2015/01/08

GREATEST HITS / LITTLE RIVER BAND (1982)

Album Cover (front and back): Greatest Hits / Little River Bandこの"Greatest Hits"は、名作との誉れ高いスタジオ・アルバム"Time Exposure"の翌年にリリースされたコンピレーション・アルバム(ベスト・アルバム)で、リトル・リヴァー・バンドにとっては、1978年の"It's a Long Way There (Greatest Hits)"に続く2枚目のグレイテスト・ヒッツということになる。

当初は、LPレコードでのリリースということもあり、オリジナル盤の収録曲は全12曲という構成だったが、2000年の再発盤CDからは、新たに"Time Exposure"以降のアルバムからの曲を含む6曲を加えた全18曲という構成になっている。

特特徴としては、全18曲全てのトラックが、24ビット・デジタル・リマスターで収録されている他、"Time Exposure"を最後にバンドを脱退したリード・ヴォーカルのグレン・シャーロックに代わって加入したジョン・ファーナムがヴォーカルをとる2曲("The Other Guy"と"Down On The Border")が新曲として収録されていることと、"Time Exposure"からのシングル・カット曲である3曲("The Night Owls"、"Take It Easy On Me"、"Man On Your Mind")は別ヴァージョンが収録されているという点が挙げられると思う。

又、その他にも、アルバム最後の"It's A Long Way There"は、8分を超えるオリジナルのアルバム・ヴァージョンではなく、約半分の長さに短縮されたヴァージョンが収録されており、逆に"Playing to Win"はオリジナルのアルバム・ヴァージョンよりも1分半近く長いヴァージョンが収録されているといったように、単なるベストとは侮れないアルバムでもある。

ただ、自分自身はレコード盤で持っていた時には、アルバムに何のクレジットもされていなかったこともあり、"Time Exposure"のヒット曲3曲が別ヴァージョンだといったことには全く気付かずにいたのだった。今でこそ、結構違いがあることを認知しているものの、当時は、唯一、"The Night Owls"がオリジナルよりも若干早めにフェードアウトする部分だけには気付いて、その点が多少不満だった程度の認識しかなかったんだよね。まぁ、"Time Exposure"を持ってるから別にいいやといった感じで、この"Greatest Hits"に収録されている"Time Exposure"からの3曲はあまり聴いてなかったという部分もあったのだが。

ちなみに、その"Time Exposure"からの3曲がオリジナルとどう違うかといえば、"The Night Owls"は、サビメロの部分にヘヴィーなギターが加えられており、先に述べたように、エンディング部分は若干早めにフェードアウトして曲が終わる。又、音が加えられたという点では同様に、"Man On Your Mind"も、オリジナルには無かったホーン・セクションが加えられている。そして、"Take It Easy On Me"は、オリジナルではグレン・シャーロックと、もう一人のヴォーカリストであるウェイン・ネルソンがヴォーカルを分け合う形で収録されていたが、このGreatest Hitsではグレン・シャーロックがヴォーカルをとっていた部分もウェイン・ネルソンがヴォーカルをとっている。と言った感じ。

ただし、これらの3曲についていえば、オリジナルには無かったパートが後からレコーディングされたのか、それとも、元々レコーディングされていたパートであったものの、最終的にはカットされていたものなのかは分からないところではある。

ということで、この辺りのオリジナルとは違う部分については、きちんと表記して欲しかったなぁとは思うころ。表記があれば事前に認識できて、聴く時の楽しみにもなるし、自分も長いこと気付かずにいたといったこともなかっただろうからね。

でも、こうして色々な時代の曲をまとめて聴いていると、時代ごとにサウンドも変貌していったバンドだったんだなと改めて感じさせられるところではある。特に"Playing to Win"なんて、それこそハードロックやヘヴィーメタル系のバンドが演っててもおかしくない曲だしね。しかも、この"Greatest Hits"に収録されているヴァージョンでは更にヘヴィーになっているし、最初に聴いたときは驚いたなぁ。というか、これリトル・リヴァー・バンドじゃないだろって感じだった(笑)。

それでも、このグループの持ち味であるコーラス・ハーモニーの美しさは一貫しており、ある意味に於いては、この鉄壁のコーラス・ハーモニーがあれば、それこそ、どのようなスタイルであろうと、リトル・リヴァー・バンドとしてのサウンドになってしまうのではないかとさえ思うところもあるし、又、多様性という部分については、これもまたリトル・リヴァー・バンドの魅力のひとつなのではないかという気もする。

