'70年代から'80年代を代表する女性シンガーと言えば、必ずやその名が挙がるであろうオリビア・ニュートン=ジョンだが、このアルバム"Totally Hot"が彼女の名前と共に代表作のひとつとして挙げられることはまず無いとは思う。
が、しかし、自分はこのアルバムが大好きなのだ。まぁ、初めて買ったオリビア・ニュートン=ジョンのアルバムがコレだったということもあるのだが、それまであった清純なお嬢様的イメージからの脱却を図りかけていた時期ということもあって、サウンド面でも変化の兆しを見せながらも、幾分は以前の面影もあるという、この辺りのバランス加減が中々良いんだよね。
前年の主演映画「グリース」から、この"Totally Hot"、そして翌年の映画「ザナドゥ」と徐々に推し進めていたイメージチェンジも好評だった所為か、この後の"Physical"からは更に大胆な変貌を遂げていくことになるのだが、ただ、個人的には"Physical"はそれなりに許容できる範囲だったものの、それ以降のケバイ路線は流石についていけず、音楽的にも好きになれなかったことから、しばらくはオリビアからは離れてしまったのだった。
収録されている楽曲について言えば、新境地を見せるオープニングトラックの"Please Don't Keep Me Waiting"と、オリビア自身が作詞作曲を手掛けた"Talk to Me"が当時から好きだった。その"Talk to Me"で見られるメロディーセンスはソングライターとしても非凡な一面を感じさせられるところで、当時はタイトルトラックの"Totally Hot"なんかをシングルカットするよりも、この曲をシングルにすればいいのになんてことを思ったりもしていた。
全体を通した印象としては、新境地を見せる楽曲の間に挟み込むような形で"Dancin' Round and Round"、"Borrowed Time"、"Never Enough"といったこれまでのイメージが残るバラードタイプの楽曲が配列されている所為か、意外と突飛なイメージはないんだよね。ちなみに"Borrowed Time"も"Talk to Me"同様、オリビア自身が作詞作曲を手掛けた曲。
アルバム後半に収められたカヴァー曲については、何となく埋め合わせ的な感じがしないでもないだが、それでも、エリック・カルメンのカヴァー曲である"Boats Against the Current"については、実は結構好きな曲(自分自身はエリック・カルメンのオリジナル・ヴァージョンよりも先にこのオリビアのカヴァーでこの曲を知った)。でも、この曲、歌うとけっこう難しいと思うのだが、誤魔化さずに比較的オリジナルに忠実な歌い方をしているあたりは、'70年代から'80年代にかけて歌姫として君臨していたのは伊達じゃないと感じさせられるところでもある。比較的オリジナルに忠実なカヴァーとはいえども歌いまわしなどオリビアらしい部分もしっかりと楽曲に反映されているしね。しかしながら、ラストの"Gimme Some Lovin'"は正直いらない感じ。タイトルトラックとこの曲が別のもっと魅力的な楽曲であったならこのアルバムは劇的に良くなっていたはずだと思うので、その点だけがちょっと残念なところ。

