2012/02/25

KISS - THE MEDLEY ~ A DANCE ORGASM / ROCK'N RHYTHM (1998)

CDの帯:キッス・ザ・メドレー~ア・ダンス・オルガズム / ロックン・リズムAlbum Cover: KISS - The Medley ~ A Dance Orgasm / Rock'N Rhythmダンスミュージックにアレンジされたキッスの楽曲がノンストップで繰り広げられるというこのアルバム、とは言っても、選曲がけっこうマニアックで面白いんだよね。実際に購入したきっかけもその収録曲に惹かれてのことだった。

何せ、"Then She Kissed Me"までもが収録されていることから、それだけを見てもマニアック度が分かりそうなものだが、他にもポールのソロアルバムに収録されている"Tonight You Belong To Me"が取り上げられていることや、セカンド・アルバム"Hotter Than Hell"から最多の5曲が選曲されているという点からもそのマニアック度は計り知れるところでもある。ちなみに、このアルバムはキッス側の承諾を得て一部にオリジナル音源がサンプリングで使用されている。

ということで、制作発案者であり、プロデュースと演奏者にクレジットされている"Dr.Pico esquire"なる人物の好みが色濃く反映されているとも言えるこのアルバムだが、言い方を変えれば、それだけ彼がキッスのファンであるという証なのかもしれない。

ただ、ダンスミュージックとはいっても、基本的にはギターサウンドがメインで、所々加えれているシンセの使い方もやや古臭い印象があり、ダンスミュージックと呼ぶにはやや中途半端なサウンドといった印象。

なお、シークレット・トラックとして"I Was Made For Lovin' You [House Mix Version]"がアルバムの最後に収録されている。

 

CD: KISS - The Medley ~ A Dance Orgasm / Rock'N RhythmTRACKLIST
1. Shout It Out Loud / 2. Lick It Up / 3. Heaven's On Fire / 4. Shock Me / 5. Love Gun / 6. Christine Sixteen / 7. God Of Thunder / 8. Strutter / 9. Coming Home / 10. Rock Bottom / 11. Love Her All I Can / 12. Then She Kissed Me / 13. Let Me Go Rock 'N Roll / 14. Parasite / 15. Deuce / 16. Black Diamond / 17. New York Groove / 18. She / 19. Watchin' You / 20. Got To Choose / 21. Nothin' To Lose / 22. Tomorrow / 23. ,2000 Man / 24. Tonight You Belong To Me / 25. I Was Made For Lovin' You / 26. Rock And Roll All Nite
• 27. (Secret Track) I Was Made For Lovin' You [House Mix Version]

• 解説付 / 歌詞・対訳無し

2012/02/19

SPACEWALK - A TRIBUTE TO ACE FREHLEY / VARIOUS ARTISTS (1996)

CDの帯:スペースウォーク / Various ArtistsAlbum Cover: Spacewalk - A Tribute To Ace Frehley / Various Artistsこちらはキッスのオリジナルギタリストであるエース・フレーリーへ捧げられたトリビュートアルバム。トリビュート・アルバムでありながらもエース自らも参加し、新曲を披露している点が面白いところであり、そういった意味ではエース公認のトリビュート・アルバムとも言えるのではないかと思う。

又、この手の企画アルバムにしてはアートワークも凝っており、参加メンバーもロックファンにとってはお馴染みのメンツが揃っているという点では比較的力の入ったアルバムといった印象。

エースのトリビュートアルバムなのに、ジーン作の"Deuce"と、ポール作の"Hard Luck Woman"が収録されているのは多少疑問に思うところではあるが、その他はエース関連の作品で占められているので、そういった点ではキッス関連の企画アルバムとは趣の異なったマニアックな雰囲気がある。個人的にはエース初のシングル曲となった"Rocket Ride"でスタートしてくれていたら嬉しかったんだけど、アルバムにこの曲は収録されておらず、その点だけがちょっと残念かな。

 

