2013/11/03

CORPORATE AMERICA 「コーポレイト・アメリカ」 / BOSTON (2002)

CDの帯(初回プレス盤):コーポレイト・アメリカ / ボストン Album Cover (front): Corporate America / Boston   CD Case (back over): Corporate America / Boston

1997年に"Greatest Hits"がリリースされたとはいえ、ボストンのスタジオ・アルバムとしては、前作の"Walk On"から実に8年ぶりとなったのが、2002年にリリースされた、この「Corporate America / コーポレイト・アメリカ」。

当時は、前作でグループを離れたオリジナル・ヴォーカリストのブラッド・デルプが復帰したということもあり、けっこう楽しみにしていたアルバムで、実際、アルバム1曲目の"I Had a Good Time"を聴いた時は、ブラッドの復帰と共に、これぞボストンといったサウンドに喜んだのだが、アルバムを聴き進めていくうちにテンションは徐々に下降していき、結局は次に盛り上がったのは最後の曲で、前作に収録されていた"Livin' for You"のライヴ・ヴァージョンだったという、多少寂しいアルバムでもあった。

それに、ブラッド・デルプが復帰したとは言っても、ブラッドが全曲でヴォーカルをとっているという訳ではなく、フラン・コスモと、新たに加わった女性メンバーのキンバリー・ダームの3人でリード・ヴォーカルを担当している形になっているんだよね。

別に、2人のヴォーカルが良くないということではなく、悪くはないと思うのだが、ただ、ブラッド・デルプが居なかった前作とは違って、今回はブラッドのヴォーカル曲があるだけに、他の2人がヴォーカルをとる曲では、多少異質に感じる部分が無きにしも非ずといったところ。特にリードヴォーカルは勿論のこと、コーラスやハーモニーから女性の声が聴こえてくるというのがどうも違和感がある。

勿論、ボストンに不変性を望んでいるという訳ではなく、自分としては様々なチャレンジも歓迎しているのだが、ただ、そうであれば、例えばキンバリーのリードヴォーカル曲を例に挙げると、女性の声を生かしたもっと魅力的な楽曲とアレンジで披露して欲しかったなぁと。

正直、トム・ショルツが8年間の大半をこのアルバムの制作に費やしていたとは到底思えず、過去の楽曲が見え隠れするような使い回しの感があるメロディーが所々で顔を出すのもどうかなぁといった印象。かつてのロック少年を夢中にさせた"Don't Look Back"や"A Man I'll Never Be"に匹敵するような曲をついつい期待してしまうのがいけないんだろか・・・。

CD Case (inside): Corporate America / Bostonこのアルバムでコンポーザーとしてトム・ショルツの名前が単独で表記されている曲は5曲で、共作で表記されている曲が1曲、そして他のメンバーがコンポーザーとして表記されている曲が4曲と、以前に比べたら、他のメンバーの貢献度も上がり、よりバンドらしくはなってはいるのだが、ただ、肝心の楽曲がつまらないのであれば意味が無いような。やはり、このアルバムは全体的に楽曲そのものの魅力が乏しいことが不評だった第一の要因であったようにも思う。

ちなみに、現在では本国のアメリカでもこの"Corporate America"は廃盤扱いされているようで、ボストンのアルバムで唯一廃盤にになっているのが最新アルバムというシャレにならないような結果にもなっている。しかも、そのことにより、このアルバムの中古市場での価格が上昇しているという皮肉な結果に。

と、まぁ、なんだか愚痴ばかりになってしまったが、それもこれも、全ては、時が流れてもボストンが自分にとっては特別な存在であり、それだけ期待していたからなのだ。

残念ながら、アルバムを通して聴くということは殆んど無く、大抵は"I Had a Good Time"と"Livin' for You (Live)"の2曲だけ聴くというシングル盤のような聴き方をしているのだが、それでも、この2曲のために買ったと思えば、そう残念がることもないかと今は思う。実際、ブラッド亡き今となっては"I Had a Good Time"という名曲を残してくれたことに感謝しているし、この1曲のためだけにでも買った価値はあったと思う。

 

▼ Boston - I Had a Good Time

https://www.youtube.com/watch?v=wkKTfqKRh_A

 

