2018/01/27

THE HEART OF... CHICAGO 「ハート・オブ・シカゴ」 / CHICAGO (1989)

CDの帯(初回プレス盤):ハート・オブ・シカゴ / シカゴAlbum Cover (front): The Heart of... Chicago / Chicagoこの「The Heart of... Chicago / ハート・オブ・シカゴ」は北米以外の国でリリースされたシカゴのベスト・アルバムで、北米では"Greatest Hits 1982-1989"というタイトルでリリースされている。ただし、"The Heart of... Chicago"と"Greatest Hits 1982-1989"の両アルバムは基本的にどちらも同じアートワークではあるものの、アルバムのタイトルが違うことから、当然のことながら、ジャケットにあるタイトルの表記はそれぞれのアルバム名になっている。

前年の1988年にリリースされたアルバムが"Chicago 19"、そして、この"The Heart of... Chicago"及び"Greatest Hits 1982-1989"を挟んで、1991年にリリースされたのが"Chicago Twenty 1 (21)"ということからも分かるように、このベストは、シカゴの20作目としてカウントされたアルバムとなっている。

"Greatest Hits 1982-1989"と、この"The Heart of... Chicago"では、アルバム・タイトルの他、収録曲にも違いがあり、"The Heart of... Chicago"の方には1982年以前(コロムビア・レコード時代)の4曲が加えられている。又、それ以外の収録曲にも若干の違いがある。

ただし、その後、日本でも"Greatest Hits 1982-1989"が発売され、アメリカでも"The Heart of Chicago 1967-1997"及び"The Heart of Chicago 1967-1998 Volume II"というタイトルのベスト・アルバムがリリースされており、日本に於いては、その後も、"The Heart of Chicago 1967~1981"と"The Heart of Chicago 1982~1997"が発売され、更には、その続編とも言える"The Heart of Chicago 1967~1981 II"と"The Heart of Chicago 1982~1998 II"も相次いで発売されたことから、初代"The Heart of Chicago"とも言えるこの"The Heart of... Chicago"の存在意義も今では無くなったようなところもあるのが現状といったところ。

実際、この"The Heart of... Chicago"の日本盤も現在では廃盤になっているようで、恐らくは、先に取り上げた"Greatest Hits, Volume II"と同様に、今後も特別なことが無い限り、このアルバムが再発されることは無いのではないかと思う。

 

この辺りの状況については多少ややこしくなっているので時系列に沿って整理すると

 

■ アメリカ (1989年リリース)
GREATEST HITS 1982-1989
1982年リリースのアルバム"Chicago16"以降のシングル・カット曲を中心に収録。20作目のシカゴのアルバムとしてカウントされている。

▼ アルバム・ジャケットはこちら
Discogs - Greatest Hits 1982-1989


■ 日本(1989年リリース)
THE HEART OF... CHICAGO / ハート・オブ・シカゴ
"Greatest Hits 1982-1989"には収録されていないコロムビア・レコード時代の4曲が加えられているのが特徴。又、その他の収録曲にも若干の違いがある。ジャケット・デザインは"Greatest Hits 1982-1989"と同じスタイルでタイトルだけが違う。

"Greatest Hits 1982-1989"には収録されていないコロムビア・レコード時代の4曲が加えられているのが特徴。又、その他の収録曲にも若干の違いがある。ジャケット・デザインは"Greatest Hits 1982-1989"と同じスタイルでタイトルだけが違う。


■ 日本(1995年リリース)
GREATEST HITS 1982-1989 / グレイテスト・ヒッツ 1982-1989
1989年に北米のみでリリースされた"Greatest Hits 1982-1989"の日本盤。

▼ アルバム・ジャケットはこちら
Discogs - Greatest Hits 1982-1989 / グレイテスト・ヒッツ 1982-1989


■ アメリカ (1997年リリース)
THE HEART OF CHICAGO 1967-1997
結成30周年を記念してアメリカで企画されたベスト・アルバムで、新曲の2曲も収録。シカゴの23作目としてカウントされている。