CD: Spacewalk - A Tribute To Ace Frehley / Various Artists収録曲はどの曲も比較的オリジナルに沿ったカヴァーなので、聴いていて安心感はあるのだが、反面、やや面白みには欠けるといった印象も無きにしも非ずといったところ。聴き所は、やはりエースの"Take Me To The City"。エースらしいフレーズ満載のこの曲、けっこう好きで、個人的にはキッス時代の"Rocket Ride"と"Talk to Me"に肩を並べる出来だと思う。何せ、キッスのリユニオン・アルバム"Psycho Circus"がリリースされると知ったときも、この曲が再録音で収録されてないかと密かに期待してたほどだったからね。

なお、日本盤には、"Sebastian Bach (Skid Row)"による"Save Your Love"がボーナス・トラックとして収録されている。

 

TRACKLIST (Japan Edition)
01. Deuce [Marty Friedman (Megadeth)]
02. Shock Me [Gilby Clarke (Guns 'N Roses)]
03. Rip It Out [Scott Ian (Anthrax)]
04. Hard Luck Woman [Ron Young & Jeff Watson (Night Ranger)]
05. Snowblind [Snake Sabo (Skid Row)]
06. Rock Bottom [Sebastian Bach (Skid Row)]
07. Parasite [Tracii Guns (L.A.Guns)]
08. Cold Gin [John Norum (Europe)]
09. New York Groove [Bruce Bouillet (Racer X)]
10. Fractured Mirror [Dimebag Darrell (Pantera)]
11. Take Me To The City [Ace Frehley]
12. Save Your Love [Sebastian Bach (Skid Row)]

• Tracks 12: Bonus Track on Japanese Version Only.
• 解説・歌詞・対訳付

 


 

[おまけ]

以下の動画はアルバムとは無関係だが、このトリビュート・アルバムにも参加しているギルビー・クラーク(元ガンズ・アンド・ローゼズ)とスコット・イアン(アンスラックス)の2人を含む一夜限りのスーパーグループによるキッス・トリビュート・ライヴ。

メンバーはヴォーカルにロブ・ゾンビ、ギターがスラッシュとギルビー・クラークの元ガンズ・アンド・ローゼズの2人、ベースはジーン・シモンズ愛用の斧型ベースで演奏するアンスラックスのスコット・イアン(本来はギタリスト)、ドラムがトミー・リー(モトリー・クルー)、そしてサプライズゲストとしてエース・フレーリーも参加という豪華な顔ぶれ。

 

▼ God of Thunder - VH1 Rock Honors 2006

 

 

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Kiss My Ass - Classic Kiss Regrooved 「KISS トリビュート」 (1994) / Various Artists

2012/02/15

BOHEMIAN SYMPHONY (1992) / ORCHESTRA ON THE ROCK QUEEN (1993)

CDの帯:ボヘミアン・シンフォニー / ボヘミアン・シンフォニック・プロジェクトAlbum Cover: Bohemian Symphony / Bohemian Symphonic Projectフレディが亡くなった翌年にリリースされたこの「Bohemian Symphony / ボヘミアン・シンフォニー」は、日本で企画されたフレディ・マーキュリーへのトリビュート・アルバムで、タイトルからも分かるように、収録されているのは、どれもがシンフォニックなアレンジがされたクイーンのインストゥルメンタル・カヴァー。

この種のアルバムを買っていつも思うのは、シンフォニーとは言っても、ドラムやエレキギターが使用されていることが意外と多く、その所為で、インストゥルメンタル曲が中途半端なカラオケのように感じてしまうということで、このアルバムもその点がちょっと残念ではある。

1曲目の"Radio Ga Ga"と、2曲目の"Bicycle Race"はドラムもエレキも使用されておらず、けっこう大胆にクラシック風にアレンジされていて好感が持てるのだが、3曲目以降はドラムとエレキが頻繁に登場する。でも、まぁ、この点については、好みの部分もあるので、あくまでも、自分の好みではという範囲での話ではある。

"Love of My Life"と"You're My Best Friend"は、アレンジも良くて、けっこう良い感じなのだが、ギターソロのパートでは、残念ながらエレキが登場してしまうのだ。又、"We Are the Champions"も同様に良いアレンジだと思うのだが、サビ部分の歌メロに多少のっぺり感がある。ドラムとエレキが使用されていない点では良いと思うんだけどね。

