'70年代後半から'80年代にかけては、ジャーニー、トト、スティックス、ボストン、シカゴといった比較的親しみやすいサウンドで、アルバムだけでなく、シングル・チャートに於いても名を馳せるロックバンドが活躍していた時代でもあったが、フォリナーもまたこれらのバンドと肩を並べる人気を博す存在だった。
この「Foreigner Original Album Series」は、そのフォリナーの全盛期ともいえる1作目から5作目までのアルバムがパッケージされたボックスセット。
ボックスセットに含まれるのは以下のアルバム。
■ 1st - Foreigner 「栄光の旅立ち」 (1977)
米4位 (5x Platinum - RIAA 2000)
■ 2nd - Double Vision 「ダブル・ヴィジョン」 (1978)
米3位 (7x Platinum - RIAA 2001) / 英32位
■ 3rd - Head Games 「ヘッド・ゲームス」 (1979)
米5位 (5x Platinum - RIAA 2002)
■ 4th - 4 「4」 (1981)
米1位 (6x Platinum - RIAA 1991) / 英5位
■ 5th - Agent Provocateur 「プロヴォカトゥール(煽動)」 (1985)
米4位 (3x Platinum - RIAA 2000) / 英1位
ちなみに、4作目の「4」の後には、ベスト・アルバムの「Records」がリリースされており、こちらも米10位を記録し、700万枚(7x Platinum - RIAA 2001)のセールスを記録している。
それにしても、なんとも凄まじいセールスだこと。この時期のアルバムだけでトータル3,300万枚(ベスト・アルバムを含む)のセールス。しかもアメリカだけでこの数字だからね。なお、4thアルバムの「4」はビルボード・チャートで10週でNo.1を記録している。
そして、これらのアルバムに含まれるシングルカット曲については以下の通り。
1st - Foreigner
• Feels Like The First Time「衝撃のファースト・タイム」(米4位 / 英39位)
• Cold As Ice「つめたいお前」(米6位 / 英24位)
• Long, Long Way From Home「ロング、ロング・ウェイ・フロム・ホーム」(米20位)
2nd - Double Vision
• Hot Blooded「ホット・ブラッディッド」(米3位 / 英42位)
• Double Vision「ダブル・ヴィジョン」(米2位)
• Blue Morning, Blue Day「蒼い朝」(米15位 / 英45位)
3rd - Head Games
• Dirty White Boy「ダーティ・ホワイト・ボーイ」(米12位)
• Head Games「ヘッド・ゲームス」(米14位)
• Woman「女たち」(米41位)
4th - 4
• Urgent「アージェント」(米4位 / 英54位)
※1982年にはベストアルバム「Records」と共に再リリースされ米45位を記録
• Waiting For A Girl Like You「ガール・ライク・ユー」(米2位 / 英8位)
• Juke Box Hero「ジューク・ボックス・ヒーロー」(米26位 / 英48位)
• Break It Up「ブレーク・イット・アップ」(米26位)
• Luanne「ルアンヌ」(米75位)
5th - Agent Provocateur
• I Want To know What Love Is「アイ・ウォナ・ノウ」(米1位 / 英1位)
• That Was Yesterday「イエスタデイ」(米12位 / 英28位)
• Reaction To Action「リアクション・トゥ・アクション」(米54位)
• Down On Love「ダウン・オン・ラヴ」(米54位)
補足しておくと、4thアルバムの「4」からシングルカットされた"Waiting For A Girl Like You"はビルボードチャートで10週連続2位という珍しい記録を残している。というのも、この時はオリビア・ニュートン・ジョンの大ヒット曲「フィジカル」が1位の座に居座っていたのだ。ということで、10週の内の9週はそのオリビアに阻まれ、残りの1週をホール & オーツの「アイ・キャント・ゴー・フォー・ザット」に阻まれた結果、残念ながらフォリーナーのとって初のNo.1ヒットとはなれなかったのだ。しかしながら、次作の"Agent Provocateur"からシングルカットされた"I Want To know What Love Is"が、ついに、米英で共にシングルチャートのNo.1を記録したのだった。
ちなみに、フォリナーは、ミック・ジョーンズと、元キング・クリムゾンのイアン・マクドナルドを中心に結成されたバンドで、バンド名については、メンバーにイギリス人とアメリカ人が混在するバンド構成だったことから「Foreigner」(外国人)と名付けられたとのこと。
当初は6人編成という珍しいバンド形態だったものの、4thアルバムの「4」からはメンバーの脱退もあり4人編成に変わった。もしかしたら、アルバム・タイトルの「4」も、単に4枚目のアルバムだからという意味だけではなく、その辺りの意味合いも含まれていたのかもしれない。
ということで、4thアルバムの「4」以降は、中心人物のひとりであるイアン・マクドナルドが抜けたことにより、多少音楽性に変化が見られるようになった。
というのも、イアン・マクドナルドといえば、キング・クリムゾン時代にもロックの名盤として名高い「In The Court Of The Crimson King(クリムゾン・キングの宮殿)」に於いては、ソングライターとしてばかりではなく、印象的なメロトロンをはじめ、サックスや、フルート、クラリネット、それにヴィブラフォンといった楽器をプレイするなどマルチプレイヤーとしてもその才能を発揮していた人物でもあったし、フォリナーに於いても、リードを用いたホーンや木管楽器をサウンドに取り入れるなど大きな役割を果たしていたわけだから、そのイアン・マクドナルドが抜けたことにより、音楽性に多少変化が現れるのは当然といえば当然のことなのかもしれない。
自分はといえば、2ndシングルの「Double Vision」(ダブル・ヴィジョン)と、3rdシングルの「Blue Morning, Blue Day」(蒼い朝)に惹かれて買った2ndアルバムの「Double Vision」が初めて買ったフォリナーのアルバム(LPレコード)だった。
その後も、3rdアルバムの「Head Games」と、5thアルバムの「Agent Provocateur」はLPレコードで買った記憶があるものの、4thアルバムの「4」と、1stアルバムは買ってなかったので、このボックスセットで初めてそれらのアルバムを聴いたわけだが、どちらも他のアルバムに負けず劣らずといった印象だった。
