2015/01/25

UNMASKED 「仮面の正体」 / KISS (1980)

CDの帯:仮面の正体 / KISSAlbum Cover (front): Unmasked / KISS前作の「Dynasty / 地獄からの脱出」ではディスコ・サウンドを取り入れるなど、新たなる一面を披露してファンを驚かせた(もしくは困惑させた)キッスだったが、このアルバムではサウンドのソフト化が更に進み、いったいキッスはどうなってしまうんだといった声があちらこちらから聞こえてきたようなアルバムでもあった。

ということで、恐らくはキッス史上最もポップなアルバムが、この「Unmasked / 仮面の正体」ではないかと思うのだが、裏を返せば、それだけ親しみ易いアルバムということでもある。しかも楽曲の充実度は高く、実は、個人的には結構好きなアルバムなのだ。

とは言っても、当時は「ハードじゃないキッスはつまんないよ」とカッコつけて友人などには話していたんだけどね(笑)。

実を言うと、前作の"Dynasty"ではハード・ロックから多少逸脱したような所があったことから、次作はハード・ロックに回帰するのではないかと当時は思っていたので、この更なるポップ化は完全に裏をかかれた格好でもあった。

 

Album Cover (back): Unmasked / KISS"Unmasked"という意味深なアルバムのタイトルが公表された時は、メイクを落として素顔を公表するのではないかという憶測もあったようだが、"Unmasked"というタイトルについては、ポール曰く「内面の暴露」を意味しているそうで、ジーンによると「これまで見せなかった面を見せるという含みがある」とのこと。

シングル・カットされた"Shandi"、"Talk to Me"、"Tomorrow"といった曲以外にもポップでキャッチーな曲が数多く収録されており、自分自身は、これら3曲以外にも、"Naked City"、"What Makes the World Go 'Round"、"Easy As It Seems"、"You're All That I Want"といった曲も結構好きで良く聴いていた。"What Makes the World Go 'Round"なんて、絶対にシングル・カットされると当時は思っていたんだけどね。又、ポール、ジーン、エースと、それぞれの曲に個性があり、違いがあることで、多様性を生み、アルバムとしても飽きずに楽しめるといった印象。

そういったこともあり、個人的には、ヒット曲が数多く生まれてもおかしくないポテンシャルを持った粒ぞろいのアルバムといったイメージがあったのだが、多くのファンはもっとヘヴィーなサウンドを期待していたのか、はたまたキッスのイメージとは多少かけ離れていた所為か、セールス的には前作の"Dynasty"を下回る結果に終わったアルバムでもあった。

Artwork: Unmasked / KISS

ただし、アルバムのアートワークにはピーター・クリスの姿も描かれているものの、実際はこのアルバムにピーターは参加しておらず(ファースト・シングルの"Shandi"のミュージック・ビデオにのみ参加)、既にバンドを脱退していたのだが、そことについては公表されずにリリースされたアルバムだった。これまでのアルバムに於いてはピーターがヴォーカルをとる曲が必ず1曲は収録されていたので、このアルバムをリアルタイムで買った時点でもピーターのヴォーカル曲が1曲も無いことを不思議には思っていたのだが、まさか脱退していたなんて当時は思ってもみなかった。

 

CD Case (inside): Unmasked / KISSということで、ソロアルバムを発表以降は、"Dynasty"、そしてこの"Unmasked"と、ハードロック路線からの脱却が加速していったキッスだったが、しかしながら、サウンドの変貌はこれで終わりではなかったのだ。次作の「Music from The Elder / 魔界大決戦」では更なる衝撃でファンを仰天させることになるのだった・・・。

当時は、この"Unmasked"がセールス的に今ひとつだったこともあり、今度こそ絶対に次作はハードでヘヴィーなサウンドになると思っていたので、その次作となる"Music from The Elder"では、またまた裏をかかれた格好になるわけだが、実はそんな予測を裏切るような所も、逆により興味を惹く結果になったのではないかと今にしてみれば思う。個人的には、問題作と言われる"Music from The Elder"も、これまでのアルバムと変わらず興味を持って聴いていたしね。

▼ こちらはLPレコードにおまけとして付いていたステッカー。

LPレコードに封入のステッカー:Unmasked / KISS  CD and Sticker: Unmasked / KISS

本当はステッカーの下の部分にアルバムの表と裏に描かれている「KISS UNMASKED」のロゴが付いていたのだが、その部分は切り離して使っていた。ちなみに、"KISS"のロゴと写真の部分は個別に剥がして使えるようになっている。CDと一緒に撮った右側の写真を見ても分かるように、LPレコード時代だからこそのサイズ。

 

CDの帯(裏側):仮面の正体 / KISSTRACKLIST
1. Is That You? / 2. Shandi / 3. Talk to Me / 4. Naked City / 5. What Makes the World Go 'Round / 6. Tomorrow / 7. Two Sides of the Coin / 8. She's So European / 9. Easy As It Seems / 10. Torpedo Girl / 11. You're All That I Want

1. イズ・ザット・ユー / 2. シャンディ / 3. トーク・トゥ・ミー / 4. 裸の街 / 5. 心のままに / 6. トゥモロー / 7. 魔性の誘惑 / 8. 奈落の天使 / 9. 傷だらけの素顔 / 10. トーピード・ガール / 11. お前のすべて

 

NOTES
• Lead Vocals: Paul Stanley (1, 2, 5, 6, 9) / Gene Simmons (4, 8, 11) / Ace Frehley (3, 7, 10)

• Album: US 35位 (Gold / 1980-RIAA) / New Zealand 1位 / Norway 1位 / Australia 3位 / Germany 4位 / Netherlands 5位 / Italy 11位 / Spain 11位 / Canada 12位 / UK 48位

• Singles from Unmasked
"Shandi" - US 47位 / Norway 4位 / Australia 5位 / New Zealand 6位 / Netherlands 24位 / Germany 28位
"Talk to Me" - Switzerland 10位 / Germany 32位 / Netherlands 34位 / Australia 39位
"Tomorrow" - Germany 70位

• 解説・歌詞・対訳付

 

KISS - BAND MEMBERS (Credited Personnel)
• Paul Stanley - Rhythm Guitar, Vocals (Bass Guitar on "Tomorrow" and "Easy As It Seems", Lead Guitar on "Is That You?", All Guitars on "Shandi")
• Gene Simmons - Bass Guitar, Vocals
• Ace Frehley - Lead Guitar, Vocals (Bass Guitar on "Talk to Me", "Two Sides of the Coin" and "Torpedo Girl")
• Peter Criss - Drums (Credit Only)

Touring Personnel: Eric Carr - Drums, Vocals

 

▼ KISS - Shandi

https://www.youtube.com/watch?v=SWNYLMUg6B0

 

▼ KISS - Talk To Me

https://www.youtube.com/watch?v=NjOc5FCUtmY

 

▼ KISS - She's So European

https://www.youtube.com/watch?v=gj-f2FNIFW0

 

[Official Audio]

▼ KISS - Tomorrow
https://www.youtube.com/watch?v=yEtg7qomh30

▼ KISS - You're All That I Want
https://www.youtube.com/watch?v=AhPjNGVrFJg

▼ KISS - What Makes The World Go Round
https://www.youtube.com/watch?v=THKFhtfujfI

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