レコード盤から録音したカセットテープ(レコード盤はホコリや傷が付きやすいので買ったら直ぐにカセットテープに録音していた)とは別に、ラジオから録音して集めた曲のカセットテープを持っていた10代の頃のことをぼんやりと思い出していたところ、それらのラジオから録音して聴いていた曲を取り上げて記事にしようと思い立ったことから、第1回目の今回から都合10回に分けて(連続ではないが)、そんな思い出の曲を取り上げた記事を書いていこうと予定している。
当時は曲名は元より、誰の曲かも分からず録音していた曲や、カヴァーだなんて知らずに聴いていた曲なんかもあったりしていたのだが、今では曲の断片の歌詞やいくつかの情報があればネットで調べられるので、そういったことも含めて、この際、当時は知る由もなかったそういった曲の成り立ちなんかも知れたらいいなということで、記憶を辿りながら、当時の思い出と共に記事を書いていこうと思っている。
しかも、たまたま重なったことではあるのですが、2010年8月14日に始めたこのブログも、5日前の14日で丁度10年目を迎えたということもあり、(10周年記念企画といったような大層なものではありませんが)取り上げるには良い機会かなと。
自分の場合、洋楽に興味を持った割と早い時期からメインで聴いていたのは主にロック系だったのだが、一応、ロック系は曲単位じゃなくバンド(ミュージシャン)単位で好き嫌いを分別していたようなところがあったので、気に入ったらアルバムを購入していたこともあり、ラジオから録音していたのは殆どが非ロック系で、記事のタイトルにもあるように、恐らくは多くの人が聞き覚えのある曲になると思う。
と、当時はそんな感じでいたこともあり、聞き覚えのある名曲や、はたまた、これまで知らなかったような名曲に運良く巡り合って、上手く録音できた時は喜びもひとしおだった。なんたって、頻繁にかかる現在進行形のヒット曲でもない限りは、次に録音できるチャンスがあるかどうかも分からなかったからね。
ちなみに、当時は音楽をラジオから録音して楽しむことはごく一般的なことで(ラジオから音楽等を録音することは「エアチェック」という名称で呼ばれていた)、2週間分の番組表と放送される曲が事前に掲載されたFM情報誌といったものも発売されていた。いや~、雑誌の番組表を見て何を録音しようかとチェックするのも楽しかったなぁ。録音したいがために、(止むを得ず)学校を休んだこともあったし(笑)。
ということで、最初の1曲目は、日本で最も売れた洋楽シングルであり、個人的には、洋楽に興味を持ち始めた頃にカセットテープに録音して繰り返し聴いていた記憶がある思い出の曲「ビューティフル・サンデー」。
▼ Daniel Boone - Beautiful Sunday
■ ビューティフル・サンデー / ダニエル・ブーン (Beautiful Sunday / Daniel Boone)
ダニエル・ブーンはイギリス生まれのシンガーソングライター。リリースされた1972年当初、日本では全く注目されず、ほとんど知られていないような状況だったものの、4年後の1976年に朝のテレビ番組「おはよう720」(おはようセブンオーオー)のコーナーでテーマ曲として使用されたことから人気に火が付き、田中星児(オリコン4位)とトランザム(オリコン9位)の日本語カヴァーを含めて大ヒットに。
なお、1976年に再発売された日本盤はオリコンの総合チャートに於いて15週にわたり1位を記録(オリコン洋楽チャートでは1976年3月22日付から21週連続1位を記録)し、今でもこの曲が日本で最も売れた洋楽シングル(約200万枚)とされ、その記録は破られていない。
ちなみに、この「ビューティフル・サンデー」は日本だけで売れた曲だとの誤解もあるようだが、リリース時の1972年には米ビルボードチャートで15位を記録しており、英シングルチャートでも21位を記録するなど、そこそこのヒットとなっている。それでも、大きなヒットとなった国が日本であることは紛れもない事実であり、日本でヒットしたおかげで家を建てることができたとのダニエル・ブーンの言葉は今でも覚えている。
▼ 田中星児 - ビューティフル・サンデー
https://www.youtube.com/watch?v=pfMbV_DP5mE
▼ トランザム - ビューティフル・サンデー
https://www.youtube.com/watch?v=sZHZqaIW0OY
そして、こちらは、オリビア・ニュートン・ジョンの「カントリー・ロード(故郷へ帰りたい)」。この曲は朝のテレビ番組「おはよう720」(おはようセブンツーオー)の番組内の人気コーナーでテーマ曲として使用されたこともあり、「おはよう700」(おはようセブンオーオー)で使用されたビューティフル・サンデーに引き続き日本でもヒットした。ちなみに、番組名の変更は放送時間の変更に伴うもの。
▼ Olivia Newton-John - Take Me Home, Country Roads
■ カントリーロード(故郷へ帰りたい) / オリビア・ニュートン・ジョン (Take Me Home, Country Roads / Olivia Newton-John)
オリジナルは、アメリカの歌手ジョン・デンバーが1971年に発表し、米ビルボードチャートで2位を記録するヒットとなった"Take Me Home, Country Roads"(邦題:故郷へかえりたい)」で、オリビア・ニュートン・ジョンの「カントリーロード(故郷へ帰りたい)」はそのカヴァー曲。