その他にも"Bohemian Rhapsody"、"Save Me"など、部分的におっ!っと思う部分はあるのだが、"Bohemian Rhapsody"はドラムとエレキが使われていないところは評価できるものの、オペラパートがちょっと安っぽいかなといった印象。ロックパートの部分は割と好きなんだけどね。そして、曲の出だしではいい感じがした"Save Me"も、ドラムのリズムが聴こえてくると、やはり安っぽいカラオケのような印象になってしまう。これもギターソロのパートはエレキだし。

アレンジも悪くはないし、もっと徹底的にシンフォニックにやってくれていたら、印象も大分違っていたと思うので、そこがちょっと残念ではあるが、この手のアルバムの中では比較的良くできた部類に入るものではないかと思う。

 

TRACKLIST
1. Radio Ga Ga / 2. Bicycle Race / 3. Love Of My Life / 4. You Take My Breath Away / 5. You're My Best Friend / 6. Play The Game / 7. Killer Queen / 8. Somebody to Love / 9. We Are The Champions / 10. Bohemian Rhapsody / 11. Save Me

NOTES
• レーベル:日本クラウン
• 品番:CRCR-6035
• 発売日:1992/03/21

 


 

CDの帯:オーケストラ・オン・ザ・ロック - クイーン編 / ロンドン・シンフォニー・オーケストラ & ロンドン・ポップ・クワイアーAlbum Cover: Orchestra On The Rock Queen / London Symphony Orchestra & London Pop Choirそして、再び手を出したクイーンのオーケストラものがこの「オーケストラ・オン・ザ・ロック - クイーン編」。ただ、残念ながら、こちらもドラムとエレキギターが"Love Of My Life"を除く全曲で使用されている。やっぱり、この種のアルバムだとシンフォニックなサウンドに期待して買うわけだから、どうしてもドラムやエレキの音が邪魔に感じてしまうんだよね。

収録曲を見たら"Crazy Little Thing Called Love"や"I Want To Break Free"が含まれていたので、多少嫌な予感はあったのだが・・・。更には上記のアルバム"Bohemian Symphony"には入ってなかったコーラスも加えられているので、オーケストラというよりも、イージーリスニングといった印象。こちらも、先の"Bohemian Symphony"と同じく、あくまでも個人的な嗜好になるのだが、クイーンの楽曲がカヴァーされる場合、コーラス・ハーモニーが入っていると、どうしても慣れ親しんだクイーンのコーラス・ハーモニーと比較してしまう所為で、イメージの違いに落胆してしまうのだ。

それでも、ここに収録されている"Love of My Life"は、これまでに聴いたこの手の音楽の中では一番のお気に入りと言ってもいいほど好きなんだよね。と言うのも、編曲とアレンジがとても良くて、オリジナルが持つ優雅な雰囲気が損なわれることなく、見事に表現されているのだ。

その他では、ドラムとエレキギターが使われているものの"We Are The Champions"と"Killer Queen"は今も時折聴いたりしているし、それほど悪い印象はない。ただ、この2曲と"Love of My Life"以外はほとんど聴くことはないんだよなぁ・・・。

で、この「オーケストラ・オン・ザ・ロック」と題されたこのアルバム、ロック・ミュージックの「ロック」とウィスキーの「ロック」をかけてネーミングされた企画盤のようだが、ブックレットの裏にはウィスキーメーカーの広告も掲載されていることから、タイアップ商品でもあったようだ。かといってCDの値段が特別安くなっているわけでもなかったのだが。

 

TRACKLIST
1. Somebody To Love / 2. Crazy Little Thing Called Love / 3. We Are The Champions / 4. Who Wants To Live Forever / 5. I Want To Break Free / 6. Radio Ga Ga / 7. Bohemian Rhapsody / 8. Love Of My Life / 9. Friends Will Be Friends / 10. Save Me / 11. Killer Queen / 12. Under Pressure / 13. The Show Must Go On / 14. God Save The Queen

NOTES
• Conductor: Don Jackson

• レーベル:ユニバーサルミュージック
• 品番:PHCP-1425
• 発売日:1994/11/02

 

 

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2012/02/10

QUEEN DANCE TRAXX I 「クイーン・ダンス・トラックス I」 / VARIOUS ARTISTS (1996)

