2015/03/26

FRENGERS 「フレンジャーズ」 / MEW (2003)

CDの帯:フレンジャーズ / MEWAlbum Cover (front): Frengers / Mew  Album Cover (back): Frengers / Mew  CD: Frengers / Mew

最近良く聴いているのが、このデンマーク出身のバンド"Mew"のファースト・アルバム(インディーズ時代を含めると3作目)「Frengers / フレンジャーズ」。このアルバムを購入した動機は、先に購入した5曲入りミニ・アルバム (EP) 「She Came Home for Christmas / シー・ケイム・ホーム・フォー・クリスマス」に結構というか、かなり魅了されたからなのだが、こちらも又、"Mew"独特の世界観に引き込まれるようなスケール感に満ちたアルバムで気に入っている。

で、そのミニ・アルバムを購入するきっかけになった曲"She Came Home for Christmas"を初めて聴いたときはといえば、ヴォーカリストはてっきり女性だと思って聴いていたわけだが、そのヴォーカリストのヨーナスの透明感溢れる声とノイジーなギター、そして、それらを包み込むような幻想的なキーボードが一体となったサウンドには当初から惹かれるものがあった。

又、北欧のバンドということもあってか、当初から"Mew"には何処となく冬といったイメージがあった。何処か物悲しくもあり、そこには憂いのようなものも感じられるのだ。繊細でありながらも、意外と骨太で図太いサウンドではあるんだけどね。個人的には、随所で見られるエッジの効いたギターのカッティングもツボ。

 

Booklet: Frengers / Mewただ、ポップで親しみ易い印象はあっても、曲構成は多彩で、万華鏡のように曲の展開が変化するオープニングの"Am I Wry? No"や、ドラマティックで短編映画のような雰囲気もある"She Came Home for Christmas"、それに、女性ヴォーカルをフィーチャーした"Symmetry"と"Her Voice Is Beyond Her Years"、そして、9分に及ぶ"Comforting Sounds"など変化に富んでおり、アルバムとしては結構大作感もあります。個人的にも、これらの曲は特に好きで、中でも、物悲しくも美しい"Symmetry"と、坦々とした雰囲気の中で、徐々に盛り上がりを見せる"Comforting Sounds"には毎回ゾクゾクさせられます。

まぁ、その"Symmetry"や"Comforting Sounds"を聴けば、"Mew"が単なるポップ・ロック・バンドではないことが分かるのですが、ヴォーカルのヨーナス自身は、「なにも世にも珍しい音楽を作ってるわけじゃなくて、ルールを色んな方向に曲げつつポップソングの可能性を追求しているのさ」とのこと。又、音楽性に関しては、メッセージ性に富んだものではなく、イマジネーションを重視しているのだと。

ちなみに、アルバム・タイトルの"Frengers"は、"friend"(友達)と"stranger"(見知らぬ人、他人)を組み合わせた造語だそうで、友人とは言えないけど、全く知らないわけでもない人を指すらしいです。ベースのヨハン曰く「普段聴き慣れたポップミュージックではないけれど、“なんじゃこりゃ”って代物でもないってことさ」とのこと。

もう10年以上も前のアルバムにはなるのだが、最近リリースされたアルバムと言われても、何の疑いも無く信じてしまうような時代性を感じないサウンドで、言い換えれば、それだけ流行に左右されない普遍的価値を持ったサウンドだと言えるのではないかと思う。

 

▼ MEW "Am I Wry? No" Live at Java Rockin'land 2009

https://www.youtube.com/watch?v=97rI2Nkv5k8

 

▼ Mew - Bo Intermezzo / She Came Home For Christmas / Apocalypso [Live in Copenhagen 2006/4/9]

https://www.youtube.com/watch?v=isJe3QYSEEQ

 

▼ Mew - Comforting Sounds (Live Yahoo)

https://www.youtube.com/watch?v=nH7ZZq1rzq4

 

▼ Mew - Symmetry

https://www.youtube.com/watch?v=soKmGKAVUk4

 

▼ こちらは"Birdy"による"Comforting Sounds"のカヴァー

Birdy - Comforting Sounds
https://www.youtube.com/watch?v=QpFjuC7JrAo

 

TRACKLIST (Japan Edition)
1. Am I Wry? No / 2. 156 / 3. Snow Brigade / 4. Symmetry / 5. Behind the Drapes / 6. Her Voice Is Beyond Her Years / 7. Eight Flew Over, One was Destroyed / 8. She Came Home for Christmas / 9. She Spider / 10. Comforting Sounds / 11. I Should Have Been a Tsin-Tsi (For You) [Japanese Edition Bonus Track] / 12. Wherever [Japanese Edition Bonus Track]

1. アム・アイ・ライ?ノー / 2. 156 / 3. スノー・ブリゲイド / 4. シンメトリー / 5. ビハインド・ザ・ドレイプス / 6. ハー・ヴォイス・イズ・ビヨンド・ハー・イヤーズ / 7. エイト・フルー・オーヴァー、ワン・ワズ・デストロイド / 8. シー・ケイム・ホーム・フォー・クリスマス / 9. シー・スパイダー / 10. コンフォーティング・サウンズ / 11. アイ・シュッド・ハヴ・ビーン・ア・ツィン・ツァイ(フォー・ユー)(日本盤ボーナス・トラック) / 12. ホウェアエヴァー(日本盤ボーナス・トラック)

