2014/10/11

OMEGA 「オメガ」 / ASIA (2010)

CDの帯:オメガ / エイジアAlbum Cover (front): Omega / Asia

オリジナル・メンバーによる復活アルバム「Phoenix / フェニックス」から約2年、ドラマはまだまだ続くのだった。というか、"Phoenix"が商業的に今ひとつだったようなだけに、当時は一発限りで終わりにならなくて良かったという安堵感の方が先にあったんだけどね。

アルバム・タイトルの「Omega / オメガ」については、"Alpha" (α) がファースト・アルバムでなかったように"Omega" (Ω) がラスト・アルバムということではないとのこと。まぁ、実際、この後もアルバムを発表し続けていることから、それが嘘ではなかったことも実証されている訳だが、それでも当時は、いや、もしかしたら・・・という思いは少なからずあった。

※(補足)
1. ギリシャ文字のアルファベットは「α / アルファ」で始まり「Ω / オメガ」で終わる。

2. なお、「α」は小文字で、大文字だと「Α」となる。ただ、大文字だと英語の「A」と混同してしまう場合もあるので、多くの場合、アルファは小文字の方が使われているようだ。又、逆に「Ω」は大文字で、小文字だと「ω」となる。

3. ちなみに、「アルファベット」という語は、ギリシア文字の最初の2文字「α」と「β」の読み方である「アルファ」と「ベータ」が由来。又、最初の文字「α」と、最後の文字「Ω」を並べると、最初と最後、もしくは最初から最後までということで、「全て」や「永遠」といった意味合いを持つことになるそうだ。

 

Album Cover (back): Omega / Asia   CD: Omega / Asia   Booklet: Omega / Asia

 

で、この"Omega"だが、音作りという点では前作の"Phoenix"を継承している印象があるが、"Phoenix"にあったような尺長の曲は無くなっている。自分としては、"End Of The World"のイントロに見られるようなスリリングで勇壮なアレンジをアルバム全体を通して展開してほしかったところだが、まぁ、この点については、捉え方も人それぞれだろうし、個人的な好みの部分ではある。

ということで、音作りに関しては、多少期待していたものとはズレている部分もあるのだが、アルバムとしてはそう悪い出来ではないと思う。ただ、アルバムの中で好きな曲を挙げれば、最初の2曲、"Finger On The Trigger"と"Through My Veins"、それに最後の2曲、"I Believe"と"I Don't Wanna Lose You Now"といったように、好みが中抜けになってしまうアルバムではある。

なお、1曲目の"Finger On The Trigger"は、エイジアのメンバー2人のユニット「Wetton - Downes / ウェットン・ダウンズ」が2006年に発表したアルバム「Icon II - Rubicon / ルビコン」に収録されていた曲のセルフ・カヴァー。とは言っても、自分自身はリリースされて暫くは、これがセルフ・カヴァーだと知らなかったんだけどね。でも、こうして取り上げてもらえなければ知らなかった曲だし、案外、本人達も、埋もれさせておくには惜しい曲だとの判断があっての再レコーディングだったのかもと思ったりするところではある。

ただ、"Phoenix"にもあったのだが、"Listen Children"や"Light The Way"のような一昔前の日本のアイドルグループが歌っているような歌謡曲っぽい曲は、やはりどうも苦手。特に"Light The Way"では、歌詞の一部が自分の耳には「一生懸命です」と日本語のように聞こえるから尚更なのだ(笑)。それと、全体的にジェフ・ダウンズのキーボードが控えめな印象も無きにしも非ずで、この点もちょっと残念。自分としては、時代と逆行しても、やっぱり、もっと重厚でスケール感が欲しかったところ。希望としては、多少仰々しいと思えるくらい重厚長大に(笑)。

 

Booklet (English and Japanese): Omega / Asia

 

ASIA - BAND MEMBERS (Listed on Back Cover)
• Geoffrey Downes (ジェフ・ダウンズ) - Keyboards
• Steve Howe (スティーヴ・ハウ) - Electric, Acoustic and Steel Guitars
• Carl Palmer (カール・パーマー) - Drums and Percussion
• John Wetton (ジョン・ウェットン) - Vocals and Bass Guitar

 

TRACKLIST
1. Finger On The Trigger / 2. Through My Veins / 3. Holy War / 4. Ever Yours / 5. Listen Children / 6. End Of The World / 7. Light The Way / 8. I'm Still The Same / 9. There Was A Time / 10. Drop A Stone (Japan Bonus Track) / 11. I Believe / 12. I Don't Wanna Lose You Now

1. フィンガー・オン・ザ・トリガー / 2. スルー・マイ・ヴェインズ / 3. ホーリー・ウォー / 4. エヴァー・ユアーズ / 5. リッスン、チルドレン / 6. エンド・オブ・ザ・ワールド / 7. ライト・ザ・ウェイ / 8. アイム・スティル・ザ・セイム / 9. ゼア・ワズ・ア・タイム / 10. ドロップ・ア・ストーン(日本盤ボーナストラック) / 11. アイ・ビリーヴ / 12. ドント・ワナ・ルーズ・ユー・ナウ

日本盤には、10曲目に"Drop A Stone"がボーナストラックとして収録されているが、ヨーロッパ盤等では、8曲目に"Emily"がボーナストラックとして収録されている。

又、CDのジュエルケース(プラケース)は前作同様ちょっぴり厚めのタイプが使われている。

 

NOTES
日本盤初回プレスCD [Japanese First Pressing CD]
解説・歌詞・対訳付

Japanese edition includes:
• Bonus track exclusive to Japan (Drop A Stone)
• Jewel case slightly thicker than the regular size
• 16-page color booklet with band member photographs and lyrics in English
• Additional 16-page black & white booklet with liner notes and lyrics both in Japanese

Album: 135位 (UK)

 

▼ Asia - Finger On The Trigger

https://www.youtube.com/watch?v=ojOJofEAx1I

 

▼ Asia - I Believe

https://www.youtube.com/watch?v=karFqnB1YOQ

 

 

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エイジア結成以前にジョン・ウェットンが在籍していたバンド
Night After Night 「ナイト・アフター・ナイト(ライヴ・イン・ジャパン)」 (1979) / UK

ジョン・ウェットンとジェフ・ダウンズが提供した楽曲"We Move as One"を収録
Eyes Of A Woman (1985) / Agnetha Fältskog [ex-Abba]

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