2012/02/10

QUEEN DANCE TRAXX I / VARIOUS ARTISTS (1996)

CDの帯:クイーン・ダンス・トラックス I / Various ArtistsAlbum Cover: Queen Dance Traxx I / Various Artistsこの「Queen Dance Traxx I / クイーン・ダンス・トラックス I」は、タイトルからも分かるように、アルバムに収録されているのは全てダンスチューンにアレンジされたクイーンのカヴァー曲で、参加しているミュージシャンはヨーロッパを中心に活動するダンス系ミュージックのユニットやプロデューサー、DJ等といったところ。

ただ、自分自身は、この手の音楽には疎く、唯一スキャットマン・ジョン('99年死去)だけは名前を知っているといった程度で、その他は参加ミュージシャンのクレジットを見てもどういった人達なのかはよく分からないのだが、このジャンルの音楽に精通している人にとっては、もしかしたらお馴染みの存在なのかもしれない。

まぁ、腐っても鯛というわけではないが、オリジナルは全て大好きなクイーンの楽曲なので、それなりに楽しめればいいかなと、さほど期待もせずに買ったものだが、実は意外な驚きがあった。

それは、いくつかの楽曲ではクイーンのオリジナル音源が大胆に使われているということで、もしかしたらアルバム制作にあたってはクイーン・サイドの協力があったのかもしれない。

 

CD: QueenDance Traxx I / Various Artistsということで、クイーンの音源が使用されている楽曲をピックアップしてみると(もしかしたらこれ以外にもあるのかもしれないが、自分が気付いた部分ということで)。

まずは、けっこう気に入っている"Bicycle Race"から。この曲は"Bicycle Bicycle Bicycle"と繰り返す印象的なコーラスを含め、バッキングヴォーカルは全てクイーンのオリジナル音源が使われているようで、女性ヴォーカリストとの掛け合いがオリジナルの持つ奇天烈感をより強調した雰囲気で面白いんだよね。クイーン・ファンとしては、コーラスとバッキングヴォーカルでお馴染みの声が聞こえてくるおかげで、違和感無く楽しめる感じ。

続いては"Flash's Theme"。この曲はオリジナルに比べてヴォーカル部分は少なくなっているのだが、使われているヴォーカルとコーラス・ハーモニーの部分は全てクイーンのオリジナル音源のようだ。

そして、"Radio Ga Ga"。この曲はオリジナル・ヴァージョンのイントロと間奏の部分に短いラップを加えただけと言ってもいいくらいなのだが、この曲ではまるまるフレディのヴォーカルが使われている。なお、加えられたラップの部分の歌詞は、この曲とクイーンについて書かれたものとなっている。

更に続いては"We Will Rock You"。これも"We will We will rock you"のバッキングヴォーカル部分はクイーンのオリジナル音源だと思うのだが、更にはドン・ドン・チャッの演奏部分も恐らくはオリジナルの音源が使われているのではないかと思う。

その他にも、"I Want To Break Free"では"God knows"の歌詞部分でフレディの声が聴けるし、間奏部分も恐らくはオリジナルの音源が使われていると思う。又、ほぼインストゥメンタルと言ってもいい"Bohemian Rhapsody"は、"Is this the real life"の部分だけが唯一のヴォーカルパートになっているのだが、この部分もフレディの声がサンプリングで使われている。この"Bohemian Rhapsody"については、こんな曲を選んで大丈夫なのかと危惧するところもあったのだが、"Bohemian Rhapsody"と分かるのは曲の前半部分とフレディの声が聴ける"Is this the real life"のところだけで、大半のパートは全く別の曲といった印象。ちなみに、オリジナルのような組曲にはなっていない。

と、所々でオリジナル音源が使われていることもあり、思ったよりも楽しめるアルバムだった。個人的には、やはり"Bicycle Race"が一番面白いと感じたが、クイーンのオリジナル音源が使われていない"Another One Bites the Dust"や"I Want it All"もけっこう気に入っている。ただ、ラストのオールキャストで歌われる"We Are The Champions"はちょっとベタすぎて面白みがないかな。単なるカヴァーといった感じ。

シンセサイザーを使用するようになってからのクイーンは、ダンサブルな要素を含む楽曲も割と多く制作していたこともあってか、収録曲は後期のアルバムからの選曲が多くなっている。ただ、どの曲もオリジナル以上にダンスビートに仕上げられてはいるものの、比較的オリジナルのメロディーラインは崩さないアレンジがされている印象。

そして、この「Queen Dance Traxx I」は見てのとおり、タイトルの最後にはローマ数字で「I」と付けられている。恐らくは続編も企画されていたと思われるのだが、残念ながら続編がリリースされることは無かったようだ。

 

TRACKLIST
1. Another One Bites The Dust (Captain Jack) / 2. The Invisible Man (Scatman John) / 3. A Kind Of Magic (Mr. President) / 4. I Want It All (Ex-It) / 5. Under Pressure (Culture Beat) / 6. I Was Born To Love You (Worlds Apart) / 7. I Want To Break Free (Masterboy) / 8. Bicycle Race (Blossom) / 9. Bohemian Rhapsody (Magic Affair) / 10. Who Wants To Live Forever (E-Rotic) / 11. Flash's Theme (U96) / 12. Radio Ga Ga (DJ Bobo) / 13. Scandal (Voice) / 14. We Will Rock You (Interactive) / 15. Friends Will Be Friends (Music Instructor) / 16. We Are The Champions (Acts United)

1. 地獄へ道づれ(キャプテン・ジャック) / 2. インヴィジブル・マン(スキャットマン・ジョン) / 3. カインド・オブ・マジック(ミスター・プレジデント) / 4. アイ・ウォント・イット・オール(EX-IT) / 5. アンダー・プレッシャー(カルチャー・ビート) / 6. アイ・ワズ・ボーン・トゥ・ラヴ・ユー(ワールズ・アパート) / 7. ブレイク・フリー(マスターボーイ) / 8. バイシクル・レース(ブロッサム) / 9. ボヘミアン・ラプソディ(マジック・アフェアー) / 10. リヴ・フォーエヴァー(E-ROTIC) / 11. フラッシュのテーマ(U96) / 12. Radio Ga Ga(DJ BOBO) / 13. スキャンダル(ヴォイス) / 14. ウィ・ウィル・ロック・ユー(インタラクティヴ) / 15. フレンズ・ウィル・ビー・フレンズ(ミュージック・インストラクター) / 16. 伝説のチャンピオン(アクツ・ユナイテッド)

• 解説・歌詞・対訳付

 

▼ Blossom - Bicycle race

https://www.youtube.com/watch?v=1wpWl2vy8mY

 

▼ Ex-It - I Want It All

https://www.youtube.com/watch?v=9k2VTYFp0qQ

 

▼ Captain Jack - Another One Bites The Dust

https://www.youtube.com/watch?v=085SJ2-Nqts

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