こちらの"Passé Présent"は2003年にリリースされたミッシェル・ポルナレフの2枚組ベスト・アルバムだが、残念ながら日本盤はリリースされておらず、自分が購入したのはヨーロッパ諸国でリリースされた"EU"盤。
ポルナレフのベストと言えば、日本盤でもいくつかリリースされているが、今のところ2枚組としてリリースされている日本盤は、恐らく無いのではないかと。ちなみに、このベスト・アルバム、ジャケットは"3D"の特殊仕様になっている。
と、そんな日本盤を含め、ポルナレフのベストと言えば、大半は'60年代後半から'70年代前半の楽曲で占められているのだが、この"Passé Présent"は、'78年の「Coucou Me Revoilou / 美しきロマンの復活」、'81年の「Bulles / シャボンの中の青い恋」、'85年の「Incognito / アンコグニート」、'90年の「Kama-Sutra / カーマ・スートラ」といった比較的新しい(とは言っても2、30年も前になるのだが)アルバムからも数多く選曲されており、この点は2枚組ならではといったところ。
又、そういった点に於いては、'70年代後半にポルナレフを知り、'78年の「美しきロマンの復活」と、 '81年の「シャボンの中の青い恋」を新譜のLPレコードとして買った思い出のある自分にとっては嬉しいベスト・アルバムでもある。ちなみに、'85年の「アンコグニート」は日本ではリリースされなかったようで、自分自身は、長い間、このアルバムの存在を知らずにいた。
でも、何といっても嬉しかったのは、1曲目が"Lettre a France"であるという点。実はこの曲、ポルナレフの新曲としてラジオで紹介されたのを聴いて、すぐに好きになり、その後しばらくしてリリースされたニューアルバム「美しきロマンの復活」を喜んで買ったら、何とその"Lettre a France"が入ってなくてガッカリしたという苦い思い出があったんだよね(後にCDで再発された際にはボーナストラックとして収録された)。後に知ったのだが、"Lettre a France"は、アルバム「美しきロマンの復活」がリリースされる前年の'77年にシングルのみでリリースされた曲だったのだ。ちなみに、この曲、シングル盤でリリースされた当時の邦題は「哀しみのエトランゼ」であったが、その後、CDで再発されたアルバム「美しきロマンの復活」にボーナストラックとして収録された際には「フランスへの手紙」へと変更された。
それでも、当時は、そんな実情など知ることもできず、いったいどのアルバムに収録されている曲なのだろうかと不思議に思っていたんだよね。しかも、当時はこの曲のタイトルを知らなかったので、探そうにも探せない状況だったことから、その時のラジオ放送から録音したテープを繰り返し聴いていたのだった。
現在リリースされている「美しきロマンの復活」のアルバムには、この"Lettre a France"(邦題は「フランスへの手紙」)もアルバムのラストにボーナストラックのようなかたちで収録されているようだが、当時は買いたくても買えない曲だったこともあり、一際思い出深い曲にもなっているのだ。
まぁ、そういった思い出もあるこの"Lettre a France"、個人的には、今でも「Holidays / 愛の休日」や「Love Me Please Love Me / 愛の願い」等と肩を並べるポルナレフの名曲だと思うのだが、まさかベスト・アルバムのトップに、数ある名曲を差し置いてこの曲が収録されるなんてことがあるとは思いもしなかったなので、ちょっとした驚きであると同時に感慨深いものがあった。
ところが、後になって知ったことだが、実はフランスで最も売れたポルナレフのシングルは、約48万枚を売り上げたこの"Lettre a France"だったんだよね。なるほど、1曲目に収録されているのはそんな理由もあったのかとそのときになって納得した次第。
ちなみに、日本でも有名な「Tout Tout Pour Ma Chérie / シェリーに口づけ」は、フランスではシングルA面としてはリリースされておらず、「Tous Les Bateaux Tous Les Oiseaux / 渚の想い出」のB面に収録されていた。
そして、ミッシェル・ポルナレフと言えば、あの大きなサングラス姿が印象的なのだが、自分自身もあの大きなサングラスが無ければ、もしかしたら彼の音楽に興味を持つことがなかったのかもしれないという位にインパクトがあった。
しかしながら、そんな突飛なビジュアルイメージに反して、幼い頃からクラシック音楽を学び、クラシックの登竜門として有名なパリ音楽院でもソルフェージュのコンクールで優勝するなど、将来を嘱望される人物だったなんてことは、彼の写真を初めて見た当時は思いもしなかったことだった。兵役を機に人生観が大きく変わったらしく、兵役を終えるとクラシック音楽からは離れ、ヒッピーとなり、ヨーロッパ中をギター片手に放浪していたそうで、個人的には、そんな奇行からも何処となく天才肌的イメージがあるのだが、ミュージシャンとしては、やはりギターよりもピアノが似合うシンガーソングライターというイメージが強い。実際、あのピアノのメロディーに惹かれていた部分も多分にあったからね。
TRACKLIST
