2018/09/26

VOICES 「モダン・ヴォイス」 / DARYL HALL & JOHN OATES (1980)

CDの帯:モダン・ヴォイス / ダリル・ホール & ジョン・オーツAlbum Cover (front): Voices / Daryl Hall & John Oates Album Cover (back): Voices / Daryl Hall & John Oates CD Case (back cover): Voices / Daryl Hall & John Oates

こちらは、アメリカのビルボード・チャートで1位を記録するヒット曲となった"Kiss on My List"を生み出すと共に、ミリオン・セラー・ヒットとなったホール & オーツのアルバム「Voices / モダン・ヴォイス」。

実を言うと、随分前にホール & オーツのベスト・アルバムを買ったものの、そのベストにはホール & オーツの曲の中で最も好きな曲のひとつである「Hard To Be In Love With You / イン・ラヴ・ウィズ・ユー」が収録されていなかったこともあり、いずれ"Hard To Be In Love With You"が収録されたベスト・アルバムがリリースされたらまた買おうと悠長に持っていたのだが、新たなベスト・アルバムがリリースされることはあっても、"Hard To Be In Love With You"が収録されたベスト・アルバムは一向にリリースされないことから、ベスト・アルバムを諦めて買ったのがこのアルバムだった。

その"Hard To Be In Love With You"については、日本では独自にシングル・カットされたものの、本国のアメリカではシングル・カットされなかった曲だったということもあり、ベストに収録されないのもある意味仕方ない部分もあるのだが、これが、日本独自編集のベストで、たとえ2枚組であろうとも、一向に収録されずにいたのだ。そして自分はと言えば、新たなベスト・アルバムがリリースされる度に、そんな曲を入れる余裕があるのなら、代わりにこの曲を入れろよと一人ぼやき続けていたのだった(笑)。

と、ベストについての愚痴はこれくらいにして(笑)、このアルバム"Voices"の話に移すと、自分が購入したのは、丁度その頃に出ていたこのリーズナブルな期間生産限定の国内盤。ただ、廉価版ということもあり、解説は付いているものの、歌詞と対訳は付いておらず、ジャケットも二つ折り(内側は真っ白)のシンプルな作りで、そこに四つ折の日本語解説が挟め込んであるといったもの。とは言え、自分の目的は"Hard To Be In Love With You"だったので、特に不満があるというわけではなかった。

アルバムには、先にも記したNo. 1ヒットの"Kiss on My List"や、1990年公開の映画「ゴースト/ニューヨークの幻」の主題歌「Unchained Melody / アンチェインド・メロディ」でも知られるライチャス・ブラザーズ (The Righteous Brothers) のカヴァーでヒットした"You've Lost That Lovin' Feelin'"(米12位)といったヒット曲をはじめ、シングルとしてはリリースされなかったものの、後にポール・ヤングがカヴァーして米1位の大ヒットとなった "Everytime You Go Away"といったベスト・アルバムには必ず収録されるような定番曲が含まれている。

その他にも、このアルバムからは"You Make My Dreams"(米5位)、"How Does It Feel to Be Back"(米30位)といったヒット曲も生まれているのだが、上記の3曲に比べると、この2曲はベスト・アルバムに収録されないことも意外とあって、2011年に日本の独自企画でリリースされたファン投票によるベスト・アルバムにもこの2曲は収録されていないし、手持ちのベストでもこの2曲は未収録となっている。

ということで、"Hard To Be In Love With You"以外にも、自分が持っているベストには収録されていないヒット曲の"You Make My Dreams"と、"How Does It Feel to Be Back"が収録されているということもあり、これはこれで買ってよかったかなと。

なお、ボーナス・トラックの2曲は、どちらもオリジナルに比べると、エッジが効いた新鮮な印象がするリミックスとなっている。

 

TRACKLIST
1. How Does It Feel To Be Back / ハウ・ダズ・イット・フィール
2. Big Kids / ビッグ・キッズ
3. United State / ユナイテッド・ステイト
4. Hard To Be In Love With You / イン・ラヴ・ウィズ・ユー
5. Kiss On My List / キッス・オン・マイ・リスト
6. Gotta Lot Of Nerve (Perfect Perfect) / ゴッタ・ロッタ・ナーヴ
7. You've Lost That Lovin' Feeling / ふられた気持
8. You Make My Dreams / ユー・メイク・マイ・ドリームス
9. Everytime You Go Away / エヴリタイム・ユー・ゴー・アウェイ
10. Africa / アフリカ
11. Diddy Doo Wop (I Hear The Voices) / ディディ・DOO WOP
[Bonus Tracks]
12. Kiss On My List (Remix Version) / キッス・オン・マイ・リスト (Remix Version)
13. Everytime You Go Away (Remix Version) / エヴリタイム・ユー・ゴー・アウェイ (Remix Version) 

