2017/07/25

GET A GRIP 「ゲット・ア・グリップ」 / AEROSMITH (1993)

CDの帯(初回プレス盤):ゲット・ア・グリップ / エアロスミスAlbum Cover (front): Get a Grip / Aerosmith Album Cover (back): Get a Grip / Aerosmith CD Case (back cover): Get a Grip / Aerosmith

この「Get a Grip / ゲット・ア・グリップ」は、前作の「Pump / パンプ」から4年ぶりとなるエアロスミスのアルバムで、リユニオン後としては4作目のアルバム。

前々作、前作とビッグセラーを記録したことから、相当なプレッシャーと意気込みを持った中で制作されたアルバムだったと思われるが、結果的にはエアロスミス初のアルバムチャート1位(米ビルボード)を記録し、アルバムセールスでも前作と同様アメリカだけで700万枚(2017年現在)に達するなど、'70年代の活躍を凌駕するほどの勢いを見せつけたアルバムとなった。

又、シングルの方でも、"Livin' on the Edge"(米18位)、"Cryin'"(米12位)、"Amazing"(米24位)、"Crazy"(米17位)と、4曲のトップ40ヒットを生み出しており、正に第二期の金字塔と言えるアルバム。

付け加えておくと、ゲスト・ミュージシャンとして、"Line Up"には作曲にも関わったレニー・クラヴィッツが、そして、"Amazing"にはイーグルスのドン・ヘンリーがバッキング・ヴォーカルで参加している。

又、その他にも、"Shut Up and Dance"と"Can't Stop Messin'"の2曲は、スティーヴン・タイラーとジョー・ペリーに加えて、当時ダム・ヤンキースで活動していたジャック・ブレイズ(元ナイト・レンジャー)とトミー・ショウ(元スティクス)がソングライターとしてクレジットされている。

その他の楽曲のソングライターを見てみると、"Fever"がスティーヴン・タイラーとジョー・ペリーのコンビによるもので、久々にジョー・ペリーがヴォーカルをとる曲となった"Walk On Down"はジョー・ペリーが単独で書いた曲。又、"Amazing"はスティーヴン・タイラーと、旧知の仲といえるリチャード・スパの共作。そして、その他は全てスティーヴン・タイラー及びジョー・ペリーが外部の人物と共作したものとなっている。

このように、外部の人物と共作した曲が多く収録されていることがアルバムの特徴としてあると思うのだが、それに加えて、バラード・タイプの曲が3曲("Cryin'"、"Crazy"、"Amazing")収録されていることも、もうひとつの特徴ではないかと。しかもその3曲が全てシングル・カットされヒットしているのが興味深いところ。

付属のライナーノーツには、完成間近のマスターテープの存在を一旦白紙にして、暫く冷却期間を経た後、新たに10数曲をレコーディングして完成に至ったといったことが書かれている。なお、当初のレコーディングから持ち越されたのは、"Eat The Rich"、"Get A Grip"、"Fever"、"Amazing"の4曲のみで、その他は全て冷却期間を経て新たに書かれた曲だとのこと。前作の"Pump"から4年ぶりとなったのは恐らくはそういった理由もあってのことだと思われる。

ただ、個人的には、楽曲の充実度も然る事ながら、それらの楽曲をより魅力的に、そして、エアロスミスならではの楽曲として存在感を示しているのは、スティーヴン・タイラーの円熟味を増したヴォーカルがあってこそのものといった印象がある。

なお、アメリカを除くインターナショナル版にはボーナス・トラックとして"Can't Stop Messin'"が13曲目に収録されている。アルバムの最後ではなく途中に収録されているのは曲の流れを考慮してのものなかもしれない。

 

CD Case (inside): Get a Grip / AerosmithTRACKLIST
1. Intro / 2. Eat The Rich / 3. Get A Grip / 4. Fever / 5. Livin' On The Edge / 6. Flesh / 7. Walk On Down / 8. Shut Up And Dance / 9. Cryin' / 10. Gotta Love It / 11. Crazy / 12. Line Up / 13. Can't Stop Messin' [Bonus Track] / 14. Amazing / 15. Boogie Man

1. イントロ / 2. イート・ザ・リッチ / 3. ゲット・ア・グリップ / 4. フィーヴァー / 5. リヴィング・オン・ジ・エッジ / 6. フレッシュ / 7. ウォーク・オン・ダウン / 8. シャット・アップ・アンド・ダンス / 9. クライン / 10. ゴッタ・ラヴ・イット / 11. クレイジー / 12. ライン・アップ / 13. キャント・ストップ・メッシン [ボーナス・トラック] / 14. アメイジング / 15. ブギー・マン

 

NOTES
• 日本盤初回プレスCD [Japanese First Pressing CD]
• 解説・歌詞・対訳付

Additional Musicians
• Don Henley - Background Vocals on "Amazing"
• Lenny Kravitz - "Come on Joe" on "Line Up"

• Album: US 1位 - 7x Platinum (1995-RIAA) / UK 2位 - Platinum
• Singles:
"Livin' on the Edge" US 18位 / UK 19位
"Eat the Rich" UK 34位
"Cryin'" US 12位 / UK 17位
"Amazing" US 24位 / UK 57位
"Shut Up and Dance" UK 24位
"Crazy" US 17位 / UK 23位

 

AEROSMITH - BAND MEMBERS (Listed in Booklet)
• Steven Tyler (スティーヴン・タイラー) - Lead Vocals, Keyboards, Harmonica, Mandolin
• Joe Perry (ジョー・ペリー) - Guitar, Dulcimer, Vocals (Lead Vocals on "Walk on Down")
• Brad Whitford (ブラッド・ウィットフォード) - Guitar
• Tom Hamilton (トム・ハミルトン) - Erlectric Bass
• Joey Kramer (ジョーイ・クレイマー) - Drums. Percussion

 

▼ Aerosmith - Cryin' (Live in Japan 2002)

 

▼ Aerosmith - Amazing (Live in Holland '94)

 

▼ Aerosmith - Crazy (Live at Santiago, Chile '94)

 

 

関連記事

別冊ヤングフォーク 「スーパーアイドルを探せ - ビッグ5 夢の競演!」 (1977)

Draw The Line 「ドロー・ザ・ライン」 (1977) / Aerosmith

ヤングロック 「ビッグ3大特集 - QUEEN, KISS, AEROSMITH」 (1978)

Live Bootleg 「ライヴ・ブートレッグ」 (1978) / Aerosmith

Aerosmith's Greatest Hits 「エアロスミス / グレイテスト・ヒッツ」 (1980) / Aerosmith

Rock In A Hard Place 「美獣乱舞」 (1982) / Aerosmith

Done With Mirrors (1985) / Aerosmith

Classics Live! 「ライヴ・クラシックス」 (1986) / Aerosmith

Classics Live! II 「ライヴ・クラシックス II」 (1987) / Aerosmith

Permanent Vacation 「パーマネント・ヴァケイション」 (1987) / Aerosmith

Vacation Club 「ヴァケーション・クラブ - ミニアルバム -」 (1988) / Aerosmith

Pump 「パンプ」 (1989) / Aerosmith

Pandora's Box 「パンドラの箱」 [3CD Box Set] (1991) / Aerosmith

Big Ones - You Can Look At 「ビッグ・ワンズ - ユー・キャン・ルック・アット」 [LD] (1994) / Aerosmith

0 件のコメント:

コメントを投稿