NOTES
• Japanese Version featuring 2 Bonus Tracks: "I Should Have Been a Tsin-Tsi (For You)" and "Wherever".
• 解説・歌詞・対訳付

• Singles: "Comforting Sounds" 48位 (UK)、"Am I Wry? No" 47位 (UK)、"She Came Home for Christmas" 55位 (UK)

 

 

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She Came Home For Christmas (2003) / Mew

My Favorite Christmas Songs

2015/03/18

中南米地域5か国における対日世論調査(2014年 - 2015年)

今月の11日に外務省が中南米地域5か国における対日世論調査の結果を発表しました。中南米5か国を対象にした対日世論調査は今回が初めてだそうで、選択肢として挙げられた13か国の中では、日本が最も信頼できる国のトップになるなど、日本に対する好感度が高いことを示す調査結果となったようです。

調査は昨年12月から今年2月にかけて行われたもので、調査方式は以下の通り。

• 調査委託機関:IPSOS社
• 調査対象:メキシコ、ブラジル、コロンビア、チリ、トリニダード・トバゴ (T&T) の識字層約300~400名(メキシコ407名、ブラジル400名、コロンビア300名、チリ300名、T&T300名、計1,707名)
• 調査方法:オンライン調査(T&Tは会場調査と面接方式の併用)

 

調査結果概要(外務省のウェブサイトから抜粋編集)

1. 日本との関係については、「良好である」もしくは「どちらかというと良好である」と回答した割合が74%。又、日本に「親しみを感じる」もしくは「どちらかというと親しみを感じる」と回答した割合が80%を占めるなど、肯定的に評価する割合が高いことが示されています。更に、アジアや欧米の主要13か国の中で「最も信頼できる国」として日本を選択した割合は13か国中トップでした。

2. 中南米5か国にとって現在重要なパートナーはどこの国かとの質問については、アジアや欧米の主要13か国の中で米国(70%)、日本(33%)、中国(29%)の順で評価されました。又、将来重要なパートナーはどの国かとの質問については、日本(42%)、米国(31%)、中国(30%)の順で評価されました。(注)複数回答方式

3. 日本に関するイメージについては、5か国全体の回答で「経済力・技術力の高い国」(77%)がトップとなり、経済力の高い技術立国といったイメージが強いことが示されました。又、「豊かな伝統と文化を持つ国」(65%)という回答が続き、日本文化に対する高い関心も示されました。日本のどの面について関心があるかとの問いに対しては、「科学技術」(71%)の他、「文化/芸術」(59%)、「日本食」(48%)が上位を占めました。(注)複数回答方式

4. 日系人に関しては、自国の日系人が地域社会の発展のために貢献していると回答した割合は87%、又、日系人が日本と自国の関係強化に貢献していると回答した割合は79%を占めました。更に、日系人についての印象は「勤勉・能率的」(53%)、「親切・礼儀正しい」(51%)が上位を占め、日系人に対する印象が良好であることが示されました。

 

設問と回答結果

外務省のウェブサイトには全部で17の設問と回答結果が記載されていますが、ここではその中からいくつかを抜粋してみました。

 

Q:あなたの国と日本との関係は全体として良好だと思いますか。

• 良好(41%)
• どちらかというと良好(33%)
• どちらかというと良好ではない(3%)
• 良好だとは思わない(1%)

回答を二分すると、良好(74%)、良好ではない(4%)

 

Q:次の国のうち、最も信頼できる国はどの国ですか。(日本、米国、ロシア、中国、韓国、豪州、インド、英国、フランス、ドイツ、スペイン、イタリア、ポルトガル、その他より1つ選択)

日本(20%)、 米国(16%)、 ドイツ(10%)、 豪州(7%)、 英国(6%)、 スペイン(3%)、 フランス(3%)、 イタリア(3%)、 中国(2%)、 ポルトガル(2%)、 その他(4%)、 わからない(25%)

調査対象国別に見ると、メキシコ、ブラジル、チリの3カ国が日本を最も信頼できる国と評価。(コロンビアでは、米国22%、日本19%の評価を得て米国に次いで信頼されている。)

 

Q:あなたの国にとって、現在/将来重要なパートナーは、次の国のうちどれですか。(複数選択)

〈現在〉米国(70%)、日本(33%)、中国(29%)、スペイン(20%)
〈将来〉日本(42%)、米国(31%)、中国(30%)、ドイツ(23%)

調査対象国別に見ると、現在重要なパートナーについて,日本を選択した数が多かった国はブラジル、チリでそれぞれ42%、37%。

将来重要と考えるパートナーについては、全ての国で日本を選択した数が最も多かった。

 

Q:あなたの国に移住した日本人、日系人は地域社会の発展のため貢献していると思いますか。

• 貢献している(58%)
• どちらかといえば貢献している(29%)
• どちらかといえば貢献していない(5%)
• 貢献していない(1%)
• わからない(8%)

回答を二分すると、貢献している(87%)、貢献していない(6%)

 

Q:安倍総理は、「地球儀を俯瞰する外交」として、2014年7月下旬から8月初旬に、あなたの国を訪問しました。このような総理の活動をどのように評価しますか。

• 評価できる(51%)
• どちらかというと評価できる(25%)
• どちらかといえば評価できない(4%)
• 評価できない(1%)
• わからない(19%)

回答を二分すると、評価できる(76%)、評価できない(5%)

 


 

以下は各設問に対する国別の回答結果を比較したもの(外務省のウェブサイトにある設問と回答結果から抜粋掲載)
※国名にあるT&Tはトリニダード・トバゴの略

 

