なお、イギリスに於いては、この"Last Christmas"と"Everything She Wants"が両A面シングルとして1984年にリリースされ、2位を記録しているが、アメリカでは"Everything She Wants"だけがシングルとしてリリース(B面は"Like a Baby")されており、"Last Christmas"はシングルとしてリリースされなかった。
ただ、そのアメリカでは、その"Everything She Wants"は1位を記録しているので、アメリカでも"Last Christmas"とのカップリングでリリースされていたら、この"Last Christmas"も1位を記録した曲ということになっていたのかもしれない。ということで、イギリスでの2位という記録も、正確には"Everything She Wants"とのカップリングでの記録ということになる。
と、そんな数あるシドニーでのライヴ音源の中ではこの2枚組の"One Night in Australia"が収録曲数も多く最も充実しているのではないかと思う。その他は大抵が収録曲を絞った1枚モノで出ているようだし。
さて、このライヴ・アルバム、曲目を見ただけでもワクワクするのだが、フルオーケストラを使ったライヴであったということもあり、音に厚みがあって聴き応えがある。実のところ、"Standin' in the Rain"のような曲を生でここまで見事に演奏されていることには正直驚いた。今は亡きケリー・グロウカットのヴォーカルが多くの場面で聴けるのもファンとしてはちょっぴり切なくも嬉しいところ。
ちなみに、このライヴは、"Bev Bevan (Drums)"、"Kelly Groucutt (Bass and Vocals)"、"Mik Kaminski (Violin)"の元"E.L.O."組に、"E.L.O. Part II"の正式メンバーである"Eric Troyer (Keyboards and Vocals)"、"Phil Bates (Guitar and Vocals)"という布陣で演奏されている。
残念ながら、"Strange Magic"、"Sweet Talkin' Woman"、"Confusion"、"Do Ya"、"Hold on Tight"、"Turn to Stone"といった曲はメドレー化されているため、それらの曲は多少短縮して演奏されている。フルで聴けないのはちょっと残念な気がするが、限られた時間の中で多くの曲を演奏するためには仕方ないところだったのかもしれないし、これだけ素晴らしい演奏で名曲の数々を聴かせてくれれば十分満足というもの。
ライヴといえば、スタジオ・ヴァージョンにアレンジが加えられていたりして、興味深いところがあったりする一方、オリジナル曲のイメージからかけ離れてしまい、がっかりすることもけっこう多いのだが、このライヴでは比較的オリジナルに忠実な演奏がされており、長年慣れ親しんだ曲のイメージそのままに安心して聴けるのが嬉しいところ。曲目にクレジットされてはいないが、"Can't Get It Out Of My Head"の前には"Eldorado Overture"が演奏されているのもファンには嬉しいところで、エンディング部分をカットせずに、スタジオヴァージョン同様にフルで演奏される"Mr. Blue Sky"などを聴くと感動さえする。個人的には"E.L.O. Part II"のセカンド・アルバム"Moment of Truth"に収録されていた、ケリー作でリードヴォーカルも彼がとる、お気に入りの"The Fox"がライヴで聴けるのが嬉しいところ。
TRACKLIST (2CD Edition) [Disc 1]: 1. Standing In The Rain / 2. Evil Woman / 3. Don't Wanna / 4. Showdown / 5. Can't Get It Out Of My Head / 6. Whiskey Girls / 7. Livin' Thing / 8. One More Tomorrow / 9. Mr Blue Sky / 10. Telephone Line / 11. Ain't Necessary So / 12. The Fox
[Disc 2]: 1. Strange Music / 2. Sweet Talkin' Woman / 3. Confusion / 4. Do Ya / 5. Rockaria / 6. Roll Over Beethoven / 7. All Fall Down / 8. Witness / 9. 1,000 Eyes / 10. Hold On Tight / 11. Turn To Stone / 12. Rock & Roll Is King / 13. Last Train To London / 14. Don't Bring Me Down
▼ Electric Light Orchestra Part II - Turn To Stone (Australia 1995)
ちなみに、自分が買ったのは、ボーナストラック4曲がプラスされた14曲入りの"Renaissance Records (USA)"盤だが、残念なことに、音質があまり良くないんだよね。何となくダビングされたようなあまり音質が良くない音源をイコライザーで無理やり修正したかのような音といった感じがするのだが、オリジナルの音源を知らないので、後から手が加えられているのかどうかは定かではない。考えられるのは、何らかの理由でマスターテープ自体が無くなっているという状況なのだが、どうなんだろう・・・。ただ、この他にもジャケット違いのものがオフィシャルサイトで販売されていたり、"Koch (USA)"レーベルからはアナログレコード盤に準じた10曲入りCDもリリースされているので、音質面での違いが気になるところではある。
TRACKLIST 1. Am I A Dreamer / 2. Oh Little Darling / 3. Dear Mama / 4. You Don't Need To Hold Me Tight / 5. Black Hearted Woman / 6. Midnight / 7. Don't Wanna Hear That Song Again / 8. Anything Goes With Me / 9. Can't Stand the Morning / 10. Old Rock & Roller / 11. You've Been Telling Lies / 12. Sea of Dreams / 13. I'll Cry for You Tonight / 14. Am I a Dreamer [New Version]
[追記] なんと、まさかまさかの日本盤が先月リリースされているではないか!
