昨年は、ちょっと驚いた出来事という意味で、アメリカの2021年の統計ではアナログレコードの売り上げ枚数がCDを上回ったことを取り上げて記事を書いていたのだが、成長率は幾分鈍化しているものの、2022年も同様の結果であったことを米ビルボード誌が報じた。
ただ、この現象について言えば、2021年度はアデルとテイラー・スウィフトのアルバムがヒットしたことが要因の一つとしてあったようで、2022年度もまた引き続きテイラー・スウィフトのアルバムのヒットが全体の売り上げを引き上げることに貢献したようだ。
ちなみに、アナログレコードのアルバムの販売枚数は前年比4.2%増で4,346万枚。このうち、テイラー・スウィフトのアルバムはトータルで169万5,000枚を売り上げている。
▼ 2022年の米国 2年連続でレコード売上額がCDを上回る (amass.jp - 2023/01/13)
https://amass.jp/163790/
▼ U.S. Vinyl Album Sales Rise for 17th Straight Year — But Growth Is Slowing (billboard pro - 2023/01/11)
https://www.billboard.com/pro/vinyl-album-sales-rise-growth-slowing/
■ 2022年 - 米国レコード・アルバム売上トップ10
1. Midnights / Taylor Swift (945,000)
2. Harry's House / Harry Styles (480,000)
3. Sour / Olivia Rodrigo (263,000)
4. good kid, m.A.A.d city / Kendrick Lamar (254,000)
5. Rumours / Fleetwood Mac (243,000)
6. Call Me If You Get Lost / Tyler, The Creator (211,000)
7. Folklore / Taylor Swift (174,000)
8. Igor / Tyler, The Creator (172,000)
9. Thriller / Michael Jackson (168,000)
10. Abbey Road / The Beatles (160,000)
見ての通り、トップにランクされたテイラー・スウィフトの10作目となるアルバム「Midnights / ミッドナイツ」はレコードだけでミリオンに迫る売り上げを記録している。しかもリリースされたのが年末の10月21日ということから、累計で100万枚を超えることはほぼ確実で、2023年も引き続き売上枚数を伸ばすと思われる。
なお、2022年に5万枚以上売れたアナログレコードのアルバムは88枚で、2021年の87枚から1枚増加した。一方で、5万枚以上売れたCDのアルバムは56枚で、2021年の67枚から11枚減少している。
最後に、自身のことについて触れておくと、実のところ、自分はテイラー・スウィフトのアルバムを1枚も持っていないのだが、デフ・レパードと共演した"CMT Crossroads"のDVDを購入して所持していることから、そこに収録されている曲については割と観聴しており、それについては2020年に取り上げて記事にもしている。
▼ CMT Crossroads [DVD] (2009) / Taylor Swift & Def Leppard
https://jihirog.blogspot.com/2020/07/cmt-crossroads-taylor-swift-def-leppard.html
▼ CMT Crossroads with Taylor Swift & Def Leppard
https://www.youtube.com/watch?v=SgPO4dnt3xE
[補足 1]
レコードほどの規模ではないものの、カセットテープの売り上げも伸びているようだ。
▼ 米国では2022年、アルバムのカセットテープが28%増の44万本販売 (amass.jp - 2023/01/13)
https://amass.jp/163756/
▼ U.S. Cassette Tape Album Sales Grew 28% in 2022 (billboard pro - 2023/01/11)
https://www.billboard.com/pro/cassette-tape-album-sales-grew-taylor-swift-guardians/
[補足 2]
アメリカと同じく、日本に於いてもアナログレコードの売り上げは伸びているようで、2022年の販売数は1999年以来の200万枚超えとなる213万3,000枚を記録したそうだ。
▼ 2022年の日本 アナログレコードが23年ぶりに200万枚超え&33年ぶりに40億円超え (amass.jp - 2023/01/26)
https://amass.jp/164074/
[追記:2023/03/10]
アメリカレコード協会 (RIAA) の調べでは、アメリカに於いてアナログレコードの販売枚数がCDを上回ったのは1987年以降では2022年が初めてだと発表されている。
※ RIAA (Recording Industry Association of America) とは、アメリカ合衆国における音楽関連のライセンスやロイヤルティの管理業務及びゴールドディスク等の認定を行なっている業界団体。
▼ 2022年の米国 アナログレコードの販売枚数がCDを上回る 1987年以来初めて (amass.jp - 2023/03/10)
https://amass.jp/165130/
▼ アナログレコード、販売枚数でもCD上回る 35年ぶり 米 (AFP=時事 / Yahoo!ニュース - 2023/03/10)
https://news.yahoo.co.jp/articles/ee2e5a0b77ebb35062f6f16b5ae64a9998732917
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