中南米地域5か国における対日世論調査

「質問 1」で興味深いのは、「民主主義、自由主義など米国と価値観を共有する国」の項目で、どの国も一様に一桁台のイメージしかないのは、明らかにアメリカとは違う国と見られているということなんでしょうか。

 

中南米地域5か国における対日世論調査

 

中南米地域5か国における対日世論調査

「質問 3」については、アメリカで行われた対日世論調査でも、これと似たような調査結果になっていましたが、アニメやマンガといったものはそれほど高くなく、伝統的なものに比較的多くの関心が寄せられているという結果に。

 

中南米地域5か国における対日世論調査

 

中南米地域5か国における対日世論調査

 

中南米地域5か国における対日世論調査

「質問 12」については、「次の国のうち」と書いてあるだけなので、この表に記載されている国だけが選択の対象として挙げられた国かと捉えてしまいそうですが、先に「設問と回答結果」の項目で記したように、選択肢として挙げられているのは、日本、米国、ロシア、中国、韓国、オーストラリア、インド、英国、フランス、ドイツ、スペイン、イタリア、ポルトガル、その他と、結果概要のページには記載されています。

結果概要のページに記載されている回答結果でもそうでしたが、選択肢として挙げられている国が13か国なのに対し、回答に記載されている国は10か国と、3か国が回答結果から除外されています。この3か国については、恐らくはゼロという結果だったのだろうと推測されるのですが、設問の趣旨からしても、こういった場合には、ゼロならゼロで、挙げられた対象国は全て記載した方がいいのではないでしょうか。又、この表には記載されていませんが、「質問 12」については、1つを選択する質問方式がとられているとのこと。

 

中南米地域5か国における対日世論調査

こちらの「質問 13」も、「質問 12」と同様に「次の国のうち」と書いてあるだけなのですが、恐らくは「質問 12」と同じ国が選択の対象として挙げられているのだと思います。なお、「質問 12」については1つを選択する質問方式だったのに対し、こちらの「質問 13」と、次の「質問 14」は複数回答が可能な質問方式である点も留意して見る必要がありますね。

 

中南米地域5か国における対日世論調査

 

以下は、現地の日系人に関連した設問になります。

中南米地域5か国における対日世論調査

 

中南米地域5か国における対日世論調査

 

中南米地域5か国における対日世論調査

「質問 15」、「質問 16」、「質問 17」の日系人に関する設問については、どれも良好な回答結果が得られており、これらの日系人に対する印象が、日本に対する印象にも少なからず影響しているのではないかと思われます。

 

出典:外務省ホームページ

外務省 - 中南米地域5か国における対日世論調査(結果)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_001898.html

外務省 - 中南米地域5カ国における対日世論調査(結果概要) (PDF)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000070262.pdf

外務省 - 中南米地域5か国における対日世論調査(全質問・回答集計結果) (PDF)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000070263.pdf

 

 

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2015/03/17

特別なソフトを使うことなく簡単に画像をリサイズ (Mac & Windows)

このブログではなく、ウェブサイトの方の話になるのですが、サーバーの使用領域が99%を超える事態になっていたので、容量確保のために、アップロード済みの画像の中からファイルサイズの大きい画像300点近くをリサイズしてアップロードし直しました。

ただ、リサイズとはいっても、無駄に大きかったファイルの容量だけを減らしたので、画質も見た目はこれまでと全く変わらない感じで、実際、自分自身、ファイルのサイズを確認しない限りは、どちらが元の画像なのか判別できないほど。

リサイズ作業に関しては、使い慣れているということもあり、グラフィック系のソフトを使って行ったのですが、画像のリサイズ自体は、"Mac"だとプレビューで表示して画像の編集が行えますし、"Windows"に標準で備わっている「ペイント」でも画像のリサイズは可能なので、特別なソフトを使わずとも、誰でも簡単にできます。

"Mac"だと、画像を選択→上部のメニューバーから「ファイル」→「開く」、もしくは右クリックで「開く」。これで選択した画像がプレビューで表示されるので、続けて、メニューバーから「ツール」→「サイズを調整...」で画像のリサイズが行えます。又、複数の画像を一括でリサイズしたい場合には、画像を選択して、上記と同じ操作で画像をプレビューで表示した後に、メニューバーから「編集」→「全てを選択」という操作を挟んで、メニューバーから「ツール」→「サイズを調整...」で簡単に一括編集が行えます。

 

ちなみに、このプレビューからは、画像のみならず、"PDF"の編集も行えます。

▼ Mac ハンドブック:プレビューアプリケーションで画像や PDF を表示および編集する
https://support.apple.com/ja-jp/HT201740
▼ アーカイブ(ページの内容が削除されているか変更されている場合はコチラ)
http://web.archive.org/web/20150217024752/https://support.apple.com/ja-jp/HT201740

 

"Windows"については、下記のページをご参照ください。

▼ ペイントを使用して画像のサイズを変更する (Windows 7)
http://windows.microsoft.com/ja-jp/windows7/resize-a-picture-using-paint
▼ アーカイブ(ページの内容が削除されているか変更されている場合はコチラ)
http://web.archive.org/web/20150307000758/http://windows.microsoft.com/ja-jp/windows7/resize-a-picture-using-paint

2015/03/13

QUEEN FOREVER 「クイーン・フォーエヴァー ~ ベスト・オブ・ラヴソングス」 / QUEEN (2014)

