長年所属していた大手のヴァージン・レコードと決別して、自分達でレーベルを設立したアンディとコリン。"Nonsuch"から数えて実に7年振りとなるこの「Apple Venus Volume 1 / アップル・ヴィーナス Volume 1」は、そのレーベル「アイディア・レコーズ」からリリースされた"XTC"のアルバム。それにしても、なんともアコースティックで、牧歌的で、美しいアルバムだこと。
多くのミュージシャン達に愛されながらも、一般的には何故か思ったほど受け入れられていない印象がある"XTC"。それなのにマイナーレーベルから発売して大丈夫なのだろうか? と、いらぬ心配をしていたのだが(アルバム解説にも堂々と売り上げが心配と誰かが書いておられたし)、こうして日本版がリリースされたことだけでも、日本のファンにとってはありがたいことだった。
ただ、そうは言っても、普通はあまり1曲目にはもってこないような風変わりな曲をもってくるし、マイナーレーベルだから広告宣伝も大手並とはいかないだろうしで、先のことを考えると、やっぱり心配なところではあった。同じ曲を何回も演奏するのは創造性に欠けると言って殆んどライヴもやらないし・・・。
でもそういう所が案外好きだったりして。
アルバムについては、のっけからいきなり、「タンポポがピカデリーサーカスでわめいているのが聞こえた」と、英語の歌詞は元より、訳された歌詞カードを見ても何のことだかサッパリ分からないフレーズが飛び出してくるのだが、もはや自分にとってはそれが"XTC"なのだという認識が出来上がっているので、意味不明で逆に嬉しくもあった(笑)。前作"Nonsuch"も「かぼちゃ頭のピーター・・・」からのスタートだったし、そこがまた"XTC"らしいところでもあるからね。それにしても、前作とは趣きも違って、森の中から湧き出る透き通った水のような雰囲気。もちろん、歌詞は別として。
そして、ブックレットとは別に差し込まれているこのクジャクの羽をあしらったジャケット、実は、光沢のあるインクで印刷されているので、実物は光に反射して本物のクジャクの羽のように光って見えるというもの。CDケースも通常のものよりやや厚めのものが使われており、パッケージもちょっぴり豪華な雰囲気。
▼ XTC - Easter Theatre
https://www.youtube.com/watch?v=NMeQjcmt52g
▼ XTC - Green Man
https://www.youtube.com/watch?v=qjMoWxwW8tQ
▼ XTC - Your Dictionary
https://www.youtube.com/watch?v=EVRny0HtjaQ
TRACKLIST
1. River Of Orchids /
2. I'd Like That /
3. Easter Theatre /
4. Knights In Shining Karma /
5. Frivolous Tonight /
6. Greenman /
7. Your Dictionary /
8. Fruit Nut /
9. I Can't Own Her /
10. Harvest Festival /
11. The Last Balloon
1. リヴァー・オブ・オーキッズ / 2. アイド・ライク・ザット / 3. イースター・シアター / 4. ナイツ・イン・シャイニング・カルマ / 5. フリヴォラス・トゥナイト / 6. グリーンマン / 7. ユア・ディクショナリー / 8. フルーツ・ナッツ / 9. アイ・キャント・オウン・ハー / 10. ハーヴェスト・フェスティヴァル / 11. ザ・ラスト・バルーン
NOTES
• 日本盤初回プレスCD [Japanese First Pressing CD]
• 解説・歌詞・対訳付
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