"Queen II"以来久しかった、大英帝国の香り漂う威風堂々とした重厚なサウンドで幕を開けるこのアルバム「Innuendo / イニュエンドゥ」が、直接アルバム制作に携わったという意味においてはフレディ最後の作品となってしまった。
そのタイトル曲でもある6分半にも及ぶ大作をオープニングに持ってきたところに彼らの決意と自信が表れているかのようでもある。ミディアムテンポの重厚なサウンドの中で突如訪れる静寂。そして、その後には軽やかに舞うフラメンコのリズムといった組曲的展開は、かつての"Bohemian Rhapsody"を彷彿とさせられるような構成美を誇り、結果的にその"Innuendo"が第一段シングルにも選ばれ、英国では見事1位を記録している。
病魔と闘う姿勢を示しながらも、病状の悪化を懸念したのか、フレディは一刻も早くこのアルバムを完成させたかったらしく、アルバムは当初の予定よりもかなり早く完成し、本来ならば先に発売される予定であった"Greatest Hits II"を後に回してこの"Innuendo"はリリースされた。
"Innuendo"のミュージックビデオでのメンバーの演奏シーンは全て過去のミュージックビデオで使われた映像のリメイクで、モノクロ映像の中、メイクをし、カツラを付けたフレディが登場する"I'm Going Slightly Mad"や"These Are the Days of Our Lives"が意図したものは、後にブライアンが語った「全てはフレディの病状を隠すため」という言葉により初めて明かされた。
又、そのブライアンが口にした、フレディの体調に合わせてレコーディングが進められたという事実からも、レコーディングの時点で既にフレディの症状はかなり悪かったことも後に知ることで、当時は知る由もなかったし、そんなことなど微塵も感じさせない程にフレディのヴォーカルは力強く輝いていたのだ。
リリース当初は気付かなかった、自身の心情を、時には壮絶に、そして、時には穏やかに語りかけるように歌う歌詞の重みが、フレディ亡き後となっては胸を打つ。"Bijou"は愛する人への最後のメッセージ?、飼っている三毛猫を題材にしてフレディが書いたという"Delilah"が意味するものは・・・。そして、ロジャーを中心に書かれたと言われる"These Are the Days of Our Lives"が伝えたかったものとは・・・。
ちなみに、ジャケットに使用されているのは、フランスの画家 "Grandville / グランヴィル (1803-1847)" のイラストレーション。
TRACKLIST
1. Innuendo /
2. I'm Going Slightly Mad /
3. Headlong /
4. I Can't Live With You /
5. Don't Try So Hard /
6. Ride The Wild Wind /
7. All God's People /
8. These Are The Days Of Our Lives /
9. Delilah /
10. The Hitman /
11. Bijou /
12. The Show Must Go On
1. イニュエンドウ / 2. 狂気への序曲 / 3. ヘッドロング / 4. アイ・キャント・リヴ・ウィズ・ユー / 5. ドント・トライ・ソー・ハード / 6. ライド・ザ・ワイルド・ウインド / 7. 神々の民 / 8. 輝ける日々 / 9. 愛しきデライラ / 10. ザ・ヒットマン / 11. バイユー / 12. ショウ・マスト・ゴー・オン
NOTES
• Album: UK 1位 (2x Platinum / BPI) / US 37位 (Gold / 1991-RIAA)
• Singles: "Innuendo" (UK 1位) / "I'm Going Slightly Mad" (UK 22位) / "Headlong" (UK 14位) / "The Show Must Go On" (UK 16位) / "These Are the Days of Our Live"(フレディの死後、"Bohemian Rhapsody"との両A面扱いで追悼盤としてリリース) (UK 1位 / US 2位)
• 日本盤初回プレスCD [Japanese First Pressing CD]
• 解説・歌詞・対訳付
■ 追記
こちらは、40周年を記念して2011年にリリースされた2枚組の"40th Anniversary Limited Edition" (2011 Digital Remaster)。
TRACKLIST
Disc 1: Innuendo
Disc 2: Innuendo - Bonus EP
1. I Can't Live With You [1997 Rocks Retake]
2. Lost Opportunity [B-Side]
3. Ride The Wild Wind [Early Version With Guide Vocal]
4. I'm Going Slightly Mad [Mad Mix]
5. Headlong [Embryo With Guide Vocal]
※ 3曲目の"Ride The Wild Wind [Early Version With Guide Vocal]"はロジャーがヴォーカルを、そして5曲目の"Headlong [Embryo With Guide Vocal]"はブライアンがヴォーカルをとっている。
▼ Queen - Innuendo (Official Video)
https://www.youtube.com/watch?v=g2N0TkfrQhY
▼ Queen - I'm Going Slightly Mad (Official Video)
https://www.youtube.com/watch?v=Od6hY_50Dh0
▼ Queen - These Are The Days Of Our Lives (Official Video)
https://www.youtube.com/watch?v=oB4K0scMysc
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