot in the Shade / ホット・イン・ザ・シェイド」は素顔での活動に踏み切ってからは5作目となるキッスのアルバムで、スタジオ・アルバムとしては通産15作目のアルバム。
アルバム・セールスでは前作に及ばなかったものの、シングルカットされた"Forever"はビルボード・チャートで8位となるヒットを記録した。
特徴としては、シンセサイザーを導入した前作のミリオンセラー・アルバム"Crazy Nights"からはやや路線を変更しながらも、ブルージーなアコースティック・スライド・ギターで始まるオープニングの"Rise to It"をはじめ、女性コーラスをフィーチャーした"Silver Spoon"や、ホーン・セクションを取り入れた"Cadillac Dreams"など彩りが見られ、全体的な印象としては前作に比べると幾分アメリカン・ロックに立ち返ったような雰囲気。
又、ファンにとっては、前年にリリースされたベスト・アルバム"Smashes, Thrashes & Hits"に収録されていた"Beth"に引き続き、エリック・カーがヴォーカルをとる曲"Little Caesar"が収録されているのも興味深いところ。
ただし、その"Smashes, Thrashes & Hits"でヴォーカルをとっていた"Beth"は元々ピーター・クリスがヴォーカルをとっていた曲なので、エリック・カーにとってはこの"Little Caesar"が、初めてヴォーカルをとるオリジナル曲ということになる。
しかしながら、在籍期間ではオリジナル・ドラマーのピーター・クリスを超えるほど長きにわたってバンドに貢献してきた二代目ドラマーのエリック・カーだったが、残念ながら1991年にガンのため死去したことから、この"Hot in the Shade"がエリック・カーがフルで参加した最後のアルバムとなった。
キッスのアルバムの中では比較的影の薄いアルバムとして捉えられているようにも思うが、キッスのスタジオ・アルバムとしては収録曲数が15曲と最多を誇る。しかしながら、曲数が多いことにより、多少散漫な印象も無きにしも非ずといったところで、逆にそれが仇となっている感もある。曲を絞って聴くと、意外と良いだけに、実際、収録曲数を絞ってリリースされていたならば、もっとアルバムの印象も良くなったのではないかとは思うとこるでもある。
実のところ、今ではアルバムを通して聴く機会も滅多に無いアルバムになっているのだが、アルバム自体は、シングルにもなった"Rise To It"、"Hide Your Heart"、"Forever"をはじめ、無視するにはもったいない曲もいくつか埋もれている。個人的には"Betrayed"、"Silver Spoon"、"Cadillac Dreams"、"King Of Hearts"といった曲は割と好きで、これらは今も時折聴いたりしている。
補足しておくと、ファースト・シングルにもなった"Hide Your Heart"は前年の1988年にボニー・タイラーが一足先に取り上げており、同タイトルのアルバムからシングルとしてもリリースされている。ちなみに、この曲の作曲者はポール・スタンレーと、ロックファンにはお馴染みのデズモンド・チャイルド、ホーリー・ナイトの3人。
なお、アルバムのプロデュースは前作の「Asylum / アサイラム」に引き続き、ジーン・シモンズとポール・スタンレーが行っている。
それはそうと、このCDの帯、実はこれ、こう見えて初回プレス盤の帯なんだよね。当時は旧譜とほぼ同じフォーマットのこのCDの帯を見て、メーカーのやる気の無さにがっかりしたことを覚えている。

KISS - BAND MEMBERS
• Paul Stanley - Guitars, Vocals
• Gene Simmons - Bass, Vocals
• Eric Carr - Drums, Percussion, Vocals
• Bruce Kulick - Guitars
TRACKLIST
1. Rise To It / 2. Betrayed / 3. Hide Your Heart / 4. Prisoner Of Love / 5. Read My Body / 6. Love's A Slap In The Face / 7. Forever / 8. Silver Spoon / 9. Cadillac Dreams / 10. King Of Hearts / 11. Street Giveth And The Street Taketh Away / 12. You Love Me To Hate You / 13. Somewhere Between (Heaven And Hell) / 14. Little Caesar / 15. Boomerang
1. ライズ・トゥ・イット / 2. ビトレイド / 3. ハイド・ユア・ハート / 4. プリズナー・オブ・ラヴ / 5. リード・マイ・ボディ / 6. ラヴズ・ア・スラップ・イン・ザ・フェイス / 7. フォーエヴァー / 8. シルヴァー・スプーン / 9. キャデラック・ドリーム / 10. キング・オブ・ハーツ / 11. ザ・ストリート・ギヴス、ザ・ストリート・テイクス・アウェイ / 12. ユー・ラヴ・ミー・トゥ・ヘイト・ユー / 13. サムホエア・ビトウィーン(ヘヴン・アンド・ヘル) / 14. リトル・シーザー / 15. ブーメラン
NOTES
• Lead Vocals: Paul Stanley (1, 3, 5, 7, 8, 10, 12) / Gene Simmons (2, 4, 6, 9, 11, 13, 15) / Eric Carr (14)
• 日本盤初回プレスCD [Japanese First Pressing CD]
• 解説・歌詞・対訳付
• Album: US 29位 (Gold / 1989-RIAA) / UK 35位
• Singles from Hot in the Shade:
1. Hide Your Heart - US 66位
2. Forever - US 8位
3. Rise To It - US 81位
▼ KISS - Forever
[Official Audio]
▼ KISS - Silver Spoon
https://www.youtube.com/watch?v=C_NfsK15JOE
▼ KISS - Cadillac Dreams
https://www.youtube.com/watch?v=13kKcj51fpE
▼ KISS - King Of Hearts
https://www.youtube.com/watch?v=EmsBwifxBJA

他のバンドとの違いを顕著に表すキッス最大の特徴とも言えるメイクを封印し、これまで公表していなかった素顔での活動に踏み切った第一弾アルバムがこの「Lick it Up / リック・イット・アップ」(発売当時の邦題は「地獄の回想」)。
このアルバムでは、脱退したエース・フレーリーに代わり、前作の"Creatures of the Night"にも部分的に参加していたヴィニー・ヴィンセントがギタリストとしてメンバーに加わっており、全10曲中8曲でコンポーザーとして他のメンバーと共にクレジットされているなど、アルバムの制作に大きく貢献していたようだが、結果的にはヴィニー・ヴィンセントがキッスのメンバーとして携わったアルバムはこの"Lick it Up"一枚だけということになってしまった。


なんと、2017年のアナログレコードの国内生産枚数が100万枚を超えたそうだ。

ということで、何か珍しいレコードを持ってなかったかなと思っていたところ、ふと思い出したのが、ずっと前にヤマハのスピーカーを買ったときに貰ったこのキャンペーン用の非売品レコード「SESSION III (ヤマハスピーカーフェアー記念)」。






上部と右側の画像は、昨年の2017年にジョン・ウェットンが亡くなられたときのエイジアのオフィシャル・ウェブ・サイトをキャプチャーしたもので、あれから1年を過ぎたこともあり、今回取り上げることにした。