BOSTON - BAND MEMBERS
• Tom Scholz - Guitar, Bass, Keyboards, Drums, Vocals
• Brad Delp - Vocals
• Fran Cosmo - Vocals
• Gary Pihl - Guitar, Keyboards
• Anthony Cosmo - Guitar, Vocals
• Kimberley Dahme - Guitar, Vocals

 

CDの帯:Corporate America / Boston

 

TRACKLIST
1. I Had A Good Time / 2. Stare Out Your Window / 3. Corporate America / 4. With You / 5. Someone / 6. Turn It Off / 7. Cryin' / 8. Didn't Mean To Fall In Love / 9. You Gave Up On Love / 10. Livin' For You (Live)

1. アイ・ハド・ア・グッド・タイム / 2. ステア・アウト・ユア・ウインドウ / 3. コーポレイト・アメリカ / 4. ウィズ・ユー / 5. サムワン / 6. ターン・イット・オフ / 7. クライン / 8. ディドゥント・ミーン・トゥ・フォール・イン・ラヴ / 9. ユー・ゲイヴ・アップ・オン・ラヴ / 10. リヴィン・フォー・ユー(ライヴ)

 

NOTES
• 日本盤初回プレスCD [Japanese First Pressing CD]
• 解説・歌詞・対訳付

• US 42位

 


 

Life, Love & Hope / Bostonそして、ついに11年振りのニューアルバムが今年12月にリリース予定!

アルバムタイトルは、「Life Love & Hope (ライフ、ラヴ & ホープ)」

■ Life Love & Hope 「ライフ、ラヴ & ホープ」 日本盤
参考価格 ¥2,800 (アマゾン価格 ¥2,571) 発売予定日は2013年12月18日
■ Life Love & Hope 「ライフ、ラヴ & ホープ」 [Limited Edition, SHM-CD] 日本盤(初回限定盤)
参考価格 ¥3,000 (アマゾン価格 ¥2,857) 発売予定日は2013年12月18日
■ Life Love & Hope [Import]
¥1,362 発売予定日は2013年12月2日(アマゾン)

日本盤の価格は輸入盤の約2倍か。どうしようかなぁ。

インフォメーションによれば、今は亡きオリジナル・シンガー、「ブラッド・デルプ」がヴォーカルをとる楽曲も含まれているようで、日本盤にはボーナス・トラック1曲が収録されるとのこと。

ワクワク!

既にトラックリストも公開されている。

■ LIFE, LOVE & HOPE
1. Heaven on Earth
2. Didn't Mean to Fall in Love (remastered version from Corporate America)
3. Last Day of School (Instrumental)
4. Sail Away
5. Life Love and Hope
6. If You Were in Love
7. Someday
8. Love Got Away
9. Someone (2.0) (rerecorded/rearrangement)
10. You Gave Up on Love (2.0) (rerecorded/rearrangement)
11. The Way You Look Tonight

むむっ、"Corporate America"に収録されていた楽曲が3曲も含まれているではないか。コンピレーション・アルバムならまだしも、ニューアルバムでこういうのってなんかテンションが下がるなぁ。しかも、2曲目は単なるリマスターヴァージョンのよう。11年振りのアルバムだというのに、前作を引きずる意味があるのだろうか?

なお、各曲のクレジットと、トム・ショルツによる曲毎のコメントが以下のサイトに記してある。

▼ ボストン 11年ぶりの新作『Life, Love & Hope』、各曲のクレジットが明らかに
http://amass.jp/30191

Life, Love & Hope / Boston

 

 

関連記事

Boston (1st Album) (1976) / Boston

Don't Look Back 「ドント・ルック・バック(新惑星着陸)」 (1978) / Boston

Third Stage 「サード・ステージ」 (1986) / Boston

Walk On 「ウォーク・オン」 (1994) / Boston

Greatest Hits 「グレイテスト・ヒッツ」 (1997) / Boston

Life, Love & Hope 「ライフ、ラヴ & ホープ」 (2013) / Boston

Heaven On Earth Tour 2014 in Japan - Sticker Sheet (2014) / Boston

あれから10年 ~ R.I.P. Brad Delp / Boston Official Website (2007 / 2017)

0 件のコメント:

コメントを投稿