2018/02/16

LICK IT UP 「リック・イット・アップ」 / KISS (1983)

CDの帯:リック・イット・アップ / キッスAlbum Cover (front): Lick it Up / KISS他のバンドとの違いを顕著に表すキッス最大の特徴とも言えるメイクを封印し、これまで公表していなかった素顔での活動に踏み切った第一弾アルバムがこの「Lick it Up / リック・イット・アップ」(発売当時の邦題は「地獄の回想」)。

当時は、最大の売りであるメイクを止めてどうするんだとか、これでキッスは終わったといった批判的な声も少なからずあったのだが、話題性も手伝ってか、アルバムはその後ミリオンセラーとなるプラチナムに認定されるヒットを記録。

面白いのは、この"Lick it Up"が、それまで振るわなかったイギリスのアルバム・チャートでもトップ10に入る7位を記録したということで、裏を返せば、イギリスでは逆にあのビジュアル・イメージを敬遠していた人が意外と多かったのかもしれない。又、それと同時に、キッスがビジュアル・イメージを抜きにしても十分通用する音楽性を持ったバンドだということがこのことにより実証されたとも言えるのではないかと。

ただ、ポール自身は、後に、アルバムとしてはメイク時代最後のアルバムとなった前作「Creatures of the Night / 暗黒の神話」の方が出来が良かったと発言しており、更には、多くの人が自分達の音楽を耳ではなく、目で聴いていることが分かったとも語っている。

この"Lick it Up"の日本盤が発売された当時は、「この下にあるのはキミ達が知ろうとして知り得なかった素顔だ!」と書かれているメイク時代の写真を配した全面を覆うカバーがジャケットの上に被せられていて、購入しないとジャケット写真の素顔が見れない仕様になっていた。

とは言え、これがもしエースとピーターを含むオリジナルメンバーの4人の素顔だったらもっとインパクトがあったかもしれない。

 

CD Case (inside): Lick it Up / KISSこのアルバムでは、脱退したエース・フレーリーに代わり、前作の"Creatures of the Night"にも部分的に参加していたヴィニー・ヴィンセントがギタリストとしてメンバーに加わっており、全10曲中8曲でコンポーザーとして他のメンバーと共にクレジットされているなど、アルバムの制作に大きく貢献していたようだが、結果的にはヴィニー・ヴィンセントがキッスのメンバーとして携わったアルバムはこの"Lick it Up"一枚だけということになってしまった。

アルバムからは、シングルにもなったタイトル・トラックの"Lick it Up"がその後もライヴで演奏される定番曲になっているが、でも、実を言うと、自分自身はこの"Lick it Up"や、次作の"Animalize"からのシングルとなった"Heaven's on Fire"のようなこの手のポールの曲はあんまり好きじゃないんだよね。

自分の場合は、このアルバム内だとやっぱり"A Million To One"が一番ポールらしくて好きな曲。ヴォーカル・スタイルも'70年代のポールっぽいしね。又、ジーンの曲もしかりで、この時期のライヴでは頻繁に演奏されていた"Young And Wasted"(ライヴではエリック・カーがヴォーカルをとっていた)や"Fit's Like A Glove"なんかよりも、"Not For The Innocent"と"And On The 8th Day"といった曲がジーンらしい雰囲気があって好きだった。

 

Album Cover (front): Lick it Up / KISS

KISS - BAND MEMBERS
• Paul Stanley - Rhythm Guitar, Lead and Backing Vocals
• Gene Simmons - Bass Guitar, Lead and Backing Vocals
• Eric Carr - Drums, Percussion, Backing Vocals
• Vinnie Vincent - Lead Guitar, Backing Vocals

 

Album Cover (back): Lick it Up / KISSTRACKLIST
1. Exciter / エクサイター
2. Not For The Innocent / ノット・フォー・ザ・イノセント
3. Lick It Up / リック・イット・アップ
4. Young And Wasted / ヤング・アンド・ウェイステッド
5. Gimme More / ギミー・モア
6. All Hell's Breakin' Loose / オール・ヘルズ・ブレイキン・ルーズ
7. A Million To One / ア・ミリオン・トゥ・ワン
8. Fits Like A Glove / フィッツ・ライク・ア・グローブ
9. Dance All Over Your Face / ダンス・オール・オーヴァー・ユア・フェイス
10. And On The 8th Day / アンド・オン・ザ・8th・デイ

なお、このCDでの邦題は全てカタカナ表記になっているが、リリース時のLPレコードでは「Not For The Innocent / 暴虐の炎」、「Lick It Up / 地獄の回想」、「Young And Wasted / 青い暴走」、「All Hell's Breakin' Loose / 地獄の饗宴」、「A Million To One / 至上の愛」、「Fits Like A Glove / 悪魔の欲情」、「And On The 8th Day / 8日目の新世界」といったタイトルが付けられていた。

NOTES
• Songwriters: Paul Stanley, Vinnie Vincent (1, 3. 5. 7) / Gene Simmons, Vinnie Vincent (2, 4, 10) / Eric Carr, Paul Stanley, Gene Simmons, Vinnie Vincent (6) / Gene Simmons (8, 9)

• Lead Vocals: Paul Stanley (1, 3, 5, 6, 7) / Gene Simmons (2, 4. 8, 9, 10)

• CD発売日:1990年2月21日(再発盤)
• 解説・歌詞・対訳付

• Album: US 24位 (Platinum / 1990-RIAA) / UK 7位
• Single: Lick it Up - US 66位 / UK 31位

 

▼ KISS - Lick It Up

https://www.youtube.com/watch?v=Gcj34XixuYg

 

[Official Audio]

▼ KISS - Exciter
https://www.youtube.com/watch?v=4e7QdsNEqrg

▼ KISS - Not For The Innocent
https://www.youtube.com/watch?v=DOIiVHCPMR8

▼ KISS - A Million To One
https://www.youtube.com/watch?v=uZ5pxPWvM88

0 件のコメント:

コメントを投稿