▼ アルバム・ジャケットはこちら
Discogs - The Heart Of Chicago 1967-1997


■ 日本 (1997年リリース)
THE HEART OF CHICAGO 1967~1981 / ハート・オブ・シカゴ 1967~1981
THE HEART OF CHICAGO 1982~1997 / ハート・オブ・シカゴ 1982~1997
アメリカでリリースされた"The Heart of Chicago 1967-1997"の日本盤。ただし、レーベル間の契約の問題もあってか、日本では"The Heart of Chicago 1967~1981"(青色のジャケット)が「テイチク」から、そして、"The Heart of Chicago 1982~1997"(赤色のジャケット)が「WEA Japan」からと、二つのレーベルから年代別に分けた独自の編集でリリースされた。

▼ アルバム・ジャケットはこちら
Discogs - The Heart Of Chicago 1967-1981 / ハート・オブ・シカゴ 1967~1981

▼ アルバム・ジャケットはこちら
Discogs - The Heart Of Chicago 1982-1997 / ハート・オブ・シカゴ 1982~1997


■ アメリカ (1998年リリース)
THE HEART OF CHICAGO 1967-1998 VOLUME II
前年にリリースされた"The Heart of Chicago 1967-1997"の続編(タイトルにある年数の表記は異なる)となるベスト・アルバムで、シカゴの24作目としてカウントされている。

▼ アルバム・ジャケットはこちら
Discogs - The Heart Of Chicago 1967-1998 Volume II


■ 日本 (1998年リリース)
THE HEART OF CHICAGO 1967~1981 VOLUME - II / ハート・オブ・シカゴ 1967~1981 II
THE HEART OF CHICAGO 1982~1998 VOLUME - II / ハート・オブ・シカゴ 1982~1998 II
アメリカでリリースされた"The Heart of Chicago 1967-1998 Volime II"の日本盤で、前作同様、日本では"The Heart of Chicago 1967~1981 Volime - II"(緑色のジャケット)が「テイチク」から、そして、"The Heart of Chicago 1982~1998 Volime - II"(黄色のジャケット)が「WEA Japan」からと、こちらも二つのレーベルから年代別に分けた独自の編集でリリースされた。

▼ アルバム・ジャケットはこちら
Discogs - The Heart Of Chicago 1967-1981 Volume II / ハート・オブ・シカゴ 1967~1981 II

▼ アルバム・ジャケットはこちら
Discogs - The Heart Of Chicago 1982-1998 Volume II / ハート・オブ・シカゴ 1982~1998 II

 

Album Cover (back): The Heart of... Chicago / Chicago   CD Case (inside): The Heart of... Chicago / Chicago

 

なお、前作の"Chicago 19"に収録されていた"What Kind Of Man Would I Be?"はリミックス・ヴァージョンが収録されており、このアルバムのリリースに併せてシングル・カットされ、米5位のヒットを記録。

又、代表曲のひとつである「Hard To Say I'm Sorry / 素直になれなくて 」は一般的なシングル・ヴァージョンではなく、"Get Away"とメドレーになっているアルバム・ヴァージョンの方が収録されている。

 

CD Case (Back Cover): The Heart of... Chicago / ChicagoTRACKLIST
1. If You Leave Me Now / 2. Baby What A Big Surprise / 3. Where Did The Loving Go? / 4. Take Me Back To Chicago / 5. Hard To Say I'm Sorry / 6. Love Me Tomorrow / 7. Hard Habit To Break / 8. Only You / 9. You're The Inspiration / 10. Along Comes A Woman / 11. Remember The Feeling / 12. If She Would Have Been Faithful / 13. Will You Still Love Me? / 14. What Kind Of Man Would I Be? / 15. Look Away

1. 愛ある別れ / 2. 朝もやの二人 / 3. 愛は何処へ / 4. シカゴへ帰りたい / 5. 素直になれなくて / 6. ラヴ・ミー・トゥモロウ / 7. 忘れ得ぬ君に / 8. オンリー・ユー / 9. 君こそすべて / 10. いかした彼女 / 11. 想い出に生きて / 12. フェイスフル / 13. スティル・ラヴ・ミー / 14. ホワット・カインド・オブ・マン / 15. ルック・アウェイ

NOTES
• What Kind Of Man Would I Be? [Remix]
• Hard To Say I'm Sorry [Album Version]

• 日本盤初回プレスCD [Japanese First Pressing CD]
• 解説・歌詞・対訳付

• Album: Greatest Hits 1982-1989 - US 37位 (5x Platinum / 1997-RIAA)
• Album: The Heart of... Chicago - UK 6位 (Platinum) / JP 40位 (Gold)
• Single: What Kind Of Man Would I Be? - US 5位