CDは5枚共にオリジナルのデザインが施された紙ジャケットに入っている。ブックレットや歌詞カードといったものは封入されていないが、自分としてはこれだけで十分満足。5枚の紙ジャケットだけでもけっこうワクワク感があるし、オリジナルの曲順で聴くことにより、LPレコードを買った頃に感じた雰囲気といったものが思い起こされるかのようで良かった。ちなみに、各曲のコンポーザーは曲名と共に各CDにクレジットされている。
それと、余計なボーナストラックなどが入っていないので、オリジナル作品のまま楽しめるというのも自分としては良かったと思った点のひとつ。ボーナストラックというと、最初は物珍しさから何回かは聴くものの、その後は殆ど聴かないという場合が案外多いんでね。それに、最近はボーナストラック無しのオリジナル・アルバムを探す方が難しいし。
それにしても、通して聴いてみると、まるで5枚組のベストアルバムを聴いているかのような印象があるのは、やはり、それだけ売れたただけのことはあるといったところかと。
FOREIGNER - BAND MEMBERS
• Lou Gramm - Lead Vocals, Percussion (1st-5th)
• Mick Jones - Guitar, Keyboards, Backing Vocals (1st-5th)
• Dennis Elliott - Drums, Backing Vocals (1st-5th)
• Ian McDonald - Guitar, Keyboards, Reeds, Backing Vocals (1st-3rd)
• Al Greenwood - Synthesizer, Keyboards (1st-3rd)
• Ed Gagliardi - Bass, Backing Vocals (1st and 2nd)
• Rick Wills - Bass, Backing Vocals (3rd-5th)
TRACKLIST
Disc-1: Foreigner
1. Feels Like The First Time / 2. Cold As Ice / 3. Starrider / 4. Headknocker / 5. The Damage Is Done / 6. Long, Long Way From Home / 7. Woman Oh Woman / 8. At War With The World / 9. Fool For You Anyway / 10. I Need You
▼ Foreigner - Feels like the first Time
https://www.youtube.com/watch?v=qHDy_b33cCQ
Disc-2: Double Vision
1. Hot Blooded / 2. Blue Morning, Blue Day / 3. You're All I Am / 4. Back Where You Belong / 5. Love Has Taken Its Toll / 6. Double Vision / 7. Tramontane (Instrumental) / 8. I Have Waited So Long / 9. Lonely Children / 10. Spellbinder
▼ Foreigner - Double Vision
https://www.youtube.com/watch?v=dD-SpHH7qDA
▼ Foreigner - Blue Morning, Blue Day
https://www.youtube.com/watch?v=E-vPFNihnGQ
Disc-3: Head Games
1. Dirty White Boy / 2. Love On The Telephone / 3. Women / 4. I'll Get Even With You / 5. Seventeen / 6. Head Games / 7. The Modern Day / 8. Blinded By Science / 9. Do What You Like / 10. Rev On The Red Line
▼ Foreigner - Head Games
https://www.youtube.com/watch?v=Dzjg4v7bd1U
▼ Foreigner - Love On The Telephone
https://www.youtube.com/watch?v=QdhHJOXKTPU
Disc-4: 4
1. Night Life / 2. Juke Box Hero / 3. Break It Up / 4. Waiting For A Girl Like You / 5. Luanne / 6. Urgent / 7. I'm Gonna Win / 8. Woman In Black / 9. Girl On The Moon / 10. Don't Let Go
▼ Foreigner - Waiting For A Girl Like You
https://www.youtube.com/watch?v=MfHKyfrx2zA
Disc-5: Agent Provocateur
1. Tooth And Nail / 2. That Was Yesterday / 3. I Want To Know What Love Is / 4. Growing Up The Hard Way / 5. Reaction To Action / 6. Stranger In My Own House / 7. A Love In Vain / 8. Down On Love / 9. Two Different Worlds / 10. She's Too Tough
▼ Foreigner - That Was Yesterday
httpshttps://www.youtube.com/watch?v=yPg3_W-WeMs
▼ Foreigner - I Want To Know What Love Is
https://www.youtube.com/watch?v=HNGbhnF8ufs
NOTES
• Comes in a cardboard slipcase. The individual CD's are contained in cardboard sleeves printed with the original vinyl artwork.
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