CDの帯:クイーン・ダンス・トラックス I / Various ArtistsAlbum Cover: Queen Dance Traxx I / Various Artistsこの「Queen Dance Traxx I / クイーン・ダンス・トラックス I」は、タイトルからも分かるように、アルバムに収録されているのは全てダンスチューンにアレンジされたクイーンのカヴァー曲で、参加しているミュージシャンはヨーロッパを中心に活動するダンス系ミュージックのユニットやプロデューサー、DJ等といったところ。

ただ、自分自身は、この手の音楽には疎く、唯一スキャットマン・ジョン('99年死去)だけは名前を知っているといった程度で、その他は参加ミュージシャンのクレジットを見てもどういった人達なのかはよく分からないのだが、このジャンルの音楽に精通している人にとっては、もしかしたらお馴染みの存在なのかもしれない。

まぁ、腐っても鯛というわけではないが、オリジナルは全て大好きなクイーンの楽曲なので、それなりに楽しめればいいかなと、さほど期待もせずに買ったものだが、実は意外な驚きがあった。

それは、いくつかの楽曲ではクイーンのオリジナル音源が大胆に使われているということで、もしかしたらアルバム制作にあたってはクイーン・サイドの協力があったのかもしれない。

 

CD: QueenDance Traxx I / Various Artistsということで、クイーンの音源が使用されている楽曲をピックアップしてみると(もしかしたらこれ以外にもあるのかもしれないが、自分が気付いた部分ということで)。

まずは、けっこう気に入っている"Bicycle Race"から。この曲は"Bicycle Bicycle Bicycle"と繰り返す印象的なコーラスを含め、バッキングヴォーカルは全てクイーンのオリジナル音源が使われているようで、女性ヴォーカリストとの掛け合いがオリジナルの持つ奇天烈感をより強調した雰囲気で面白いんだよね。クイーン・ファンとしては、コーラスとバッキングヴォーカルでお馴染みの声が聞こえてくるおかげで、違和感無く楽しめる感じ。

続いては"Flash's Theme"。この曲はオリジナルに比べてヴォーカル部分は少なくなっているのだが、使われているヴォーカルとコーラス・ハーモニーの部分は全てクイーンのオリジナル音源のようだ。

そして、"Radio Ga Ga"。この曲はオリジナル・ヴァージョンのイントロと間奏の部分に短いラップを加えただけと言ってもいいくらいなのだが、この曲ではまるまるフレディのヴォーカルが使われている。なお、加えられたラップの部分の歌詞は、この曲とクイーンについて書かれたものとなっている。

更に続いては"We Will Rock You"。これも"We will We will rock you"のバッキングヴォーカル部分はクイーンのオリジナル音源だと思うのだが、更にはドン・ドン・チャッの演奏部分も恐らくはオリジナルの音源が使われているのではないかと思う。

その他にも、"I Want To Break Free"では"God knows"の歌詞部分でフレディの声が聴けるし、間奏部分も恐らくはオリジナルの音源が使われていると思う。又、ほぼインストゥメンタルと言ってもいい"Bohemian Rhapsody"は、"Is this the real life"の部分だけが唯一のヴォーカルパートになっているのだが、この部分もフレディの声がサンプリングで使われている。この"Bohemian Rhapsody"については、こんな曲を選んで大丈夫なのかと危惧するところもあったのだが、"Bohemian Rhapsody"と分かるのは曲の前半部分とフレディの声が聴ける"Is this the real life"のところだけで、大半のパートは全く別の曲といった印象。ちなみに、オリジナルのような組曲にはなっていない。

と、所々でオリジナル音源が使われていることもあり、思ったよりも楽しめるアルバムだった。個人的には、やはり"Bicycle Race"が一番面白いと感じたが、クイーンのオリジナル音源が使われていない"Another One Bites the Dust"や"I Want it All"もけっこう気に入っている。ただ、ラストのオールキャストで歌われる"We Are The Champions"はちょっとベタすぎて面白みがないかな。単なるカヴァーといった感じ。

シンセサイザーを使用するようになってからのクイーンは、ダンサブルな要素を含む楽曲も割と多く制作していたこともあってか、収録曲は後期のアルバムからの選曲が多くなっている。ただ、どの曲もオリジナル以上にダンスビートに仕上げられてはいるものの、比較的オリジナルのメロディーラインは崩さないアレンジがされている印象。