 

▼ Chicago - Hard To Say I'm Sorry

https://www.youtube.com/watch?v=1A0MPWseJIE

 

▼ Chicago - Hard Habit To Break

https://www.youtube.com/watch?v=_aCAZNcTVeo

 

 

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GREATEST HITS, VOLUME II / CHICAGO (1981)

CDの帯(初CD化盤):シカゴ・グレーテスト・ヒッツ VOL. 2 / シカゴAlbum Cover (front): Greatest Hits, Volume II / Chicago数多くのベスト・アルバムがリリースされている今となっては、初期~中期の全10曲が収録されたこのベスト・アルバム「Greatest Hits, Volume II / シカゴ・グレーテスト・ヒッツ VOL. 2」の役目は終わったように感じるのだが、自分にとっては、多分、初めて買ったシカゴのCDがこれだったように思う。

現在ではこの"Greatest Hits, Volume II"の日本盤は販売されていないようだが、全10曲と収録曲も少なく、このアルバムに特別思い入れがある人以外には需要が無いと思われることから、なにか特別な企画でもない限り、恐らくは今後も発売されることは無いのではないかと。

アルバムに収録されているのは、ファースト・アルバムの「The Chicago Transit Authority / シカゴの軌跡」 (1969) から、12作目の「Hot Streets / ホット・ストリート」 (1978) までのアルバム収録曲ということになり、この"Greatest Hits, Volume II"の前作に当たる「Chicago XIV / シカゴ14」 (1980) と、前々作の「Chicago 13 / シカゴ13」 (1979) からは選曲されていない。

とは言っても、前作の"Chicago XIV / シカゴ14"と、前々作の"Chicago 13"を抜きにしても、収録曲は過去にリリースされた12枚のアルバム(スタジオ・アルバムは10枚)から選ばれた10曲であり、又、複数の曲が選曲されたアルバムもあることから、当然、その2枚以外にも1曲も選曲されていない漏れたアルバムもある。

 

▼ 収録されているオリジナルアルバムは以下の通り。

1. Baby What A Big Surprise / US 4位 - 「Chicago XI / シカゴ XI」[1977] / US 6位 (Platinum)
2. Dialogue (Part II) / US 24位 - 「Chicago V / シカゴ V」[1972] / US 1位 (2x Platinum)、UK 24位
3. No Tell Lover / US 14位  -「Hot Streets / ホット・ストリート」[1978] / US 12位 (Platinum)
4. Alive Again / US 14位 - 「Hot Streets / ホット・ストリート」[1978] / US 12位 (Platinum)
5. Old Days / US 5位 - 「Chicago VIII / 未だ見ぬアメリカ(シカゴ VIII)」[1975] / US 1位 (Platinum)
6. If You Leave Me Now / US 1位 - 「Chicago X / シカゴ X(カリブの旋風)」[1976] / US 3位 (2x Platinum)、UK 21位
7. Questions 67 & 68 / US 24位 - 「Chicago Transit Authority / シカゴの軌跡」[1969] / US 17位 (2x Platinum)、UK 9位
8. Happy Man / Non-Single Song - 「Chicago VII / シカゴ VII(市俄古への長い道)」[1974] / US 1位 (Platinum)
9. Gone Long Gone / US 73位 - 「Hot Streets / ホット・ストリート」[1978] / US 12位 (Platinum)
10. Take Me Back To Chicago / US 63位 - 「Chicago XI / シカゴ XI」[1977] / US 6位 (Platinum)

 

CD Case (back cover): Greatest Hits, Volume II / Chicago  CD Case (inside): Greatest Hits, Volume II / Chicago

 

ただ、現在では存在意義も薄れてしまったアルバムとはいえ、前作が「Chicago XIV / シカゴ14」 (1980)、そして、この"Greatest Hits, Volume II"の次作が「Chicago 16 / シカゴ16」 (1982) なので、この"Greatest Hits, Volume II"が実質的には"Chicago 15"ということになり、シカゴの歴史にしっかりとカウントされているアルバムではあるのだ。

個人的には、初めてシカゴの曲と意識して聴いた曲であり、FMラジオから録音して長らく聴いていた"Questions 67 & 68"と同じシングル・ヴァージョンがこのアルバムには収録されていることもあって、それなりに思い入れのあるアルバムではあるんだけどね。

