2021/03/24

日本でも良く知られる懐かしの海外の曲 (PART 9/10)

9回目の今回は、4回目に引き続き、フレンチ系をピックアップ。今回取り上げるのは、フランソワーズ・アルディの「さよならを教えて」(1968 / 1973年)、レイモン・ルフェーブルの「シバの女王」(1969年)、ポール・モーリアの「エーゲ海の真珠」(1970年)の3曲。とは言え、この辺りの年代の曲は全て後追いで聴いたものばかりなんだけどね。それでも、現在進行形のハードロック系バンドに熱中しつつも、一方ではこういった一昔前の非ロック系の曲をカセットテープに録って楽しんでいたのだった。

 

カセットテープ SONY UX-Pro 46)

 

■ さよならを教えて / フランソワーズ・アルディ (Comment te dire adieu / Francoise Hardy)

「さよならを教えて」は、フランス人シンガーソングライター兼女優のフランソワーズ・アルディが1968年に発表したフランス語によるカヴァー曲。

ちなみに、フランソワーズ・アルディは、その後、この曲をイタリア語とドイツ語でもレコーディングしている。

 

▼ Francoise Hardy - Comment Te Dire Adieu (1968)

https://www.youtube.com/watch?v=tINyMbNZytI

 

オリジナルは、1940年代~1950年代にかけて人気を博したアメリカ人シンガーのマーガレット・ホワイティングが1966年に発表したアルバム"The Wheel of Hurt"に収録されていた英語詞の曲で、翌1967年にはイギリス人シンガーのヴェラ・リンによるカヴァーが米ビルボード誌のアダルト・コンテンポラリー・チャートで7位となるヒットを記録していた。

▼ Margaret Whiting - It Hurts to Say Goodbye (1966)
https://www.youtube.com/watch?v=TPv1oHq94dY

▼ Vera Lynn - It Hurts to Say Goodbye (1967)
https://www.youtube.com/watch?v=EAsGnksdP-8

とは言っても、取り分け日本に於いては、1968年にフランソワーズ・アルディが発表したこのフランス語によるカヴァー・ヴァージョンが、オリジナル以上に有名で、広く知られるところではないかと(ちなみに、ウィキペディアには「日本では5年後の1973年にヒットした」と記されている)。

まぁ、当時の自分も、これがカヴァー曲だなんてことは露知らず、運よくカセットテープに録音できたこの曲を聴いてはフランス気分に浸っていたのだった(笑)。とは言え、歌詞はフランス語だし、アレンジなんかは、これぞ正にフレンチポップといった雰囲気なんで、別にフランスをイメージしても間違っていたということではないんだけどね。いや、ほんと、今聴いても、フランス語とマッチした素晴らしいアレンジだと思う。個人的には、語りの部分の雰囲気が特に好きなところ。

 

しかしながら、意外とと言っては何ですが、以下の日本語によるカヴァーも中々良い雰囲気。いやぁ、この当時の歌謡曲って、良いなと感じるものをちょくちょく見つけたりするんで(特に編曲の部分とかで)、カヴァー曲でも侮れないんだよね。と言いつつも、初めて聴いたときは、日本語だと語りの部分でがっかりしそうな予感があったのだが、なるほどその手で来たかと。まぁ、このパートがどういう意図でそういったアレンジにされたのかは実際分からないところではあるのだが、これで正解だったと思うし、この部分だけでも流石だなぁと感心するところ。

 

▼ 木之内みどり - 涙が微笑みにかわるまで (1976)

https://www.youtube.com/watch?v=fKICHhemw_w

 


 

■ シバの女王 / レイモン・ルフェーヴル (La Reine de Saba / Raymond Lefèvre)

レイモン・ルフェーヴルはフランスの指揮者、作曲家、編曲家、ピアニスト、フルート奏者。取り分け日本では、ポール・モーリアと共にイージーリスニング界の巨匠として有名で、チュニジア出身でフランス在住のシンガーソングライター、ミッシェル・ローランの曲"Ma Reine de Saba"をイージーリスニング風のインストゥルメンタル曲にアレンジしたこの「シバの女王 / La Reine de Saba」はレイモン・ルフェーヴルを代表する曲のひとつとなっている。