まぁ、オーストラリアのバンドという部分についても、米英のバンドとは違ったイメージを何処となく重ね持ってしまう所ではあるが、実際には、サウンドから米英のバンドとの違いなんてものは全く感じられない。というか、何処となくイーグルスやドゥービー・ブラザースといったウェストコースト・ロックとも言われるアメリカのバンドと合い通じる部分もあることから、むしろアメリカのバンドと勘違いされてもおかしくないような印象。ただし、自分の場合は、同じオーストラリアのグループであるエア・サプライと同様に、頭の中では勝手にオーストラリアの風景をイメージをしてしまう部分はあるんだけどね。

CD Case (back cover): Greatest Hits / Little River Band   Booklet: Greatest Hits / Little River Band   CD: Greatest Hits / Little River Band

収録されている曲のオリジナルのアルバム名とチャート・ポジションは以下の通り。

1. Lonesome Loser [First Under the Wire - 1979] (AUS 19位 / US 6位)
2. Help Is On Its Way [Diamantina Cocktail - 1977] (AUS 1位 / US 14位)
3. Cool Change [First Under the Wire - 1979] (US 10位)
4. Take It Easy On Me [Time Exposure - 1981] (US 10位)
5. Face In The Crowd [No Reins - 1986] (Did Not Chart)
6. Reminiscing [Sleeper Catcher - 1978] (AUS 35位 / US 3位)
7. The Night Owls [Time Exposure - 1981] (AUS 18位 / US 6位)
8. Lady [Sleeper Catcher - 1978] (AUS 46位 / US 10位)
9. We Two [The Net - 1983] (AUS 49位 / US 22位)
10. The Other Guy [Greatest Hits - 1982] (AUS 18位 / US 11位)
11. Man On Your Mind [Time Exposure - 1981] (US 14位)
12. I'll Always Call Your Name [Little River Band - 1975] (US 62位)
13. Down On The Border [Greatest Hits - 1982] (AUS 7位)
14. Happy Anniversary [Diamantina Cocktail - 1977] (US 16位)
15. Playing To Win [Playing to Win - 1984] (AUS 59位 / US 60位)
16. It's Not A Wonder [First Under the Wire - 1979] 
※シングル・カットされたのはライヴ・アルバム [Backstage Pass - 1979] に収録のライヴ・ヴァージョンの方(US 51位)
17. You're Driving Me Out Of My Mind [The Net - 1983] (US 35位)
18. It's A Long Way There [Little River Band - 1975] (AUS 35位 / US 28位)

収録曲の中では、5曲目の"Face In The Crowd"だけが唯一チャートインせずという結果に終わっているが、なんでだろうね。個人的には他のヒット曲と比べても遜色の無い曲だと思うのだが。

 

TRACKLIST (Expanded Edition - 2000)
1. Lonesome Loser / 2. Help Is On Its Way / 3. Cool Change / 4. Take It Easy On Me / 5. Face In The Crowd / 6. Reminiscing / 7. The Night Owls / 8. Lady / 9. We Two / 10. The Other Guy / 11. Man On Your Mind / 12. I'll Always Call Your Name / 13. Down On The Border / 14. Happy Anniversary / 15. Playing To Win / 16. It's Not A Wonder / 17. You're Driving Me Out Of My Mind / 18. It's A Long Way There

 

NOTES
• Label: EMI
• Printed in the EU (Import)
• Released: 2000/2/7
• All Tracks 24 Bit Digitally Remastered and Repackaged with Additional Tracks in an Expanded Edition in 2000
• New Songs: The Other Guy / Down On The Border
• Alternative Version Tracks: Take It Easy On Me / The Night Owls / Man On Your Mind / Playing To Win / It's A Long Way There

• AUS 4位 / US 33位 (2x Platinum)

• オリジナル・ヴァージョンの収録曲は以下の通り
1. It's a Long Way There / 2. Help Is on Its Way / 3. Reminiscing / 4. Man on Your Mind / 5. The Other Guy / 6. The Night Owls / 7. Lonesome Loser / 8. Take It Easy on Me / 9. Down on the Border / 10. Happy Anniversary / 11. Lady / 12. Cool Change

 

▼ Little River Band - The Night Owls

https://www.youtube.com/watch?v=xjcmMzjGpuM

 

▼ Little River Band - Man On Your Min

https://www.youtube.com/watch?v=q9BRECnc5Hs

 

▼ Little River Band - Take It Easy On Me

https://www.youtube.com/watch?v=3apopAgJ_eQ

 

▼ Little River Band - Playing To Win (Extended Rock Mix)

https://www.youtube.com/watch?v=UEUuzH45J3c

 

 

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