ちなみに、アルバム・ヴァージョンに比べると、1分以上短いシングル・ヴァージョンが収録されているその"Questions 67 & 68"の他にも、"No Tell Lover"、"Alive Again"、"Take Me Back to Chicago"といった曲がシングル・ヴァージョンで収録されている。又、シングルとしてはリリーされていない"Chicago VII"収録曲の"Happy Man"はオリジナルにあるイントロ部分がカットされたヴァージョンが収録されている。

シカゴに限らず、シングル・ヴァージョンが存在する理由としは、当時はラジオで曲をかけてもらうことがヒットの大きな要因のひとつであったことから、曲が長いと最後までかけてもらえないこともあり、シングルの場合は短く編集してリリースすることがレコード会社のビジネス面に於ける手法のひとつだったことが背景にあったようだ。ちなみに、このアルバムにも収録されている"Take Me Back to Chicago"のシングル・ヴァージョンは、アルバム・ヴァージョンより2分以上短かく編集されている。

 

CHICAGO - BAND MEMBERS
• Peter Cetera - Bass, Vocals
• Robert Lamm - Keyboards, Vocals
• Lee Loughnane - Trumpet
• James Pankow - Trombone
• Walter Parazaider - Saxophone, Flute
• Danny Seraphine - Drums
• Terry Kath - Guitar, Vocals (1967-1978)
• Laudir De Oliveira - Percussion (1973-)
• Donnie Dacus - Guitar, Vocals (1978-)

 

TRACKLIST
1. Baby What A Big Surprise / 2. Dialogue (Part II) / 3. No Tell Lover / 4. Alive Again / 5. Old Days / 6. If You Leave Me Now / 7. Questions 67 & 68 / 8. Happy Man / 9. Gone Long Gone / 10. Take Me Back To Chicago / 

1. 朝もやの二人 / 2. ダイアログ(パート 2) / 3. ノー・テル・ラヴァー / 4. アライヴ・アゲイン / 5. 追憶の日々 / 6. 愛ある別れ / 7. クエスチョンズ 67/68 / 8. ハッピー・マン / 9. ゴーン・ロング・ゴーン / 10. シカゴへ帰りたい

 

NOTES
• No Tell Lover [Single Version]
• Alive Again [Single Version]
• Questions 67 & 68 [Single Version]
• Happy Man [Edit Version]
• Take Me Back To Chicago [Single Version]

• Recorded 1969-1978

• 日本盤初回プレスCD(初CD化盤) [Japanese First Pressing CD]
• CD発売日:1987年10月21日
• 品番:28DP 1062
• 解説・歌詞・対訳付

• Album: US 171位

 

▼ Chicago - Questions 67 & 68 (Live by Request)

 

日本では"Questions 67 & 68"の日本語ヴァージョンがシングルとしてリリースされた。

▼ Chicago - Questions 67 & 68 (Sung in Japanese 1995)

▼ こちらは日本語盤(シングル・レコード)のジャケット
クエスチェンズ 67/68 (日本語盤) / Chicago - Discogs

 

▼ Chicago - Alive Again (Live in Japan 1993)

 

[Official Audio]

▼ Chicago - Baby, What a Big Surprise (Edit)
https://www.youtube.com/watch?v=oa2DSACXnio

▼ Chicago - If You Leave Me Now
https://www.youtube.com/watch?v=-9_d-sFhmRM

▼ Chicago - Take Me Back to Chicago
https://www.youtube.com/watch?v=ajxNLr5gz4Y

 

 

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2018/01/17

DONE WITH MIRRORS / AEROSMITH (1985)

Album Cover (front): Done With Mirrors / Aerosmithこの"Done With Mirrors"は、1985年にリリースされたオリジナルメンバーによるエアロスミスの復活第一弾アルバム。

ただ、正直言って、私自身は、当時、このアルバムを聴いて、復活劇は失敗に終わったなと落胆すると同時に、恐らくは、これ一枚で終わってしまうんだろうなと悲観的な見方をしていた。まぁ、活動を続けるにしても、かなり厳しい状況になるのではないかと・・・。

が、しかし、ご存知のように、軌道修正を図った次作の復活第二弾アルバム"Permanent Vacation"が起死回生の大ヒットを記録したことにより、自分の予想は見事にハズレたわけだが、それどころか、それ以降は、大ヒット・アルバムの"Permanent Vacation"さえもが序章に見えるほどの大ヒット作を次々と連発し、全盛期と言われる'70年代を凌駕するほどの活躍を見せることになったのだから、世の中分からないものだね。

