2010/08/30

EXPLORER SUITE 「果てしなき冒険」 / NEW ENGLAND (1980)

CDの帯(世界初CD化盤):果てしなき冒険 / ニュー・イングランドAlbum Cover (front): Explorer Suite / New England彼らのファースト・アルバム「New England / 失われし魂」に心奪われた当時の自分は、とにもかくにもこのセカンド・アルバムを何よりも心待ちにしていたのだった。

しかしながら、ファースト・アルバムをリリースした後に、所属レコード会社の倒産というアクシデントに見舞われたことなど当時はつゆ知らず、音楽雑誌等でも彼らに関するニュースを目にすることもなかった。

そういったことから、当時の自分はといえば、暇さえあればレコード店で「ナ行」の棚をチェックしていた。そして、そんなことを繰り返していた甲斐もあってか、ついに、このアルバム「Explorer Suite / 果てしなき冒険」を見つける日が訪れたのだ。このときは、あまりの驚きに、当初は、いや待て、もしかしたら"Explorer Suite"という名のバンドの"New England"というタイトルのアルバムかもしれないぞと疑心暗鬼でもいたのだが、裏ジャケットにプリントされた彼ら4人の写真と名前を確認して、ようやく安心して喜べたことを覚えている。

ただ、所属レコード会社の倒産という不運があったにもかかわらず、先にリリースされていたファースト・アルバムは米ビルボードチャートでも50位を記録し、新人としてはまずまずのセールスを記録していたこともあってか、新たなレコード会社との契約にもそれほど時間を要することもなかったようで、結果的に、ファースト・アルバムがリリースされた翌年には、このセカンド・アルバムとなる「Explorer Suite / 果てしなき冒険」はリリースされたのだった。

曲によっては多少ポップ過ぎる感があり、その点ではファースト・アルバムのように嫌いな曲が無いとまでは言えなかったものの、よりプログレッシヴ色が増した幻想的で魅力のある曲が含まれていたこともあって、当時の自分はますますニュー・イングランドというバンドに夢中になっていた。ただ、アルバムを通して聴くとなれば、やはり、2曲目の"Livin' In The Eighties"でガクンとなるのは否めないところ。別にポップだから悪いとかいう意味ではなく、あくまでも個人的な好みによるものではあるのだが、ポップ感覚にも受け入れられるものと、受け入れにくいものとがあるということ。まぁ、その点ではファースト・アルバムに於けるポップ感覚は自分の好みに合っていたということかな。

と、曲による好みのバラつきは多少あるものの、好きなアルバムということに変わりはなく、"Honey Money"、"Explorer Suite"、"Seal It With A Kiss"、"No Place To Go"、"Searchin'"、"Hope"と、これまたファースト・アルバム同様に夢中にさせられた楽曲も多く含まれていたこともあり、なんだかんだ言っても、このセカンド・アルバムもファースト・アルバムに引き続き、熱中して聴いていた。

Album Cover (back): Explorer Suite / New Englandしかし、更なる進化を見せた意欲作であったものの、このアルバムではファースト・アルバムからのようなヒット曲が生まれることもなく、セールス的にはパッとしなかったようで、その事がレコード会社との確執を生む結果にもなったらしい。

その後、いつしか彼らのアルバムは廃盤となり、流通量がそれほど多くなかった事もあってか、熱心なロックファンの間で中古レコードが幻の名盤として高価なプレミア価格で取り引きされるようになっていた。ファースト・アルバムがそこそこヒットしたにもかかわらず、何故にこのアルバムがチャートインすら果たせなかったのか、今でも不思議でならないところだが、何が足りなかったのかを敢えて探すとすれば、それは「運」としか言いようがないのでないかと思う。彼らにもうちょっとその運があったなら・・・。

 

TRACKLIST
1. Honey Money / 2. Livin' In The Eighties / 3. Conversation / 4. It's Never Too Late / 5. Explorer Suite / 6. Seal It With A Kiss / 7. Hey You're On The Run / 8. No Place To Go / 9. Searchin' / 10. Hope / 11. You'll Be Born Again

1. ハニー・マネー / 2. リヴィン・イン・ジ・エイティーズ / 3. カンヴァセーション / 4. イッツ・ネヴァー・トゥー・レイト / 5. エクスプローラー・スイート / 6. シール・イット・ウィズ・ア・キッス / 7. ヘイ・ユーアー・オン・ザ・ラン / 8. ノー・プレイス・トゥ・ゴー / 9. サーチン / 10. ホープ / 11. ユール・ビー・ボーン・アゲイン

NOTES
• 日本盤初回プレスCD(世界初CD化盤) [Japanese First Pressing CD]
• 解説・歌詞・対訳付

 

NEW ENGLAND - BAND MEMBERS
• John Fannon (ジョン・ファノン) - Vocals, Guitar
• Hirsh Gardner (ハーシュ・ガードナー) - Drums, Vocals
• Gary Shea (ゲイリー・シェア) - Bass
• Jimmy Waldo (ジミー・ウォルドー) - Keyboards, Vocals

 

▼ New England - Honey Money
https://www.youtube.com/watch?v=YyNkBm05usk

▼ New England - Explorer Suite
https://www.youtube.com/watch?v=YfXQqrnWEn4

▼ New England - It's Never Too Late
https://www.youtube.com/watch?v=q6tismzETUc

▼ New England - No Place To Go
https://www.youtube.com/watch?v=fRMAiaz2Ywc

▼ New England - Searchin'
https://www.youtube.com/watch?v=1jqUIqm-J0s

▼ New England - Hope
https://www.youtube.com/watch?v=KKhd6hOjnwU

 

 

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