2018/01/17

DONE WITH MIRRORS / AEROSMITH (1985)

Album Cover (front): Done With Mirrors / Aerosmithこの"Done With Mirrors"は、1985年にリリースされたオリジナルメンバーによるエアロスミスの復活第一弾アルバム。

ただ、正直言って、私自身は、当時、このアルバムを聴いて、復活劇は失敗に終わったなと落胆すると同時に、恐らくは、これ一枚で終わってしまうんだろうなと悲観的な見方をしていた。まぁ、活動を続けるにしても、かなり厳しい状況になるのではないかと・・・。

が、しかし、ご存知のように、軌道修正を図った次作の復活第二弾アルバム"Permanent Vacation"が起死回生の大ヒットを記録したことにより、自分の予想は見事にハズレたわけだが、それどころか、それ以降は、大ヒット・アルバムの"Permanent Vacation"さえもが序章に見えるほどの大ヒット作を次々と連発し、全盛期と言われる'70年代を凌駕するほどの活躍を見せることになったのだから、世の中分からないものだね。

"Done With Mirrors"について話を戻すと、未だゴールド止まりということからも分かるように、セールス的にも今ひとつだったように思う。又、そのことは、"Done With Mirrors"がリリースされた翌年の1986年に古巣のコロムビア・レコードから過去のライヴ音源を寄せ集めてリリースされた"Classics Live!"が現在では100万枚のセールスに達し、プラチナムに認定されていることからも分かることではないかと。

Album Cover (back): Done With Mirrors / Aerosmith  CD Case (back cover): Done With Mirrors / Aerosmith  Booklet: Done With Mirrors / Aerosmith

ビルボード・チャートでは36位と、まずまずの結果であったようにも見えるが、ジョー・ペリーとブラッド・ウィットフォードの二人のギタリストが抜けたエアロスミス史上唯一のオリジナルメンバー以外の作品であり、最も影の薄いアルバムと位置付けられることも多い1982年リリースの前作"Rock in a Hard Place"の32位にも及ばなかったことを考えると、やはり、低調に終わったといった印象は拭えないところ。

それでも、"Done With Mirrors"が思ったようなヒットにはならなかったとはいえ、古巣のレーベルからメンバーの関与のないままリリースされた"Classics Live!"が好調なセールスを記録したことから、メンバー及びゲフィン・レコードにとっては結構刺激になったのではないかとは思うところ。又、結果として、その"Classics Live!"により、確実に潜在的需要があることも示されたかたちになったことから、まだまだイケると確信したのではないかと個人的には思っている。

でも、ゲフィン・レコードへの移籍第一弾ともなったこの"Done With Mirrors"について言えば、 アルバムを通して聴いてみても分かるように、レーベル側も必ずしもヒットを期待していたとは思えないのだ。あくまでも推測ではあるが、移籍第一弾ということで、関係性を優先し、あまり口出しせず、バンド側の好きなようにやらせたのではないかと。

とは言っても、やはり、このアルバムは全体的に曲の出来がいまひとつといった印象があるのが正直なところ。確かにエアロスミスらしさはあるものの、華がなく、地味なのだ。アルバムの中で最も目を引く曲が、エアロスミス脱退後のジョー・ペリーの作品"Let the Music Do Talking"(1980年にリリースされたジョー・ペリー・プロジェクトのアルバム"Let the Music Do Talking"のタイトル・トラック)のリメイクというのもどうなだかといったところ。個人的には、この"Done With Mirrors"よりも、世間では評価されることも少ない"Rock in a Hard Place"の方が好きだったりもする。

と、ネガティヴな批評ばかりになってしまったが、それでも、私自身は2曲目の"My Fist Your Face"は割と好きだ。又、その他にも、"Let The Music Do The Talking"の間奏部分には"Draw The Line"のリフが組み込まれていたり、"Shame On You"の歌詞の中には"Joe Perry"、そして、"The Hop"の歌詞の中には"Aerosmith"の名前が出てくるなどファンを楽しませてくれる演出があったりしてニヤリとさせられるところもある。

しかしながら、失敗とは言わないまでも不発に終わった再結成第一弾。この状況からよくぞ立て直したものだとは思う。

なお、ソングライター表記は、ジョー・ペリーのソロ・プロジェクトでの作品"Let The Music Do The Talking"のリメイクを含めて、全ての曲が"Aerosmith"となっている。まぁ、その"Let The Music Do The Talking"もサビ以外の歌メロはオリジナルとはかなり変えられているからね。

 

Album Cover (front): Done With Mirrors / Aerosmithで、左側のジャケット写真は、記事上部にあるジャケット写真の上下を逆さまにしたもの。

でも、実は、こちらが正しい向きなのだ。ここで紹介している手持ちの日本盤初回プレスCDだと、ブックレットの上下を逆にして、見開きの側からプラケースに差し込めば正常な状態になるのだが、最初はどのような向きでブックレットが差し込んであったのかは今では覚えていない。ただし、この向きにすると裏側とブックレット内部の文字が上下逆になることから、恐らくは製版ミスだったのではないかと。

とは言っても、そのことに当時は全然気付いてなくて、実を言うと、この画像を取り込んだ3年ほど前に気付いたのだった。

ちなみに、アルバムのアートワークは、数々のアルバムのジャケットを出掛けているノーマン・ムーア (Norman Moore) によるもの。

▼ ノーマン・ムーアが手掛けたアルバム・ジャケットはこちら。

Norman Moore Album Cover Designs
http://www.designartla.com/vault/index.htm

 

▼ ゲフィンとソニーのロゴ及び、メーカーのクレジットも反転で表記されている。

Album Cover (back): Done With Mirrors / Aerosmith

 

CD Case (inside): Done With Mirrors / AerosmithTRACKLIST
1. Let The Music Do The Talking / 2. My Fist, Your Face / 3. Shame On You / 4. The Reason A Dog / 5. Shela / 6. Gypsy Boots / 7. She's On Fire / 8. The Hop / 9. Darkness

1. 熱く語れ / 2. マイ・フィスト、ユア・フェイス / 3. シェイム・オン・ユー / 4. リーズン・ア・ドッグ / 5. シーラ / 6. ジプシー・ブーツ / 7. シーズ・オン・ファイア / 8. ザ・ホップ / 9. ダークネス

NOTES
• All Songs Performed, Written and Published by Aerosmith

• 日本盤初回プレスCD [Japanese First Pressing CD]
• 解説・歌詞・対訳付

• Album: US 36位 (Gold / 1993-RIAA)

AEROSMITH - BAND MEMBERS (Listed in Booklet)
• Steven Tyler (スティーヴン・タイラー) - Lead Vocals, Piano and Harmonica
• Joe Perry (ジョー・ペリー) - Guitars and Background Vocals
• Brad Whitford (ブラッド・ウィットフォード) - Guitars
• Tom Hamilton (トム・ハミルトン) - Bass
• Joey Kramer (ジョーイ・クレイマー) - Drums

 

▼ Aerosmith -  Let The Music Do The Talking

 

▼ Aerosmith -  My Fist Your Face

 

 

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