"Done With Mirrors"について話を戻すと、未だゴールド止まりということからも分かるように、セールス的にも今ひとつだったように思う。又、そのことは、"Done With Mirrors"がリリースされた翌年の1986年に古巣のコロムビア・レコードから過去のライヴ音源を寄せ集めてリリースされた"Classics Live!"が現在では100万枚のセールスに達し、プラチナムに認定されていることからも分かることではないかと。

Album Cover (back): Done With Mirrors / Aerosmith  CD Case (back cover): Done With Mirrors / Aerosmith  Booklet: Done With Mirrors / Aerosmith

ビルボード・チャートでは36位と、まずまずの結果であったようにも見えるが、ジョー・ペリーとブラッド・ウィットフォードの二人のギタリストが抜けたエアロスミス史上唯一のオリジナルメンバー以外の作品であり、最も影の薄いアルバムと位置付けられることも多い1982年リリースの前作"Rock in a Hard Place"の32位にも及ばなかったことを考えると、やはり、低調に終わったといった印象は拭えないところ。

それでも、"Done With Mirrors"が思ったようなヒットにはならなかったとはいえ、古巣のレーベルからメンバーの関与のないままリリースされた"Classics Live!"が好調なセールスを記録したことから、メンバー及びゲフィン・レコードにとっては結構刺激になったのではないかとは思うところ。又、結果として、その"Classics Live!"により、確実に潜在的需要があることも示されたかたちになったことから、まだまだイケると確信したのではないかと個人的には思っている。

でも、ゲフィン・レコードへの移籍第一弾ともなったこの"Done With Mirrors"について言えば、 アルバムを通して聴いてみても分かるように、レーベル側も必ずしもヒットを期待していたとは思えないのだ。あくまでも推測ではあるが、移籍第一弾ということで、関係性を優先し、あまり口出しせず、バンド側の好きなようにやらせたのではないかと。

とは言っても、やはり、このアルバムは全体的に曲の出来がいまひとつといった印象があるのが正直なところ。確かにエアロスミスらしさはあるものの、華がなく、地味なのだ。アルバムの中で最も目を引く曲が、エアロスミス脱退後のジョー・ペリーの作品"Let the Music Do Talking"(1980年にリリースされたジョー・ペリー・プロジェクトのアルバム"Let the Music Do Talking"のタイトル・トラック)のリメイクというのもどうなだかといったところ。個人的には、この"Done With Mirrors"よりも、世間では評価されることも少ない"Rock in a Hard Place"の方が好きだったりもする。

と、ネガティヴな批評ばかりになってしまったが、それでも、私自身は2曲目の"My Fist Your Face"は割と好きだ。又、その他にも、"Let The Music Do The Talking"の間奏部分には"Draw The Line"のリフが組み込まれていたり、"Shame On You"の歌詞の中には"Joe Perry"、そして、"The Hop"の歌詞の中には"Aerosmith"の名前が出てくるなどファンを楽しませてくれる演出があったりしてニヤリとさせられるところもある。

しかしながら、失敗とは言わないまでも不発に終わった再結成第一弾。この状況からよくぞ立て直したものだとは思う。

なお、ソングライター表記は、ジョー・ペリーのソロ・プロジェクトでの作品"Let The Music Do The Talking"のリメイクを含めて、全ての曲が"Aerosmith"となっている。まぁ、その"Let The Music Do The Talking"もサビ以外の歌メロはオリジナルとはかなり変えられているからね。

 

Album Cover (front): Done With Mirrors / Aerosmithで、左側のジャケット写真は、記事上部にあるジャケット写真の上下を逆さまにしたもの。

でも、実は、こちらが正しい向きなのだ。ここで紹介している手持ちの日本盤初回プレスCDだと、ブックレットの上下を逆にして、見開きの側からプラケースに差し込めば正常な状態になるのだが、最初はどのような向きでブックレットが差し込んであったのかは今では覚えていない。ただし、この向きにすると裏側とブックレット内部の文字が上下逆になることから、恐らくは製版ミスだったのではないかと。