 

NOTES
• 発売日:2016年7月27日(再発盤 / 期間生産限定盤)
• 解説付(新規ライナーノーツ) / 歌詞・対訳無し
• 2010年リマスタリング

• Album: US 17位 (Platinum / 1982-RIAA)
• Singles:
1. How Does It Feel to Be Back - US 30位
2. You've Lost That Lovin' Feelin' - US 12位 / UK 55位
3. Kiss on My List - US 1位 / UK 33位
4. You Make My Dreams - US 5位

 

▼ Daryl Hall & John Oates - Hard To Be In Love With You

 

▼ Daryl Hall & John Oates - Everytime You Go Away (Live 1983)

 

▼ Daryl Hall & John Oates - You've Lost That Lovin' Feeling

 

▼ Daryl Hall & John Oates - Kiss On My List

 

 

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The Best Of Times - Greatest Hits! (1995) / Daryl Hall & John Oates

2018/09/20

ANIMALIZE - LIVE UNCENSORED 「アニマライズ・ライヴ」 / KISS (1984 / 1992)

LD Cover (front): Animalize - Live Uncensored / KISS  LD Cover (back): Animalize - Live Uncensored / KISS  LD: Animalize - Live Uncensored / KISS

このレーザー・ディスク「Animalize - Live Uncensored / アニマライズ・ライヴ」は、1984年のアルバム「Animalize / アニマライズ」のリリースに伴って行われたツアーの中のデトロイト公演を収録したキッスのライヴ映像作品。

一応、この時のキッスの直近の状況を簡単に記しておくと、キッスの12作目となるスタジオ・アルバム"Animalize"は、ヴィニー・ヴィンセントに代わり、マーク・セント・ジョンがギタリストとして加わり制作されたアルバムだったものの、そのマーク・セント・ジョンは、直後に行われたアニマライズ・ツアー序盤で関節炎を発症し、ツアー継続が困難になったため、急遽ブルース・キューリックが代役を務めることになった。

結果的にマーク・セント・ジョンは"Animalize"のアルバム1枚に参加しただけでそのまま脱退。そして、ツアーの代役を務めたブルース・キューリックがそのまま後任のギタリストとしてキッスに加入。

ということで、この"Animalize - Live Uncensored"に収録されているデトロイト公演もバンド加入間もないそのブルース・キューリックがリード・ギターを務めている。

自分が購入したこのレーザー・ディスクは「追悼盤 - エリック・カー (Ds) に捧ぐ。」とのステッカーが外装のフィルムに貼ってあることからも分かるように、エリック・カーの死去後にリリース(1992年)されたものだが、調べてみると、1984年にリリースされた日本盤のレーザー・ディスクが存在しているようなので、恐らくはこちらは再発盤だったのではないかと思う。

※ 補足(エリック・カー)
1991年、心臓ガンにより死去(41歳)。キッスのメンバーとしては、オリジナル・メンバーのピーター・クリス脱退に伴い加入した2代目ドラマーという立場だったものの、バンド・メンバーとしての在籍期間はピーター・クリスを上回る。

ちなみに、ツアー序盤で離脱したマーク・セント・ジョンも、残念ながら2007年4月5日に脳内出血により51歳で死去している。

LD Cover with Promo Sticker (front): Animalize - Live Uncensored / KISS  LD Promo Sticker: Animalize - Live Uncensored / KISS

それにしても、改めて観てみると、ヘヴィーメタル・ムーブメントの最中だったこともあってか、どの曲も格段に速いテンポで演奏されていたのだと再確認。

 

▼ KISS - Love Gun (Animalize Live Uncensored)

https://www.youtube.com/watch?v=c4N0BiFLoNg

 

▼ KISS - Black Diamond (Animalize Live Uncensored)

https://www.youtube.com/watch?v=F6WvO8RnzUo

 

KISS IS (Listed on Back Cover)
• Paul Stanley
• Gene Simmons
• Eric Carr
• Bruce Kulick

 

LD Promo Sticker: Animalize - Live Uncensored / KISSTRACKLIST
1. Detroit Rock City / 2. Cold Gin / 3. Creatures Of The Night / 4. Fits Like A Glove / 5. Heaven's On Fire / 6. Thrills In The Night / 7. Guitar Solo (Paul Stanley) / 8. Under The Gun / 9. War Machine / 10. Drum Solo (Eric Carr) / 11. Young And Wasted / 12. Bass Guitar Solo (Gene Simmons) / 13. I Love It Loud / 14. I Still Love You / 15. Love Gun / 16. Lick It Up / 17. Black Diamond / 18. Rock And Roll All Nite