CDの帯:クイーン・フォーエヴァー ~ ベスト・オブ・ラヴソングス (2CD)  / クイーンAlbum Cover (front): Queen Forever / Queenこの「Queen Forever / クイーン・フォーエヴァー ~ ベスト・オブ・ラヴソングス」は3曲の新曲を含むクイーンのコンピレーション・アルバムで、選曲はブラアイン・メイとロジャー・テイラーが行ったとのこと。

アルバムは、この2枚組と、1枚ものの2種類が発売されており、当初は新曲目当てということもあり、1枚ものの方で十分かなと思ってそちらを買おうとしていたのだけれど、もしかしたらさり気なく手が加えられたヴァージョンがこっそりと潜んでいるかもしれないと思い、結局はこちらの2枚組を購入。

で、その、こっそりと潜んでいるかもしれないヴァージョンは確かにあった。ただ、それらは曲の頭や最後の部分がカットされているといった類の編集なので、特にお~っというものは無かった。それでも、新曲の3曲に続く"Play The Game"は、イントロのシンセ部分がカットされていて、いきなりヴォーカルから始まるので、最初に聴いたときは意表を突かれた感じでちょっとビックリしたけどね。

一応、どういった曲が編集されているのかを気付いた範囲で記しておくと、「ディスク-1」では、その"Play The Game"と、ヴォーカルが繰り返されるエンディングのパートがそっくりカットされている"You Take My Breath Away"。そして、「ディスク-2」では、エンディングのピアノの一音がカットされている"Somebody To Love"と、エンディング部分のパートが短く編集されている2枚組の方の日本盤ボーナストラックとなる"Teo Torriatte (Let Us Cling Together)"。

と、自分が気付いたのはこの4曲だけど、もしかしたら、これ以外にもどこかしらが編集されている曲が含まれているかもしれない。

CD-1: Queen Forever / Queen  CD-2: Queen Forever / Queen  Booklet: Queen Forever / Queen

なお、1枚ものの方は日本盤ボーナストラックが"I Was Born To Love You"になっており、2枚組の方の日本盤ボーナストラックである"Teo Torriatte (Let Us Cling Together)"は収録されていない。

ちなみに1枚ものの方の収録曲はこうなっている。

「Queen Forever / クイーン・フォーエヴァー ~ ベスト・オブ・ラヴソングス」 (1CD)
1. Let Me In Your Heart Again /  2. Love Kills - the ballad /  3. There Must Be More To Life Than This (William Orbit Mix) /  4. It's A Hard Life /  5. You're My Best Friend /  6. Love Of My Life /  7. Drowse /  8. Long Away /  9. Lily Of The Valley /  10. Don't Try So Hard /  11. Bijou /  12. These Are The Days Of Our Lives /  13. Las Palabras De Amor (The Words Of Love) /  14. Who Wants To Live Forever /  15. A Winter's Tale /  16. Play The Game /  17. Save Me /  18. Somebody To Love /  19. Too Much Love Will Kill You /  20. Crazy Little Thing Called Love /  21. I Was Born To Love You (日本盤ボーナス・トラック)

CDの帯:Queen Forever / Queen  CDの帯:Queen Forever / Queen

肝心の新曲が後回しになってしまったが、フレディ・マーキュリーとマイケル・ジャクソンがコラボした曲「There Must Be More To Life Than This / 生命の証」については、近々リリースされるであろうことをブライアンとロジャーが以前から語っていたので、どういったアルバム形態でリリースされるのかと楽しみにしていた。個人的には"Made in Heaven"のようなスタイルでのリリースを期待していたのだが、リリースできるような音源が少なかったのか、結果的にはこのように新曲を含むコンピレーション・アルバムという形態でリリースされたのだが、まぁ、デモやらアウトテイクやらを集めてお茶を濁すような形でリリースされるよりは、このように作品として一定のクオリティーを持ったものだけをリリースしてもらって良かったようには思う。

で、その"There Must Be More To Life Than This"については、正直言って、思っていたものとは随分と違った曲に仕上げられていたこともあり、当初はなんだか微妙な感じがした。というのも、この"There Must Be More To Life Than This"はフレディがソロでリリースした曲の中でも特に好きな曲の一つでもあるが故に、それだけ期待が大きかったということも要因のひとつとしてあるのだが、何よりも、ピアノ曲がギター曲になっていることへの違和感が大きかったのだ。

イメージとしては、フレディ亡き後にリリースされたアルバム"Made In Heaven"に収録されていたタイトル・トラックでもある"Made In Heaven"のような重厚でドラマティックなクイーンスタイルの曲を思い浮かべていただけに、何だか拍子抜けした感じだった。それに、オリジナルのヴァージョンに比べるとエンディングが淡々としていて、今ひとつ余韻に浸れない印象があったのだ。個人的にはピアノの演奏でフェードアウトしていくオリジナル・ヴァージョンのエンディングが好きだったので、この部分が全く違うものになっていることに対する違和感もあった。

それでも、繰り返し聴いていく内に、当初の印象よりは大分良くなってきた感じで、今では、フレディのオリジナル・ヴァージョンとの違いが明確で良かったのではないかと思うようにもなった。又、曲が完成することはなかったものの、フレディのソロアルバムに収録される以前に、クイーンの楽曲としてバッキング・トラックがレコーディングされていたこともあり、オリジナル4での演奏になっているのもファンにとっては嬉しいところだしね。