そして、この「Queen Dance Traxx I」は見てのとおり、タイトルの最後にはローマ数字で「I」と付けられている。恐らくは続編も企画されていたと思われるのだが、残念ながら続編がリリースされることは無かったようだ。

 

TRACKLIST
1. Another One Bites The Dust (Captain Jack) / 2. The Invisible Man (Scatman John) / 3. A Kind Of Magic (Mr. President) / 4. I Want It All (Ex-It) / 5. Under Pressure (Culture Beat) / 6. I Was Born To Love You (Worlds Apart) / 7. I Want To Break Free (Masterboy) / 8. Bicycle Race (Blossom) / 9. Bohemian Rhapsody (Magic Affair) / 10. Who Wants To Live Forever (E-Rotic) / 11. Flash's Theme (U96) / 12. Radio Ga Ga (DJ Bobo) / 13. Scandal (Voice) / 14. We Will Rock You (Interactive) / 15. Friends Will Be Friends (Music Instructor) / 16. We Are The Champions (Acts United)

1. 地獄へ道づれ(キャプテン・ジャック) / 2. インヴィジブル・マン(スキャットマン・ジョン) / 3. カインド・オブ・マジック(ミスター・プレジデント) / 4. アイ・ウォント・イット・オール(EX-IT) / 5. アンダー・プレッシャー(カルチャー・ビート) / 6. アイ・ワズ・ボーン・トゥ・ラヴ・ユー(ワールズ・アパート) / 7. ブレイク・フリー(マスターボーイ) / 8. バイシクル・レース(ブロッサム) / 9. ボヘミアン・ラプソディ(マジック・アフェアー) / 10. リヴ・フォーエヴァー(E-ROTIC) / 11. フラッシュのテーマ(U96) / 12. Radio Ga Ga(DJ BOBO) / 13. スキャンダル(ヴォイス) / 14. ウィ・ウィル・ロック・ユー(インタラクティヴ) / 15. フレンズ・ウィル・ビー・フレンズ(ミュージック・インストラクター) / 16. 伝説のチャンピオン(アクツ・ユナイテッド)

• 解説・歌詞・対訳付

 

▼ Blossom - Bicycle race

 

▼ Ex-It - I Want It All

 

▼ Captain Jack - Another One Bites The Dust

2012/02/07

GENTLEMEN TAKE POLAROIDS 「孤独な影」 / JAPAN (1980)

CDの帯:孤独な影/Japan

Album Cover (back): Gentlemen Take Polaroids / Japan

今でこそ、このアルバムならではのサウンドに魅了されている部分があるものの、実のところ、当時は、あまりにもダークな印象があるこのアルバム「Gentlemen Take Polaroids / 孤独な影」をそれほど気に入ってなかったんだよね。

LPレコードで言うところのA面1曲目のタイトルトラック"Gentlemen Take Polaroids"と、B面1曲目の"Methods Of Dance"の2曲は比較的とっつき易いこともあり、そこそこ気に入って聴いていた記憶はあるのだが、何せジャケット写真のイメージも相まって、アルバム全体が重苦しく憂鬱な雰囲気があり、少年だった当時はその点がどうも苦手だった。

ただ、それは、自分がまだ幼く、彼らの音楽性を十分理解することができなかったということでもあるのだが、振り返ってみると、音楽は楽しいものだけじゃないということを初めて知ったのがこのアルバムだったようにも思う。

サウンドも然ることながら、英文は勿論のこと、日本語訳された歌詞を見ても、何のことを歌っているのか、当時はさっぱり分からなかったのだが、改めて読み返してみると、何となく全体を通して表現されているメッセージのようなものが感じられる気もする。

更には、今にして思えば、もしかしたら、このひたすら暗く重苦しいサウンドも、アーティスティックな要素が感じられない商業音楽に満ち溢れた昨今でこそ、その魅力が際立つのかもしれない。どんよりとした鉛色の空にも美を見つけることができるのだ。

Album Cover (back): Gentlemen Take Polaroids / Japan

オリジナルのLPレコード盤には、A面4曲、B面4曲の計8曲が収録されていたが、自分が購入したこの再発版CDには、当時のシングル・レコード盤のB面にのみ収録されていた"The Experience Of Swimming"と"The Width Of A Room"の2曲が追加されている。