▼ Kelly Groucutt TV Performance & Interview in AB 1983 (Am I A Dreamer / You Don't Need To Hold Me Tight)
この"Bionic"では、ジャケット同様、サウンドにも大きな変化が見られるわけだが、1920~40年代のソウル、ジャズ、ブルースといったサウンドをリスペクトして制作された前作"Back to Basics"から一転して、今回は未来をコンセプトに制作されたエレクトロ・ポップ・アルバムとなっている。
エレクトロ・ポップへの布石は"Back to Basics"の後にリリースされたベスト・アルバム"Keeps Gettin' Better"に収録されていた再録音曲や新曲に於いてあったものの、スタイルが違うその他の楽曲と混在しているベスト・アルバムという中にあっては、やや浮いた感じが無きにしも非ずといった印象だったが、今回のように全編を通してしてやられると、全く違和感も感じない、と言うか、これも又、紛れもなくアギレラサウンドといった感じに思えてくるから不思議。
この"Bionic"、本国アメリカでは、18曲入りのスタンダード版と、5曲がプラスされたリミテッド・エディションに分けてリリースされたようだが、日本版はリミテッド・エディションに準じた23曲入りでリリースされている。個人的には、そのプラスされた5曲の中に含まれる"Monday Morning"と"Birds of Prey"がけっこう好きで、これらの曲がボーナストラック的扱いなのは何とももったいない気さえする。
本編内で好きな曲を挙げれば、"Bionic"、"Not Myself Tonight"、"Woohoo"、"Elastic Love"、"Desnudate"、"Glam"、"Lift Me Up"、"I Am"、"You Lost Me"、"I Hate Boys"、"Vanity"と、いくつもの曲が並んでしまう辺りは、クリスティーナ自身が語る「良い曲が沢山詰まっているの」の言葉通りに、このアルバムの充実度を示しているかのようでもある。しかも、1曲1曲が良く練られており、アレンジなどもけっこう複雑で凝っているんだよね。
TRACKLIST
1. Bionic /
2. Not Myself Tonight /
3. WooHoo [feat. Nicki Minaj] /
4. Elastic Love /
5. Desnudate /
6. Love & Glamour (Intro) /
7. Glam /
8. Prima Donna /
9. Morning Dessert (Intro) /
10. Sex For Breakfast /
11. Lift Me Up /
12. My Heart (Intro) /
13. All I Need /
14. I Am /
15. You Lost Me /
16. I Hate Boys /
17. My Girls [feat. Peaches] /
18. Vanity /
19. Monday Morning /
20. Bobblehead /
21. Birds Of Prey /
22. Stronger Than Ever /
23. I Am (Stripped)
ただ、残念なのは、そのスザンナ・ホフスが単独でリードヴォーカルをとる曲が全15曲中、4曲、ヴィッキーと二人でヴォーカルをとる"Riide the Ride"の1曲を足しても5曲と、いかんせん少なすぎるという点。ビートルズやキッスなどと同様、バングルスはメンバー全員がリードヴォーカルをとるバンドというのは分かるけど、もっとスザンナを全面に出しても良かったのではないかという気もする。この辺りはレコーディング費用を自分達で出してアルバムを制作したということからも分かるように、自分達で多くを決めたことで、必然的に平等という意識が強く出てしまった結果ではないかと推測するのだが、どうなんだろうね。
THE BANGLES - BAND MEMBERS • Susanna Hoffs - Acoustic & Electric Guitar, Vocals • Debbi Peterson - Drums, Acoustic Guitar, Percussion, Vocals • Vicki Peterson - Lead Guitar, Acoustic & Electric Guitar, Mandolin, Vocals • Michael Steele - Bass, Acoustic & Electric Guitar, Vocals
TRACKLIST 1. Tear Off Your Own Head (it's a doll revolution) / 2. Stealing Rosemary / 3. Something That You Said / 4. Ask Me No Questions / 5. The Rain Song / 6. Nickel Romeo / 7. Ride the Ride / 8. I Will Take Care Of You / 9. Here Right Now / 10. Single By Choice / 11. Lost At Sea / 12. Song for A Good Son / 13. Mixed Messages / 14. Between The Two / 15. Grateful