とは言っても、そのことに当時は全然気付いてなくて、実を言うと、この画像を取り込んだ3年ほど前に気付いたのだった。

ちなみに、アルバムのアートワークは、数々のアルバムのジャケットを出掛けているノーマン・ムーア (Norman Moore) によるもの。

▼ ノーマン・ムーアが手掛けたアルバム・ジャケットはこちら。

Norman Moore Album Cover Designs
http://www.designartla.com/vault/index.htm

 

▼ ゲフィンとソニーのロゴ及び、メーカーのクレジットも反転で表記されている。

Album Cover (back): Done With Mirrors / Aerosmith

 

CD Case (inside): Done With Mirrors / AerosmithTRACKLIST
1. Let The Music Do The Talking / 2. My Fist, Your Face / 3. Shame On You / 4. The Reason A Dog / 5. Shela / 6. Gypsy Boots / 7. She's On Fire / 8. The Hop / 9. Darkness

1. 熱く語れ / 2. マイ・フィスト、ユア・フェイス / 3. シェイム・オン・ユー / 4. リーズン・ア・ドッグ / 5. シーラ / 6. ジプシー・ブーツ / 7. シーズ・オン・ファイア / 8. ザ・ホップ / 9. ダークネス

NOTES
• All Songs Performed, Written and Published by Aerosmith

• 日本盤初回プレスCD [Japanese First Pressing CD]
• 解説・歌詞・対訳付

• Album: US 36位 (Gold / 1993-RIAA)

AEROSMITH - BAND MEMBERS (Listed in Booklet)
• Steven Tyler (スティーヴン・タイラー) - Lead Vocals, Piano and Harmonica
• Joe Perry (ジョー・ペリー) - Guitars and Background Vocals
• Brad Whitford (ブラッド・ウィットフォード) - Guitars
• Tom Hamilton (トム・ハミルトン) - Bass
• Joey Kramer (ジョーイ・クレイマー) - Drums

 

▼ Aerosmith -  Let The Music Do The Talking

 

▼ Aerosmith -  My Fist Your Face

 

 

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2018/01/11

HI INFIDELITY - 30TH ANNIVERSARY EDITION 「禁じられた夜 - 30周年記念エディション」 / REO SPEEDWAGON (1980 / 2011)

CDの帯:禁じられた夜 - 30周年記念エディション / REO スピードワゴン CD Case (front): Hi Infidelity (30th Anniversary Edition) / REO Speedwagonこちらは、"REO Speedwagon"の代表作「Hi Infidelity / 禁じられた夜」の30周年記念エディションで、最新のリマスターによる本編の"Hi Infidelity"に加え、新たに発掘されたという"Hi Infidelity"収録曲のデモ・ヴァージョンが収録されたディスクを含めた2枚組仕様となっている。

デモ音源は"Out Of Season"を除く9曲が収録されており、ファンにとっては、それぞれの曲の原型がどんなものだったのかを知ることにより、それらの曲がどのように昇華されていったのかを確認できるというのも楽しみのひとつ。

本編の"Hi Infidelity"については、手持ちのレコード盤を既に記事にしているので、ここでは割愛するが、この30周年記念エディションで興味深いのは、デモ音源に加え、ケヴィン・クローニンとゲイリー・リッチラスによるセルフ・ライナーノーツ(対訳付き)が付いていいることで、特に、今は亡きゲイリー・リッチラスによるアルバム及び彼の作品である"Take It On The Run"に対するコメントは今となっては貴重。

又、当時は、"Hi Infidelity"が6週間チャートのトップに立った後は、"Styx"の"Paradise Theatre"が2週にわたりトップの座を奪うも、再び"Hi Infidelity"がトップに返り咲くといったように、チャート上で熾烈な争いを繰り広げていたこともあってか、アルバムのバック・カヴァーには「僕ら以上に"Hi Infidelity"のチャート・ポジションを気にしていた人はいないだろうね」といった"Styx"のトミー・ショウのコメントも記載されている。

 

CD Case (back): Hi Infidelity (30th Anniversary Edition) / REO Speedwagon  CD Case (inside): Hi Infidelity (30th Anniversary Edition) / REO Speedwagon

 

▼ 英文ブックレット(表・裏)と、日本語ブックレット

Booklet (front): Hi Infidelity (30th Anniversary Edition) / REO Speedwagon  Booklet (back): Hi Infidelity (30th Anniversary Edition) / REO Speedwagon  Japanese Booklet: Hi Infidelity (30th Anniversary Edition) / REO Speedwagon

