米ワシントン大学の研究者による2100年の世界の人口と各国の経済力(GDP / 国内総生産)を予測した研究報告が、医学誌「ランセット」に掲載されています。
※ ランセット (The Lancet)
週刊で刊行される医学雑誌で、世界五大医学雑誌のひとつ。
研究チームによると、2100年の世界の総人口はおよそ88億人に減少すると予測(国連による予測よりも20億人減るとの分析)。
2100年の予測では、現在、人口数世界1位の中国は、14億人から7億3,000万人に減少し、3位に後退。中国に代わり、インドが11億人で1位に位置している。そして、人口が3倍以上増え、8億人近くに達すると予測されるナイジェリアが2位になると予測されている。アメリカは微増の3億4,000万人で4位となる見通し。ちなみに、日本は6,000万人と半減することが予測されており、現在の10位から38位へ大きく後退すると予測されている。
又、世界的な人口の減少に関しては、環境、気候変動、食糧生産にプラスの影響を及ぼすが、出生率の低下が最も大きい世界の一部では、労働力、経済成長、社会的支援システムにマイナスの影響を与える可能性があるとしている。
そして、研究チームは、この人口推計に基づき、各国のGDPを算出している。
現在1位のアメリカ、2位の中国の順位は、一旦は逆するが、2050年以降の中国の急速な人口減少により、2098年には再びアメリカがトップに返り咲くと予測されている。
日本については、人口は大きく減少(6,000万人に半減)すると分析されているが、GDPは2100年時点でも、人口が10億人台をキープするとされるインドに抜かれるだけで、現在の順位を1つ落とした4位に留まり、変わらず上位をキープすると予測されている。又、人口が急増するナイジェリアは、28位からトップ10圏内の9位に大きくジャンプアップするとも予測されている。
■ 2100年のGDP予測(上位10か国)
1. アメリカ
2. 中国
3. インド
4. 日本
5. ドイツ
6. フランス
7. イギリス
8. オーストラリア
9. ナイジェリア
10. カナダ
▼ GDPの予測推移
▼ 拡大表示 - GDPの予測推移(2017年 / 2030年 / 2050年 / 2100年)
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今回の研究報告では、80年後の2100年も、インドとナイジェリアの躍進はあるものの、GDPの上位国にはさほど大きな変化はない様子。日本については、先にも記したように、人口が半減する(6,000万人)と予測されているにもかかわらず、GDPは上位をキープするという分析結果も興味深いところ。
■ ちなみに、こちらは直近(2019年)のGDP上位10か国(単位:100万USドル)(IMF調べ)
1. アメリカ (21,433,225)
2. 中国 (14,731,806)
3. 日本 (5,079,916)
4. ドイツ (3,861,550)
5. インド (2,868,930)
6. イギリス (2,830,764)
7. フランス (2,715,818)
8. イタリア (2,001,466)
9. ブラジル (1,839,077)
10. カナダ (1,736,426)
■ 参照・引用・出典
• The Lancet (英語)
• The Lancet (ScienceDirect) (英語)
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