ただ、ロジャーの話しによると、この曲は2種類の違ったヴァージョンがあって、今回はウィリアム・オービットによるミックス・ヴァージョンの方が収録されているものの、ブライアンとロジャーが整理した殆んど何も付け足してないもうひとつのヴァージョンもあるとのことなので、もしかしたらそのもうひとつのヴァージョンの方も何れ発表されることになるかもしれない。

「Love Kills - the ballad / ラヴ・キルズ(バラード)」については、この曲が果たしてバラードになるのだろうか?と心配していたような所もあったのだが、これが結構良いんだよね。オリジナルのエレポップ風ピコピコサウンドが、バラードとはいえ、まさかアコースティック・ギターで始まる曲に生まれ変わるとは思ってもみなかったので、多少驚きもあったのだが、これが全然無理が無くて良い感じ。しかも、ロジャー曰く、「実は僕たちも当時は内緒でこのトラックの演奏に参加してたんだよ」とのことで更にびっくり。

そして、新曲としてアルバムのトップに収録されているのが、純粋な未発表曲である「Let Me in Your Heart Again / ユア・ハート・アゲイン」。元々はアルバム「The Works / ザ・ワークス」のセッション中にレコーディングされていたもので、未完成のまま残されていた音源にブライアンとロジャーが新たに手を加えて完成させた曲とのことだが、いやいや、こんなクオリティーの曲がまだ残されていたとは驚きました。ヴォーカルがフレディなのは言うに及ばず、ベースがジョンなのも嬉しいところだね。

▼ 左からオリジナル・ブックレットの表、裏、日本語ブックレット

Booklet (front): Queen Forever / Queen  Booklet (back): Queen Forever / Queen  Japanese Booklet: Queen Forever / Queen

実を言うと、新曲以外のその他の収録曲については、それほど興味が無く、何が収録されていても別に構わないと思っていたような所もあったのだが、割と自分好みの曲が多く収録されていることもあり、新曲を聴く流れで、そのまま他の曲も聴き続けることが結構多いのだ。もしかしたら、これまでにリリースされたコンピレーション・アルバムの中では、このアルバムの収録曲が一番好みに合っているかもしれない。

Queen Forever / Queen  Queen Forever / Queen

Album Cover (inside): Queen Forever / Queen  Queen Forever / Queen

▲ 先にリリースされた"Live At The Rainbow '74"と同様に、中央のモノクロ写真の内側にオリジナルのブックレットと日本語のブックレットが入っている。上部から取り出せるようになっていれば取り出しやすいのだが、横から取り出す構造になっているので多少取り出し辛い。

 

▼ Queen Forever (Trailer) - Queen Official

https://www.youtube.com/watch?v=wYNfY9rEAG4

 

▼ Queen - Teo Torriatte (Let Us Cling Together) - (Official Lyric Video)

https://www.youtube.com/watch?v=Ge18n2JCwBs

 

なお、クレジットの最後には"Dedicated to Mike Stone and David Richards"の一文が記されている。

この2人について補足しておくと、「Mike Stone / マイク・ストーン (1951 - 2002)」は、1973年のファースト・アルバム「Queen / 戦慄の王女」から6作目の「News of the World / 世界に捧ぐ」までエンジニアとしてクイーンのアルバム制作に携わった人物で、"News of the World"ではメンバーのサポートという形でプロデューサーとしての役割も果たしている。そういえば、昨年の2014年にリリースされた"Live At The Rainbow '74"にも"Recorded by Roy Thomas Baker and Mike Stone"と、その名がクレジットされていたのだった。

又、その他では、1978年の"Peter Criss (KISS)"と、"Paul Stanley (KISS)"のソロアルバムの制作にも携わっており、1979年にリリースされたニュー・イングランドのファースト・アルバム「New England / 失われし魂」ではキッスのポール・スタンレーと共にアルバムのプロデュースを行っている(セカンド・アルバムでも引き続きメンバーとのジョン・ファノンと共にアルバムをプロデュースしている)。

その後は、1981年の"Escape"、1983年の"Frontiers"、1986年の"Raised on Radio"と、3作続けてジャーニーのアルバムでプロデューサーを務め、その間の1982年には、エイジアのファースト・アルバム「Asia / 詠時感~時へのロマン」と、続く1983年のセカンド・アルバム「Alpha / アルファ」をプロデュースするなど、大ヒットアルバムとの関わりも少なくないエンジニア&プロデューサーだった。

個人的にも、この人の音作りはとても好きだったので、亡くなられたのは非常に残念。上に挙げたクイーン以外のアルバムも全て持っているし、どれも大好きなアルバムだしね。

そして、「David Richards / デヴィッド・リチャーズ (1956 - 2013)」も、同じくクイーンのアルバム制作に数多く携わってきた人物で、1986年の"A Kind of Magic"、1989年の"The Miracle"、1991年の"Innuendo"、1995年の"Made in Heaven"と、主に後期のアルバムのプロデュースを行っていた。

又、それ以前にも、1979年の"Live Killers"、1986年の"Live Magic"と、2つのライヴ・アルバムでも制作に携わっており、他にも、ロジャー・テイラー初のソロ・アルバムである1981年の"Fun in Space"と、1984年の"Strange Frontier"、それに、ロジャー・テイラーのソロ・ユニットである"The Cross"の"Shove It" (1988)、オペラ歌手のモンセラート・カバリエと共演したフレディ・マーキュリーのソロ・アルバム"Barcelona" (1988)、フレディ亡き後にリリースされたブライアン・メイのソロ・アルバム"Back to the Light" (1992)、"Another World" (1998)、といったアルバムでもアルバム制作に携わっていた。