Bonus DVD featuring: • A Day In The Life Of The Bangles • Music Video - Something That You Said • Audio Tracks - Getting Out Of Hand / Call On Me / Something That You Said (Brad Wood Mix) • Photo Gallery • Album Lyrics
▼ The Bangles- Something That You Said (tv France)
▼ The Bangles - Tear Off Your Own Head (It's a Doll Revolution)
1曲目の"Tonight You Belong to Me"からポール節全開で、この1曲を聴いただけでこのアルバムの凄さを予兆させられる感じで、初めて聴いたときはほんと興奮したなぁ。"Wouldn't You Like Me to Know"、"It's Alright"、"Love in Chains"と流石ポールと思わせるようなカッコイイ曲が並んでいるが、"Take Me a Way"と"Hold Me Touch Me"のタイプが違うスローな2曲もこれまた素晴らしくて、静と動が共存するパワーバラードとも言える"Take Me a Way"と、シングルカットもされた("Let it Be"に匹敵する名曲と勝手に思う)"Hold Me Touch Me"もどれだけ聴いたことか。
一応、それぞれのメンバーのアルバムを日米のチャート上で比較してみると、"Gene Simmons"(米22位、日24位)、"Ace Frehley"(米26位、日30位)、"Peter Criss"(米43位、日40位)、"Paul Stanley"(米40位、日18位)といったように、アメリカではジーンのアルバムが最上位にランクされていたが、日本ではポールのアルバムが最上位にランクという結果だった。ちなみにシングルの方ではエースの"New York Groove"がビルボードチャートで13位まで上がるヒットを記録している。補足しておくと、日本でのチャート順位は邦楽と洋楽が混ざったオリコンでの総合チャートなので、この当時の日本における"KISS"人気の凄さが分かるのではないかと思う。
TRACKLIST
1. Tonight You Belong To Me / トゥナイト・ユー・ビロング・トゥ・ミー
2. Move On / ムーヴ・オン
3. Ain't Quite Right / エイント・クワイト・ライト
4. Wouldn't You Like To Know Me / 俺の全て
5. Take Me Away (Together As One) / テイク・ミー・アウェイ
6. It's Alright / イッツ・オールライト
7. Hold Me, Touch Me (Think Of Me When We're Apart) / ホールド・ミー・タッチ・ミー
8. Love In Chains / 愛の鎖
9. Goodbye / グッドバイ
クイーンの13作目(ライヴアルバムの"Live Killers"とサウンドトラックの"Flash Gordon"を含む)となるこのアルバム「A Kind of Magic / カインド・オブ・マジック」は、フォーマットがレコードからCDへと移行する転換期にリリースされたことから、この時期にリリースされたアルバムの多くがそうであったように、このアルバムもまた然りで、レコードとCDの両方のフォーマットでリリースされていた。
自分はといえば、このアルバムを最初に手にした時はレコードの方だったが、そういったフォーマットの移行期であったということもあり、レコード会社もCDを売ろうと、レコードよりも収録時間が長いCDの特性を生かして、CDのみボーナストラックを収録というパターンが多く見受けられ、この"A Kind of Magic"も又、ご多分に漏れずそのパターンだった。
このアルバムの魅力と言えば、後期を代表する名曲である"Friends Will Be Friends"(ブライアン曰く"Very Classic Queen Sound")が収録されているという点がまず挙げられるのだが(独断)、自分が好きなのは、やっぱりこういったスタイルのサウンドなんだと再確認できた曲でもあった。そして、その後のライヴでは、ずっと変わらないと思っていた"We Will Rock You"~"We Are the Champions"というコンサートのラストを締めくくる黄金セットの間に入り込む形でこの曲が演奏されているのを次作のライヴアルバム"Live Magic"で知った時は、クイーン自身のこの曲に対する位置付けみたいなものが伝わってくる感じで嬉しかったね(欲を言えばフルでやって欲しかったけど)。
