プログレ的展開を見せる異色のトラック、"Setting the Seen"で幕を開けるこの"Mumbo Jumbo"。 とは言っても、アルバム全体の印象としては、オープニングトラックのSetting the Seen"を含め、2、3曲は多少異色な雰囲気があるものの、その他は親しみ易いメロディーラインを持った楽曲が揃っており、ベテラングループならではの安定感を持ったアルバムといった印象。
それに、異色なトラックが含まれているとは言っても、過去にリリースされたアルバム"The Earth Is"でもプログレ的アプローチは見られたので、そういった意味では異色のトラックと述べたそれらの楽曲も特段風変わりというわけではないのかもしれない。
ただ、寸分の隙も無くカチッと作ってある印象があったこれまでのエア・サプライ・サウンドと比べると、この"Mumbo Jumbo"ではそうした作り込み感はあまり感じられず、どちらかと言えば、ライヴ・サウンドに近い多少ラフな印象がある。それでも、そのようなサウンドアプローチに多少変化が感じられようとも、自分としては、それも許容範囲の変化であって、実際、このアルバムは今でも割と良く聴いている。
と言うのも、けっこう良い曲が揃っているんだよね。軽快な楽曲が多く収められており、ギターサウンドもこれまでに比べてロック色も増した感じだが、その分、バラードタイプの曲が一層引き立っているといった印象。加えて、バラードタイプの4曲、"Hold On"、"Why"、"Can I Be Your Lover"、"Until"はそれぞれ楽曲のスタイルが違うので、アルバムにも幅が感じられるのだ。
正直言うと、"Setting the Seen"、"Mumbo Jumbo"、"Lovesex"といった異色の3曲はちょっと苦手であまり聴かないのだが、上記のバラード曲と、ジャジーな"I Won't Let It Get in the Way"、それにソフトロックタイプの"Dance with Me"、"A Little Bit of Everything"、"Alternate Ending"、"Faith in Love"、といった曲が個人的にはお気に入り。
残念ながら今のところ日本盤はリリースされていないが、それでもベテラングループ(現在はデュオ)が現在もこうして活動を続け、アルバムをリリースしてくれるのは嬉しいところ。
TRACKLIST
1. Setting The Seen /
2. Dance With Me /
3. A Little Bit Of Everything /
4. Hold On /
5. A Little Bit More /
6. Alternate Ending /
7. I Won't Let It Get In The Way /
8. Why /
9. Me Like You /
10. Mumbo Jumbo /
11. Faith In Love /
12. Can I Be Your Lover /
13. Lovesex /
14. Until
▼ Air Supply - Hold On
▼ Air Supply - Hold On (Live at Buenos Aires, 21/10/2010)
▼ Air Supply - Until (Live at São Paulo, Brazil)
[関連記事]
▶ Greatest Hits 「渚の誓い | エア・サプライ・グレイテスト・ヒッツ」 (1983) / Air Supply
▶ It's Not Too Late - The Best Of Air Supply (1987) / Air Supply
0 件のコメント:
コメントを投稿