[Disc 1]: 1. Lettre À France / 2. Love Me Please Love Me / 3. Goodbye Marylou / 4. L'amour Avec Toi / 5. Âme Câline / 6. Holidays / 7. Tous Les Bateaux Tous Les Oiseaux / 8. Le Bal Des Laze / 9. Ça N'Arrive Qu'Aux Autres / 10. Une Simple Mélodie / 11. Je T'aime / 12. Mes Regrets / 13. Comme Juliette & Romeo / 14. Un Train Ce Soir / 15. La Belle Veut Sa Revanche / 16. J'Ai Tellement De Choses À Dire / 17. Une Femme / 18. Je Suis Un Homme / 19. Qui A Tué Grand-Maman ? / 20. Kama-Sutra
[Disc 2]: 1. La Poupée Qui Fait Non / 2. Tout Tout Pour Ma Chérie / 3. Sous Quelle Étoile Suis-Je Né ? / 4. On Ira Tous Au Paradis / 5. Radio / 6. Tam Tam / 7. Dans La Maison Vide / 8. La Michetonneuse / 9. Ring A Ding / 10. Y'a Qu'un Ch'veu / 11. Voyages / 12. Né Dans Un Ice-Cream / 13. Le Roi Des Fourmis / 14. L'oiseau De Nuit / 15. Ta Ta Ta Ta / 16. Lna Ho / 17. Viens Te Faire Chahuter / 18. Oú Est La Tosca ? / 19. Sur Un Seul Mot De Toi / 20. Elle Rit / 21. La Mouche
The Collection Of Masterpieces / Michel Polnareff
そして、"Passé Présent"とは別に自分が持っているベスト・アルバムがこの"The Collection of Masterpieces"。
こちらは多くのベスト・アルバム同様、'70年代前半までの楽曲で占められているのだが、輸入版でありながら日本語の帯が付いているという(しかも、帯の裏面側には邦題まで記載されているという)一風変わったもの。
何となく怪しげな雰囲気があるものの、一応、大手のCDショップで販売されていて買ったものなので、違法な海賊版という類のものではないと思うが。
日本独自企画のベスト・アルバムと収録曲を比較したらコチラの方が良かったので、この"The Collection of Masterpieces"を買ったのだが、この時リリースされていた日本版のベスト・アルバムには、何故か「渚の想い出」や「忘れじのグローリア」が収録されていなかったのだ。「忘れじのグローリア」はポルナレフ自身が好きではないらしいので一歩譲って仕方無いとしても、「渚の想い出」が入ってないベストなんて・・・と当時の日本版ベスト・アルバムに対して思ったことは良く覚えている。
TRACKLIST
1. シェリーに口づけ / 2. 愛の願い / 3. 渚の想い出 / 4. 哀しみの終わるとき / 5. 愛のコレクション / 6. 思い出のシンフォニー / 7. 忘れじのグローリア / 8. ノンノン人形 / 9. ラース家の舞踏会 / 10. ステキなランデブー / 11. 夜の鳥と一緒に / 12. 君は友達 / 13. 人生は星の流れ / 14. 愛の証を / 15. 恋は人生の想い出 / 16. ギリシャにいるジョルジナへ / 17. バラ色の心 / 18. 君の幸福と僕の悔恨 / 19. 恋人に捧げるバラッド / 20. 愛の休日
▼ Michel Polnareff - Lettre A France (フランスへの手紙)
▼ Michel Polnareff - Gloria (忘れじのグローリア)
[おまけ] ※ この曲はどちらのアルバムにも収録されていません。
▼ Michel Polnareff - L'homme qui pleurait des larmes de verre 1973
▼ Michel Polnareff - Love Me Please Love Me (愛の願い)
https://www.youtube.com/watch?v=RdoHr77wAIM
▼ Michel Polnareff - Une Simple Mélodie (愛のシンフォニー)
https://www.youtube.com/watch?v=izT5tKb_sWM
▼ Michel Polnareff - J'ai Tellement De Choses À Dire (天使の遺言)
https://www.youtube.com/watch?v=IBLXsGyBO3o
▼ Michel Polnareff - Holidays (愛の休日)
https://www.youtube.com/watch?v=qRnpUwqhNwc
▼ Michel Polnareff - Tous Les Bateaux Tous Les Oiseaux (渚の想い出)
https://www.youtube.com/watch?v=kBTZoPcAVEo
▼ Michel Polnareff - Je t'aime (涙…そしてジュテーム)
https://www.youtube.com/watch?v=mPI_s_kyX3M
▼ Michel Polnareff - Ça n'arrive qu'aux autres (哀しみの終るとき)
https://www.youtube.com/watch?v=zMypDV0PX1Y
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