クイーンのアルバムのみならず、各自のソロ・アルバムの制作にも数多く携わっていたことから、クイーンのメンバーとの信頼関係も厚かったんだろうね。

 

TRACKLIST (Japanese 2CD Edition)
CD 1:
1. Let Me In Your Heart Again / 2. Love Kills - the ballad / 3. There Must Be More To Life Than This [Queen & Michael Jackson] (William Orbit Mix) / 4. Play The Game / 5. Dear Friends / 6. You're My Best Friend / 7. Love Of My Life / 8. Drowse / 9. You Take My Breath Away / 10. Spread Your Wings / 11. Long Away / 12. Lily Of The Valley / 13. Don't Try So Hard / 14. Bijou / 15. These Are The Days Of Our Lives / 16. Nevermore / 17. Las Palabras De Amor (The Words Of Love) / 18. Who Wants To Live Forever

1. ユア・ハート・アゲイン / 2. ラヴ・キルズ(バラード) / 3. 生命の証 (クイーン & マイケル・ジャクソン / ウィリアム・オービット・ミックス) / 4. プレイ・ザ・ゲーム / 5. ディア・フレンズ / 6. マイ・ベスト・フレンド / 7. ラヴ・オブ・マイ・ライフ / 8. さまよい / 9. テイク・マイ・ブレス・アウェイ / 10. 永遠の翼 / 11. ロング・アウェイ / 12. 谷間のゆり / 13. ドント・トライ・ソー・ハード / 14. ビジュウ / 15. 輝ける日々 / 16. ネヴァーモア / 17. ラス・パラブラス・デ・アモール(愛の言葉) / 18. リヴ・フォーエヴァー

CD 2:
1. I Was Born To Love You / 2. Somebody To Love / 3. Crazy Little Thing Called Love / 4. Friends Will Be Friends / 5. Jealousy / 6. One Year Of Love / 7. A Winter's Tale / 8. '39 / 9. Mother Love / 10. It's A Hard Life / 11. Save Me / 12. Made In Heaven / 13. Too Much Love Will Kill You / 14. Sail Away Sweet Sister / 15. The Miracle / 16. Is This The World We Created / 17. In The Lap Of The Gods...Revisited / 18. Forever / 19. Teo Torriatte (Let Us Cling Together) [Japanese Bonus Track]

1. ボーン・トゥ・ラヴ・ユー / 2. 愛にすべてを / 3. 愛という名の欲望 / 4. 心の絆 / 5. ジェラシー / 6. 愛ある日々 / 7. ウィンターズ・テイル / 8. '39 / 9. マザー・ラヴ / 10. 永遠の誓い / 11. セイヴ・ミー / 12. メイド・イン・ヘヴン / 13. トゥー・マッチ・ラヴ・ウィル・キル・ユー / 14. スウィート・シスター / 15. ザ・ミラクル / 16. 悲しい世界 / 17. 神々の業(リヴィジテッド) / 18. フォーエヴァー / 19. 手をとりあって(日本盤ボーナス・トラック)

 

NOTES
1. Let Me In Your Heart Again
Writer: Brian May
Lead and Backing Vocals: Freddie Mercury
Guitars, and backing Vocals: Brian May
Drums, Percussion and Backing Vocals: Roger Taylor
Bass Guitar: John Deacon

2. Love Kills - the ballad
Writers: Freddie Mercury and Giorgio Moroder
Lead and Backing Vocals and Keyboards: Freddie Mercury
Guitars, Keyboards and Bass: Brian May
Drums and Percussion: Roger Taylor
Additional Electric Guitar: John Deacon

3. There Must Be More To Life Than This [Queen & Michael Jackson] (William Orbit Mix)
Writer: Freddie Mercury
Lesd Vocals: Freddie Mercury and Michael Jackson
Piano: Freddie Mercury
Guitars: Brian May
Drums and Percussion: Roger Taylor
Bass Guitar: John Deacon

• Dedicated to Mike Stone and David Richards
• UK 5位 (Gold) / US 38位

• 日本盤初回プレスCD [Japanese First Pressing CD]
• 見開き6面デジパック仕様
• 解説・歌詞・対訳付

 

 

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2015/03/06

LIVE AT THE RAINBOW '74 / QUEEN (2014)

CDの帯:ライヴ・アット・ザ・レインボー '74 / クイーンAlbum Cover (front): Live At The Rainbow '74 / Queen   Album Cover (back): Live At The Rainbow '74 / Queen

フレディ亡き後、クイーンのライヴ・アルバムは数多くリリースされているので、多少食傷気味なところもあったのだが、この「Live At The Rainbow '74 / ライヴ・アット・ザ・レインボー '74」は、クイーン初期のライヴ・アルバムということで、これまでのライヴ・アルバムとは一線を画する曲構成が新鮮でもあり、自分は勿論のこと、多くのファンにとっても嬉しいリリースだったのではないだろうか。しかも、"Queen II Tour"と"Sheer Heart Attack Tour"の両方のライヴが楽しめるからね。