ただ、このアルバムに関しては、良く聴く曲と、そうでない曲が極端なんだよね。これは、あくまでも個人的な嗜好によるものなんだろうけど。ということで、上に挙げた"Friends Will Be Friends"と"Pain is So Close to Pleasure"(どちらも作曲者クレジットは"Mercury & Deacon")はかなりの頻度で聴いていたが、6曲目以降の曲(レコードでいうところのB面)は未だに苦手な感じ。その中では幾分聴く機会もあるのが"Who Wants to Live Forever"だが、それでも後半の終わりそうで終わらないモヤモヤした部分をカットした自作のトラックを作成して聴いていた(ミュージック・ビデオでもこの部分はカットされている)。
アルバムは(英1位 / 米26位)を記録。又、アルバムに先がけリリ-スされていたシングル"One Vision"は(英7位 / 米61位)、アルバムからのファースト・シングル"A Kind of Magic"が(英3位 / 米42位)を記録。そして、その後は、"Friends Will Be Friends"(英14位)、"Who Wants to Live Forever"(英24位)といった曲もシングルカットされている。ただ、アメリカでは独自に"Princes Of The Universe"や"Pain is So Close to Pleasure"といった曲がシングルカットされたようだが、残念ながらチャートインには至らなかったようだ。
そして、もう一つ買ったのが、6分を超えるエクステンデッド・ヴァージョンが収録された"A Kind of Magic"の12インチ・シングル。ちなみに、B面には、アルバム未収録で、"Don't Lose Your Head"の変形とも言えるような曲、"A Doze Red Roses for My Darling"(インストゥルメンタル)が収められている。
TRACKLIST 1. One Vision [Writers: Queen] / 2. A Kind Of Magic [Writer: R. Taylor] / 3. One Year Of Love [Writer: J. Deacon] / 4. Pain Is So Close To Pleasure [Writers: J. Deacon & F. Mercury] / 5. Friends Will Be Friends [Writers: J. Deacon & F. Mercury] / 6. Who Wants To Live Forever [Writer: B. May] / 7. Gimme The Prize (Kurgan's Theme) [Writer: B. May] / 8. Don't Lose Your Head [Writer: R. Taylor] / 9. Princes Of The Universe [Writer: F. Mercury] [Extra Magical Ingredients]: 10. A Kind Of A kind Of Magic / 11. Friends Will Be Friends Will Be Friends / 12. Forever
NOTES
• 日本盤初回プレスCD [Japanese First Pressing CD] • 解説・歌詞・対訳付
■ 追記 こちらは、40周年を記念して2011年にリリースされた2枚組の"40th Anniversary Limited Edition" (2011 Digital Remaster)。
TRACKLIST Disc 1: A Kind Of Magic オリジナル・アルバムに"Extra Magical Ingredients"として収録されていた3曲を除く全9曲
Disc 2: A Kind Of Magic - Bonus EP 1. A Kind Of Magic [Highlander Version] 2. One Vision [Single Version] 3. Pain Is So Close To Pleasure [Single Remix] 4. Forever [Piano Version] 5. A Kind Of Vision [Demo, August 1985] 6. One Vision [Live At Wembley Stadium, July 11th, 1986] 7. Friends Will Be Friends Will Be Friends
※ オリジナル・アルバムに"Extra Magical Ingredients"として収録されていた3曲のうち2曲は「Disc 2」の方に収録されているが、「A Kind Of A kind Of Magic / ア・カインド・オブ・ア・カインド・オブ・マジック」だけは収録されていない。
▼ Queen - Friends Will Be Friends (Official Video)