このクイーン4作目のアルバム「 Night at the Opera / オペラ座の夜」は、言わずと知れたロック史上に燦然と輝く名盤中の名盤。
全体像としては、前作で打ち出されたコンテンポラリーな方向性をより増幅させた感じで、曲によってはブライアンが琴やハープ、ウクレレと言った楽器を弾いていたりといったことからも、このアルバムの多様性が伺い知れるところなのではないかと。
又、アルバム全体がひとつの作品としてコンセプト化されているため、曲間が異常に短かかったり、メドレー化されていたりするところも特徴のひとつである。
なお、ジャケット中央に描かれたロゴのオリジナルデザインは、フレディがメンバー4人の誕生サインとなる星座のキャラクターを組み合わせ考案したもの。
収録曲について言えば、"Seaside Rendezvous"や"Good Company"といったフックとなるような曲のアレンジもよく練りこまれており、クラシック的エッセンスを感じさせる名曲"Love of My Life"や、ブライアンの牧歌的なヴォーカルとアコースティックギターが印象的な"39"、ロジャーのパワフルで伸びのあるヴォーカルが魅力的な"I'm in Love With My Car"、ジョンのソングライティング力が光るポップな"You're My Best Friend"、大作"The Prophet's Song"、コミカルな"Lazing on a Sunday Afternoon"など、実にバラエティー豊かな楽曲が何の違和感もなくひとつにまとめられており、それらの楽曲があってこそ"Bohemian Rhapsody"の存在意義もあることが感じさせられるかのようでもある。
ちなみに、自分が持っているこの"A Night at the Opera"のCDは、'80年代後半にクイーンのアルバムが初めてCD化された際に購入したものなのだが、初CD化された初版ということもあって、トラック割りにミスがあるんだよね。例えば、"Death on Two Legs"から"I'm in Love With My Car"まで間髪空けずに曲が続くところは、曲の最後がちょっぴり欠ける所為で、次の曲の頭には前の曲の終わりがちょっぴり入るし、"Good Company"に至っては、エンディングのヒュルルルル・・・という部分が丸々切れているので、次の"Bohemian Rhapsody"はそのヒュルルルル・・・の音から曲が始まるのだ。アルバムを通して聴く分には問題ないのだが、曲単位で聴く場合は困りもので、パソコンやデジタルデバイスなどに取り込んで聴く場合は、音楽編集ソフトを使って編集し直さないといけないという代物。
ということで、先にも述べたように、自分が持っているクイーンのアルバムでは、この"A Night at the Opera"を含めて、"Sheer Heart Attack"から"Hot Space"までのCDが、'80年代後半に初めてCD化された際に購入した、俗に言う「初版」というもの。勿論、リマスターなどされているわけでもなく、現在リリースされている再発版に比べると音質的にはしょぼいのだが、それでも、マスターテープからそのまま落とされただけの音が何となくレコード盤に近い感じがして親しみがあるんだよね。
ラジオで聴いた一大組曲"Bohemian Rhapsody"に衝撃を受け、それがクイーンの曲だとは知りつつも、曲名を憶えていなかったので、確か「ママ~」とか「ガリレオ」とか言ってたよなという記憶を頼りにレコード店で歌詞カードを見ながら探して買ったこのシングル盤。多分、これが自分のお金で買った最初のレコードだったと記憶している。でも、家に帰ってレコードに針を落とすまでは本当にこれなのか不安だったんだよなぁ。そして、その後、お小遣いを貯めて買ったアルバムは、あまりにも曲間が短いため、不良品なんじゃないかと一時期真剣に思ったりもしていた。
ちなみに、大ヒットを記録したこの曲のB面にはロジャー作の"I'm in Love With My Car"が収められているのだが、シングル盤の場合、B面に収められた楽曲のコンポーザーにもA面のコンポーザーと同等の印税が入ってくるらしいね。ロジャー丸儲け(笑)。
TRACKLIST
01. Death On Two Legs (Dedicated To...) / デス・オン・トゥー・レッグス
(Writer: F. Mercury / Lead Vocal: F. Mercury)
02. Lazing On A Sunday Afternoon / うつろな日曜日
(Writer: F. Mercury / Lead Vocal: F. Mercury)
03. I'm In Love With My Car / アイム・イン・ラヴ・ウィズ・マイ・カー
(Writer: R. Taylor / Lead Vocal: R. Taylor)
04. You're Best Friend / マイ・ベスト・フレンド
(Writer: J. Deacon / Lead Vocal: F. Mercury / Electric Piano: J. Deacon)
05. '39 / '39
(Writer: B. May / Lead Vocal: B. May)
06. Sweet Lady / スウィート・レディ
(Writer: B. May / Lead Vocal: F. Mercury)
07. Seaside Rendezous / シーサイド・ランデヴー
(Writer: F. Mercury / Lead Vocal: F. Mercury)
08. The Prophet's Song / 預言者の歌
(Writer: B. May / Lead Vocal: F. Mercury / Toy Koto: B. May)
09. Love Of My Life / ラヴ・オブ・マイ・ライフ
(Writer: F. Mercury / Lead Vocal: F. Mercury / Harp: B. May)
10. Good Company / グッド・カンパニー
(Writer: B. May / Lead Vocal: B. May / Ukelele: B. May)
11. Bohemian Rhapsody / ボヘミアン・ラプソディ
(Writer: F. Mercury / Lead Vocal: F. Mercury / Operatic Vocals: F. Mercury, B. May, R. Taylor)
12. God Save The Queen / ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン
(Trad. Arr.May)
NOTES
• 日本盤初回プレスCD(初CD化盤) [Japanese First Pressing CD]
• 解説・歌詞・対訳付
■ 追記
こちらは、40周年を記念して2011年にリリースされた2枚組の"40th Anniversary Limited Edition" (2011 Digital Remaster)。
上の初CD化版に比べると、ジャケット中央部にある絵柄の大きさがLPレコードに近い比率になっている。
TRACKLIST
Disc 1: A Night At The Opera
Disc 2: A Night At The Opera - Bonus EP
1. Keep Yourself Alive [Long-Lost Retake, June 1975]
2. Bohemian Rhapsody [Operatic Section A Cappella Mix 2011]
3. You're My Best Friend [Backing Track Mix 2011]
4. I'm In Love With My Car [Guitar & Vocal Mix 2011]
5. '39 [Live at Earl's Court, June 1977]
6. Love Of My Life [South American Live Single, June 1979]
※ "Bonus EP"の1曲目に収録されている"Keep Yourself Alive [Long-Lost Retake, June 1975]"はデモやリミックスといったものではなく、1975年に再録音されたもの。元々はアメリカでの再発シングル用としてレコーディングされていたものの、権利関係で英米の発売元が争ってる間にマスターテープが紛失し、長い間行方知れずとなっていた音源ということらしい。
ということで、この"Keep Yourself Alive"の再録音ヴァージョンについては、"A Night At The Opera"がリリースされた年と同じ1975年にレコーディングされていたことから、ファースト・アルバムではなく、この"A Night At The Opera"の"Bonus EP"に収録されたようだ。
▼ Queen - Bohemian Rhapsody (Official Video)
https://www.youtube.com/watch?v=fJ9rUzIMcZQ
▼ Queen - You're My Best Friend (Official Video)
https://www.youtube.com/watch?v=HaZpZQG2z10
関連記事
0 件のコメント:
コメントを投稿