本当は「さよならは一度だけ」という邦題が付けられていた日本盤を買いたかったのだが、残念ながら廃盤になっているようだったので、こちらのオーストラリア盤を購入。
なお、アルバムは(米7位、英30位、豪4位)を記録、シングルでは"A Little More Love"(米3位、英4位、豪4位)、"Deeper Than The Night"(米11位、英64位、豪71位)、"Totally Hot"(米52位、豪96位)、"Dancin' Round And Round"(米82位)をそれぞれ記録している。
▼ Olivia Newton-John - A Little More Love [Official Music Video]
https://www.youtube.com/watch?v=ZzPru7yrEUQ
それにしても、各動画のコメントを見てみると、その曲のみならず、このアルバムが好きだというコメントが思いのほか多いことに改めて驚くと同時に、それがとても嬉しくもある。
[Official Audio]
▼ Olivia Newton-John - Please Don't Keep Me Waiting
https://www.youtube.com/watch?v=FclDw9TfaoM
▼ Olivia Newton-John - Dancin' Round And Round
https://www.youtube.com/watch?v=brXKBRz4QtM
▼ Olivia Newton-John - Deeper Than The Night
https://www.youtube.com/watch?v=vz7vHVgYWOM
▼ Olivia Newton-John - Borrowed Time
https://www.youtube.com/watch?v=IN6Z_eQ6BRQ
▼ Olivia Newton-John - Never Enough
https://www.youtube.com/watch?v=bBf3tMVvjno
▼ Olivia Newton-John - Boats Against The Current
https://www.youtube.com/watch?v=FBCFZWf62Bo
TRACKLIST
1. Please Don't Keep Me Waiting / 2. Dancin' Round and Round / 3. Talk To Me / 4. Deeper Than the Night / 5. Borrowed Time / 6. A Little More Love / 7. Never Enough / 8. Totally Hot / 9. Boats Against the Current / 10. Gimme Some Lovin'
NOTES
• Label: Festival Records (Import)
• Printed in Australia
• Digitally Remastered
• 歌詞付き
• Released: 1998
• Album: US 7位 - Platinum (1978-RIAA) / UK 30位
• Singles
1. A Little More Love: US 3位 (Gold) / UK 4位
2. Deeper Than the Night: US 11位 / UK 64位
3. Totally Hot: US 52位
4. Dancin' Round and Round: US 82位
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自分が初めて買った"Little River Band"のアルバムが、この"Time Exposure"で、きっかけは、ラジオで聴いた"The Night Owls"(アルバムからの第一弾シングル)に惹かれてというものだった。当時買ったのは「光ある時を」という邦題が付けられたLPレコードだったが、"The Night Owls"以外にも魅力的な曲が数多く含まれていたことから、数え切れないほど聴いてた記憶がある。

これは音楽雑誌「レコード・コレクターズ」のE.L.O.特集号(2001年7月号)。E.L.O.を特集した本や雑誌なんてそうそうないんで、表紙を見ただけで買ったようなところもありましたが、流石レコード・コレクターズだけあって、特集記事も充実しており、けっこう読み応えがある。


"QUEEN THE MRACLE"と題された雑誌のタイトルからして、"The Mracle"発表後のものと勘違いしそうだが、1981年出版ということからも分かるとおり、この時点での最新アルバムはフラッシュ・ゴードンのサウンドトラック盤ということになる。まぁ、ファンの方が見れば、フレディのヒゲ面でいつ頃のものかは概ね分かるというものだが。
初来日を果たした前年に引き続き、来日公演を行った"KISS"。これは、その来日公演後にミュージック・ライフの臨時増刊号として出版された"KISS"特集号で、最初から最後のページまで全てが"KISS"の記事と写真で構成されている。
こちらはミュージック・ライフの臨時増刊として発刊された雑誌で、来日の様子を収めた写真と記事で綴られた"Japan"の特集号。ライヴの模様は当然ながら、オフショットが満載。勿論、最初から最後のページまで全てが"Japan"の記事と写真で構成されおり、丸々一冊が"Japan"という内容。
こちらは1977年に講談社より発行された別冊ヤングフォーク / スーパーアイドルを探せ(1977年)で、クイーン、キッス、エアロスミス、ベイ・シティ・ローラーズ、エンジェルをビッグ5と銘打って特集が組まれた特別号。中でも、キッスは初来日間近ということもあって一際大きく取り上げられている。

これは徳間書店発行の音楽雑誌、ヤングロック4月号(1978年)のビッグ3大特集号。
ニュー・イングランドというバンドの知名度から考えても、日本人でこれら3枚のレコードをリアルタイムで買ったという人は中々いないのではないかと思う。特にサード・アルバムにしてラスト・アルバムとなった"Walking Wild"に至っては日本盤が発売されるこもなかったしね。