そして、そのオリビア・ニュートン・ジョンの「カントリー・ロード(故郷へ帰りたい)」はと言えば、イギリスに於いては1973年のシングルチャートで15位を記録している(アメリカでは119位止まり)。日本では先に記したテレビ番組で使用された1976年にシングルカットされ、オリコン洋楽チャートでは1976年11月29日付から15週連続1位(オリコン総合チャートでの最高位は1977年1月17日付の6位)を記録している。
▼ ジャケット写真 (Discogs)
「たそがれの恋 / カントリー・ロード(故郷へ帰りたい)」 / オリビア・ニュートン・ジョン
▼ ジャケット写真 (Discogs)
「カントリー・ロード(故郷へ帰りたい) / たそがれの恋」 / オリビア・ニュートン・ジョン
日本では、後の1995年に公開されたスタジオジブリ制作のアニメ映画「耳をすませば」の挿入歌およびエンディング主題歌として、女優の本名陽子(「耳をすませば」の主人公である月島雫を演じている)の日本語訳によるカヴァーが収録された。なお、「耳をすませば」のオープニングテーマにはオリビア・ニュートン・ジョンが歌う「Take Me Home, Country Roads / カントリー・ロード(故郷へ帰りたい)」が使用されている。
又、本名陽子の日本語訳によるカヴァー「カントリー・ロード」はシングルとしてもリリースされ、22位(オリコン)を記録している。
▼ 本名陽子 - カントリー・ロード
▼ ジャケット写真 (Discogs)
「耳をすませば」主題歌 - カントリー・ロード(2004年版マキシシングル) / 本名陽子
第1回目の最後は、ロバータ・フラックの「やさしく歌って」。自分の場合は、その後にネスカフェのCMソングとして歌詞を変えて使われたことによってこの曲を知ることになったのだが、恐らくは、自分のみならず、そういった経緯でこの曲を知った人も多いのではないだろうか。
当時、この曲を初めて聴くと同時に、運良く録音できたときは、商品名が入らないフルヴァージョンがあったのかと驚くと共に、凄いものを見つけて録音したぞと興奮していたんだよね(笑)。ちなみに、CMで使用されていた曲を歌っているのはロバータ・フラックではなくマデリン・ベルというアメリカのシンガー。
▼ Roberta Flack - Killing Me Softly With His Song (Official Audio)
▼ ネスカフェ ラジオCM 1977年(歌:マデリン・ベル)
https://www.youtube.com/watch?v=Tt980laiHI8
▼ ネスカフェ テレビCM 1977年(歌:マデリン・ベル)
https://www.youtube.com/watch?v=YafbYwHSm9U
又、その後の2005年~2007年に放映のCMでは女優のメグ・ライアンが起用され、バックミュージックでは、再び「やさしく歌って」(インストゥルメンタル・ヴァージョン)が使用されていた。
▼ ネスカフェ・エクセラ~メグ・ライアン (TVCM)
https://www.youtube.com/watch?v=T3ra2jgdEIw
■ やさしく歌って / ロバータ・フラック (Killing Me Softly With His Song / Roberta Flack)
ウィキペディアによると、"Killing Me Softly with His Song"(邦題:やさしく歌って)は、女性シンガーのロリ・リーバーマンが、当時まだ無名だったドン・マクリーンが歌う"Empty Chairs"という曲をロサンゼルスのクラブで聴いて感銘を受け、"Killing Me Softly With His Blues"という詩を書き、これを元に作詞家のギンベルと作曲家のフォックスが仕上げた曲ということらしい。 ただし、1972年にリリースされたこのロリ・リーバーマンの曲はヒットには至らなかったとのこと。
しかしながら、飛行機の機内BGMとして採用されていたこの曲をロバータ・フラックが偶然聴いて気に入ったことから、彼女の歌でレコーディングされ、米ビルボードチャートで4週連続1位(1973年2月24日から)を含む計5週で1位となる大ヒットとなり、これにより、ロバータ・フラックはグラミー賞3部門も受賞したということが、これもまたウィキペディアに記載されている。
いやぁ、それにしても、こうして記事を書きながら聴いても、改めて良い曲だなぁとは思うところ。
▼ ジャケット写真 (Discogs)
やさしく歌って / ロバータ・フラック
その後の1996年には、アメリカの3人組ヒップホップ・グループのフージーズがカヴァーし、英1位をはじめ、ヨーロッパ諸国を中心に多くの国でチャート1位を記録する大ヒットとなっている。
▼ Fugees - Killing Me Softly With His Song (Official Video)
https://www.youtube.com/watch?v=oKOtzIo-uYw
[関連記事]
▶ 日本でも良く知られる懐かしの海外の曲 (PART 2/10)
▶ 日本でも良く知られる懐かしの海外の曲 (PART 3/10)
▶ 日本でも良く知られる懐かしの海外の曲 (PART 4/10)
▶ 日本でも良く知られる懐かしの海外の曲 (PART 5/10)
▶ 日本でも良く知られる懐かしの海外の曲 (PART 6/10)
▶ 日本でも良く知られる懐かしの海外の曲 (PART 7/10)
▶ 日本でも良く知られる懐かしの海外の曲 (PART 8/10)
0 件のコメント:
コメントを投稿