 

REO SPEEDWAGON - BAND MEMBERS
• Kevin Cronin (ケヴィン・クローニン) - Lead Vocals, Rhythm Guitar, Acoustic Guitar, Keyboards
• Gary Richrath (ゲイリー・リッチラス) - Lead Guitar, 12 String Guitar, Vocals
• Bruce Hall (ブルース・ホール) - Bass, Guitar, Vocals (Lead Vocals on "Someone Tonight")
• Neal Doughty (ニール・ドーティ) - Keyboards, Synthesiser
• Alan Gratzer (アラン・グラッツァー) - Drums, Percussion, Vocals

 

CDの帯:禁じられた夜 - 30周年記念エディション / REO スピードワゴン

 

TRACKLIST (30th Anniversary Editio)

Disc 1: Hi Infidelity (2011 Digital Remaster)
1. Don't Let Him Go / 2. Keep on Loving You / 3. Follow My Heart / 4. In Your Letter / 5. Take It On The Run / 6. Tough Guys / 7. Out Of Season / 8. Shakin' It Loose / 9. Someone Tonight / 10. I Wish You Were There

1. ドント・レット・ヒム・ゴー / 2. キープ・オン・ラヴィング・ユー / 3. フォロウ・マイ・ハート / 4. 涙のレター / 5. テイク・イット・オン・ザ・ラン / 6. タフ・ガイズ / 7. アウト・オブ・シーズン / 8. シェイキン・イット・ルース / 9. サムワン・トゥナイト / 10. アイ・ウィッシュ・ユー・ワー・ゼア

Disc 2: The Crystal Demos (Previously Unreleased)
1. Someone Tonight / 2. Tough Guys / 3. In Your Letter / 4. Follow My Heart / 5. Take It On The Run / 6. Don't Let Him Go / 7. Keep On Loving You / 8. Shakin' It Loose (Instrumental) / 9. I Wish You Were There

1. サムワン・トゥナイト / 2. タフ・ガイズ / 3. 涙のレター / 4. フォロウ・マイ・ハート / 5. テイク・イット・オン・ザ・ラン / 6. ドント・レット・ヒム・ゴー / 7. キープ・オン・ラヴィング・ユー / 8. シェイキン・イット・ルース(インストゥルメンタル) / 9. アイ・ウィッシュ・ユー・ワー・ゼア

 

NOTES

■ Hi Infidelity - 30th Anniversary Edition / 禁じられた夜 - 30周年記念エディション
• 発売日:2011年10月5日(アメリカ盤の発売日は2011年7月19日)
• 未発表スタジオ・デモ音源付き2枚組CD
• 2011年デジタル・リマスター
• 解説・歌詞・対訳付
• ケヴィン・クローニンとゲイリー・リッチラスによるセルフ・ライナーノーツ付き(対訳付)
• 完全生産限定盤

■ Hi Infidelity (1980)• Album: US 1位(15週間) (10x Platinum [Dianond Award] / 2017-RIAA) / UK 6位 (Silver)
• Singles:
"Keep On Loving You" - US 1位 (Platinum) / UK 7位
"Take It On The Run" - US 5位 (Gold) / UK 19位
"Don't Let Him Go" - US 24位
"In Your Letter" - US 20位

 

▼ REO Speedwagon - Keep On Keep On Loving You

 

▼ REO Speedwagon - Take It On the Run

 

 

