アメリカの世論調査会社ギャラップがアメリカ国民を対象に毎年行っている国別好感度調査が今年も2月に行われており、その調査結果が今月の21月に発表された。
今回の調査結果で好意的な評価が高かった国のトップ5は、カナダ(88%)、イギリス(86%)、フランス(83%)、日本(81%)、ドイツ(80%)で、上位5か国は昨年と同じ結果となっている。(カッコ内の数値は「好感が持てる」とした割合)
今回の調査結果の特徴としては、中国とロシアに対するアメリカ人の評価が過去最低レベルにあることと、インドに対する好感度が2022年の評価から大きく(7ポイント)低下したことが挙げられる。この点については、ウクライナとの戦争でロシアを非難しないというインドの決定が原因である可能性があるとギャラップのリポートには記されている。ちなみに、今年のインドに対するアメリカ人の評価は2013年以来最低となっている。
その他では、アメリカ南部の国境に不法入国する移民に関する論争が続く中、メキシコに対するアメリカ人の意見は4ポイント下がったということと、中東のエジプト(現在、アメリカは、テロ対策、安全保障、貿易など多岐にわたる分野でエジプトと協力関係を築いているが、民主主義や人権問題については懸念を示している)への好感度は4ポイント上昇し、これまでの調査の最高値を記録したといったことが、こちらもギャラップのリポートに記されている。
今回の調査の結論としては、アメリカが海外で多くの課題に直面しているときに、アメリカ人はアメリカの緊密な同盟国であるカナダ、イギリス、フランス、日本、ドイツを最も好意的に評価し続けている。一方で、しばしば最悪の評価を受ける北朝鮮に加えて、ロシアの好感度が新たな最低水準に急落し、中国もまた、アメリカ国民の支持をさらに失い、現在、イラン、アフガニスタン、イラクの格付けに並んでいるとリポートは締めくくられている。
なお、今年の調査の評価対象とされた国は21か国で、今回も近隣諸国並びに国の動向がアメリカに影響を及ぼしそうな国が選ばれているようだが、今年も昨今の情勢から、昨年に引き続きウクライナが、そして、昨年は評価対象国から外れていた台湾が再び評価対象国に加えられている。ウクライナ以上に台湾への好感度が高いのも注目点のひとつ。
■ 各国への評価
(パーセンテージの数値は「とても好感が持てる」と「概ね好感が持てる」を合算した割合)
88% カナダ
86% イギリス
83% フランス
81% 日本
80% ドイツ
77% 台湾
70% インド
68% イスラエル
68% ウクライナ
68% エジプト
63% ブラジル
59% メキシコ
42% キューバ
30% サウジアラビア
26% パレスチナ自治政府
17% イラク
15% アフガニスタン
15% 中国
15% イラン
09% ロシア
09% 北朝鮮
※ パレスチナ自治政府
パレスチナについては、2016年3月の時点で、136の国連加盟国が国家として承認しているが、アメリカや日本はパレスチナを国家として承認をしていないため、アメリカや日本での表記は「Palestinian Authority / パレスチナ自治政府」となる。
■ 評価の変化が大きかった国(2022年との比較)
■ 日本に対する年度別評価割合(1989年~2023年)
回答項目(とても好感が持てる / 概ね好感が持てる / 概ね好感が持てない / とても好感が持てない / どちらとも言えない)
■ 参照・引用・出典
▼ Canada, Britain Favored Most in U.S.; Russia, N. Korea Least (March 21, 2023) - GALLUP (英語)
https://news.gallup.com/poll/472421/canada-britain-favored-russia-korea-least.aspx
▼ Country Ratings - GALLUP (英語)
https://news.gallup.com/poll/1624/perceptions-foreign-countries.aspx
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