何しろ、オープニングが"Queen II Tour"の方は"Procession"~"Father To Son"、そして"Sheer Heart Attack Tour"の方は"Procession"~"Now I'm Here"なので、中後期のライヴ・アルバムとは雰囲気が全く違うのだ。又、中後期のライヴに比べるとコーラス・ハーモニーも丁寧だし、フレディのヴォーカルと演奏、それに曲構成もスタジオ・ヴァージョンに割と忠実なので、中後期のライヴと比較すると、スタジオ・ヴァージョンとの垣根がさほど無い印象で、聴き応えがあるんだよね。

それに、これまでのライヴ・アルバムには収録されていなかったオフィシャル初披露のライヴ・ヴァージョンが盛り沢山で、"Father To Son"、"Ogre Battle"、"Son And Daughter"、"White Queen (As It Began)"、"Great King Rat"、"The Fairy Feller's Master-Stroke"、"Modern Times Rock 'n' Roll"、"Flick Of The Wrist"、"In The Lap Of The Gods"("Revisited"じゃない方)、"Bring Back That Leroy Brown"、"Stone Cold Crazy"、"See What A Fool I've Been"といった曲が今回初登場となっている。

又、メドレーという形ではなく、フルで演奏されている"Seven Seas Of Rhye"と"Liar"も初お目見えだし、メドレーに組み込まれた形とはいえ、"The March Of The Black Queen"も、これまたライヴ・アルバムでは初登場となる曲。ライヴ終盤のスタンダード曲によるロックンロールメドレーもこれまた初出のもの。

それにしても、"Bohemian Rhapsody"や"We Are the Champions"が無くても、これだけ素晴らしい内容のアルバムになるのだから、いかにクイーンが、この時代から魅力的な楽曲を数多く生み出していたかということを再認識すると同時に、よくぞここまで初期の複雑に構築された曲をライヴで再現していたものだと感心するばかり。

 

CD 1: Live At The Rainbow '74 / Queen   CD 2: Live At The Rainbow '74 / Queen

 

「ディスク-1」の"Queen II Tour"についていえば、元々は、"Queen II"に続く3枚目のアルバムであると同時に、初のライヴ・アルバムとしてリリースされる予定でレコーディングされていたものだそうだが、レコーディングできる状態の新曲が数多くあったことから、スタジオ・アルバム"Sheer Heart Attack"の制作が優先され、結局はお蔵入りとなったということらしい。

そして、「ディスク-2」の"Sheer Heart Attack Tour"の方は、そのスタジオ・アルバム"Sheer Heart Attack"リリース直後のライヴで、会場は「ディスク-1」の"Queen II Tour"と同じレインボー・シアター。「ディスク-1」の"Queen II Tour"が'74年3月のライヴ、そして、「ディスク-2」の"Sheer Heart Attack Tour"が、それから8か月後となる'74年11月のライヴ、しかも、その"Sheer Heart Attack Tour"の直前にはスタジオ・アルバムの"Sheer Heart Attack"がリリースされているのだから、この時期はかなり精力的に活動していたことが窺い知れる。

自分はといえば、これらのトラックリストを見ただけで聴く前から結構ワクワクしていたアルバムだったのだが、実際に聴いてみると、これが期待に違わない内容で、特に、メドレーで部分的に演奏されているのかと思っていた"The Fairy Feller's Master-Stroke"がフルで演奏されていたことには一番驚いた。又、"Stone Cold Crazy"なんてジョンのベースがブイブイ唸ってカッコいいし、ブートで聴いていた時から特に好きだった"White Queen (As It Began)"の間奏部分にはやっぱりゾクゾクさせられた。それと、MCの所々で聴けるフレディ独特の笑い声が何とも味わいがあっていいのだ。分かっていても毎回釣られて笑みがこぼれるほど。

余談になるが、初期のライヴの定番曲でもある"See What A Fool I've Been"を、自分は長いこと(つい数年前まで)カヴァー曲だとばかり思っていたのだった。この曲はシングル「Seven Seas Of Rhye / 輝ける7つの海」のB面に収録されていただけで、オリジナルのアルバムには未収録だし、初期のライヴでも大抵は後半のカヴァー曲によるメドレーの前後に演奏されることが多かったみたいだしね。それに、何よりも曲調がクイーンのイメージはとは多少かけ離れたようなブルース色が濃い曲なので、ブライアン・メイのソングライター表記を見るまではオリジナルだとは思ってもみなかったんだよね。

 

Album Cover (inside): Live At The Rainbow '74 / Queen

▲ 中央部分の内側にオリジナルのブックレットと日本語のブックレットが入っている(幾分取り出し辛い構造ではある)。

 

ただ、トラック割りに関してはちょっと気になるところ。例えば"Son And Daughter"は、 どちらのディスクも、"Son And Daughter"、"Guitar Solo"、"Son And Daughter (Reprise)"と三分割されているし、同様に"Keep Yourself Alive"も、両ディスク共に、"Keep Yourself Alive"、"Drum Solo"、"Keep Yourself Alive (Reprise)"と三分割されている。まぁ、"Son And Daughter"は長いんで分かるにしても、"Keep Yourself Alive"は分割する意味があったのだろうかね。曲の一部にもなっている1分にも満たない短いドラム・ソロや、後半の"Reprise"の方だけ聴くとか無いからね(笑)。それに、シャッフル再生だと、これらの曲は分割されて再生されることになるしね。

又、他の曲も、曲の頭でトラック割りされてるので、冒頭の曲紹介のMCは前の曲の最後に含まれるかたちなっていることから、アルバムを通して聴く分には問題無いのだが、曲単体で聴くような場合は、ちょっと不自然な感じになる。