1. デトロイト・ロック・シティ / 2. コールド・ジン / 3. クリーチャーズ・オブ・ザ・ナイト / 4. 悪魔の情欲 / 5. ヘヴンズ・オン・ファイアー / 6. スリル・イン・ザ・ナイト / 7. ギター・ソロ(ポール・スタンレー) / 8. アンダー・ザ・ガン / 9. ウォー・マシーン / 10. ドラム・ソロ(エリック・カー) / 11. 青い暴走 / 12. ベース・ソロ(ジーン・シモンズ) / 13. アイ・ラヴ・イット・ラウド / 14. アイ・スティル・ラヴ・ユー / 15. ラヴ・ガン / 16. 地獄の回想 / 17. ブラック・ダイアモンド / 18. ロックンロール・オール・ナイト

NOTES
• Filmed At: Cobo Hall, Detroit (December 8, 1984)
• Format: Laser Disc
• CLV / STEREO / COLOR / APPROX 90min. / Digital Audio
• 一部字幕スーパー入り
• 解説・歌詞付
• 品番:VALP-3307
• 発売日:1992/01/25
• 発売時の価格:\4,300(税込)

• Platinum Award for ;Animalize Live Uncensored (1987-RIAA)

 

 

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2018/09/14

KISS - ACE FREHLEY (SOLO ALBUM) / ACE FREHLEY (1978)

LPレコードの帯:キッス - エース・フレーリー / エース・フレーリーAlbum Cover with Obi Strip (Vinyl LP): KISS - Ace Frehley (Solo Album) / Ace Frehleyこちらは当時購入したLPレコードで、キッスのメンバー4人が一斉にリリースしたソロ・アルバムの中のエース・フレーリー版。

アメリカのビルボード・チャートでは、ジーンの22位に次ぐ26位を記録し、他のメンバーのソロ・アルバムと同様、100万枚のセールスを示すプラチナムにも認定されている。

自分はといえば、当時はまだ未成年で、収入源はお小遣いだけだったということもあり、4人のソロ・アルバムをまとめて購入することはできず、1枚ずつ買い揃えていったんだよね。

アルバムの中では"What's On Your Mind?"と"Fractured Mirror"の2曲が当時から好きで、インストゥルメンタル曲の"Fractured Mirror"については、「へ~、エースって、こういった一面もあるんだ」と思ったりもしていた。

その他にも、ミディアム・テンポの"Snow Blind"や"Ozone"といった曲も結構好きで、アルバムとしても割とバラエティーに富んだ構成になっており、こう言ってはなんだが、思いのほか幅広い音楽性を示しながらも、意外と親しみやすく楽しめる内容となっている。

ただ、シングル・カットされたカヴァー曲の"New York Groove"(作者はラス・バラードで、1975年にイギリスのバンド"Hello"が英9位のヒットを記録)がビルボード・チャートで13位まで上がるヒットを記録し、更には12週もの間トップ40に居続けたことについては、こう言ってはなんだが「なんでこんな曲が?」と、当時から不思議に思っていた。

というのも、アルバムを最初に聴いて「なんだか風変わりな曲だなぁ」と思ったのがこの"New York Groove"で、ギター・ソロも無いし、正直、つまんないと思った曲でもあったからなのだ。そんなこともあって、この曲がヒットしたことについて、当時は、子供ながらに「アメリカ人の感覚って分かんないなぁ」なんてことを思ったりもしていたのだった。

それでも、その後のキッスのライヴでも披露されるようになり、リユニオン後のライヴでも定番曲として演奏されていたライヴ・ヴァージョンは結構好きなんだなぁ、これが。この辺りはキッス・マジックなんだろうか?

 

▼ KISS - New York Groove (Live At The Brooklyn Bridge - 1996)

 

Album Cover (front): KISS - Ace Frehley (Solo Album) / Ace Frehley  Album Cover (back): KISS - Ace Frehley (Solo Album) / Ace Frehley  LPレコードの内袋: KISS - Ace Frehley (Solo Album) / Ace Frehley

LPレコードのラベル:キッス - エース・フレーリー (Solo Album) / Ace Frehley  LPレコードのラベル:キッス - エース・フレーリー (Solo Album) / Ace Frehley

 

そして、このソロ・アルバムでの成功もあってか、この後にリリースされるキッスのアルバム「Dynasty / 地獄からの脱出」では、ジーンの2曲を上回り、メインのポールと並ぶ3曲でエースがリード・ヴォーカルをとるなど、これまで以上に存在感を示すことに繋がったのだった。