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  Top 100 - My iTunes Play Count (2017 Year End)
  1. Atomic / Blondie
  2. Love is a Gift / Olivia Newton-John
  3. Sad Songs / Olivia Newton-John
  4. Rapture / Blondie
  5. Sunday Girl / Blondie
  6. Everything Love Is [with Jimmy Barnes] / Olivia Newton-John
  7. Hold On / Santana
  8. Back To Chicago / Styx
  9. Maria / Blondie
  10. Shooting Star / Kaori Kobayashi
  11. Thinking Of You / Naoko Terai
  12. Pure Moment / Naoko Terai
  13. Gothica - Fleurs Du Mal / Sarah Brightman
  14. Symphony / Sarah Brightman
  15. Love At First Sight / Styx
  16. Turn to Stone / E.L.O.
  17. Strange Weather [Live] / Glenn Frey
  18. Appassionata / Naoko Terai
  19. All For You / Naoko Terai
  20. If Love is Real / Olivia Newton-John
  21. Dancin' Round and Round / Olivia Newton-John
  22. Find a Little Faith [with Cliff Richard] / Olivia Newton-John
  23. Show Me The Way / Styx
  24. Carrie Ann / Styx
  25. It's Over / E.L.O.
  26. Sweet Talkin' Woman / E.L.O.
  27. Steppin' Out / E.L.O.
  28. Standin' in the Rain / E.L.O.
  29. Big Wheels / E.L.O.
  30. Summer and Lightning / E.L.O.
  31. Mr. Blue Sky / E.L.O.
  32. Flying In The Wind / Naoko Terai
  33. HIt And Away / Naoko Terai
  34. The Promise (The Dolphin Song) / Olivia Newton-John
  35. Right Here with You [with Delta Goodrem] / Olivia Newton-John
  36. Isn't it Amazing [with Sun] / Olivia Newton-John
  37. Canto Della Terra [Duet with Andrea Bocelli] / Sarah Brightman
  38. Sarai Qui [Duet with Alessandro Safina] / Sarah Brightman
  39. Pasión [Duet with Fernando Lima] / Sarah Brightman
  40. Bitch's Brew / Aerosmith
  41. Cry Me A River / Aerosmith
  42. Magic Touch / Aerosmith
  43. A Man I'll Never Be / Boston
  44. Above the Clouds / E.L.O.
  45. Shangri-La / E.L.O.
  46. Believe Me Now / E.L.O.
  47. Sweet Is the Night / E.L.O.
  48. Rock And Roll Dreams Come Through / Jim Steinman
  49. Nothing's Gonna Change My Love for You [Live at STB139] / Kaori Kobayashi
  50. Energy [Live at STB139] / Kaori Kobayashi
  1. Crescent Moon / Naoko Terai
  2. Estrellita / Naoko Terai
  3. Face to Face (Duet with Barry Gibb) / Olivia Newton-John
  4. Something Better To Do / Olivia Newton-John
  5. Courageous (with Melinda Schneider) / Olivia Newton-John
  6. Boats Against the Current / Olivia Newton-John
  7. Never Enough / Olivia Newton-John
  8. Please Don't Keep Me Waiting / Olivia Newton-John
  9. Can't Let You Go / Rainbow
  10. Street Of Dreams / Rainbow
  11. In My Dreams / REO Speedwagon
  12. Can't Fight This Feeling / REO Speedwagon
  13. Bella / Santana
  14. Kings And Queens / Aerosmith
  15. Sight For Sore Eyes / Aerosmith
  16. Go / Asia
  17. Wishing / Asia
  18. In The Flesh / Blondie
  19. Livin' for You / Boston
  20. Wild West Hero / E.L.O.
  21. The Quick and the Draft / E.L.O.
  22. Latitude 88 North / E.L.O.
  23. Stark Raving Love / Jim Steinman
  24. Starry Heavens / Kaori Kobayashi
  25. Looking Forward / Kaori Kobayashi
  26. Blue Bolero / Naoko Terai
  27. Manha De Carnaval / Naoko Terai
  28. Take a Chance (Duet with John Travolta) / Olivia Newton-John
  29. Compassionate Man / Olivia Newton-John
  30. Talk to Me / Olivia Newton-John
  31. Suspended in Time / Olivia Newton-John
  32. Teo Torriatte (Let Us Cling Together) [HD Mix] / Queen
  33. Difficult To Cure (Beethoven's 9th) / Rainbow
  34. Homewrecker / Styx
  35. Draw The Line / Aerosmith
  36. Rag Doll / Aerosmith
  37. Hold On / Air Supply
  38. Eye In The Sky / The Alan Parsons Project
  39. Days Are Numbers (The Traveller) / The Alan Parsons Project
  40. Don't Answer Me / The Alan Parsons Project
  41. Old And Wise [Single Version] / The Alan Parsons Project
  42. Sooner or Later / The Alan Parsons Project
  43. Ammonia Avenue / The Alan Parsons Project
  44. Mammagamma / The Alan Parsons Project
  45. The Turn Of A Friendly Card (Part 1) / The Alan Parsons Project
  46. Too Late / The Alan Parsons Project
  47. Limelight / The Alan Parsons Project
  48. Open Your Eyes / Asia
  49. Something That You Said / The Bangles
  50. Ask Me No Questions / The Bangles