ただ、通常と違い、この2曲はボーナストラックとしてアルバムの最後に収録されているのではなく、4曲目と8曲目に(LPレコード盤で例えると、A面、B面の3曲目と4曲目の間にそれぞれ挟みこむ形で)収録されている。

まぁ、普通はこんなことをされると、制作者が意図するアルバムの流れが台無しじゃないかと思ってしまったりもするのだが、これが意外と違和感無く収まっており、アルバムの最後に取って付けたように収録されるよりも、かえって全体の流れとしては良かったと思えるほど。

というのも、この2曲が時期的に隔たりのある楽曲ではなく、しかも、インストゥルメンタル曲ということもあってか、アルバムの雰囲気を壊さず、いいフックになっているのだ。まぁ、この辺りはアルバムに対する個人的な思いや好みといったものがあるのかもしれないが。

ちなみに、7曲目(オリジナルの曲順では6曲目)の「Ain't That Peculiar / エイント・ザット・ペキュリアー」はアメリカのソウル・ミュージシャンであるマーヴィン・ゲイのカヴァー曲。

この"Ain't That Peculiar"、マーヴィン・ゲイの曲というだけでも、ジャパンのサウンドからすると何とも異色のカヴァー曲といった感じもするのだが、実のところ、本国のイギリスではファースト・アルバム「Adolescent Sex / 果てしなき反抗」からの最初のシングルとしてもリリースされた「Don't Rain On My Parade / パレードに雨を降らせないで」もアメリカを代表するシンガー(ミュージカル俳優兼歌手)であるバーブラ・ストライサンドのミュージカル・ソングのカヴァーであったことから、この曲を取り上げたことについても特段驚いたということはなかった。

というか、カヴァーとは言え、オリジナルとは全くの別物といった曲調にアレンジされているので、それこそカヴァーと言われなければオリジナル曲と思ってしまうくらいにオリジナル曲との隔たりが無いジャパン・サウンドに仕上げられていることにむしろ驚いてしまう。

ただ、当時はオリジナルがこんな感じの曲だったなんてことは知らなかったことから、初めてマーヴィン・ゲイのオリジナル・ヴァージョンを聴いたときは相当驚いたんだけどね。

▼ Marvin Gaye - Ain't That Peculiar
https://www.youtube.com/watch?v=21PBmwDLqRs

 

TRACKLIST
1. Gentlemen Take Polaroids / 2. Swing / 3. Burning Bridges / 4. The Experience Of Swimming [Bonus Track] / 5. My New Career / 6. Methods Of Dance / 7. Ain't That Peculiar / 8. Nightporter / 9. The Width Of A Room [Bonus Track] / 10. Taking Islands In Africa

1. 孤独な影 / 2. スウィング / 3. バーニング・ブリッジズ / 4. ジ・エクスペリエンス・オブ・スイミング(ボーナス・トラック) / 5. マイ・ニュー・カリアー / 6. メソッズ・オブ・ダンス / 7. エイント・ザット・ペキュリアー / 8. ナイトポーター / 9. ザ・ウィドゥス・オブ・ア・ルーム(ボーナス・トラック) / 10. テイキング・アイランズ・イン・アフリカ

• CD発売日:1996年07月24日(再発盤)
• 解説・歌詞・対訳付

 

▼ JAPAN - Gentlemen Take Polaroids

 

▼ JAPAN - Swing / My New Career

 

▼ JAPAN - Methods Of Dance

 

 

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DVDの帯:ザ・ヴェリー・ベスト・オブ / JapanDVD Cover (front): The Very Best Of / Japanこの「Very Best Of / ザ・ヴェリー・ベスト・オブ」は、7曲のビデオ・クリップと、'82年に行われたハマースミス・オデオン(イギリス)でのライヴ映像12曲が収録された"Japan"のDVD。なお、ライヴ映像の方は 、バンド解散後に"Oil On Canvas"のタイトルでリリースされたライヴ・アルバムと同一音源の映像版だが、数曲はカットされており、曲順も多少異なる。