特に、日本に於いては、1969年に発売されて以降、オリコンチャートの100位圏内に110週ランクインするほどのロングセラーとなり(最高位は26位)、この期間だけで30万枚を越えるセールスを記録した。

[補足]
シバ(サバと表記される場合もある)は旧約聖書に登場するシバ王国のこと。

 

▼ Raymond Lefèvre - La Reine De Saba

https://www.youtube.com/watch?v=iKGIo-Rz9c8

 

こちらがミッシェル・ローランのオリジナル・ヴァージョン

▼ Michel Laurent - Ma Reine de Saba
https://www.youtube.com/watch?v=ATdkR6qF-GQ

 

こちらはシルヴィ・ヴァルタンのカヴァー・ヴァージョン

▼ Sylvie Vartan - La reine de saba
https://www.youtube.com/watch?v=wiubtt7JVRI

 

レイモン・ルフェーブルのインストゥルメンタル・ヴァージョンがヒットしたこともあってか、日本では、同年の1969年に、オリジナル曲の作者であるミシェル・ローラン(ローラン名義)による日本語ヴァージョン(なかにし礼の訳詞)「サバの女王」がリリースされ、更に、1972年にはアルゼンチン出身のシンガーでギタリストのグラシェラ・スサーナによるカヴァー(同なかにし礼の訳詞)「サバの女王」もリリースされた(オリコン62位)。

 

オリジナル曲の作者であるミシェル・ローランの日本語ヴァージョン(訳詞:なかにし礼)

▼ ローラン (Michel Laurent) - サバの女王(日本語) (Ma Reine de Saba)
https://www.youtube.com/watch?v=6gtlgYnFcuA

 

同じく「なかにし礼」の訳詞によるグラシェラ・スサーナの日本語カヴァー・ヴァージョン

▼ グラシェラ・スサーナ (Graciela Susana) - サバの女王 (La Reine De Saba)
https://www.youtube.com/watch?v=KRxWX4YIYV4

 

[補足]
グラシェラ・スサーナ (Graciela Susana)
歌手の菅原洋一により見出され、1971年に初来日して以降、1970年代から1980年代初頭にかけて日本を拠点に音楽活動をしていた。アルバムだけでも10数枚をリリースしており、特に、1973年リリースのアルバム「アドロ・サバの女王 / Adoro, La Reine De Saba」は、オリコンLPチャートで100位圏内へのチャートイン回数が220週を超えるロングセラーとなった。

 


 

■ エーゲ海の真珠 / ポール・モーリア (Penelope / Paul Mauriat)

ポール・モーリアは、フランスの指揮者、作曲家、編曲家、ピアニスト、チェンバロ奏者。先にも記したように、日本ではレイモン・ルフェーブルと共にイージーリスニング界の巨匠として有名。

 

▼ ポール・モーリア・グランド・オーケストラ - エーゲ海の真珠 (Penelope)

https://www.youtube.com/watch?v=CPNvGWH2YLw

 

このポール・モーリアの「エーゲ海の真珠」は日本では1970年にシングルとしてリリースされ、オリコンチャートで40位を記録している。なお、この曲はその後も何度かレコーディングされているが、日本でヒットしたこの初回録音版には中間部にフランスの歌手ダニエル・リカーリのスキャットが挿入されているのが特徴。

[補足]
ダニエル・リカーリ
多分、この名を聞いてピンとくる人は少ないと思うが、代表曲のひとつである「ふたりの天使 / Concerto pour une voix」のスキャットはきっと多くの人が一度は耳にした記憶があるのではないかと。

▼ Danielle Licari - Concerto pour une voix
https://www.youtube.com/watch?v=hTK9r6htCPE

 

ちなみに、オリジナルは、この曲"Penelope"の作詞も手掛けているスペインのシンガーソングライター、ジョアン・マヌエル・セラートが1969年にリリースしたヴォーカル入りの曲。

▼ Joan Manuel Serrat - Penelope
https://www.youtube.com/watch?v=GXGYBybj5qo

 

 

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