ということで、自分の"iTunes"には"Son And Daughter"と"Keep Yourself Alive"は1曲に結合して取り込んでいるし、他の曲もトラック割りし直している。やっぱり、フレディの曲紹介に続いて目的の曲を聴きたいからね。

でも、考えてみたら、このトラック分割は、ダウンロード販売を見据えたビジネス的要素が側面としてあるのかもしれない。例えば、個別に"Son And Daughter"や"Keep Yourself Alive"を購入しようとする場合は当然3トラック分購入することになるだろうし、それならばアルバムごと買った方が割安だと考える人も多いだろうからね。まぁ何と言うか、それだけ音楽業界も厳しい状況だということなんだろうか。

なお、日本盤は、解説、歌詞、対訳付だが、歌詞と対訳はスタジオ・ヴァージョンのものが記載されているので、例えばメドレーとして部分的に組み込まれている"March Of The Black Queen"は長い歌詞の全文が掲載されているし、ライヴではインストゥルメンタル曲として演奏されている"Bring Back That Leroy Brown"も何故か歌詞が掲載されている。まぁ、最近の日本盤はどれもこんな感じからね・・・。

 

CD + Booklet: Live At The Rainbow '74 / Queen   Booklet: Live At The Rainbow '74 / Queen

 

QUEEN - BAND MEMBERS (Listed in Booklet)
• Roger Taylor - Drums and Backing Vocals
• Freddie Mercury - Lead Vocals and Piano
• Brian May - Guitars and Backing Vocals
• John Deacon - Bass Guitar and Backing Vocals

 

TRACKLIST
Disc 1: Queen II Tour - Live at the Rainbow, March '74
1. Procession / 2. Father To Son / 3. Ogre Battle / 4. Son And Daughter / 5. Guitar Solo / 6. Son And Daughter (Reprise) / 7. White Queen (As It Began) / 8. Great King Rat / 9. The Fairy Feller's Master-Stroke / 10. Keep Yourself Alive / 11. Drum Solo / 12. Keep Yourself Alive (Reprise) / 13. Seven Seas Of Rhye / 14. Modern Times Rock'n' Roll / 15. Jailhouse Rock / Stupid Cupid / Be Bop A Lula (Medley) / 16. Liar / 17. See What A Fool I’ve Been

1. プロセッション / 2. 父より子へ / 3. オウガ・バトル / 4. サン・アンド・ドーター / 5. ギター・ソロ / 6. サン・アンド・ドーター(リプライズ) / 7. ホワイト・クイーン / 8. グレイト・キング・ラット / 9. フェアリー・フェラーの神技 / 10. 炎のロックン・ロール / 11. ドラム・ソロ / 12. 炎のロックン・ロール(リプライズ) / 13. 輝ける7つの海 / 14. モダン・タイムス・ロックン・ロール / 15. 監獄ロック / まぬけなキューピッド / ビー・バップ・ア・ルーラ(メドレー) / 16. ライアー / 17. シー・ホワット・ア・フール・アイヴ・ビーン

Disc 2: Sheer Heart Attack Tour - Live at the Rainbow, November '74
1. Procession / 2. Now I'm Here / 3. Ogre Battle / 4. Father To Son / 5. White Queen (As It Began) / 6. Flick Of The Wrist / 7. In The Lap Of The Gods / 8. Killer Queen / 9. March Of The Black Queen / 10. Bring Back That Leroy Brown / 11. Son And Daughter / 12. Guitar Solo / 13. Son And Daughter (Reprise) / 14. Keep Yourself Alive / 15. Drum Solo / 16. Keep Yourself Alive (Reprise) / 17. Seven Seas Of Rhye / 18. Stone Cold Crazy / 19. Liar / 20. In The Lap Of The Gods... Revisited / 21. Big Spender / 22. Modern Times Rock 'n' Roll / 23. Jailhouse Rock / 24. God Save The Queen

1. プロセッション / 2. ナウ・アイム・ヒア / 3. オウガ・バトル / 4. 父より子へ / 5. ホワイト・クイーン / 6. フリック・オブ・ザ・リスト / 7. 神々の業 / 8. キラー・クイーン / 9. マーチ・オブ・ザ・ブラック・クイーン / 10. リロイ・ブラウン / 11. サン・アンド・ドーター / 12. ギター・ソロ / 13. サン・アンド・ドーター(リプライズ) / 14. 炎のロックン・ロール / 15. ドラム・ソロ / 16. 炎のロックン・ロール(リプライズ) / 17. 輝ける7つの海 / 18. ストーン・コールド・クレイジー / 19. ライアー / 20. 神々の業(リヴィジテッド) / 21. ビッグ・スペンダー / 22. モダン・タイムス・ロックン・ロール / 23. 監獄ロック / 24. ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン

 

NOTES
• Disc 1: Queen II Tour - Live at the Rainbow Theatre in London on 31 March 1974
• Disc 2: Sheer Heart Attack Tour - Live at the Rainbow Theatre in London on 19 & 20 November 1974
• Executive Producers: Brian May and Roger Taylor
• Recorded by Roy Thomas Baker and Mike Stone
• UK 11位 / US 66位

• 日本盤初回プレスCD [Japanese First Pressing CD]
• 見開き6面デジパック仕様
• 解説・歌詞・対訳付

 

▼ Queen - Live At The Rainbow - 1974 (Queen Official)

https://www.youtube.com/watch?v=5bQlyDygns8

 

 

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