アメリカの世論調査会社ギャラップがアメリカ国民を対象に毎年行っている世界情勢世論調査が今年も2月1日から20日にかけて実施されており、その調査結果が先日発表された。
今回の調査では、アメリカ人が最大の敵として挙げている国は中国(41%)で、次いでロシア(26%)、イラン(9%)という結果になっている。ちなみに、最大の敵国として中国が挙げられたのは4年連続。
■ アメリカ最大の敵に対するアメリカ人の認識 - アメリカ最大の敵はどこの国だと思いますか?
中国とロシアは、アメリカの敵国として依然として上位の割合を示しているが、数値割合としては共に昨年よりも減少している。
なお、アメリカ国民の成人の5%が最大の敵としてアメリカを挙げており、この数値は北朝鮮の4%を上回っている。
■ アメリカ最大の敵に対するアメリカ人の認識 (政党別) - アメリカ最大の敵はどこの国だと思いますか?
回答項目(共和党支持層 / 無党派層 / 民主党支持層)
共和党支持層ではアメリカの最大の敵として中国がトップに挙げられたが、民主党支持層ではロシアがアメリカの最大の敵としてトップに挙げられており、支持層による違いが顕著となっている。
又、世界情勢調査の一環として行われている国別好感度調査についてはカナダと並んで日本が好感度の高い国のトップになった。
なお、今回の調査結果で好意的な評価が高かった国のトップ5は、カナダ(83%)、日本(83%)、イギリス(82%)、ドイツ(79%)、フランス(78%)で、順位の変動はあるものの上位5か国は昨年と同じ顔ぶれとなっている。(カッコ内の数値は「好感が持てる」とした割合)
■ 各国への評価
回答項目(好感が持てる / 好感が持てない / どちらとも言えない)
83% カナダ
83% 日本
82% イギリス
80% ドイツ
79% フランス
77% 台湾
72% 韓国
68% インド
63% ウクライナ
58% イスラエル
57% エジプト
57% メキシコ
39% キューバ
38% サウジアラビア
20% 中国
18% パレスチナ自治政府
15% イラク
13% アフガニスタン
13% イラン
09% 北朝鮮
08% ロシア
※ パレスチナ自治政府
パレスチナについては、2016年3月の時点で、136の国連加盟国が国家として承認しているが、アメリカや日本はパレスチナを国家として承認をしていないため、アメリカや日本での表記は「Palestinian Authority / パレスチナ自治政府」となる。
[特徴と注目点]
今年の調査の特徴としては、評価対象とされた国は21か国と昨年と同じだったものの、ここ数年調査対象からは外れていた韓国がブラジルに代わって調査対象国に選ばれている点が挙げられる。
その他の注目点としては、台湾への好意的な割合と否定的な割合が共に上位5か国と並ぶほどの評価を得ているという点が挙げられる。評価割合としては、昨年(2023年)も台湾への評価は高かったものの(好感が持てるとした割合が77%で、好感が持てないとした割合は19%だった)、今年の調査と比較すると、好感が持てるとした割合は同じ77%ながらも、好感が持てないとした割合は6ポイント減の13%となっていることから相対的には評価が上がったと言える。ちなみに、好感が持てないとした割合は、僅かと言えども、トップ3圏内のカナダとイギリス(共に14%)よりも低く、調査対象国の中では日本に次いで低い数値を示している。
■ 日本に対する年度別評価割合(1989年~2024年)
回答項目(とても好感が持てる / 概ね好感が持てる / 概ね好感が持てない / とても好感が持てない / どちらとも言えない)
※ 2024年の「Very favorable / とても好感が持てる」とした割合(34%)は過去最高値。
■ 参照・引用・出典
▼ Americans Still See China as Nation's Top Foe, Russia Second (MARCH 18, 2024) - GALLUP (英語)
https://news.gallup.com/poll/612170/americans-china-nation-top-foe-russia-second.aspx
▼ Country Ratings - GALLUP (英語)
https://news.gallup.com/poll/1624/perceptions-foreign-countries.aspx
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