最近良く聴いているのが、このデンマーク出身のバンド"Mew"のファースト・アルバム(インディーズ時代を含めると3作目)「Frengers / フレンジャーズ」。このアルバムを購入した動機は、先に購入した5曲入りミニ・アルバム (EP) 「She Came Home for Christmas / シー・ケイム・ホーム・フォー・クリスマス」に結構というか、かなり魅了されたからなのだが、こちらも又、"Mew"独特の世界観に引き込まれるようなスケール感に満ちたアルバムで気に入っている。
で、そのミニ・アルバムを購入するきっかけになった曲"She Came Home for Christmas"を初めて聴いたときはといえば、ヴォーカリストはてっきり女性だと思って聴いていたわけだが、そのヴォーカリストのヨーナスの透明感溢れる声とノイジーなギター、そして、それらを包み込むような幻想的なキーボードが一体となったサウンドには当初から惹かれるものがあった。
又、北欧のバンドということもあってか、当初から"Mew"には何処となく冬といったイメージがあった。何処か物悲しくもあり、そこには憂いのようなものも感じられるのだ。繊細でありながらも、意外と骨太で図太いサウンドではあるんだけどね。個人的には、随所で見られるエッジの効いたギターのカッティングもツボ。
ただ、ポップで親しみ易い印象はあっても、曲構成は多彩で、万華鏡のように曲の展開が変化するオープニングの"Am I Wry? No"や、ドラマティックで短編映画のような雰囲気もある"She Came Home for Christmas"、それに、女性ヴォーカルをフィーチャーした"Symmetry"と"Her Voice Is Beyond Her Years"、そして、9分に及ぶ"Comforting Sounds"など変化に富んでおり、アルバムとしては結構大作感もあります。個人的にも、これらの曲は特に好きで、中でも、物悲しくも美しい"Symmetry"と、坦々とした雰囲気の中で、徐々に盛り上がりを見せる"Comforting Sounds"には毎回ゾクゾクさせられます。
まぁ、その"Symmetry"や"Comforting Sounds"を聴けば、"Mew"が単なるポップ・ロック・バンドではないことが分かるのですが、ヴォーカルのヨーナス自身は、「なにも世にも珍しい音楽を作ってるわけじゃなくて、ルールを色んな方向に曲げつつポップソングの可能性を追求しているのさ」とのこと。又、音楽性に関しては、メッセージ性に富んだものではなく、イマジネーションを重視しているのだと。
ちなみに、アルバム・タイトルの"Frengers"は、"friend"(友達)と"stranger"(見知らぬ人、他人)を組み合わせた造語だそうで、友人とは言えないけど、全く知らないわけでもない人を指すらしいです。ベースのヨハン曰く「普段聴き慣れたポップミュージックではないけれど、“なんじゃこりゃ”って代物でもないってことさ」とのこと。
もう10年以上も前のアルバムにはなるのだが、最近リリースされたアルバムと言われても、何の疑いも無く信じてしまうような時代性を感じないサウンドで、言い換えれば、それだけ流行に左右されない普遍的価値を持ったサウンドだと言えるのではないかと思う。
▼ MEW "Am I Wry? No" Live at Java Rockin'land 2009
https://www.youtube.com/watch?v=97rI2Nkv5k8
▼ Mew - Bo Intermezzo / She Came Home For Christmas / Apocalypso [Live in Copenhagen 2006/4/9]
https://www.youtube.com/watch?v=isJe3QYSEEQ
▼ Mew - Comforting Sounds (Live Yahoo)
https://www.youtube.com/watch?v=nH7ZZq1rzq4
▼ Mew - Symmetry
https://www.youtube.com/watch?v=soKmGKAVUk4
▼ こちらは"Birdy"による"Comforting Sounds"のカヴァー
Birdy - Comforting Sounds
https://www.youtube.com/watch?v=QpFjuC7JrAo
TRACKLIST (Japan Edition)
1. Am I Wry? No / 2. 156 / 3. Snow Brigade / 4. Symmetry / 5. Behind the Drapes / 6. Her Voice Is Beyond Her Years / 7. Eight Flew Over, One was Destroyed / 8. She Came Home for Christmas / 9. She Spider / 10. Comforting Sounds / 11. I Should Have Been a Tsin-Tsi (For You) [Japanese Edition Bonus Track] / 12. Wherever [Japanese Edition Bonus Track]
1. アム・アイ・ライ?ノー / 2. 156 / 3. スノー・ブリゲイド / 4. シンメトリー / 5. ビハインド・ザ・ドレイプス / 6. ハー・ヴォイス・イズ・ビヨンド・ハー・イヤーズ / 7. エイト・フルー・オーヴァー、ワン・ワズ・デストロイド / 8. シー・ケイム・ホーム・フォー・クリスマス / 9. シー・スパイダー / 10. コンフォーティング・サウンズ / 11. アイ・シュッド・ハヴ・ビーン・ア・ツィン・ツァイ(フォー・ユー)(日本盤ボーナス・トラック) / 12. ホウェアエヴァー(日本盤ボーナス・トラック)
NOTES
• Japanese Version featuring 2 Bonus Tracks: "I Should Have Been a Tsin-Tsi (For You)" and "Wherever".
• 解説・歌詞・対訳付
• Singles: "Comforting Sounds" 48位 (UK)、"Am I Wry? No" 47位 (UK)、"She Came Home for Christmas" 55位 (UK)
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