さて、この"Chicago XXX"、お世辞にも粒揃いとまでは言えないものの、ライナーノーツに書かれたインタビュー記事でのメンバーの言葉「いくつかの上出来な楽曲」どおりに、"Feel"、"King of Might Have Been"、"Caroline"、"Love Will Come Back"といった魅力的な楽曲が含まれている。勿論、これらの曲名を挙げたのは個人的な見解によるものだが、"Feel"はファースト・シングルに選ばれた楽曲で、これまでのシカゴ・サウンドとは趣の違うモダンなアプローチが印象的。又、"King of Might Have Been"と"Love Will Come Back"は、過去の名曲に匹敵するシカゴらしいバラードで、"Caroline"は、ポップで軽快な雰囲気が心地良い曲。
アルバムの構成としては、前半が"Hard to Say I'm Sorry"(素直になれなくて)のビッグヒットを生んだ新生シカゴを象徴する1982年のアルバム"Chicago 16"以降の親しみやすいサウンドで、後半が"Chicago 16"以前のブラス・ロック中心のサウンドといった具合に、全体が2部構成になっているような印象がある。
TRACKLIST
1. Feel (Hot Single Mix) /
2. King Of Might Have Been /
3. Caroline /
4. Why Can't We /
5. Love Will Come Back /
6. Long Lost Friend /
7. 90 Degrees and Freezing /
8. Where Were You /
9. Already Gone /
10. Come To Me, Do /
11. Lovin' Chains /
12. Better /
13. Feel (Horn Section Mix)
でも、何といっても嬉しかったのは、1曲目が"Lettre a France"であるという点。実はこの曲、ポルナレフの新曲としてラジオで紹介されたのを聴いて、すぐに好きになり、その後しばらくしてリリースされたニューアルバム「美しきロマンの復活」を喜んで買ったら、何とその"Lettre a France"が入ってなくてガッカリしたという苦い思い出があったんだよね(後にCDで再発された際にはボーナストラックとして収録された)。後に知ったのだが、"Lettre a France"は、アルバム「美しきロマンの復活」がリリースされる前年の'77年にシングルのみでリリースされた曲だったのだ。ちなみに、この曲、シングル盤でリリースされた当時の邦題は「哀しみのエトランゼ」であったが、その後、CDで再発されたアルバム「美しきロマンの復活」にボーナストラックとして収録された際には「フランスへの手紙」へと変更された。
現在リリースされている「美しきロマンの復活」のアルバムには、この"Lettre a France"(邦題は「フランスへの手紙」)もアルバムのラストにボーナストラックのようなかたちで収録されているようだが、当時は買いたくても買えない曲だったこともあり、一際思い出深い曲にもなっているのだ。
まぁ、そういった思い出もあるこの"Lettre a France"、個人的には、今でも「Holidays / 愛の休日」や「Love Me Please Love Me / 愛の願い」等と肩を並べるポルナレフの名曲だと思うのだが、まさかベスト・アルバムのトップに、数ある名曲を差し置いてこの曲が収録されるなんてことがあるとは思いもしなかったなので、ちょっとした驚きであると同時に感慨深いものがあった。
ところが、後になって知ったことだが、実はフランスで最も売れたポルナレフのシングルは、約48万枚を売り上げたこの"Lettre a France"だったんだよね。なるほど、1曲目に収録されているのはそんな理由もあったのかとそのときになって納得した次第。
ちなみに、日本でも有名な「Tout Tout Pour Ma Chérie / シェリーに口づけ」は、フランスではシングルA面としてはリリースされておらず、「Tous Les Bateaux Tous Les Oiseaux / 渚の想い出」のB面に収録されていた。
[Disc 1]: 1. Lettre À France /
2. Love Me Please Love Me /
3. Goodbye Marylou /
4. L'amour Avec Toi /
5. Âme Câline /
6. Holidays /
7. Tous Les Bateaux Tous Les Oiseaux /
8. Le Bal Des Laze /
9. Ça N'Arrive Qu'Aux Autres /
10. Une Simple Mélodie /
11. Je T'aime /
12. Mes Regrets /
13. Comme Juliette & Romeo /
14. Un Train Ce Soir /
15. La Belle Veut Sa Revanche /
16. J'Ai Tellement De Choses À Dire /
17. Une Femme /
18. Je Suis Un Homme /
19. Qui A Tué Grand-Maman ? /
20. Kama-Sutra
[Disc 2]: 1. La Poupée Qui Fait Non /
2. Tout Tout Pour Ma Chérie /
3. Sous Quelle Étoile Suis-Je Né ? /
4. On Ira Tous Au Paradis /
5. Radio /
6. Tam Tam /
7. Dans La Maison Vide /
8. La Michetonneuse /
9. Ring A Ding / 10. Y'a Qu'un Ch'veu /
11. Voyages /
12. Né Dans Un Ice-Cream /
13. Le Roi Des Fourmis /
14. L'oiseau De Nuit /
15. Ta Ta Ta Ta /
16. Lna Ho /
17. Viens Te Faire Chahuter /
18. Oú Est La Tosca ? /
19. Sur Un Seul Mot De Toi /
20. Elle Rit /
21. La Mouche
The Collection Of Masterpieces / Michel Polnareff
そして、"Passé Présent"とは別に自分が持っているベスト・アルバムがこの"The Collection of Masterpieces"。
日本独自企画のベスト・アルバムと収録曲を比較したらコチラの方が良かったので、この"The Collection of Masterpieces"を買ったのだが、この時リリースされていた日本版のベスト・アルバムには、何故か「渚の想い出」や「忘れじのグローリア」が収録されていなかったのだ。「忘れじのグローリア」はポルナレフ自身が好きではないらしいので一歩譲って仕方無いとしても、「渚の想い出」が入ってないベストなんて・・・と当時の日本版ベスト・アルバムに対して思ったことは良く覚えている。
それにしても、流石にこれだけの数のライヴをやっていればアクシデントもあるよね。ということで、この"DVD"には、そんな映像もいくつか収められている。例えば、"Let Me Go, Rock 'n' Roll"を"Rock and Roll All Nite"と間違って歌い出してしまい、すぐにおかしいと気付くものの、ポールの助けが入るまでスキャット風にごまかして歌うジーン(笑)。