2020/03/19

X / DEF LEPPARD (2002)

CDの帯:X / デフ・レパード

Album Cover (front): X / Def Leppard  Album Cover (back): X / Def Leppard  CD Case (back cover): X / Def Leppard

この"X"(タイトルは「エックス」ではなく、アラビア数字の「10」を意味するローマ数字)は、文字通りデフ・レパードの10作目となるアルバム(シングルB面曲と未発表曲等で構成されたコンピレーション・アルバムの"Retro Active"と、ベスト・アルバムの"Vault: Def Leppard Greatest Hits 1980-1995"を含む)。

デフ・レパード史上、最もポップ志向なアルバムと言っても過言ではないことから、ある意味、問題作と捉える向きもあるのかもしれないが、その辺りの好みの問題を抜きにして、楽曲のクオリティーという点で見れば、このアルバムもまたデフ・レパードの名に恥じない充実したアルバムなのではないかと個人的には思う。

と言うのも、親しみやすい印象はありながらも、どの曲も一本調子ではなく、捻りがあり、デフ・レパード特有のソリッドでエッジが効いたゴージャスなサウンド・プロダクションも相まって、ロックファンが眉をひそめるような(笑)ポップにはなっていないのだ。しかも、音作りという点に於いては、全体を通して、どこかダークでグランジっぽい雰囲気に覆われているような感じでもあるので、一般的なポップ感とは多少違った印象でもある。

加えて、収録曲の殆どがミディアム&スローな曲で占められているので、ロック特有の疾走感なんてものも無いのもこのアルバムの特徴のひとつかと(笑)。それでも、自分自身はそのことに対しても特に不満に思うことはない。と言うか、むしろ、それがこのアルバムの特色だと思う節もある。

取り分け、前半部は充実度が高く、メロディーへの拘りといったものが感じられる楽曲が揃っていることから、実際、初めて聴いたときも、自然と引き込まれていく感じで、特に悪い印象はなかった。そして、アルバムを一度最後まで聴いて全体像を把握した後は、むしろ、更にじわじわとこのアルバムの魅力に気付いていったようなところがあった。

とは言え、初めて聴いたときは、3曲目のイントロを聴いて、ようやく、あ~やっぱりデフ・レパードだと改めて感じたようなところもあったんだけどね。

 

▼ Def Leppard - Unbelievable

https://www.youtube.com/watch?v=Hkh94P82fmk

 

▼ Def Leppard - Torn To Shreds

https://www.youtube.com/watch?v=ZDYXiNhNHlQ

 

▼ Def Leppard - You're So Beautiful
https://www.youtube.com/watch?v=jxdhLM6Co-A

▼ Def Leppard - Everyday
https://www.youtube.com/watch?v=ARDJdC_MDwc

▼ Def Leppard - Long Long Way To Go
https://www.youtube.com/watch?v=wCGhHYEn4Mw

 

まぁ、例えば、このアルバムをまだ聴いたことがないという人であっても、多少なりともデフ・レパードを知っている人ならば、アルバムがミディアム&スローな曲で占められているばかりか、ロックには必須とも言えるギターソロが殆ど無いような曲も意外と多くあることからも、このアルバムがこれまでのデフ・レパード・サウンドとは多少異なるスタイルで制作されているということは窺い知れるのではないかと思う。

ただし、アルバムの最後を締めくくる"Scar"だけは比較的長いギターソロも入っており、曲自体も代表作の"Hysteria"に収録されていても違和感がないようなデフ・レパードらしい雰囲気がある。もしかしたら、この辺りは多少戸惑いを覚えるかもしれないファンのことを考えての配慮、もしくはファンサービス的色合いのようなものがあったのだろうか?

 

CD: X / Def Leppard

TRACKLIST
1. Now / 2. Unbelievable / 3. You're So Beautiful / 4. Everyday / 5. Long Long Way To Go / 6. Four Letter Word / 7. Torn To Shreds / 8. Love Don't Lie / 9. Gravity / 10. Cry / 11. Girl Like You / 12. Let Me Be The One / 13. Scar
[Bonus Tracks For Japan]
14. Kiss The Day / 15. Long, Long Way To Go (acoustic)

1. ナウ / 2. アンビリーヴァブル / 3. ユーアー・ソー・ビューティフル / 4. エヴリディ / 5. ロング・ロング・ウェイ・トゥ・ゴー / 6. フォー・レター・ワード / 7. トーン・トゥ・シュレッズ / 8. ラヴ・ドント・ライ / 9. グラヴィティ / 10. クライ / 11. ガール・ライク・ユー / 12. レット・ミー・ビー・ザ・ワン / 13. スカー
[日本盤ボーナス・トラック]
14. キッス・ザ・デイ / 15. ロング・ロング・ウェイ・トゥ・ゴー(アコースティック)

 

NOTES
• 日本盤初回プレスCD(日本先行発売) [Japanese First Pressing CD]
• 解説・歌詞・対訳付
• 発売日:2002/7/24
• 品番:UICR-1025

• Album: UK 14位 / US 11位
• Singles: "Now" - UK 23位 / "Long, Long Way To Go" - UK 40位

 

DEF LEPPARD - BAND MEMBERS (Listed in Booklet)
• Joe Elliott (ジョー・エリオット) - Lead Vocals
• Rick "Sav" Savage (リック・サヴェージ) - Bass Guitar, Vocals
• Rick Allen (リック・アレン) - Drums
• Vivian Campbell (ヴィヴィアン・キャンベル) - Guitar, Vocals
• Phil Collen (フィル・コリン) - Guitar, Vocals

 

 

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