1976年にリリースされた"KISS"5枚目のアルバム"Destroyer"を当時のプロデューサーだった"Bob Ezrin"がオリジナル・マスターテープから改めてリミックスを行った"Destroyer - Resurrected"がついにリリースされた。ジャケットのアートワークは以前のコスチュームで描かれていた当初(未発表)のものが使われている。
それにしても、サウンドが随分とゴージャスになってるね。各楽器のバランスも細かく再調整されている印象で、今まで見過ごしていた効果音や楽器の音を再発見できたりと、当初から随分と凝ったレコーディングがされていたアルバムであったことを再認識させられた。
ただ、ファイナルミックスの段階でカットされていたヴォーカルが復元され再編集されているということで期待していた"Beth"では、「えっ、ヴォーカルってこれ?」と肩透かしを食らったりもしたが、それでも、これまで殆んど聴こえなかったアコースティックギターの音がより際立っている所為でかなり新鮮に感じる。又、バックのオーケストラも低音部がオリジナルに比べてよりダイナミックになったようで、よりサウンドに深みが増した印象があり、個人的にはけっこう気に入っている。実際、"Beth"はこちのヴァージョンを聴いた後にオリジナルのヴァージョンを聴くと、違いは明らかで、オリジナルのサウンドがやけに貧相に聴こえる。
他にも、"God Of Thunder"は子供の声が増幅されて、より不気味さを増しているし、"Sweet Pain"は新たに見つかったエースのギター・ソロに差し替えられたヴァージョンになっているなど、オリジナルとの違いを楽しめる。なお、オリジナルの"Destroyer"に収録されているギター・ソロのヴァージョンの方はボーナストラックとしてアルバムの最後に収録されているが、これがオリジナルのアルバムに収録されていたヴァージョンかというと、実は、そうではなくて、こちらもまたリミックスが施されている(大きな違いは、曲後半のバッキング・ヴォーカルが繰り返す部分でのリード・ギターがカットされてる点)。
思った以上に質感と鮮やかさが増した印象のあるこの"Destroyer - Resurrected"だが、ただ、マスターテープに問題があったのか、"Flaming Youth"のイントロ部分で音が飛んでいるのはいただけないところ。それと、間奏とギターソロの部分にバッキング・ヴォーカルが加わり"Double Platinum"でのヴァージョンのようになった"Detroit Rock City"もちょっと残念な気がします。でも、もしかしたら、こちらがオリジナルで、元々はこのようにバッキング・ヴォーカルが加えられていたもののファイナルミックスの段階でカットされていたのかも?
米アマゾンのカスタマーレヴューには既に200件を超えるコメントが投稿されており、このアルバムに対する関心の高さがうかがえる。しかも、熱心なファンが多いのか、ひとつひとつコメントがやけに長い(笑)。皆さん1曲1曲を細かくチェックされているようだが、評価は概ね良好のようだね。
CDはジュエルケース・タイプで、ジャケットは20ページのブックレットになっている。ただ、ジャケット部分の表紙と裏表紙の紙は薄くてペラペラしているのでプラケースから取り出しにくいし、無理に取り出そうとすると直ぐにしわが寄ってしまう感じ。一方、ディスクの方はレコード盤を模した仕様になっており、レコード盤にある細かい溝も付いている。ちなみに裏面も全面ブラックとなっている。
なお、ジャケット裏面に表記されている曲目の部分は、オリジナルの"Destroyer"では"Do You Love Me"となっていたが、この"Destroyer - Resurrected"では"Do You Love Me?"とクエスチョンマークが加えられた表記になっている。
TRACKLIST
1. Detroit Rock City / 2. King Of The Night Time World / 3. God Of Thunder / 4. Great Expectations / 5. Flaming Youth / 6. Sweet Pain / 7. Shout It Out Loud / 8. Beth / 9. Do You Love Me? / 10. Sweet Pain (Original Guitar Solo) [Bonus Track]
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