こちらは、オリビア・ニュートン・ジョンとジーン・ケリー主演の映画「Xanadu / ザナドゥ」のサウンドトラック盤で、1~4曲目が"E.L.O."、5曲目が"E.L.O."とオリビアのコラボレーション、そして、6~10曲目がオリビアというアルバム構成になっている。ただし、これは日本盤の曲順で、英米ではオリビア・サイドの"Magic"から曲がスタートする構成になっている。
とは言え、レコード盤でリリースされた当時も、英米ではオリビア・サイドがA面で、"E.L.O."サイドがB面だったものの、日本ではA面が"E.L.O."サイド、B面がオリビア・サイドと、A面、B面が逆の構成だったこともあり、個人的にはやはり"I'm Alive"で始まるこの日本盤の曲順の方がしっくりくる。実際、映画自体もオープニングは"I'm Alive"で始まるし、それに"Magic"は、どうも1曲目というイメージではないんだよね。
当時はどちらかと言うと、映画そのものよりも、"Discovery"が世界的に大ヒットして飛ぶ鳥を落とす勢いだった"E.L.O."と、映画「グリース」で女優としても大成功を収めたオリビアによる夢の共演となったサウンドトラック盤の方に話題が集まったといった感じだった。
収録曲について言えば、"E.L.O."が提供した5曲は見事なまでに"Discovery"の延長線上にあるサウンドで、そのどれもが"E.L.O."のオリジナル・アルバムに収録されてもおかしくないほどの完成度を誇っている。又、"E.L.O."がバックを務め、オリビアが歌う、タイトルトラックの"Xanadu"は、いかにも"E.L.O."といったサウンドと、透き通るようなオリビアの歌声が見事にマッチした曲で、全英チャートではNo.1を記録している。
そして、6曲目以降では全米チャートNo.1に輝いた"Magic"をはじめ、新たなるオリビアの魅力が感じられるような彩り豊富な楽曲が収められている。当時は"E.L.O."サイドの曲ばかりを好んで聴いていたが、実際に映画の中で効果的に使われているのは、タイトルトラックの"Xanadu"は勿論だが、オリビア・サイドに含まれる8曲目の"Dancin' (with The Tubes)"や、10曲目の"Whenever You're Away from Me (with Gene Kelly)"といったビッグバンドが取り入れられた曲。
しかも、ビッグバンドが取り入れられたこの2曲、編曲とアレンジがけっこう凝っていて良くできているのだ。今では"E.L.O."サイドもオリビアサイドも甲乙つけ難しといった印象で、このアルバムを聴くときは割と同等に聴いている感じだが、それにしても魅力的な曲が目白押しの素晴らしいアルバムだね。
この後、オリビアは、ここでの成功を更なるステップとして、翌年にはイメージチェンジを推し進めた自身のアルバム"Physical"を発表し、そのタイトルトラックは全米チャート10週連続No.1の大ヒットを記録することになる。
アルバムは、ビルボードチャートで最高4位。シングルは、"I'm Alive"(米16位 / 英20位)、"Don't Walk Away"(英21位)、"All Over the World"(米13位 / 英11位)、"Xanadu"(米8位 / 英1位)、"Magic"(米1位 / 英32位)、"Suddenly"(米20位 / 英15位)をそれぞれ記録しているが、個人的にはシングルカットはされなかったものの、2曲目の"The Fall"が特に好きだった。なお、日本ではオリビアの"Suspended in Time"(邦題:春風の誘惑)が独自にシングルカットされた。
中々CD化されずにいた"E.L.O."のアルバムがCDとして全て出揃ったのは'90年代初めだった。その時は一足先に"Discovery"がリリースされ、先にポツンとCD化されていた"Face The Music"も再発というかたちで、全作品が一斉にリリースされたのだが、この"Xanadu"だけは契約関係の問題からか、既にCD番号が付けられていたものの発売延期となった。
それからどれくらい待たされたのかは忘れたが、ようやくリリースされた時は、これでやっと"E.L.O."の真のオリジナル・ベストが作れると喜んだことを覚えている。ちなみにCD番号は当初予定されていた番号(次作"Time"のひとつ前の番号)がそのまま使われていた。
TRACKLIST (Japanese Edition)
1. I'm Alive / アイム・アライヴ (E.L.O.)
2. The Fall / フォール (E.L.O.)
3. Don't Walk Away / ドント・ウォーク・アウェイ (E.L.O.)
4. All Over The World / オール・オヴァー・ザ・ワールド (E.L.O.)
5. Xanadu / ザナドゥ (E.L.O. & Olivia Newton-John)
6. Magic / マジック (Olivia Newton-John)
7. Suddenly / 恋の予感 (Olivia Newton-John with Cliff Richard)
8. Dancin' / ダンシン (Olivia Newton-John with The Tubes)
9. Suspended In Time / 春風の誘惑 (Olivia Newton-John)
10. Whenever You're Away From Me / 気の合うふたり (Olivia Newton-John with Gene Kelly)
NOTES
• CD発売日:1990/11/01
• 品番:CSCS-6034
• 日本盤初回プレスCD(世界初CD化盤) [Japanese First Pressing CD]
• Album: US 4位 (2x Platinum / 1984-RIAA) / UK 2位 (Gold)
▼ E.L.O. - I'm Alive
▼ Olivia Newton-John & E.L.O. - Xanadu
https://www.youtube.com/watch?v=mX8Y_LUxIJo
▼ E.L.O. - The Fall
https://www.youtube.com/watch?v=-sC_08XQf0c
▼ Olivia Newton-John - Magic
https://www.youtube.com/watch?v=sl5bqHP0-KA
▼ Olivia Newton-John - Suspended in Time
https://www.youtube.com/watch?v=GvYl_omr9Zg
▼ Olivia Newton-John & The Tubes - Dancin'
https://www.youtube.com/watch?v=kCm0_93WCCA
▼ Olivia Newton-John & Gene Kelly - Whenever You're Away From Me
https://www.youtube.com/watch?v=o3wSOZk7jnk
[補足]
1. シングル盤"I'm Alive (E.L.O.)"のB面にはアルバム未収録の"Drum Dreams (E.L.O.)"が収録されている。
▼ E.L.O. - Drum Dreams
https://www.youtube.com/watch?v=-y2uIP23gq4
2. シングル盤"Suddenly (Olivia Newton-John with Cliff Richard)"のB面にはアルバム未収録の"You Made Me Love You (Olivia Newton-John)"が収録されている。
▼ Olivia Newton-John - You Made Me Love You
https://www.youtube.com/watch?v=9ke1iVeK4KM
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