イーグルスの代表作として名を馳せるこの「Hotel California / ホテル・カリフォルニア」は、アルバム・タイトルから受ける印象とは裏腹に、アルバムを通してのテーマはかなりへヴィーで、当時のアメリカが抱え持つ閉塞感や幻想といったものが全体を通して表現されており、'76年にこのアルバムで提示されたその状況は2000年を過ぎた今もなお延々と後を引きずっているかのようでもある。
とかくタイトルトラックの"Hotel California"のみがクローズアップされがちだが、このアルバムが名盤たる所以は何と言っても収められた楽曲の質の高さにある。先住民の生活を奪い、自分たちが暮らす地を手に入れた白人達のことを歌ったと思われる"The Last Resort"で幕を閉じる構成がなんとも胸を締め付けられる。
自分のお気に入りでもあるこのアルバム・ジャケットのアートディレクションは"Don Henley"と"Kosh"が担当しており、"Kosh"はビートルズのレット・イット・ビーのジャケット・デザインも手掛けたデザイナーで、写真の構図とロゴの配置が素晴らしいこのジャケットは、バンド名である"Eagles"の文字がジャケットのどこにも無いというのもまた面白いところである。
なお、ジャケットに写された建物は「ビバリーヒルズ・ホテル」で、このアルバムの発売以降、LAの観光名所のひとつにもなっているそうだ。きっと同じ構図がとれる場所で記念写真を撮ろうとする人達が多いんだろうね。自分もそこにいたら多分同じことをするだろうけど(笑)。
チャートポジションで見ると、このアルバム"Hotel California"は、'75年の"One Of These Nights"、'76年の"Their Greatest Hits 1971-1975"に続き、ビルボードチャートで1位を記録し(ちなみに次作の"The Long Run"も1位を記録)、シングルカットされた3曲も、"New Kid in Town"(1位)、"Hotel California"(1位)、"Life in the Fast Lane"(11位)と、それぞれヒットを記録。なお、セールス面では、2007年までにアメリカ国内だけで1,600万枚のアルバム・セールスを記録している。
自分がこのアルバム"Hotel California"を最初に買ったのは、丁度、「Hotel California / ホテル・カリフォルニア」がシングルカットされた頃で、ファースト・シングルの「New Kid In Town / ニュー・キッド・イン・タウン」がけっこう好きで気に入っていたこともあり、そのセカンド・シングルの"Hotel California"が購入を後押ししたといった感じだった。
その後は、「Life In The Fast Lane / 駆け足の人生」もシングルカットされて、アルバム冒頭の1曲目から3曲目までがシングルカットされてヒットした訳だが、個人的には、これらの曲に負けず劣らず好きだったのが、4曲目の「Wasted Time / 時は流れて」。勿論、今でも大好きな曲であることに変わりは無く、後にリユニオンを果たした際にリリースされたMTVでのアンプラグド・ライヴに新曲を加えてリリースされたアルバム"Hell Freezes Over"にこの曲が含まれていたのは何よりも嬉しかった。
5曲目の「Wasted Time (Reprise) / 時は流れて(リプライズ)」は、ストリングスによるインストゥルメンタル曲なので判断は難しいのだが、実際のところ、LPレコードではB面にあたる後半の曲も、全曲好きなんだけどね。ということで、自分の"iTunes"にある個人的なイーグルスのベスト・アルバムには、このアルバムからは全曲を選曲している。勿論、インストゥルメンタル曲の"Wasted Time (Reprise)"も"Wasted Time"の次に来る構成で含めている。
TRACKLIST
1. Hotel California / 2. New Kid In Town / 3. Life In The Fast Lane / 4. Wasted Time / 5. Wasted Time (Reprise) / 6. Victim Of Love / 7. Pretty Maids All In A Row / 8. Try And Love Again / 9. The Last Resort
1. ホテル・カリフォルニア / 2. ニュー・キッド・イン・タウン / 3. 駆け足の人生 / 4. 時は流れて / 5. 時は流れて(リプライズ) / 6. 暗黙の日々 / 7. お前を夢みて / 8. 素晴らしい愛をもう一度 / 9. ラスト・リゾート
NOTES
• Tracks 1, 3, 4, 6, 9 (Lead Vocal - Don Henley) / Track 2 (Lead Vocal - Glenn Frey) / Track 7 (Lead Vocal - Joe Walsh) / Track 8 (Lead Vocal - Randy Meisner) / Track 5 (Instrumental)
• CD発売日:2003年05月14日(再発盤)
• デジタル・リマスター
• 解説・歌詞・対訳付
• Album: US 1位 - 16x Platinum (2001-RIAA) / UK 2位 - 6x Platinum
• Singles from Hotel California
1. New Kid in Town: US 1位 - Gold / UK 20位
2. Hotel California: US 1位 - Platinum / UK 8位 - Gold
3. Life in the Fast Lane: US 11位
EAGLES - BAND MEMBERS (Listed in Booklet)
• Joe Walsh (ジョー・ウォルシュ) - Vocals, Guitar, Keyboards
• Don Felder (ドン・フェルダー) - Vocals, Guitar, Slide Guitar
• Glenn Frey (グレン・フライ) - Vocals, Guitar, Keyboards
• Randy Meisner (ランディ・マイズナー) - Vocals, Bass, Guitarone
• Don Henley (ドン・ヘンリー) - Vocals, Drums, Percussion
▼ Eagles - Hotel California (Live from the Capital Centre 1977) (Official Video)
https://www.youtube.com/watch?v=09839DpTctU
▼ Eagles - New Kid in Town (Official Audio)
https://www.youtube.com/watch?v=-Pa5nqYXEnY
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