そもそも、"Japan"の映像自体が貴重で、映像作品がリリースされることも滅多に無かったのだが、まさか、こうして日本盤までリリースされようとは思ってもみなかったんだよね。とは言っても、残念なことに、現在は廃盤になっているようだ。

7曲が収録されたビデオ・クリップに関して言えば、"Japan"のプロモということで、さぞかし凝った作りなんだろうと期待して見てしまうと、肩透かしを食らってしまうほど、どれもが演奏シーンだけの極めてシンプルな作りとなっている。特に、ハンザ・レーベル時代のものは安上がりに作られたといった印象があるのだが、ヴァージン・レーベル移籍後の"Visions Of China"については多少演出が加えられたものとなっている。とは言っても、バンドが存在しない今となっては、シンプルに演奏シーンが多く見れるということで、結果論的に言えばコレはコレで良かったようにも思う。案外、凝ったものって飽き易いからね。

そして、後半に収録されている"Oil On Canvas"のライヴ映像はと言えば、これはもう"Japan"のライヴがどんなものであったのかを知ることができる正に貴重な映像。ライヴと言えども、拍手や歓声は低く抑えられている印象で、淡々と演奏される曲の数々は、やもするとスタジオ盤を聴いているような錯覚に陥るかのようだが、そこもまた"Japan"らしいところでもあり、とってもクール。

又、ステージも派手なライティングやギミック等は無く、極めてシンプルなもので、映像の方もそんなステージの雰囲気に合わせるかのように、全体的に暗く、カラーでありながらも、モノトーンに近い雰囲気がある。画質も意図的に多少荒く編集されているかのような雰囲気。

それにしても、"Japan"が活動していた当時は、2曲が演奏されたNHKの歌番組でしか"Japan"の動く姿を見たことがなかったのが、こうして、当時の映像を繰り返し見ることができるようになったのは嬉しいところ。なにせ、当時はビデオデッキも無い時代だったから、NHKの歌番組に出演したときにはテレビの前で一挙手一投足を見逃すまいと噛り付いて見てたからね。つまりは、脳に録画していたのだ(笑)。

ということで、このDVDには特にこれといった不満もないし、買って良かったと思う。ただ、収録されているのは全て中~後期の曲なので、欲を言えば、"1st"と"2nd"時代の映像も見てみたかったとは思うところ。個人的には、この初期のグラム・ファンク的サウンドもけっこう好きなのだ。できれば、初期の映像が含まれるDVDもいつかリリースして欲しいところ。

 

DVD Case (back): The Very Best Of / Japan   Liner Notes: The Very Best Of / Japan   DVD Case (inside): The Very Best Of / Japan

 

TRACKLIST
1. Life In Tokyo / 2. Quiet Life / 3. I Second That Emotion / 4. Gentlemen Take Polaroids / 5. Swing / 6. Visions Of China / 7. Nightporter / 8. Overture (Burning Bridges) / 9. Sons Of Pioneers / 10. Gentlemen Take Polaroids / 11. Swing / 12. Cantonese Boy / 13. Visions Of China / 14. Canton / 15. Ghosts / 16. Still Life In Mobile Homes / 17. Methods Of Dance / 18. The Art Of Parties / 19. Voices Raised In Welcome, Hands Raised In Prayer

1. ライフ・イン・トウキョウ / 2. クワイエット・ライフ / 3. セカンド・ザット・エモーション / 4. 孤独な影 / 5. スウィング / 6. ヴィジョンズ・オブ・チャイナ / 7. ナイトポーター / 8. 序章(バーニング・ブリッジズ) / 9. サンズ・オン・パイオニアーズ / 10. 孤独な影 / 11. スウィング / 12. カントニーズ・ボーイ / 13. ヴィジョンズ・オブ・チャイナ / 14. カントン / 15. ゴウスツ / 16. メソッズ・オブ・ダンス / 17. スティル・ライフ・イン・モウビル・ホームズ / 18. ジ・アート・オブ・パーティーズ / 19. 歓迎の叫び、祈りの手

• Tracks 1-7 (Promotional Videos) / Tracks 8-19 (Oil On Canvass - Live At The Hammersmith Odeon 1982)

 

▼ JAPAN - I Second That Emotion

 

 

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