当時の自分は、こうしたエースの台頭はキッスをより強力にするものと思って歓迎していたのだが、エース自身はソロ活動へ向けて着々と自信をつけていったのか、結果的に、その後エースはバンドを脱退し、ソロ活動の道を選択することになる。

 

Japanese 12-inch Vinyl Record: KISS - Ace Frehley (Solo Album) / Ace Frehley

 


 

Dの帯:KISS - エース・フレーリー / エース・フレーリーAlbum Cover (front): KISS - Ace Frehley (Solo Album) / Ace Frehley  CD Case (back cover): KISS - Ace Frehley (Solo Album) / Ace Frehley

そして、こちらは2016年に再発された日本盤CD。貧相な帯は元より、LP時代には封入されていた4人のジャケットがあしらわれた内袋も、特典のイラスト・ジグソー・ポスターも無く、特段、購買意欲をそそるものでもなかったのだが(しかも、写真を見ても分かるように、LPとは青の色味も違う)、CDは持ってなかったことから購入。

 

TRACKLIST
1. Rip It Out / 2. Speedin' Back To My Baby / 3. Snow Blind / 4. Ozone / 5. What's On Your Mind? / 6. New York Groove / 7. I'm In Need Of Love / 8. Wiped-Out / 9. Fractured Mirror

1. リップ・イット・アウト / 2. バック・トゥ・マイ・ベイビー / 3. スノウ・ブラインド / 4. オゾン / 5. ホワッツ・オン・ユア・マインド / 6. ニューヨーク・グルーヴ / 7. アイム・イン・ニード・オブ・ラヴ / 8. ワイプド - アウト / 9. フラクチャード・ミラー

NOTES
• CD発売日:2016/5/18
• SHM-CD
• 解説・歌詞・対訳付

• Album: US 26位 (Platinum / 1978-RIAA)
• Single: "New York Groove" US 13位

 

▼ Ace Frehley - What's On Your Mind

 

▼ Ace Frehley - Fractured Mirror

 

 

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2018/09/07

イーグルスのグレイテスト・ヒッツがアメリカで最も売れたアルバムに返り咲き

ブログ内のある記事のアクセスが突然伸びることがあって、ドキッとすることがある。というのも、音楽関連の記事の場合、なんでだろうと調べてみたら、そのミュージシャン、もしくはメンバーの誰かが亡くなっていたということが何度かあったから。

そんなこともあり、先月の8月末に突如イーグルスのグレイテスト・ヒッツの記事がブログ右のサイドバーにある「人気記事ランキングに」に登場したときはやっぱりドキッとしたんだよね。

でも、その理由が、この記事のタイトルにある内容だったことが分かってホッとしたといった一件があって、今回は、そういった経緯で知ったニュースをベースに記事にした。

ということで、ここからが本題。

イーグルス初のグレイテスト・ヒッツとして1976年にリリースされた「Eagles/Their Greatest Hits 1971-1975 / グレイテスト・ヒッツ 1971-1975」が、マイケル・ジャクソンの「Thriller / スリラー」を抜いて、アメリカで最も売れたアルバムとなったことをアメリカレコード協会(RIAA)が先月の20日(2018年8月20日)に発表したとのこと。

ちなみに、この"Eagles/Their Greatest Hits 1971-1975"は、長年アメリカの歴代セールス記録の1位であり続けていたアルバムだったものの、ここ暫くはマイケル・ジャクソンの"Thriller"にトップの座を奪われており、しかもマイケル・ジャクソンの死去後は"Thriller"にその差を広げられていたこともあって、以前に書いたこの"Eagles/Their Greatest Hits 1971-1975"の記事でも、これから先は徐々に差をつけられていくのではないかと記していたのだった。

 

Eagles/Their Greatest Hits 1971-1975 / Eagles

収録曲(全10曲)
1. Take It Easy (テイク・イット・イージー) /  2. Witchy Woman (魔女のささやき) /  3. Lyin' Eyes (いつわりの瞳) /  4. Already Gone (過ぎた事) /  5. Desperado (ならず者) /  6. One Of These Nights (呪われた夜) /  7. Tequila Sunrise (テキーラ・サンライズ) /  8. Take It To The Limit (テイク・イット・トゥ・ザ・リミット) /  9. Peaceful, Easy Feeling (ピースフル・イージー・フィーリング) /  10. Best Of My Love (我が至上の愛)

 

参照

2018年8月21日
イーグルスのベスト盤、史上最も売れたアルバムに返り咲き 「スリラー」抜く
http://www.afpbb.com/articles/-/3186639

全米レコード協会(RIAA)は20日、米ロックバンド、イーグルス(The Eagles)の初期ベスト盤「イーグルス:グレイテスト・ヒッツ1971-1975(The Eagles: Their Greatest Hits 1971-75)」の米国内の累計販売数が3800万枚に達し、マイケル・ジャクソン(Michael Jackson)さんの「スリラー(Thriller)」(1982年)の3300万枚を抜いて史上最も売れたアルバムになったと発表した。

 

イーグルスの「グレイテスト・ヒッツ 1971-1975」がアメリカ史上最も売れたアルバムに返り咲いたことについては、マイケル・ジャクソンの「スリラー」の売り上げ総数が最後に更新されたのが2017年であったのに対し、イーグルスの「グレイテスト・ヒッツ」は2006年の"29x Platinum"(2,900万枚)から統計の更新がされていなかったことから、今回その間の統計(これまでのCDやレコードといったディスクの売り上げ数に加え、2006年以降のストリーミング数、ダウンロード数などが加味された数値)が加算されたことが主な理由らしい。

 

▼ 又、それに加えて、集計方法も多少変更されたようだ。

イーグルスのベスト盤が全米で史上最も売れたアルバムに 故マイケル『スリラー』の記録を抜く
http://www.billboard-japan.com/d_news/detail/66852/2

RIAAのプラチナ認定は以前、純粋に100万枚のフィジカル・アルバム/シングルの売り上げをカウントしていた。2013年に変更されてからはYouTubeやSpotifyなどのデジタル音楽サービスのストリーミングもカウントするようになり、現在は1,500回のオーディオ/ビデオ・ストリーミングが1アルバム・ユニットとしてカウントされている。また、アルバムから10曲ダウンロードされても1ユニットとなる。

 

2018/08/22
イーグルスの『グレイテスト・ヒッツ』が、『スリラー』を抜いて歴代No.1ヒットの座を獲得
http://rollingstonejapan.com/articles/detail/28880

RIAAはプラチナが一気に10回も増えた理由の説明を拒んだが、同協会の関係者によると、当初RIAAのプラチナ認定の基準にシングルの売り上げなどの複数の要因が入っていなかったため、これらの要因を過去から現在まで集計したものを加えて、売り上げ総数を再計算したと言う。『ホテル・カリフォルニア』の場合、ホット100で第1位となったアルバムのタイトル・トラックの売り上げもアルバムの売り上げに加えられた(現在はフィジカルでもダウンロードでも、シングル10枚がアルバム1枚とカウントされる)。

 

なお、今回の集計結果の更新によって、イーグルスのベストセラー・アルバム「Hotel California / ホテル・カリフォルニア」(1976年)も"26x Platinum"(2,600万枚のセールス)に認定され、歴代3位に浮上している。ちなみに、2002年に"11x Platinum"に認定されていた"Eagles Greatest Hits Volume 2"(1982年)については今回の統計の更新でも変更は無いようだ。

3 Hit Albums / Eagles

 

▼ 最新の歴代売り上げトップ10 (2018/RIAA)

  1. EAGLES / EAGLES/THEIR GREATEST HITS 1971-1975 - 38x Platinum (3,800万枚)
  2. MICHAEL JACKSON / THRILLER - 33x Platinum (3,300万枚)
  3. EAGLES / HOTEL CALIFORNIA - 26x Platinum (2,600万枚)
  4. BILLY JOEL / GREATEST HITS VOLUME I & VOLUME II - 23x Platinum (2,300万枚)
  5. LED ZEPPELIN / LED ZEPPELIN IV - 23x Platinum (2,300万枚)
  6. PINK FLOYD / THE WALL - 23x Platinum (2,300万枚)
  7. AC/DC / BACK IN BLACK - 22x Platinum (2,200万枚)
  8. GARTH BROOKS / DOUBLE LIVE - 21x Platinum (2,100万枚)
  9. HOOTIE & THE BLOWFISH / CRACKED REAR VIEW - 21x Platinum (2,100万枚)
  10. FLEETWOOD MAC / RUMOURS - 20x Platinum (2,000万枚)

 

▼ Eagles - Lyin' Eyes (Live)

https://www.youtube.com/watch?v=8FBAc1OyCro

 

▼ Eagles - Take It To The Limit (Live)

https://www.youtube.com/watch?v=MxQXKO194XM

 

 

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Eagles/Their Greatest Hits 1971-1975 (1976) & Eagles Greatest Hits Volume 2 (1982) / Eagles

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